JP2915701B2 - 形材の多種類加工用プレス機 - Google Patents

形材の多種類加工用プレス機

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、本体内に形材のせん断
及び曲げ加工を行う複数の金型を備え、1箇の油圧シリ
ンダを所要の前記金型部に簡易に載置、装着あるいは取
外しを行い得る小型、軽量の形材の多種類加工用プレス
機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の形材の多種類のせん断及び曲げ加
工用プレス機は油圧シリンダの推力を利用し、複数の取
付けられた金型のポンチをリンク機構を用いた構造で一
勢に作用させるものか、又は大型プレス機の台座に多種
類の金型を取付けてプレス作業を行うものであるが、い
ずれも人力による可搬は不可能な大型の機械である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の形材の多種類の
せん断及び曲げ加工用金型を備えたプレス機は大推力に
耐える本体と機構を有するので、人力による可搬は無理
な重量と大きさとなり、作業現場への機械の移動は困難
で、他の作業手段に頼らねばならない問題点があった。
又、全金型が一勢に作動するので安全上の配慮を要して
いる。
【0004】本発明は各種の金型を備えた本体と油圧シ
リンダとを分離した構造にし、作業の際、使用する金型
位置に両者を簡易に装着し、また取外し可能なことによ
って小型、軽量の形材の多種類加工用プレス機を提供す
ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の形材の多種類加工用プレス機においては、油
圧シリンダと複数の金型を備えた本体とを分離可能な構
造にし、本体には略四角形の開口部を中央に、端部にコ
字状の開口部を有し、各開口部に形材のせん断加工及び
曲げ加工用金型を備える。前記金型のポンチに一体化し
たシャンクは本体の上部を貫き、摺動可能にされ、上記
シャンクは一直線上に配置されることが重要である。前
記シャンクを中心とした本体上部の両側と、油圧シリン
ダの下部とに、それぞれ略コ字状に凹んだ被係止部と、
内側に向かう凸状に対向した係止部とを形成することに
より、本体上部を油圧シリンダは着脱自在に載置、移動
することが可能となる。上記シャンクと油圧シリンダの
ピストンロッドとの中心軸を合わせた位置で、油圧シリ
ンダの推力をシャンクを介しポンチに伝達し、形材をせ
ん断あるいは曲げ加工ができる。
【0006】本体状に油圧シリンダを安定した状態で装
着する機構として、金型のポンチに一体化したシャンク
を本体内に一方の支持面を有するスプリングにより本体
より突出させる構成にし、油圧シリンダを装着する場合
には、上記シャンクを押し下げ、ピストンロッド下部を
軸受の下端より凹んだものにしておき、油圧シリンダを
前記シャンクの真上に移動すると、前記シャンクは軸受
内に突入し、確実に装着される。
【0007】せん断加工後、被削材よりポンチを強い荷
重で引き抜く機構として、油圧シリンダの中心に操作棒
を貫通させ、前記操作棒はシリンダ内で拡大部を有し、
操作棒の下端を回転して拡大する軌跡をなす形状にし、
シャンク上部中央に奥部の拡大した穴を形成し、上記操
作棒を前記穴に挿入して廻すことにより操作棒を介して
ピストンロッドとシャンクとを連結し、一体となり作動
できる。また操作棒の下部が前記穴に挿入不可能な回転
位置で、操作棒を使いシャンクを押し下げ、油圧シリン
ダを離脱、移動可能にする。
【0008】
【作用】上記のように構成された形材の多種類加工用プ
レス機は、本体と油圧シリンダとを分離して手持ち運搬
することも可能であり、形材を加工する際、本体と油圧
シリンダとの係止機構により、所要の金型上部に油圧シ
リンダを載置、移動し、油圧シリンダのピストンロッド
とシャンクとの中心軸を合わせた状態で、油圧シリンダ
の推力をシャンクを介しポンチに伝達し、形材のせん断
あるいは曲げ加工を行い得る。
【0009】本体より各シャンクがスプリングにより突
出されている機構では、油圧シリンダを所要の金型部に
装着するために、突出しているシャンクを押下げた後、
油圧シリンダをシャンクの真上に移動すると、油圧シリ
ンダのピストンロッド用軸受内にシャンクが嵌入し、確
実な装着状態でプレス加工ができる。
【0010】油圧シリンダを貫通している操作棒の上部
を押下げて廻すことにより、ポンチに一体化しているシ
ャンクとピストンロッドとを操作棒を介して連結でき、
ピストンロッドの往復動に伴い、ポンチを被削材より強
い荷重で引き抜くことができる。操作棒の上部を押下げ
ることによりシャンクを押下げ、油圧シリンダを移動す
れば容易に離脱することができる。
【0011】
【実施例】実施例について図面を参照して説明すると、
図1〜3において、本体(1)の中央部に略四角形の開
口部(2)、端部に略コ字状の開口部(3,4)を有
し、前記開口部には形材のせん断及び曲げ加工を行う金
型(7,8,9)を取付けて置き、前記開口部より本体
の上方に貫通穴(37,38,39)を一直線上に設け
る。各金型の上型であるポンチと一体化した各シャンク
(17,18,19)を上記の貫通穴に嵌合、摺動可能
にする。上記開口部より本体下方には被削材の抜き屑の
落下穴(12,13,14)を設ける。本体(1)上部
に一直線上に並んだシャンク(17,18,19)を中
心にして両側面に略コ字状の凹んだ被係止部(5)を構
成し、油圧シリンダ(6)の下部には内方に向かう凸状
に対向した係止部(15)を構成する。本体上部に上記
被係止部(5)を案内に、油圧シリンダ(6)は着脱自
在に載置、移動することができ、上記シャンクとピスト
ンロッド(26)との中心軸を合わせた位置でピストン
ロッドの往復動に伴いポンチに伝達された加圧力で形材
をせん断及び曲げ加工をする事ができる。
【0012】図1〜3において、金型のポンチに一体化
したシャンク(17,18,19)は本体内に一方の支
持面を有するスプリング(47,48,49)により引
揚げられて本体(1)より突出しており、油圧シリンダ
(6)のピストンロッド(26)の下端は、その軸受
(36)の下端より凹んでおり、油圧シリンダは本体上
の係止機構(5,15)により載置、移動可能で、上記
シャンクを本体(1)内に押下げ、油圧シリンダ(6)
をシャンクの真上に移動すると、上記シャンクは軸受
(36)内に突出、挿入され、油圧シリンダ(6)は本
体(1)に確実に装着可能になる。ポンチを下げて、シ
ャンクをガイドブッシュ(36)より下げると油圧シリ
ンダ(6)は離脱、移動可能となる。
【0013】図2,3において、油圧シリンダ(6)の
中心を上下に貫通した操作棒(10)はシリンダ内で拡
大部(20)を有し、最下部(30)が図4(a),
(b)の30a,30bのように回転することにより突
出する軌跡をなす形状を有する。シャンク(17,1
8,19)の上端中央部には最奥が拡大した穴(40)
を設け、前記穴は図5(c),(d)の40a、40b
のように、定回転位置で上記操作棒の最下部(30)が
出入り可能な形状であり、従って操作棒を前記穴の最奥
迄挿入して廻すと、シャンク外に操作棒を引外せなくな
る。油圧シリンダより上部に突出した操作棒の上部を操
作して、操作棒の最下部(30)を上記穴(40)に定
回転位置で最奥まで挿入し回転すると、ピストンロッド
(26)は操作棒の拡大部(20)とシャンクに狭雑さ
れ、ピストンロッドと操作棒とシャンクとは一体化して
作動することが可能となる。又、操作棒の最下部(3
0)がシャンクの上端穴(40)に挿入不可能な回転位
置で、操作棒を押下げることによりシャンクを本体内に
押下げると油圧シリンダ(6)を移動、離脱することが
可能となる。
【0014】
【発明の効果】本発明は、請求項1によれば、本体の所
要の金型位置に、油圧シリンダを係止機構により簡易に
載置、移動、装着あるいは離脱でき、プレス加工してい
る際は、本体は構造上負荷を受けない部分が少なく、こ
のため手持ち可搬が可能なほど小型、軽量となる。作業
場所は少なく保管が容易である。形材をプレス加工する
場合、装着された金型のみが作動するので、他の金型部
への安全上の配慮をしなくてよい。
【0015】また、請求項2によれば、ポンチに一体化
したシャンクを押下げ油圧シリンダを前記シャンクの真
上に移動し、油圧シリンダのガイドブッシュにシャンク
が嵌入する機構の場合は、本体に多少の振動を加えて
も、装着状態は確実に保持される。又シャンクを下げる
ことにより、油圧シリンダは簡易に移動、離脱できる。
さらに、請求項3によれば、油圧シリンダを上下に貫通
した操作棒の上部を操作することにより、油圧シリンダ
のピストンロッドとポンチとを連結し、ポンチを被削材
より強い荷重で引抜くことができ、操作棒の上部を押下
げることによりポンチを下げて、切断箇所の位置を事前
に確認することができる。又、離脱操作も容易に行え
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】形材の多種類加工用プレス機の実施例を示す立
体図である。
【図2】形材の多種類加工用プレス機の実施例を示す正
面図である。
【図3】形材の多種類加工用プレス機の実施例を示す側
面図である。
【図4】(a),(b)は操作棒の最下部の実施例を示
す立体図である。
【図5】(a)は図4(a)に対応するシャンク上部の
穴の実施例を示す立面図である。(c)は図5(a)の
A−A断面図である。(b)は図4(b)に対応するシ
ャンク上部の穴の実施例を示す立面図である。(d)は
図5(b)のB−B断面図である。
【符号の説明】
1 本体 2,3,4 開口部 5 被係止部 6 油圧シリンダ 7,8,9 金型 10 操作棒 12,13,14 抜き屑の落下穴 15 係止部 17,18,19 シャンク 20 拡大部 26 ピストンロッド 27,28,29 ポンチ 30,30a,30b 操作棒の最下部 36 軸受 37,38,39 貫通穴 40,40a,40b シャンクの上端中央部の穴 47,48,49 スプリング

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型を備える本体(1)と油圧シリンダ
    (6)とを分離し、上記本体はその中央部と端部とに設
    けられる開口部(2,3,4)にそれぞれ形材のせん断
    又は曲げ加工を行う複数の金型(7,8,9)を備える
    とともに、この金型のポンチと一体化したシャンク(1
    7,18,19)を本体の上部を貫通して摺動可能に設
    け、上記本体の上部と油圧シリンダの下部とに、一方に
    略コ字状に凹んだ被係止部(5)と他方に凸状に対向す
    る係止部(15)とをそれぞれ形成してなる係止機構を
    案内として本体上に油圧シリンダを着脱自在に載置し、
    油圧シリンダのピストンロッド(26)と上記シャンク
    との中心軸を合わせた位置で、ピストンロッドの往復動
    に伴い、ポンチに伝えられた加圧力で形材をせん断又は
    曲げ加工を行い得るようにした形材の多種類加工用プレ
    ス機。
  2. 【請求項2】 上記シャンクをスプリング(47,4
    8,49)により本体上から突出させ、シャンクを押下
    げてピストンロッド(26)の下端がその軸受(36)
    の下端より凹んでいる油圧シリンダ(6)を本体上に載
    置し、シャンクの真上に移動することによって上記軸受
    内にシャンクが突出、挿入され、油圧シリンダが本体の
    定位置に装着可能となる請求項1記載の形材の多種類加
    工用プレス機。
  3. 【請求項3】 拡大部(20)を有する操作棒(10)
    を油圧シリンダの中心に貫通させるとともに操作棒の最
    下部(30.30a,30b)を突出させ、シャンクの
    上端中央部には最奥が拡大した凹みをなす穴(40,4
    0a,40b)を設け、この穴に上記操作棒の最下部を
    出入りさせて操作棒の回転によりピストンロッドとシャ
    ンクとが連結、離脱可能となる請求項1又は2記載の形
    材の多種類加工用プレス機。
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