JPH0356947Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は例えばテープカセツトを装填して記録
再生するテープレコーダ等の記録再生装置におい
て、テープカセツト等の記録媒体の装填部を閉塞
する蓋のロツク装置に関する。

〔考案の概要〕

本考案は本体外匣の後縁部に、記録媒体の装填
部を閉塞する蓋を開閉自在に蝶着し、かつ本体外
匣の前面側に操作部材を突出して配置して成る記
録再生装置において、本体外匣の前面側に操作部
材の配置部を覆う状態で蓋をロツクするロツク板
を備え、このロツク板に操作部材の表出部を設け
ることにより蓋の外匣に対するロツク状態で操作
部材をロツク板の外面側から操作できるようにし
たものである。

〔従来の技術〕

記録再生装置例えば携帯用カセツトテープレコ
ーダ、特に防水防滴、防塵機能を有するものにお
いてはテープカセツトの装填部の蓋、いわゆるカ
セツト蓋は閉塞状態においては本体側に密着保持
させなければならず、そのため従来は第５図に示
す如くカセツトテープレコーダの本体外匣１の後
縁部にテープカセツトの装填部を閉塞するカセツ
ト蓋２をヒンジ３により開閉自在に蝶着すると共
にこのカセツト蓋２の蝶着部と相対する面、即ち
前面側にロツク板４を軸ピン５を介して枢着して
あり、そしてカセツト蓋２の閉塞時にロツク板４
を起立回動してカセツト蓋２の前縁部に係合させ
てロツクし、カセツト蓋２を本体外匣１に対して
閉塞状態で保持するように構成し、また、操作釦
６は本体外匣１の前面にはロツク板４が干渉して
配置することができないため、テープレコーダの
メカニズムの関係から操作部材７が本体外匣１の
前側に位置する場合は図示の如くこの操作部材７
に動作方向の変換機構８を備え操作釦６を他の面
操作性の面からカセツト蓋２の上面に配置してい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、この従来の構成ではカセツト蓋２は本
体外匣１に対して閉塞状態でロツク保持されるが
メカニズムと外匣１の関係から操作釦６を外匣の
前面以外の面で操作性の点からカセツト蓋２に配
置しなければならず、そのため動作方向の変換機
構８を必要とし、メカニズムの構成が複雑にな
り、またこの操作釦６をカセツト蓋２に配置する
とカセツト蓋２を開放した状態では操作が行なえ
ず、しかもヘツド基板が動作不能となることから
ヘツドの垂直調整が困難になる等の不具合があ
る。

本考案はかかる点に鑑み外匣に対する蓋のロツ
クが確実に行なえ、このロツク機構と操作部材を
本体外匣の同一面上に互いに干渉することなく共
存配置できるようにした記録再生装置における蓋
のロツク装置を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記の問題を解決するために、本体外
匣の後面側に記録媒体の装填部を閉塞する蓋を開
閉自在に蝶着し、かつ本体外匣の前面側に操作部
材を突出して配置して成るテープレコーダ等の記
録再生装置において、本体外匣の前面側に操作部
材の配置部を覆い、かつ蓋に達するロツク板を蝶
着し、このロツク板に操作部材が表出される透孔
を設けると共に蓋に弾性的に係合される係合部を
形成したものである。

〔作用〕

以上のように構成することにより、ロツク板は
操作部材と干渉することなく蓋の閉塞状態におい
て係合させてロツクすることが可能となり、この
ため操作部材は本体外匣に対してロツク板と同一
面上でメカニズムに対する最適位置に配置でき、
蓋の開放状態でも操作が行なえる。

〔実施例〕

以下、本考案の具体的な実施例を第１図乃至第
４図に従つて説明する。

この実施例における蓋のロツク装置は第１図に
示すようにカセツトテープを記録媒体として用い
る携帯用テープレコーダに設けられている。な
お、このテープレコーダはラジオ付き再生専用機
である。

このテープレコーダの本体１０は外匣１１に収
納され、テープカセツトの装填部１０ａが上面開
口側に表出されている。このテープカセツト装填
部１０ａを閉塞する匣状の蓋１２が外匣１１の後
面１１ａにヒンジ部を介して開閉自在に蝶着さ
れ、閉塞時において周縁部１２ａが外匣１１の開
口周縁部１１ｂに当接される。またテープレコー
ダ本体１０の操作部材、即ち操作釦群１４は外匣
１１の前面１１ｃに穿設された透孔１１ｄから突
出されている。この操作釦群１４は第２図におい
て左側からストツプ釦１４ａ、定速送り釦１４、
巻戻し釦１４ｃ、早送り釦１４ｄ及び定速送りの
方向切換釦１４ｅの順で配して構成される。

そしてこの実施例のテープレコーダは防水、防
滴、防塵構造とするために蓋１２の周縁部１２ａ
に弾性パツキング１５が嵌着されて、このパツキ
ング１５を介して周縁部１２ａは外匣１１の開口
周縁部１１ｂに当接されるように成されている。
またテープレコーダ本体１０の各操作釦１４が突
出される外匣１１の前面各透孔１１ｄにはゴム等
から成る弾性帽体１６を出没可能に嵌挿し、この
各帽体１６に各操作釦１４を挿入してあり、この
各帽体１６，１６ａ，１６ｂ，１６ｃ，１６ｄ，
１６ｅは弾性板状体１７に一体に形成されて板状
体１７を外匣１１の前面１１ｃに接着することに
より各透孔１１ｄに対応して基部側が屈曲された
状態で嵌挿されている。

このように外匣１１の開口部は周縁部１１ｂに
蓋１２が弾性パツキング１５を介して当接するこ
とにより閉塞され、また透孔１１ｄも弾性帽体１
６が嵌挿されることにより閉塞されて密閉状態と
なる。この密閉状態を保持するために、外匣１１
に蓋１２を閉塞状態においてロツクするロツク板
１８が備えられている。

このロツク板１８は外匣１１の前面１１ｃ側に
透孔１１ｄの形成部を含む部面を覆い閉塞状態の
蓋１２に達するように配される大きさで、内周縁
部に突縁１８ａが形成された浅い匣状であり、そ
の下縁両側部にヒンジブラケツト部１８ｂが形成
されて外匣１１の前面下部に横方向に突設される
突縁１１ｅの両側に形成したヒンジブラケツト部
１１ｆに軸方向に対応させて軸ピン１９により蝶
着される。そして、このロツク板１８の下半部に
は外匣１１の透孔１１ｄから弾性帽体１６を介し
て突出されるテープレコーダ本体１０の各操作釦
１４が挿通して表出する透孔２０，２０ａ，２０
ｂ，２０ｃ，２０ｄ，２０ｅが穿設され、この下
半部の内面側、即ち上述した弾性板状体１７に対
応する部面を高段面１８ｃとして形成されてお
り、上半部外面側に複数の凹凸条を有する押圧面
１８ｄが、上面側に指掛部１８ｅが夫々形成され
ている。また、このロツク板１８の内面側には補
強としての金属板２１が張設され、この金属板２
１の上縁部には内側へ弾性的に屈曲される係合片
２１ａが形成されている。

一方蓋１２の前面にはロツク板１８の上縁部と
対応して段面部１２ｂが形成され、この段面部１
２ｂに上述の金属板２１の係合片２１ａが弾性係
合される係合突縁部２２ａが形成された金属板２
２が固定されており、また蓋１２の内側前面から
上面前部にかけて補強としての金属板２３が張設
されて外面側の金属板２２とピン２４により連結
されている。

またこの実施例のテープレコーダはラジオ付き
構成であるため、ラジオ部のチユーナの選局指針
２５がヘツド収納枠部１０ｂの上面側を走行する
ように配されており、またヘツド収納枠部１０ｂ
の上面にはインジケータ類の表示機構、例えば発
光ダイオード（LED）２６を装着してある。そ
して蓋板１２にはこれ等に対応してカセツト確認
窓２７の他、チユーナの選局表示窓２８及びイン
ジケータ表示窓２９が形成されており、これ等の
表示窓２８，２９は密閉性が充分確保されるよう
に形成され、インジケータ表示窓２９は透孔２９
ａとこれに嵌着される透光性弾性体より成るキヤ
ツプ２９ｂから構成されている。

以上のように構成されるテープレコーダではテ
ープレコーダ本体１０を収納した外匣１１に対し
て蓋１２を閉塞し、この状態でロツク板１８を起
立回動させると外匣１１から弾性帽体１６を介し
て突出される操作釦１４は透孔２０に挿通される
ことによりロツク板１８は何等干渉されることな
く回動できて外匣１１及び蓋１２の前面側に対応
され、内面側の金属板２１の係合片２１ａが蓋１
２の段面部１２ｂに固定された金属板２２の係合
突縁部２２ａに当接した状態で外側から押圧面１
８ｄを強く押圧すると係合片２１ａが係合突縁部
２２ａに弾力的に係合され蓋１２は外匣１１に対
してロツクされ密閉状態で閉塞保持される。

この際ロツク板１８の下半部高段面１８ｃが金
属板２１を介して弾性帽体１６を形成した弾性板
体１７の表面に当接し、これを外匣１１の前面１
１ｃに強く押付ける状態となり弾性帽体１６の外
匣透孔１１ｄに対する密閉性が確保されると共に
操作釦１４が保護されることになり、この状態で
操作釦１４はロツク板１８を介して何等の支障な
く操作できる。

またロツク板１８を蓋１２に対するロツクを解
除して倒伏させるとその下縁部が外匣１１の前面
突縁１１ｅに係合して水平状態即ち外匣１１の前
面１１ｃに対して略90°下方に開かれた状態で保
持され、この状態でも操作釦１４によるテープレ
コーダ本体１０の操作が可能である。

なお、以上の構成においてロツク板１８は上縁
側を内方へ屈曲延長して形成し、蓋１２に対して
その上面側において係合させロツクするようにし
てもよい。この場合内面側の金属板２１も蓋１２
に沿つて延長形成し、これに対応して蓋側の金属
板２２も延長してその係合突縁部２２ａを蓋１２
の上面側に配置することになる。

本考案は上述した実施例に限定されることな
く、外匣１１、蓋１２、ロツク板１８の形状、ま
た透孔２０の数及び形状等具体的態様は種々採り
得るものである。

また、本考案は上述した実施例に説明した如き
テープレコーダに限らず、例えば音楽信号等の情
報信号を記録した光学デイスクにレーザビームを
照射し、その反射ビームにより情報信号を読取り
再生するように成す光学デイスクプレーヤ等に広
く応用し得る。

〔考案の効果〕

以上のように本考案によれば蓋が蝶着された本
体外匣の同一面に操作部材と蓋をロツクするロツ
ク板を配し、ロツク板には操作部材との干渉を避
ける挿通部を設け、ロツク板のロツク状態におい
て操作部材を表出させるように構成したので、蓋
の本体外匣に対する閉塞ロツク状態、開放状態に
関係なく操作部材により外匣に内蔵される装置機
構の操作が可能で常時動作させることができると
共に調整が容易に行なえ、また携帯使用状態即ち
蓋の閉塞ロツク状態においてはロツク板が操作部
材を保護することになり、操作部材の損傷等が防
止され、しかも装置機構と操作部材との間に変換
機構を介在する必要がなく、構成の簡略化ができ
る等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置を適用したカセツトテープ
レコーダの一例の斜視図、第２図は第１図に示す
テープレコーダの蓋を開放した状態の斜視図、第
３図は第１図における一部分の拡大断面図、第４
図は第３図においてロツク板をロツク解除した状
態の断面図、第５図は従来の記録再生装置におけ
る蓋のロツク装置の略線的断面図である。 図中１０はテープレコーダ本体、１０ａはテー
プカセツト装填部、１１は外匣体、１２は蓋、１
４は操作釦、１８はロツク板、２０は透孔であ
る。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 本体外匣の後面側に、記録媒体の装填部を閉塞
   する蓋を開閉自在に蝶着し、かつ上記本体外匣の
   前面側に操作部材を突出して配置して成る記録再
   生装置において、 上記本体外匣の前面側に、少なくとも上記操作
   部材の配置部を覆い、かつ上記蓋の閉塞状態で上
   記蓋に達するロツク板が蝶着され、 該ロツク板に上記操作部材の挿通部を設けると
   共に上記蓋に係合される係合部を形成して成り、 上記蓋を上記本体外匣に対して上記ロツク板に
   より上記操作部材を表出させた状態でロツクする
   ようにしたことを特徴とする記録再生装置におけ
   る蓋のロツク装置。