JPH035670Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 「産業上の利用分野」 この考案は出窓に関する。就中出窓下部の防水
に関する。

「従来の技術」 出窓端側開口枠と出窓根本側開口枠を腕木とス
テーボルトにより結合して枠体とし、出窓地板は
出窓端の下枠から室内側に延長突出してぜん板を
兼ねるように配され、出窓端側は出窓端の下枠と
接合され、建屋側は建屋の窓台等の躯体の外部に
沿つて配した出窓根本側下枠に固定され、地板先
端を出窓端下枠にて支持するか、或は同構成で地
板が構造材の一部として強度部材として出窓を構
成するものがある。このような出窓根本側の下枠
は窓台に木ねじにより固定すると共に地板に木ね
じにより固定し地板を躯体に対して締結する役目
も有している。

「考案が解決しようとする問題点」 このような出窓根本側下枠と地板を有する出窓
では従来出窓根本側下枠と地板間から浸入する水
が窓台を伝わり室内側の仕上材面に浸出するとい
う現象がある。

この現象は風雨の吹き上げにより出窓根本側下
枠と地板間に入る場合と、台所出窓等では地板上
に流れた水が地板と出窓側下枠との接合部をとお
り地板下面に回り込んで出窓根本側下枠と地板間
に達する場合が生じている。

このような地板下面を伝わる雨水、台所で使用
する水等の地板と建屋窓台との間への浸入を防止
するものとしては、出窓の根本に下枠がないもの
は防水シールを保持部材に取付け、防水シールを
地板下面に接するようにして該保持部材を窓台に
固定してものがあるが、保持部材表面を伝わる上
記水等はほぼ全部が建屋躯体の窓台等に達し窓台
への雨水等の浸水の防止には充分でない。

この考案は地板が出窓根本側下枠に接している
構成を有する出窓において、出窓下部から室内側
へ浸入する水を防止することを目的とするもので
ある。

〔考案の構成〕

「問題点を解決するための手段」 この考案は地板を出窓根本側下枠に載置して該
下枠を介して地板と建屋躯体を固定するようにし
た出窓において、前記下枠の上部を収容する凹部
を地板下面に設け、出窓根本側下枠は、外部側端
部にその根本側が前記地板に設けた凹部の外部側
側面に接して地板下面より垂下する水切りを有
し、地板の前記凹部の底に面する側に建屋壁体に
平行な条溝を備えて地板に接するパツキンを該条
溝に嵌入すると共に該条溝の室内側に出窓根本側
下枠と地板とを締結するねじを挿通させるねじ座
を設けてねじ部材により出窓根本側下枠と地板と
を締結した出窓である。

「作用」 水切り及び地板と出窓根本側下枠間に挿入され
ているパツキンにより風雨、或は地板先端から回
り込む水は遮断され建屋内へ水が浸入しなくな
る。

「実施例」 第１図は出窓の内外部方向の縦断面図である。
出窓根本側は上枠１、下枠２、竪枠３が四方組み
されて出窓根本側開口枠４を構成し、上枠１は木
ねじ５によりまぐさ６に固定され、下枠２は窓台
７にその取付部８を当接させ、取付部８の沈み座
を挿通して窓台７にねじ込んだ木ねじ９により固
定されている。

出窓端は出窓端の上枠１１、下枠１２、竪枠１
３が四方組みされ、出窓端側開口枠１４を構成し
ている。

出窓端側開口枠１４と出窓根本側開口枠４は
夫々の開口枠４，１４の下角部に衝接する下腕木
１５と下腕木１５を挿通して出窓根本側開口枠４
と出窓側開口枠１４を締結するボルト１６により
締結されている。

出窓側窓はガラス嵌め殺し部１７となつてお
り、側窓の上枠１８は側窓の下枠を兼ねている下
腕木１５と同様に出窓根本側開口枠４と出窓端側
開口枠１４の上部を締結するようになつている。

屋根１９は出窓端の上枠１１に締結されると共
に建屋躯体に木ねじ２１により固定されている。
出窓根本側上枠１は屋根１９に鋲止めされたステ
ー２２の一端に小ねじ２３により固定されてい
る。２４は出窓端上枠１１と出窓根本側上枠１及
び側窓の上枠１８に嵌まり込んだ天板である。

地板２５は出窓端側下枠１２に嵌入し、出窓根
本側下枠２、窓台７に載置され、出窓根本側下枠
２に木ねじ２６により固定されている。出窓根本
側下枠２には建屋壁面に平行する方向に長く地板
２５に接するパツキン２７が嵌入している。パツ
キン２７は耐水性のあるように合成樹脂又はゴム
等である。

出窓端は片引き障子２８が嵌め込まれ、ガラス
嵌め殺し部２９が片側に構成されていて、出窓正
面片側が開閉できるようになつている。

第２図は出窓根本側下枠２に用いられるアルミ
押出型材の拡大断面図である。取付部８は垂直面
より下方がやや建屋躯体側へ傾くねじ用の座３１
を設け、建屋躯体へ垂直面で接触する接触面３
２，３２は同一面となるようにして、座３１の背
部は接触面３２から逃がしてある。３３はねじ用
の座孔をあける位置を一定にするための条溝であ
る。

取付部８に対して地板２５に対向する側は大略
Ｌ型の一辺をなし、端部から、垂下する突条の水
切り４０、地板２５に対して開口した条溝３４、
条溝３４よりも離れて室内側に条溝３５を備え、
条溝３４，３５間及びそれらの外側は地板２５と
の接触面３６となつている。出窓根本側下枠２の
地板２５に対する部材と取付部８との外角は地板
２５を内側へ角形に切り込んで逃がしてある。こ
れにより地板２５は下側からみて凹部２５ａが形
成される。３７は出窓根本側下枠２の内隅に設け
た竪枠３と出窓根本側下枠２を締結するのに用い
るタツピング孔である。条溝３５を構成する部材
は出窓根本側下枠２と地板２５を締結する木ねじ
２６の座３８となつており、木ねじ２６の座孔を
あける位置には条溝３９を設けてある。条溝３４
には前出のパツキン２７が嵌入する。大略断面ア
ングル状の下枠２の水平な上側の部材の条溝３４
のある端部は前記地板２５の凹部２５ａの外部側
の側面に接するようにして接触面３６が地板の凹
部２５ａの底に着座している。これによつて組立
状態において下枠２の上記大略水平な部分は地板
の凹部２５ａに収容されるが水切り４０は地板２
５下面より垂下している。

〔考案の効果〕

風雨により吹き上げる雨水、或は台所等の出窓
とした場合に地板２５を伝わり出窓端側下枠１２
と地板２５の嵌め合せ部を伝わつて回り込む水
は、下枠２と地板２５間に入ろうとするが垂下す
る水切り４０により、速かに下方へ滴下され、且
つパツキン２７により遮断され、建屋躯体側に殆
ど浸入しない。従つて出窓下側全体を蔽う下蓋を
設けたとしても防止できない地板上面から回り込
む水を防止できる。下蓋を設けなくとも風雨の吹
き上げによる浸水をほぼ防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の縦断面図、第２図
は第１図の一部拡大図である。 １……上枠、２……下枠、３……竪枠、４……
開口枠、５……木ねじ、６……まぐさ、７……窓
台、８……取付部、９……木ねじ、１１……上
枠、１２……下枠、１３……竪枠、１４……開口
枠、１５……下腕木、１６……ボルト、１７……
ガラス嵌め殺し部、１８……上枠、１９……屋
根、２１……木ねじ、２２……ステー、２３……
小ねじ、２４……天板、２５……地板、２５ａ…
…凹部、２６……木ねじ、２７……パツキン、２
８……片引き障子、２９……ガラス嵌め殺し部、
３１……座、３２……接触面、３３，３４，３５
……条溝、３６……接触面、３７……タツピング
孔、３８……座、３９……条溝、４０……水切
り。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 地板を出窓根本側下枠に載置して該下枠を介し
   て地板と建屋躯体を固定するようにした出窓にお
   いて、前記下枠の上部を収容する凹部を地板下面
   に設け、出窓根本側下枠は、外部側端部にその根
   本側が前記地板に設けた凹部の外部側側面に接し
   て地板下面より垂下する水切りを有し、地板の前
   記凹部の底に面する側に建屋壁体に平行な条溝を
   備えて地板に接するパツキンを該条溝に嵌入する
   と共に該条溝の室内側に出窓根本側下枠と地板と
   を締結するねじを挿通させるねじ座を設けてねじ
   部材により出窓根本側下枠と地板とを締結した出
   窓。