JPH0359122B2 - - Google Patents

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JPH0359122B2
JPH0359122B2 JP15911787A JP15911787A JPH0359122B2 JP H0359122 B2 JPH0359122 B2 JP H0359122B2 JP 15911787 A JP15911787 A JP 15911787A JP 15911787 A JP15911787 A JP 15911787A JP H0359122 B2 JPH0359122 B2 JP H0359122B2
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JP
Japan
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green compact
pipe
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sintered
copper
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JP15911787A
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Shinji Yamada
Akyoshi Sugafuji
Tetsuya Matsuda
Shigeo Nagashima
Yasuhiro Shirasaka
Toshiro Atobe
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Oiles Industry Co Ltd
Original Assignee
Oiles Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は複層からなる焼結摺動部材、とくに鉄
及び鉄合金並びに銅及び銅合金からなり比較的径
の大きいパイプの内面に焼結合金層を密着一体化
して成る複層からなる焼結摺動部材の製造方法に
関するもので、低速度、高荷重の用途に好適な焼
結摺動部材を提供することを目的とするものであ
る。 [従来の技術] 従来、複層からなる焼結摺動部材の製造方法と
しては、薄鋼板上に焼結合金層を被着形成し、該
焼結合金層被着薄鋼板を内側に巻いて円筒状に
し、所謂巻ブツシユとする方法がある。しかし、
該従来方法においては、円筒状に加工する際に円
筒内側の焼結合金層に大きな圧縮応力が加わるた
めに、薄鋼板と焼結合層間の密着強度の低下なら
びに不均一をきたし、また、円筒状に巻く必要か
ら焼結合金層の肉厚をあまり大きくはとれず、そ
の為おのずと得られる摺動部材の使用範囲が限定
されるという欠点がある。 一般に、この種の複層からなる焼結摺動部材に
あつては、その性能は、焼結合金層の自己潤滑
性、耐摩耗性及び強度とともに、上記密着強度の
良否によつて大きく左右されるものであるから、
この点からも前記方法は好ましいものではない。 また、特公昭59−39481号公報に開示の製造方
法のように、パイプの内面に圧粉体を挿入したも
のを焼結し、該圧粉体の焼結時の体積膨張を利用
して該圧粉体からなる焼結合金層を該パイプ内に
密着一体化させる方法も提案されている。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながら、前記公報に開示の方法は圧粉体
内径が比較的小さい(約40mm以下)場合には優れ
た効果を奏効し得るものであるが、圧粉体内径が
より大きくなると、焼結合金層とパイプ内面との
間で得られる密着強度が充分なものとは言い難く
なる傾向があつた。 本発明者等は、上記課題を解決するための鋭意
検討の結果、パイプの内面に円筒状の圧粉体を圧
入したのち、更に、該圧粉体内面にセラミツク粉
末又は、セラミツク粉末及び金属製中子を充填・
挿入し、その後これを焼結することにより、圧粉
体内径が比較的大きい場合(約40mm以上)にも焼
結合金層とパイプ内面との間で強固な密着強度が
得られることを知見し、本発明に至つたものであ
る。 [問題点を解決する為の手段] 即ち、本発明の第一の目的は、重量比で錫4−
10%、ニツケル10−40%、燐0.5−4%、黒鉛3
−10%及び残部銅からなる混合粉末を加圧成形し
て円筒状の圧粉体を製造し、該圧粉体を鉄及び鉄
合金並びに銅及び銅合金よりなる群から選ばれた
金属からなるパイプの内面に圧入したのち、該圧
粉体の内面にセラミツク粉末を充填し、これを環
元性雰囲気もしくは真空中で800−1150℃の温度
で20−60分間焼結して焼結合金層となし、該セラ
ミツク粉末により該圧粉体の焼結時における内径
側への膨張量及び焼結後の冷却時における内径側
への収縮量を拘束し、該膨張量及び該収縮量を外
径側に向けることによりパイプ内面に高い接触圧
力を生じせしめ、この接触圧力により、該パイプ
内面へ圧粉体成分の拡散を生じせしめ、それによ
つて焼結合金層をパイプ内面に密着一体化させる
ことを特徴とする複層からなる焼結摺動部材の製
造方法を提供することにある。 本発明の第二の目的は、重量比で錫4−10%、
ニツケル10−40%、燐0.5−4%、黒鉛3−10%
及び残部銅からなる混合粉末を加圧成形して円筒
状の圧粉体を製造し、該圧粉体を鉄及び鉄合金並
びに銅及び銅合金よりなる群から選ばれた金属か
らなるパイプの内面に圧入したのち、該圧粉体の
内面に金属製中子を挿入し、該中子外面と該圧粉
体内面との間にセラミツク粉末を充填し、これを
環元性雰囲気もしくは真空中で800−1150℃の温
度で20−60分間焼結して焼結合金層となし、該セ
ラミツク粉末により該圧粉体の焼結時における内
径側への膨張量及び焼結後の冷却時における内径
側への収縮量を拘束し、該膨張量及び該収縮量を
外径側に向け、更に該中子の焼結時に於ける膨張
を利用することにより、パイプ内面に高い接触圧
力を生じせしめ、この接触圧力により該パイプ内
面へ圧粉体成分の拡散を生じせしめ、それによつ
て焼結合金層をパイプ内面に密着一体化させるこ
とを特徴とする複層からなる焼結摺動部材の製造
方法を提供することにある。 本発明の第三の目的は、重量比で錫4−10%、
ニツケル10−40%、燐0.5−4%、黒鉛3−10%
及び残部銅からなる成分組成に対し、重量比で50
%以下の鉄を含有した混合粉末を加圧成形して円
筒状の圧粉体を製造し、該圧粉末体を鉄及び鉄合
金並びに銅及び銅合金よりなる群から選ばれた金
属からなるパイプの内面に圧入したのち、該圧粉
体の内面にセラミツク粉末を充填し、これを環元
性雰囲気もしくは真空中で800−1150℃の温度で
20−60分間焼結して焼結合金層となし、該セラミ
ツク粉末により該圧粉体の焼結時における内径側
への膨張量及び焼結後の冷却時における内径側へ
の収縮量を拘束し、該膨張量及び該収縮量を外径
側に向けることにより、パイプ内面に高い接触圧
力を生じせしめ、この接触圧力により該パイプ内
面へ圧粉体成分の拡散を生じせしめ、それによつ
て焼結合金層をパイプ内面に密着一体化させるこ
とを特徴とする複層からなる焼結摺動部材の製造
方法を提供することにある。 本発明の第四の目的は、重量比で錫4−10%、
ニツケル10−40%、燐0.5−4%、黒鉛3−10%
及び残部銅からなる成組成分に対し、重量比で50
%以下の鉄を含有した混合粉末を加圧して円筒状
の圧粉体を製造し、該圧粉末体を鉄及び鉄合金並
びに銅及び銅合金よりなる群から選ばれた金属か
らなるパイプの内面に圧入したのち、該圧粉体の
内面に金属製中子を挿入し、該中子外面と該圧粉
体内面との間にセラミツク粉末を充填し、これを
環元性雰囲気もしくは真空中で800−1150℃の温
度で20−60分間焼結して焼結合金層となし、該セ
ラミツク粉末により該圧粉体の焼結時における内
径側への膨張量及び焼結後の冷却時における内径
側への収縮量を拘束し、該膨張量及び該収縮量を
外径側に向け、更に該中子の焼結時に於ける膨張
を利用することにより、パイプ内面に高い接触圧
力を生じせしめ、この接触圧力により該パイプ内
面へ圧粉体成分の拡散を生じせしめ、それによつ
て焼結合金層をパイプ内面に密着一体化させるこ
とを特徴とする複層からなる焼結摺動部材の製造
方法を提供することにある。 圧粉体焼結後の体積増加は、とくに成分中の黒
鉛に影響されるもので、従来は焼結摺動部材にお
いては、寸法安定性、焼結密度の低下などの面か
ら欠点とされていたものである。本発明は従来欠
点とされていたこの黒鉛混入による圧粉体焼結後
の体積増加を積極的に利用したもので、これは本
発明の一つの重要な特徴である。 本発明において、焼結合金層を構成する錫は主
成分のなす銅と合金化して青銅を形成し、焼結合
金層地の強度、靭性、機械的強度および耐摩耗性
の向上に寄与するとともに、後述するニツケルと
ともに焼結合金層の多孔性を増大せしめる結果を
有する。そして、その混入量が4重量%以下では
上述した結果が十分発揮されず、また10重量%を
超えて混入すると焼結性に悪影響を及ぼす。した
がつて、錫の混入量は4−10重量%、就中5−8
重量%が適当である。 ニツケルは主成分をなす銅に拡散して耐摩耗性
ならびに地の強度向上に寄与する。ニツケルは焼
結時にパイプ内面に拡散してその界面を合金化
し、焼結合金層のパイプ内面への密着強度を増大
させるとともに、後述する燐と一部合金化してニ
ツケル・燐合金を形成し、銅と親和性の良いニツ
ケル・燐合金が焼結合金層とパイプとの界面に介
在して、界面に上記ニツケルの拡散による合金化
と相俟つて焼結合金層をパイプ内面に強固に密着
一体化させる作用をなす。さらに、ニツケルは焼
結時に銅に拡散する際に焼結合金層に空隙を形成
して多孔性を増大させる効果がある。そして、そ
の混入量が10重量%以下では上述の効果が得られ
ず、また40重量%を超えて混入しても上述の結果
に顕著な差が現われないため、その上現を40重量
%とした。したがつて、ニツケルの混入量は10−
40重量%が適当である。 燐は主成分をなす銅と、また成分中のニツケル
と一部合金化して他の強度を高めるとともに耐摩
耗性の向上に寄与する。燐は環元力が強いため、
パイプ内面をその環元作用により清浄化し、前述
したニツケルのパイプ内面への拡散による合金化
を助長する効果がある。なお、ニツケル・燐合金
の効果については前述したとおりである。そし
て、その購入量は0.5−4重量%が適当である。 黒鉛は自己潤滑性を付与するためには、少なく
とも3重量%以上の混入量を必要とするが、混入
量を増して、たとえば10重量%を超えて混入する
と圧粉体の焼結性およびパイプ内面との密着性の
点で問題となる。黒鉛は、焼結時に圧粉体を膨張
させる作用があることは前述のとおりであるが、
本発明ではこの黒鉛混入よる圧粉体の体積膨張を
有効に利用するため、上述した点を考慮してその
混入量はとくに重要となる。 さらに、本発明では上述した焼結合金層を形成
する成分組成、すなわち重量比で錫4−10%、ニ
ツケル10−40%、燐0.5−4%、黒鉛3−10%及
び残部銅に対し、重量比で50%以下の鉄を混入す
ることができる。鉄は主成分をなす銅と固溶しな
いが合金中に分散して、とくに地の強度を高める
効果、及び焼結時に銅が鉄に拡散して、焼結体の
多孔性を増大させる効果がある。この多孔性を増
大させる効果は本発明の摺動部材を含油摺動部材
として使用する場合には特に有利となる。また、
一般に鉄は燐の存在下において燐と合金化して硬
い鉄−燐合金を析出する傾向を示すが、本発明に
おいては成分中のニツケルがその合金化を抑制す
る作用を発揮するため、比較的多量の鉄の混入が
可能となる。 混合粉末の加圧成形は通常2ton/cm2〜7ton/cm2
の範囲の圧力下で行なわれる。 圧粉対内径が約40mm以上ある場合には、焼結時
に於いて、圧粉体の膨張量(外径側)がパイプの
膨張量より小さいので、圧粉体内面にセラミツク
粉末を充填して、圧粉体の内径側への膨張量を拘
束しこれを外径側に向かわせ、更に焼結後の冷却
時に於ける圧粉体の内径側への収縮量を拘束しこ
れを外径側に向かわせることにより、パイプ内面
に高い接触圧力を生じせしめ、その結果、パイプ
と圧粉体との間に強固な密着を得るものである。 本発明方法で使用するセラミツク粉末は、焼結
温度範囲内で溶融しないものであり、圧粉体の配
合組成各成分に対して中性・環元性雰囲気中で非
反応性のものであれば任意のもので良い。例え
ば、黒鉛、炭素、Al2O3、SiO2、ZrO2及びMgO
並びにこれらの複合酸化等が挙げられる。粒度が
あまり細かいものであると、取扱い上難点が生
じ、充填性にも劣るので、35〜200メツシユの範
囲のものが好ましい。焼結温度は800〜1150℃で
あるが、パイプが銅及び銅合金製の場合は800〜
870℃、鉄及び鉄合金製の場合は870〜1150℃が好
ましい範囲である。 圧粉体の内径が特に大きい(約70mm以上)場合
には、焼結時に於ける、圧粉体の膨張量(外径
側)がパイプの膨張量と較べてさらに小さくなる
ので、セラミツク粉末充填により前述の効果に加
えて、更に圧粉体内面に中子を挿入してその熱膨
張力を利用することにより、パイプと焼結合金層
との間に強固な密着を得るものである。 従つて、金属製中子としては、熱膨張係数が大
きく、耐用性のあるもの、例えば、オーステナイ
ト系ステンレス(熱膨張係数約1.5×10-5/℃)
が好適なものである。 中子は丸棒又は中空上の形態をとり得る。尚、
中子は外径は圧粉体の内径よりも10〜30mm小さい
ものが好ましい。 [効果] 発明方法においては、前述のように、圧粉体の
焼結時における黒鉛膨張を有効に利用するもので
あり、その際、圧粉体の内径側への膨張量及び収
縮量のその内面に充填したセラミツク粉末によつ
て拘束し反対に外径側に向かわせ、更には中子の
熱膨張を利用することにより、パイプ内面に高い
接触圧力を生じせしめ、この接触圧力によつてそ
の界面において相互の金属成分の拡散を生じせし
めて焼結合金層をパイプ内面に強固に密着一体化
させるものであり、この結果、パイプ内面と焼結
合金層との密着強度は1000Kg/cm2以上の高い値を
有するものになる。 本発明方法によつて奏効される主な効果は以下
の如く列挙される。 (1) パイプ、特に比較的径の大きいパイプの内面
に焼結合金層が強固に密着一体化した、荷重特
性の大変優れた、即ち、低速高荷重用途に用い
得る複層からなる摺動部材が得られる。 (2) 圧粉体と焼結と同時にパイプ内面へ密着・接
合できるため製造工程が短縮される。 (3) 焼結合金層とパイプとの密着一体化という高
度な技術にもかかわらず、複雑・高度な設備を
必要としない。 (4) セラミツク粉末と金属製中子はくり返し何回
でも使用できるため、経済性が高い。 (5) 本発明方法の各段階は単純かつ合理的であ
り、特に摺動部材の大量生産に適したものであ
る。 (6) 得られる摺動部材に於いて、焼結合金層がパ
イプに強固に密着一体化しているため、機械加
工の際に取り扱いが容易である。 以下、実施例により本発明を更に詳述する。 実施例 1 [第一工程] 内径48.5mm、外径55mm、長さ50mmの寸法を有す
る炭素鋼からなるパイプ(バツクメタル)を用意
した。 [第二工程] 250メツシユを通過する電解ニツケル粉末28重
量%、250メツシユを通過するアトマイズ錫粉末
8重量%、120メツシユを通過する燐銅(燐14.5
%)粉末7重量%、150メツシユを通過する黒鉛
粉末5重量%、150メツシユを通過する電解銅粉
末残部をミキサーにて10分間混合し、混合粉末を
得た。[銅:58%、錫8%、ニツケル:28%、
燐:1%、黒鉛:5%] [第三工程] 上記第二工程で得た混合粉末を金型中に装填
し、成形圧力3ton/cm2で内径42.5mm、外径48.5
mm、長さ25mmの円筒状の圧粉体を得た。 [第四工程] 上記第三工程で得た円筒状圧粉体を第一工程で
用意したパイプ内面にその軸方向に2個圧入し
た。 [第五工程] 上記第四工程で得た、面に円筒状圧粉体を圧入
嵌合したパイプの該圧粉体内面にセラミツク粉末
(Al2O3:83重量%とSiO2:17重量%の混合物、
35〜150メツシユ)粒子を充填したのち、アンモ
ニア分解ガス雰囲気中で1000℃、60分間焼結し
た。 [第六工程] 上記第五工程を経て、焼結合金層をパイプ内面
に密着一体化し、複層からなる摺動部材を得た。
これを機械加工により所望の寸法に加工した。 実施例 2 [第一工程] 内径123.5mm、外径152mm、長さ64mmの寸法を有
する炭素鋼からなるパイプ(バツクメタル)を用
意する。 [第二工程] 250メツシユを通過する電解ニツケル粉末28重
量%、250メツシユを通過するアトマイズ錫粉末
8重量%、120メツシユを通過する燐銅(燐14.5
%)粉末7重量%、150メツシユを通過する黒鉛
粉末5重量%、150メツシユを通過する電解銅粉
末残部をミキサーにて10分間混合し、混合粉末を
得る。[銅:58%、錫8%、ニツケル:28%、
燐:1%、黒鉛:5%] [第三工程] 上記第二工程で得た混合粉末を金型中に装填
し、成形圧力3ton/cm2で内径117.5mm、外径123.5
mm、長さ32mmの円筒状の圧粉体を得た。 [第四工程] 上記第三工程で得た円筒状圧粉体を第一工程で
用意したパイプ内面にその軸方向に2個圧入し
た。 [第五工程] 上記第四工程で得た、内面に円筒状圧粉体を圧
入嵌合したパイプの該圧粉体内面に内径74mm、外
径97.5mm、長さ64mmのオーステイナイト系ステン
レス丸棒の挿入するとともに該圧粉体内面と該丸
棒外面間の隙間にセラミツク粉末(Al2O3:83重
量%とSiO2:17重量%の混合物、35〜150メツシ
ユ)粒子を充填したのち、アンモニア分解ガス雰
囲気中で1000℃、60分間焼結した。 [第六工程] 上記第五工程を経て、焼結合金層をパイプ内面
に密着一体化し、複層からなる摺動部材を得た。
これを機械加工により所望の寸法に加工した。 実施例 3 [第一工程] 内径48.5mm、外径55mm、長さ50mmの寸法を有す
る炭素鋼からなるパイプ(バツクメタル)を用意
する。 [第二工程] 250メツシユを通過する電解ニツケル粉末28重
量%、250メツシユを通過するアトマイズ錫粉末
8重量%、120メツシユを通過する燐銅(燐14.5
%)粉末7重量%、150メツシユを通過する黒鉛
粉末5重量%、150メツシユを通過する電解銅粉
末残部をミキサーにて10分間混合し、混合粉末を
得る。[銅:58%、錫8%、ニツケル:28%、
燐:1%、黒鉛:5%] この混合粉末60重量%に対し、100メツシユを
通過する環元鉄粉末を40重量%混入し、全体の成
分組成が銅:32.4重量%、錫:4.2重量%、ニツ
ケル:16.8重量%、燐:1.8重量%、黒鉛:4.8重
量%、鉄:40重量%からなる混合粉末を得た。 [第三工程] 上記第二工程で得た混合粉末を金型中に装填
し、成形圧力5ton/cm2で内径42.5mm、外径48.5
mm、長さ25mmの円筒状の圧粉体を得た。 [第四工程] 上記第三工程で得た円筒状圧粉体を第一工程で
用意したパイプ内面にその軸方向に2個圧入し
た。 [第五工程] 上記第四工程で得た、内面に円筒状圧粉体を圧
入嵌合したパイプの該圧粉体内面にセラミツク粉
末(Al2O3:83重量%とSiO2:17重量%の混合
物、35〜150メツシユ)粒子を充填したのち、ア
ンモニア分解ガス雰囲気中で1000℃、60分間焼結
した。 [第六工程] 上記第五工程を経て、焼結合金層をパイプ内面
に密着一体化し、複層からなる摺動部材を得た。
これを機械加工により所望の寸法に加工した。 実施例 4 [第一工程] 内径123.5mm、外径152mm、長さ64mmの寸法を有
する炭素鋼からなるパイプ(バツクメタル)を用
意する。 [第二工程] 実施例3の同一組成の混合粉末を製造した。 [第三工程] 上記第二工程で得た混合粉末を金型中に装填
し、成形圧力5ton/cm2で内径117.5mm、外径123.5
mm、長さ32mmの円筒状の圧粉体を得た。 [第四工程] 上記第三工程で得た円筒状圧粉体を第一工程で
用意したパイプ内面にその軸方向に2個圧入し
た。 [第五工程] 上記第四工程で得た、内面に円筒状圧粉体を圧
入嵌合したパイプの該圧粉体内面に内径74mm、外
径97.5mm、長さ64mmのオーステイナイト系ステン
レス丸棒の挿入するとともに該圧粉体内面と該丸
棒外面との間の隙間にセラミツク粉末(Al2O3
83重量%とSiO2:17重量%の混合物、35〜150メ
ツシユ)粒子を充填したのち、アンモニア分解ガ
ス雰囲気中で1000℃、60分間焼結した。 [第六工程] 上記第五工程を経て、焼結合金層をパイプ内面
に密着一体化し、複層からなる摺動部材を得た。
これを機械加工により所望の寸法に加工した。 実施例 5 銅合金(青銅系)から成るパイプを用いて前記
実施例1〜4と同様の方法により各摺動部材を得
た。但し、焼結温度は全て870℃であつた。 比較例 本発明方法におけるセラミツク粉末及び金属製
中子の果す役割の重要性を以下の比較実験により
明らかにした。 実施例1乃至4で得られた本発明の摺動部材に
於ける密着強度と、セラミツク粉末及び中子を充
填及び挿入しない点以外はこれら実施例と同条件
下で製造した摺動部材の密着強度を比較した。結
果を以下の第1表及び第2表に示す。
【表】
【表】 尚、実施例5で得られた本発明の各摺動部材に
関しても同様な比較実験を行つた処、上記結果と
同様のものが得られ、本発明方法によつて得られ
た摺動部材が優れた密着強度を有することが証明
された。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量比で錫4−10%、ニツケル10−40%、燐
    0.5−4%、黒鉛3−10%及び残部銅からなる混
    合粉末を加圧成形して円筒状の圧粉体を製造し、
    該圧粉体を鉄及び鉄合金並びに銅及び銅合金より
    なる群から選ばれた金属からなるパイプの内面に
    圧入し、該圧粉体の内面にセラミツク粉末を充填
    し、これを環元性雰囲気もしくは真空中で800−
    1150℃の温度で20−60分間焼結して焼結合金層と
    なし、該セラミツク粉末により該圧粉体の焼結時
    における内径側への膨脹量及び焼結後の冷却時に
    おける内径側への収縮量を拘束し、該膨張量及び
    該収縮量を外径側に向けることにより、パイプ内
    面に高い接触圧力を生じせしめ、この接触圧力に
    より該パイプ内面へ圧粉体成分の拡散を生じせし
    め、それによつて焼結合金層をパイプ内面に密着
    一体化させることを特徴とする複層からなる焼結
    摺動部材の製造方法。 2 重量比で錫4−10%、ニツケル10−40%、燐
    0.5−4%、黒鉛3−10%及び残部銅からなる混
    合粉末を加圧成形して円筒状の圧粉体を製造し、
    該圧粉体を鉄及び鉄合金並びに銅及び銅合金より
    なる群から選ばれた金属からなるパイプの内面に
    圧入し、該圧粉体の内面に金属製中子を挿入し、
    該中子外面と該圧粉体内面との間にセラミツク粉
    末を充填し、これを環元性雰囲気もしくは真空中
    で800−1150℃の温度で20−60分間焼結して焼結
    合金層となし、該セラミツク粉末により該圧粉体
    の焼結時における内径側への膨張量及び焼結後の
    冷却時における内径側への収縮量を拘束し、該膨
    張量及び該収縮量を外径側に向け、更に該中子の
    焼結時に於ける膨張を利用することにより、パイ
    プ内面に高い接触圧力を生じせしめ、この接触圧
    力により該パイプ内面へ圧粉体成分の拡散を生じ
    せしめ、それによつて焼結合金層をパイプ内面に
    密着一体化させることを特徴とする複層からなる
    焼結摺動部材の製造方法。 3 重量比で錫4−10%、ニツケル10−40%、燐
    0.5−4%、黒鉛3−10%及び残部銅からなる成
    分組成に対し、重量比で50%以下の鉄を含有した
    混合粉末を加圧成形して円筒状の圧粉体を製造
    し、該圧粉体を鉄及び鉄合金並びに銅及び銅合金
    よりなる群から選ばれた金属からなるパイプの内
    面に圧入したのち、該圧粉体の内面にセラミツク
    粉末を充填し、これを環元性雰囲気もしくは真空
    中で800−1150℃の温度で20−60分間焼結して焼
    結合金層となし、該セラミツク粉末により該圧粉
    体の焼結時における内径側への膨張量及び焼結後
    の冷却時における内径側への収縮量を拘束し、該
    膨張量及び該収縮量を外径側に向けることによ
    り、パイプ内面に高い接触圧力を生じせしめ、こ
    の接触圧力により該パイプ内面へ圧粉体成分の拡
    散を生じせしめ、それによつて焼結合金層をパイ
    プ内面に密着一体化させることを特徴とする複層
    からなる焼結摺動部材の製造方法。 4 重量比で錫4−10%、ニツケル10−40%、燐
    0.5−4%、黒鉛3−10%及び残部銅からなる成
    分組成に対し、重量比で50%以下の鉄を含有した
    混合粉末を加圧成形して円筒状の圧粉体を製造
    し、該圧粉体を鉄及び鉄合金並びに銅及び銅合金
    よりなる群から選ばれた金属からなるパイプの内
    面に圧入したのち、該圧粉体の内面に金属製中子
    を挿入し、該中子外面と該圧粉体内面との間にセ
    ラミツク粉末を充填し、これを環元性雰囲気もし
    くは真空中で800−1150℃の温度で20−60分間焼
    結して焼結合金層となし、該セラミツク粉末によ
    り該圧粉体の焼結時における内径側への膨張量及
    び焼結後の冷却時における内径側への収縮量を拘
    束し、該膨張量及び該収縮量を外径側に向け、更
    に該中子の焼結時に於ける膨張を利用することに
    なり、パイプ内面に高い接触圧力を生じせしめ、
    この接触圧力により該パイプ内面へ圧粉体成分の
    拡散を生じせしめ、それによつて焼結合金層をパ
    イプ内面に密着一体化させることを特徴とする複
    層からなる焼結摺動部材の製造方法。
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