JPH0357297Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、金属製アングル材を円形に弯曲して
形成し、主として大径パイプ等の接続に使用され
る環状材に関し、殊にその接続用の透孔を穿設す
る穿孔装置に関する。

［従来の技術］ 従来、この主の環状材への穿孔は手作業で行わ
れて来たが、これを自動作業にしたものが特願昭
61−309497号があるが、この場合にも必ずしも作
業が円滑、確実に実施し得るものではなかつた。

即ち、環状材は、金属製アングル材を強制的に
円形に弯曲させたものであるから、どうしても周
縁に歪みを生じ、平面性において狂いを生じてい
るものであつた。

従つて、穿孔に当つて環状材を順序的に回動す
るためには、充分なる緩みを環状材に与えて、そ
の波打つ回動々作を円滑ならしめるようにするこ
とが必須要件であつた。

［考案が解決しようとする課題］ 上述のような従来の装置においては、尚環状材
の回動が円滑に行われ得ない原因として環状材に
対する透孔打設時の緊締と回転時の解放とが必ず
しも円滑に行われず、特に解放時の状態が環状材
の回転に常に好適であるとは云い得ないものであ
つた。

本考案は、従来の技術の有するこのような問題
点に鑑みてなされたもので、その目的とするとこ
ろは、穿孔装置による透孔打設後の環状材が、上
部雄型や下部雌型からの離脱を確実且つ軽快に行
うと共に環状材の回動を円滑に行い得るようにし
た穿孔装置を提供しようとするものである。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため、本考案における穿孔
装置は、回転軸を中心に放射状に拡圧する多数の
支持腕によつて保持した環状材を任意の角度で断
続的に回動して透孔を順序的に打設するようにし
た環状材穿孔機において、前記環状材の回動域に
設けた穿孔装置は、前記放射方向に移動可能なコ
字型主枠内に透孔打設用の上部雄型と下部雌型と
を対向せしめ、上部雄型は油圧シリンダのプラン
ジヤーと一体に結合すると共に前記プランジヤー
を周回するアコーデオンスプリングを介して一対
の抑止杆を突設し、該抑止杆の先端を上部雄型の
先端より僅かに下方に突出する一方、前記下部雌
型の両側には一対のローラを上下動自在に弾設
し、該ローラの支受け頂面を下部雌型の上面より
僅かに上方に突出せしめてなる穿孔装置を提案す
るものである。

［作用］ 本考案において、上部雄型側のアコーデオンス
プリングを介在させた一対の抑止杆と、下部雌型
側の一対の上下動自在な一対のローラとは、環状
材への穿孔に対して先ず前記の一対の抑止杆と一
対のローラとによつて環状材を弾力的に挟圧し
て、その抑止位置を規正し、更に上部雄型の一層
の下降によつて下部雌型との間において穿孔を行
い、次いで環状材の解放は、前記上部雄型を上昇
して下部雌型より離隔すると同時に環状材の前記
雄型及び雌型からの離脱も、前記抑止杆及びロー
ラによつて確実に行われ、次の環状材の回動作用
を容易且つ軽快ならしめているものである。

［実施例］ 実施例について図面を参照して説明する。

第１図〜第５図において、基台１上の回転軸２
を中心に放射状に支持腕３，３…を設け、この支
持腕３，３…は、何れも放射方向へ拡圧力を付与
されているもので、これによつて環状材４を第２
図示の如く把持するもので、環状材４の大きさに
より、支持腕３を交換し得るようにしてある。

環状材４は金属製の断面Ｌ型のアングル部材を
強制的に環状に変形したものであるため、その周
縁４ａに歪みを生じ易く、環状材４は平面性にお
いて波形をなしているのが通常である。

５は基台１のスライド盤１ａに摺動可能に配置
された穿孔装置で、コ字型主枠６の内側に上部雄
型７と下部雌型８とを配置し、コ字型主枠６の上
部に設置した油圧シリンダ９により上部雄型７を
下降して下部雌型８との間に挟持した環状材４の
周縁４ａに透孔４′を打設するようにしてある。

この上部雄型７は、油圧シリンダ９のプランジ
ヤ９ａに直結してあり、後述するアコーデオンス
プリング１０を貫通しているもので、前記アコー
デオンスプリング１０は、プランジヤ９ａに直結
した上部枠１１とフリーの下部枠１２とを連結し
ているもので、下部枠１２は前記プランジヤ９ａ
を貫通させると共に上部雄型７の両側に断面Ｌ型
の抑止杆１３，１３が突設してある。

一方、下部雌型８の両側には、ローラ１４，１
４が弾設してあり、これはコ字型主枠６の側面に
固定した支枠１５をスプリング１６とボルト１７
を介して支持された調定枠１８に軸支１８してあ
り、ボルト１７を捻回することにより、ローラ１
４の頂面（高さ）に調節し得るようにしてある。

そこで、単に環状材４を載置した状態では、環
状材４は下部雌型８の表面よりは若干押し上げら
れた状態にあり、環状材４の回動が円滑に行われ
るようにしてある。

また、上部雄型７においても、その両側の抑止
杆１３，１３の夫々の下端が雄型７の下端よりも
若干下方に突出しているため、雄型７の打設後の
引き抜きに際して周縁４ａと雄型７との離隔を確
実にするものである。

１９は下部雌型８に連通する打抜き残滓の排出
孔、２０はプランジヤ９ａの作動範囲を規正する
リミツトスイツチ、２１はコ字型主枠６の移動を
司るハンドル、２２はクランプレバーである。

更に第２図示のように、環状材４を支持する支
持ローラ２３，２３の少なくとも一組が基台１上
に弾力的に設置してあり、前述のコ字型主枠６側
の一対のローラ１４，１４と協働して環状材４の
回動を円滑ならしめるようにしてある。

以上の構成からなる本考案穿孔装置は、環状材
４の直径に対応した支持腕３，３…を選んで、そ
の拡圧作用によつて該環状材４を支持腕３，３…
で若干の余裕を与えて固定した後、コンピユータ
ー制御により所望の回転と停止と、停止中におけ
る穿孔を行わせるもので、この穿孔に当つては、
上部雄型７が下部雌型８に対して油圧シリンダ９
によつて圧力降下され、その降下に当つて先ず抑
止杆１３，１３が環状材４の周縁４ａを、下方ロ
ーラ１４，１４との間に弾力的に挟持して、その
位置を決め、次いで更に下降するとアコーデオン
スプリング１０と前記ローラ１４，１４とを共に
夫々の弾力を利用して圧縮して、上部雄型７のみ
がそのまま下降し、下部雌型８と衝合して周縁４
ａに穿孔を施すものである。

次の前記上部雄型７の復動に際しては、該雄型
７が雌型８より最初の若干距離離隔すると、その
離隔した分だけ、抑止杆１３，１３とローラ１
４，１４とが伸長して環状材４を夫々雄型７と雌
型８から引き離すこととなり、離隔が確実に行わ
れる。

従つて、次の支持腕３，３による回転が確実に
行われて支障を来すことがない。

また、環状材４の歪みの状況が相当大きな場合
にも上部雄型７と下部雌型８とは抑止杆１３，１
３とローラ１４，１４とによつて環状材４に直接
接触することを防止されるため、円滑な回転が行
われることとなる。

［考案の効果］ 以上述べた如く本考案によれば、上部雄型７に
金属製のアコーデオンスプリング１０を介して一
対の抑止杆１３，１３を設ける一方、下部雌型８
には一対のローラ１４，１４を弾設して支持腕
３，３…の回転時に環状材４の回転を確実に自由
に解放する結果、円滑な作業が遂行され得るもの
で、実用上の効果はきわめて顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案穿孔装置を施した環状材穿孔機
の要部を示す一部切欠側面図、第２図は同要部の
平面図、第３図は本考案穿孔装置の拡大側面図、
第４図はその正面図、第５図は下部雌型部分の拡
大平面図である。 ２……回転軸、３……支持腕、４……環状材、
６……コ字型主枠、７……上部雄型、８……下部
雌型、９……油圧シリンダ、１０……アコーデオ
ンスプリング、１３……抑止杆、１４……ロー
ラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転軸を中心に放射状に拡圧する多数の支持腕
   によつて保持した環状材を任意の角度で断続的に
   回動して透孔を順序的に打設するようにした環状
   材穿孔機において、前記環状材の回転域に設けた
   穿孔装置は、前記放射方向に移動可能なコ字型主
   枠内に透孔打設用の上部雄型と下部雌型とを対向
   せしめ、上部雄型は油圧シリンダのプランジヤー
   と一体に連結すると共に前記プランジヤーを周回
   するアコーデオンスプリングを介して一対の抑止
   杆を突設し、該抑止杆の先端を上部雄型の先端よ
   り僅かに下方に突出する一方、前記下部雌型の両
   側には一対のローラを上下動自在に弾設し、該ロ
   ーラの支受け頂面を下部雌型の上面より僅かに上
   方に突出せしめてなる環状材穿孔機における穿孔
   装置。