JPH0356908B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

〈技術分野〉 この発明は発泡成形における原料粒子の充填方
法に関し、さらに詳しくは薄肉発泡成形品を充填
不良なく得るのに好適な充填方法である。 〈従来技術〉 従来より発泡成形に際しては、成形型の型窩内
へ発泡性熱可塑性樹脂粒子による原料を充填して
成形していたが、従来における原料充填の場合、
クラツキング充填が終了した後金型を閉じてしま
い、充填器をも閉め充填を完了するが、その間充
填エアーは出たままになつている。ところが上記
従来の充填方法によると、特に充填器の付近では
充填エアーの逃げ場所がなくなり、エアーが吹き
戻つてしまい、原料をも戻すことになるため、こ
の付近に充填不良を生じ易く、発泡成形品が薄肉
の場合、一層充填器付近での充填不良が目立つこ
とになる。そのため、クラツキング量を増加した
り、充填エアー圧力を落してやる等の方法が採ら
れていたが、原料の樹脂量を多く要することにな
り製品重量が増大したり製品各部の密度バランス
を崩したりするだけでなく、成形サイクルの延長
にもなる欠点があつた。 〈目的〉 そこで、この発明においては、薄肉の発泡成形
についても充填不良はなく、しかもクラツキング
をできるだけ小さくしてサイクルアツプが可能な
原料粒子の充填を実現しようとしている。 〈構成〉 そして、上記目的達成のための方法は、成形型
の型窩内へ発泡性熱可塑性樹脂粒子による原料を
充填し、該原料を加熱膨張させて薄肉の発泡成形
品を得る発泡成形において、クラツキング充填を
行なつた後充填エアーを止め、充填器を閉めた後
に成形型を完全に閉めて充填を完了することを特
徴とする発泡成形における原料粒子の充填方法で
ある。 〈実施例〉 次いで、この発明の実施例について、使用装置
と共に図を参照しながら説明する。 図示する成形型の概要図において、１はキヤビ
テイ型、２はコア型、３は型窩、４は充填器を示
してある。 そして、この発明の充填方法では、先ずクラツ
キング充填を行なう。即ち、充填器４を開き充填
エアーをもつて型窩３内に原料の発泡性熱可塑性
樹脂粒子ａを充填するもので、この充填時にはキ
ヤビテイ型１とコア型２とは完全に閉じずクラツ
キングＣをとつてやる。そして、型窩３内に原料
がクラツキング充填されると、充填エアーのみを
止め、その後充填器４を閉めた後、上記した両型
１，２を完全に閉じてクラツキングをなくす。充
填以後の工程は通常既知の発泡成形のための加
熱、冷却等の工程を経過して発泡成形品を得るこ
とになる。 なお、図中、蒸気室、蒸気孔等成形型の詳細に
ついては省略して示されてある。 〈具体例〉 この発明方法を発泡成形品の肉厚３mm、原料の
予備発泡粒子が45倍発泡のものを用いて従来方法
と充填エアー圧力、クラツキング量を比較した結
果、以下の通りであつた。

【表】

【表】 〈効果〉 以上述べたような、この発明による原料粒子の
充填方法の採用にて薄肉品の発泡成形に際して
も、充填不良なく、特別の充填器を使う必要がな
くなる。また充填エアーの圧力も通常の高い圧力
で充填が可能となることと、クラツキングを大き
くとる必要もないので成形サイクルの延長になら
ず好都合となる。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明による原料粒子の充填時を示す概
要断面図である。 １…キヤビテイ型、２…コア型、３…型窩。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 成形型の型窩内へ発泡性熱可塑性樹脂粒子に
   よる原料を充填し、該原料を加熱膨張させて薄肉
   の発泡成形品を得る発泡成形において、クラツキ
   ング充填を行なつた後充填エアーを止め、充填器
   を閉めた後に成形型を完全に閉めて充填を完了す
   ることを特徴とする発泡成形における原料粒子の
   充填方法。