JPH0356402A - 徐放性抗菌剤含有成形体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） 本発明は水中において抗菌性物質を徐々に放出する徐放
性抗菌剤組或物に関するものである。

（従来技術及びその問題点） 水中においては各種の有害微生物が増繁殖し、これが原
因となって各種のトラブルを生じている．例えば，冷却
塔や，冷却管、貯水槽等の水が流通したり，水が滞留す
る装置個所においては、藻類が装置壁面に付着繁殖して
、悪臭を発生したり，装置腐食や冷却効率の低下等の障
害を与えている。

そして、このような水中における有害微生物の増繁殖を
防止ないし制止するために、各種の抗菌性物質が殺菌剤
や防菌剤等として水中に添加されている． ところで、水中に抗菌剤を添加する場合、その抗菌剤の
水中濃度が一定範囲内に保持されるように、抗菌剤を間
欠的にかつ少量ずつ添加することが必要である。抗菌剤
濃度が高すぎると人体に対する害が生じるので好ましく
なく、一方、それが低すぎると有効な抗菌作用を得るこ
とができむい。

また、この抗菌剤の添加を人手により行なうことは非常
に面倒である。従って、この観点から、経日とともに、
徐々に抗菌剤を放出する抗苗性四代物の開発が望まれて
いる． 一方、抗菌剤においては、水に対して難溶性を示すもの
が比較的多い。このような難水溶性のものは、これを粉
末状でクーリングタワーの循環水に投入すると、循環水
とともに流動し，循環水のオーバーフローしている水槽
からオーバーフロー液ととも系外へ排出されてしまうと
いう問題がある．このような問題を回避するため，従来
は、抗菌剤を炭酸カルシウムや，シリカ等の無機粉末と
混合し、ペレット状に成形し，この成形物を水中に投入
し，成形物から抗菌剤を徐々に水中に放出させることが
行われている． しかしながら、このような従来の製品においては、製品
からの抗菌剤の放出速度が一定しないとか、製品の強度
が小さい等の欠点があり，未だ満足すべきものではなか
った． （発明の課Ｍ） 本発明は、水中に投入した時に、安定した放出速度で抗
菌剤を徐々に放出させることができ、かつ機械的強度に
すぐれた抗菌剤組或物を提供することをその課題とする
． （課題を解決するための手段） 本発明者らは，前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた
結果、抗菌剤を水溶性可塑剤とともに熱硬化性樹脂に配
合し，これを硬化して得られる硬化物を用いることによ
り、前記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成
するに至った．即ち，本発明によれば、抗菌剤及び水溶
性可塑剤を含有する熱硬化性樹脂組或物の硬化物からな
る徐放性抗菌剤組成物が提供される。

本発明で用いる熱硬化性樹脂は従来よく知られているも
のであり、エポキシ樹脂、フェノール樹脂，不飽和ポリ
エステル樹脂等が包含される。このような熱硬化性樹脂
には、慣用の硬化剤や硬化促進剤が配合され、また，必
要に応じ，充填剤や、分散剤、沈降防止剤等の補助添加
成分が配合される． 本発明の抗菌剤組成物を製造するには、前記の如き熱硬
化性樹脂に対し、抗菌剤を水溶性可塑剤とともに配合し
，所要の形状に或形し、加熱し、樹脂を硬化させる。硬
化物の硬化程度は、通常、３０〜９０％程度である。

本発明で用いる水溶性可塑剤としては、常温で液状を示
すものが好ましく使用されるが、水中に容易に溶解し得
るものであれば固体状のものも使用可能である．このよ
うなものとしては、ポリエチレングリコール，ポリプロ
ピレングリコール等のポリアルキレンゲリコールや、グ
リセリン，プロビレングリコール等の多価アルコール，
等が挙げられる．その添加量は、全組成物中、３〜２５
重量２、好ましくは７〜１５重量算である．この水溶性
可塑剤は、硬化樹脂組或物に柔軟性を与えるとともに、
組或物を水中に入れた時に、組成物から徐々に溶出し、
組成物の空隙率を増大させ、抗菌剤と水との接触を促進
させる．この結果、組成物中の抗菌剤は、組成物から徐
々に水中に溶出するようになり、水中の有害微生物の殺
菌が達或される． 本発明で用いる抗菌剤としては、防藻剤，殺菌剤等とし
て用いられている従来公知の各種のものが挙げられ、水
溶性又は難水溶性を問わず使用可能である．また，常温
で液状であってもよいし、固体状であってもよい．この
ような抗菌剤としては、例えば、３−（３．４−ジクロ
口フェニル）−１．１−ジメチル尿素、３−（４−クロ
ロフェニル）−１．１−ジメチル尿素、２−メチルチオ
−４−ターシャリブチルアミノー６−シクロプロビルア
ミノーｓ−トリアジン、メチレンビスチオシアネート，
Ｎ−（フルオロジクロ口メチルチオ）フタルイミド、エ
チレンビスジチオカーバメート亜鉛塩等が挙げられる。

抗菌剤の添加量は全組或物２０〜８０重量ぶである．ま
た、抗菌剤は、エポキシ樹脂１００重量部に対して１０
〜９０重量部、好ましくは３０〜６０重量部の割合で用
いるのがよい。

本発明の抗菌剤を含む硬化樹脂組或物を製造する場合、
原料混合物は，注型法により各種の形状、例えば、板状
、円すい状、棒状、ペレット状、タブレット状等の製品
とすることができる。また、あらかし作製した板状体を
打抜きや、裁断等の加工法により各種形状の製品とする
ことができる。

さらに、原料混合物を布地や、金網、不織布等｛二含浸
させて硬化させることにより，シート状タイプやマット
タイプの製品とすることもできる。

（発明の効果） 本発明の抗菌剤組成物は、全体的には水不溶性の樹脂硬
化物からなるが、その内部には抗菌剤と水溶性可塑剤を
含む。従って，これを水中に入れた時には、硬化物から
水溶性可塑剤が徐々に溶出し、それに伴って抗菌剤も徐
々に放出される。本発明の抗菌剤組成物においては、抗
菌剤は水溶性可塑剤とともに水中に放出されるので、そ
の放出速度は非常に安定したものである．また、本発明
の抗菌剤組成物は、全体的には、硬化樹脂から構成され
るので、すぐれた機械強度を有するものである． 本発明の抗菌剤組成物は、水中において増繁殖する有害
微生物、例えば、緑藻類、珪藻類等の増Ｓ殖を防止ない
し制止するのに用いられる．本発明の組或物は，これを
水中に投入して使用し得る他、水と接触する容器の壁部
や底部、あるいは装置壁部等に適当に支持固定化するこ
とによって使用することができる． （実施例） 次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。

実施例１ 表−１に示した液状のエポキシ樹脂組成物を調製した。

なお，表−ｌに示した成分の具体的内容は次の通りであ
る。

エポキシ樹脂・・・エピコート８０７（エポキシ当量二
一１６８、油化シェルエポキシ社１） 硬化剤（Ａ）・・・ポリオキシプロピレンジアミン（分
子量４００）　（ジェファミンＤ−４００、ジェファー
ソンケミカノレ社製） 硬化剤（Ｂ）・・・ボリオキシプロピレンジアミン（分
子量２０００）　（ジエファミンＤ−２０００、ジェフ
ァーソンケミカル社ｍ＞ ＰＥＧ４００・・・分子量約４００のポリエチレングリ
コール 抗菌剤（１）・・・３−（３．４−ジクロロフェニル）
−１．１−ジメチル尿素 抗菌剤（Ｉｌｌ・・・３−（４−クロロフェニル）−１
．１−ジメチル尿素 なお、前記エポキシ樹脂組成物において用いたノニルフ
ェノールは、１００℃以下の硬化温度において短時間で
硬化させるために配合したものである． 表一ｌ 次に、前記液状のエポキシ樹脂組成物を、注型法により
、寸法１００＠ｍ　Ｘ　５０ｍｎ＋　Ｘ　５ｍｍの板体
に成形し，硬化（６０℃で５時間）させて硬化物とした
。

次に、前記で得た板状硬化物２０ｇを、水３０ｎの入っ
た水槽に入れ，抗菌剤の溶出量を時間の経過に応じて調
べた。その結果を表−２に示す。

表−２ 実施例２ 実施例１で得られた硬化物を藻類に対する抗菌効果を調
べるために，以下に示す４回の試験を順次行った． （１）第１回目の試験 工業用水３０Ｍの入った水槽に板状硬化物１５０ｇを入
れ，，これに濃度約１％の緑藻類菌（Ｃｈｌｏｒｅｌｌ
ａｖｕｌｇａｌｉｓ）を１５ｄ入れて２０日間常温に放
置した。

また、比較のために、本発明の硬化物を投入しない以外
は同様にして試験を行った。

その結果、本発明の硬化物を入れた水槽では３日間で殺
藻され、それ以後は緑藻菌は検知されなかった。一方、
比較試験では、試験終了時には、緑藻菌の著しい増殖が
起っていることが確認された． （２）第２回目試験 第１回目の試験に用いた硬化物を取出し、これをよく水
洗した後、再び第２回目の試験に供した。

この試験は、藻類として、糸状藻菌（Ａｎａｂａｅｎａ
）を用い，放置期間を２２日間とした以外は第１回目の
試験と同様にして行った．また、同様にして比較試験を
行った。

その結果、本発明の硬化物を入れた水槽では５日間で殺
藻され、それ以後は糸状藻菌は検知されなかった。一方
、比較試験では，緑色の糸状藻菌の著量の増殖が起って
いることが確認さハた。

（３）第３回目試験 第２回目の試験に用いた硬化物を取出し、これをよく水
洗した後、再び第３回目の試験に供した。

この試験は、藻類として、クーリングタワーより採取し
た複合藻類を用い，放置期間を３０日間とした以外は第
１回目の試験と同様にして行った．また、同様にして比
較試験を行った。

その結果、本発明の硬化物を入れた水槽では、緑色の藻
類の色が徐々に退色し、５日目には完全に退色し、灰白
色となり死滅した．それ以後は藻類は検知されなかった
．一方、比較試験では、藻類の著量の増殖が起っている
ことが確認された．（４）第４回目試験 第３回目の試験に用いた硬化物を取出し、これをよく水
洗した後，再び第４回目の試験に供した。

この試験は、藻類して緑藻菌（Ｈｏｌｍｉｄｉｕ＋＋＋
）と緑藻菌（Ｃｈｌｏｒｅｌａ　ｖｕｌｇａｒｉｓ）を
用い、放置期間を１６日間とした以外は第１回目の試験
と同様にして行った．また、同様にして比較試験を行っ
た。

その結果、本発明の硬化物を入れた水槽では２日間で殺
藻され、それ以後は藻類の著量の増殖が起っていること
が確認された。

（５）第５回目試験 第４回目の試験に用いた硬化物を取出し、これをよく水
洗した後、第５回目の試験に供した。この試験は、藻類
として、藍藻菌（Ｐｈｏｒａ＋ｉｄｉｕｎ＋　ｆｏｖｅ
ｏ１ａｒｕｍ）を用い、放置期間を２７日間とした以外
は第１回目の試験と同様にして行った。また、同様にし
て比較試験を行った。

その結果、本発明の硬化物を入れた水槽では１週間で殺
藻され、それ以後は藻類は検知されなかった．一方、比
較試験では、緑色の藻類の著量の増殖が起っていること
が確認された。

実施例３ 表−１に示したＮａｌのエポキシ樹脂組成物を注型法に
より厚さｌｃ■の大型の板状体にに成形し、硬化（６０
℃で５時間）させた。このようにして得た板体を４０ｃ
ｍ　Ｘ　４０ｃ＋ａの寸法に切断し、これを、３０冷凍
トン，保有水３０００１２の小型丸型クーリングクワー
の下部水槽に取り付けてタワーを夏場３ケ月間運転した
。この運転においては、夏場において通常発生していた
藻類の増繁殖が見られず、非常に良好な藻類の発生抑止
効果が得られた。

実施例４ 表−１に示したＮａ２のエポキシ樹脂組成物を注型法に
より直径６ｃｍの捧体に或形し，硬化（６０℃で５時間
）させた。得られた捧体を５０ｃ＋ａの長さに切断し，
５０冷凍トン、保有水５０００！のクーリングタワーの
下部水槽に取付けて夏場３ケ月間運転した。

この運転により、例年夏場に発生していた藻類の増繁殖
が効果的に防止された． 実施例５ 表−４に示したエポキシ樹脂組成物を注型法により厚さ
２ｃ＋＊の板体に成形し、硬化（６０℃で５時間）させ
た。得られた板体を２０ｃｍ　Ｘ　３０ｃｍの大きさに
切断し、これを５０冷凍トン、保有水５０００Ｑのクー
リングタワーの下部水槽に取付けて夏場３ケ月間運転し
た．この運転により，例年夏場に発生していた藻類の増
繁殖が効果的に防止された。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）抗菌剤及び水溶性可塑剤を含有する熱硬化性樹脂
   組成物の硬化物からなる徐放性抗菌剤組成物。
2. （２）該水溶性可塑剤がポリエチレングリコールである
   請求項１の組成物。
3. （３）該熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である請求項１の
   組成物。