JPS5925542Y2 - プレス成形装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はプレス成形装置に関するものである。

一般に、例えば小型モータ回転子と電気的に接続する整
流子片の突出部のように円周上にほは゛等間隔に形成さ
れた舌片状突起の折曲成形には、垂直状態の舌片状突起
を折曲げしやすいように少しだけ外方に拡げる工程と、
少しだけ外方に拡げられた舌片状突起を粗い角度に折曲
げる工程と、粗い角度に折曲げられた舌片状突起を更に
折曲げて所定の角度に折曲げる工程とが必要である。

従来これらの工程を折曲角度の異なるパンチを有する別
のヘッドで夫々行なっていたので、装置が大がかりとな
り、しかも加工に多大の時間を要して非常に能率の悪い
ものである等の欠点を有していた。

この考案は上記従来の欠点に鑑みこれを改良除去するも
ので、以下この考案の構成を図面に示す小型モータ回転
子と電気的に接続する整流子片の突出部を折曲成形する
場合について説明すると次の通りである。

第１図に於いて、１は上部にプレス機械の本体を取付け
た機台である。

２は機台１の上部に油圧作動により垂直方向に所定のス
トローク昇降運動し得るように設けられたプレスラムで
ある。

３はパンチであって、パンチ支持筒４を介してプレスラ
ム２のパンチ取付体５に取付けられ、プレスラム２によ
り昇降動作を行うようになっている。

パンチ３は第１パンチ６、第２パンチ７及び第３パンチ
８の３つに分割されている。

第１パンチ６は外周上部に上方に延在するフランジ６ａ
を備え、下端面に突出するストッパーピン９を付設し、
第２パンチ７の中心部に設けた垂直方向の嵌挿孔１０内
に昇降自在に嵌挿して第２パンチ７にフランジ６ａを介
して支承させている。

第２パンチ７は外周上部にフランジ７ａを備え、第３パ
ンチ８の中心部に設けた垂直方向の嵌挿孔１１内に昇降
自在に嵌挿して第３パンチ７の内周に形成した段部８ａ
にフランジ７ａを介して支承させている。

第３パンチ８は外周上部にフランジ８ｂを備え、該フラ
ンザ８ｂをパンチ支持筒４の下端面に固着してパンチ３
をパンチ支持筒４に装着している。

１２はパンチ支持筒４の嵌挿空間１３内に昇降自在に挿
入した挿入体で、中心部に設けた嵌挿孔１４内に第１パ
ンチ６のフランジ６ａを昇降自在に嵌挿してボルト１５
を介して第２パンチ７の上端面に固着している。

挿入体１２は上部内周にその下端面と第１パンチ６のフ
ランジ６ａの上端面との間に隙間Ｓが設けられるように
段部１２ａを形威し、該段部１２ ａの口縁に触れて第
１パンチ６のフランジ６ａが抜は出るのを防止している
。

挿入体１２の段部１２ ａ下端面と第１パンチ６のフラ
ンジ６ａ上端面との間に設けられている隙間Ｓはボルト
１５にて調整することができるようになっていて、折曲
角度を任意に設定できるようになっている。

１６はパンチ支持筒４と第１パンチ６との間に圧縮介在
した第１スプリングで、これの弾力により第１パンチ６
を第２パンチ７に押し付けている。

１７はパンチ支持筒１４と挿入体１２との間に圧縮介在
した第２スプリングで、これの弾力により挿入体１２を
介して第２パンチ７を第３パンチ８に押し付けている。

第２スプリング１７は所要弾力のものが複数個円周等配
置に設けられ、その圧縮時のたわみは第１スプリング１
６の圧縮時たわみよりも大きく設定し、プレスラム２の
作動油圧よりも弾力を小さく設定している。

１８は機台の下方に横状に支持している定盤である。

１９は定盤１８上に装着されたダイ座２０上にパンチ３
と対応して取付けたダイ保持体で、上部に設けた凹部２
１内に環状のダイ２２を嵌合支持している。

このダイ保持体１９とダイ２２で折曲成形しようとする
ワークａを図中１点鎖線で示すように受は止めるように
している。

２３はダイ保持体１９の内空間２４内に昇降自在に嵌挿
したノックアウトピンで、上端面に位置決めピン２５を
一体に突設し、該位置決めピン２５をダイ２２の内孔２
６内に設けである。

位置決めピン２５はパンチ３が降下してその第１パンチ
６で゛先ずワークａの突出片ａ′を折曲げやすいように
外方に若干拡げると、ストッパーピン９が当接して第１
パンチ６の降下を停止する高さに設定しである。

２７．２７はダイ座２９の下面に吊設された支持棒であ
る。

この支持棒２７．２７間の下端に横板２８をボルト２９
．２９により取付け、この横板２８にノックアウト用シ
リンダ３０を垂直方向に固設し、このシリンダ３０のピ
ストンロッド３１をダイ座１９の嵌挿孔３２に昇降自在
に嵌挿させた作動杆３３に連結させている。

以上が一実施例であるプレス成形装置の構成で、以下上
記構成の動作を順次説明すると次の通りである。

第１図に示す状態はパンチ３が上死点にある加工前の状
態で、この状態で先ず突出片ａ′の新曲成形を行なわせ
ようとするワークａを１点鎖線に示すようにダイ２２に
嵌着する。

ワークａがダイ２２に嵌着されるとプレスラム２を作動
してパンチ取付体５を介してパンチ支持筒４を降下させ
、このパンチ支持筒４に装着したパンチ３を一体に第１
図の位置から降下し始める。

パンチ３が降下すると最初に第１パンチ６がワークａの
突出片ａ′に当接し、該第１パンチ６でワークａの突出
片ａ′を外方に押し拡げるが、第２図に示す状態までパ
ンチ３が降下すると、第１パンチ６の下部に固設しであ
るストッパーピン９の下端が位置決めピン２５の頭部に
当接して第１パンチ６の降下が停止するので、ワークａ
の突出片ａ′を若干外方に押し拡げるのみである。

この状態から更にパンチ支持筒４を降下させると、第２
パンチ７及び第３パンチ８が更に降下する。

すると、第２パンチ７が前述したように第１パンチ６で
もって若干外方に押し拡げられたワークａの突出片ａ′
に当接し、該第２パンチ７で゛ワークａの突出片ａ′を
徐々に折曲げ゛る。

そして、第３図に示す状態まで第２パンチ６が降下する
と、ワークａの突出片ａ′は粗い角度に折曲げられると
同時に該第２パンチ７の上端面に固着しである挿入体１
２の段部１２ａの下端面が第１パンチ６のフランジ６ａ
の上端面に当接して降下を停止する。

そしてこの状態からなおも更にパンチ支持筒４を降下さ
せると、第３パンチ８のみがなおも更に降下する。

すると、第３パンチ８が前述したように第２パンチ７で
もって粗い角度に折曲げられたワークａの突出片ａ′に
当接し、該第３パンチ８でワークａの突出片ａ′を更に
徐々に折曲げる。

そして、パンチ支持筒４が第４図に示すように不死点ま
で達すると、第３パン千８でワークａの突出片ａ′を所
定の角度に折曲げ成形する。

折曲げ成形が終了すると、プレスラム２を作動してパン
チ支持筒４を下死点から上昇させると、パンチ３はパン
チ支持筒４と一緒に上死点に向って上昇し、この時ワー
クａはダイ２２との摩擦力によリダイ２２の内孔２６内
に保持される。

次いで、ノックアウト用シリンダ３０（第１図に図示）
を作動させてピストンロッド３１を伸長させると作動杆
３３を介してノックアウトピン３３が上昇し、該ノック
アウトピン２３でダイ２２の内孔２６内に保持されてい
るワークａを上方に押出させて離脱させる。

ワークａがダイ２２の内孔２６より離脱して摘出される
と、ノックアウト用シリンダ３０を作動してピストンロ
ッド３２を退入し１．行動杆３３を介してノックアウト
ピン２３を呼子させる。

以後は上記と同様な動作を繰返し行なわせて、ワークａ
の突出片ａ′の折曲成形を行なわせる。

尚、上記説明では小型モータ回転子と電気的に接続する
整流子片の突出部を折曲成形する場合について説明した
が、この考案はこれに限定されるものではなく、筒状体
の突出部を外方へ折曲成形する場合に適用できるもので
ある。

この考案は以上説明したようにパンチを、外周上部にフ
ランジを形成して下端面にストッパーピンを付設させた
第１パンチと、外周上部にフランジを形成して中心部に
垂直方向に嵌挿孔を設けた第２パンチと、中心部に垂直
方向に嵌挿孔を設けてその内周に段部を形成させた第３
パンチとを組み合せて構成し、第１パンチを第２パンチ
に設けた嵌挿孔内に昇降自在に嵌挿して第２パンチに７
ランジを介して支承し、第２パンチを第３パンチに設け
た嵌挿孔内に昇降自在に嵌挿して第３パンチの内周に形
成した段部にフランジを介して支承し、第３パンチを昇
降動するようになしたパンチ支持筒の下部端に固着し、
かつ、前記第２パンチの上端面にパンチ支持筒内に昇降
自在に挿入させてその中心部に垂直方向に設けた嵌挿孔
内周上部に段部を該嵌挿孔内に昇降自在に嵌挿させられ
た前記第１パンチのフランジの上端面との間に隙間が設
けられるように設定した挿入体を前記隙間の調整が可能
なように固着し、更に、第１パンチとパンチ支持筒との
間に第１スプリングを圧縮介在させると共に、挿入体と
パンチ支持筒との間に第２スプリングを圧縮介在させた
から、第１、第２及び第３の各パンチの駆動を単一の駆
動源で行なうことができ、而もそれらを１ヘツドに集約
することができるので、従来別々の多ヘッドで数工程が
かつて行なわれていた折曲成形を単一装置により一工程
でもって行うことができる。

従って、ワークを迅速に折曲げることができる為に作業
能率を著しく向上することができる。

又、この考案では第２パンチの上端面に固着した挿入体
の段部下端面と第１パンチのフランジ上端面との間に設
けられている隙間の調整か゛可能であるので、その隙間
を調整してワークに応じた折曲角度の設定を任意に得る
ことが可能で、従来多ヘッドに各々取付けていた各段階
設定角度の多数のパンチを設定する必要がなく、また寸
法の異るワークに対応して多数のパンチ及びダイを取換
えする回数が１回でよく、著しく取換え工数が低減でき
、異るワークの折曲成形作業が著しく有利となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るプレス成形装置の一実施例を示
す縦断面図、第２図乃至第４図はその動作状態を示す要
部断面図である。 ２・・・・・・プレスラム、３・・・・・・パンチ、４
・・・・・・パンチ支持筒、６・・・・・・第１パンチ
、６ａ・・・・・・フランジ、７・・・・・・第２パン
チ、８・・・・・・第３パンチ、９・・・・・・ストッ
パーピン、１２・・・・・・挿入体、１２ ａ・・・・
・・段部、Ｓ・・・・・・隙間、１６・・・・・・第１
スプリング、１７・・・・・・第２スプリング、２２・
・・・・・ダイ、ａ・・・・・・ワーク、ａ′・・・・
・・突出片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パンチを、外周上部にフランジを形成して下端面にスト
   ッパーピンを付設させた第１パンチと、外周上部にフラ
   ンジを形成して中心部に垂直方向に嵌挿孔を設けた第２
   パンチと、中心部に垂直方向に嵌挿孔を設けてその内周
   に段部を形成させた第３パンチとを組み合せて構成し、
   第１パンチを第２パンチに設けた嵌挿孔内に昇降自在に
   嵌挿して第２パンチにフランジを介して支承し、第２パ
   ンチを第３パンチに設けた嵌挿孔内に昇降自在に嵌挿し
   て第３パンチの内周に形成した段部にフランジを介して
   支承し、第３パンチを昇降動するようになしたパンチ支
   持筒の下端部に固着し、かそ、前記第２パンチの上端面
   にパンチ支持筒内に昇降自在に挿入させてその中心部に
   垂直方向に設けた嵌挿孔内周上部に段部を該嵌挿孔内に
   昇降自在に嵌挿させられた前記第１パンチのフランジの
   上端面との間に隙間が設けられるように設定した挿入体
   を前記隙間の調整が可能なように固着し、更に、第１パ
   ンチとパンチ尺持筒との間に第１スプリングを圧縮介在
   させると共に、挿入体とパンチ支持筒との間に第２スプ
   リングを圧縮介在させたことを特徴とするプレス成形装
   置。