JP4407019B2 - 浄化槽用害虫防除樹脂組成物及び浄化槽内の害虫を防除する方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は浄化槽用害虫防除樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、浄化槽の害虫防除方法としては、殺虫成分を噴霧する方法が主に使用されているが、該処理には大きな労力を要するうえ、その効果は噴霧時のみに限られる。よって、処理が簡便で、且つ優れた防除効果を長期間発揮し得る浄化槽用害虫防除剤の開発が望まれている。
【0003】
【課題を解決するための手段】
かかる状況下、本発明者は害虫防除剤について鋭意検討を行った結果、トランスフルスリンとエンペントリンとを有効成分として含有する樹脂組成物が、特に浄化槽内の害虫駆除において高い効果を長期間発揮し得ることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、トランスフルスリン[2,3,5,6−テトラフルオロベンジル(1R)−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]とエンペントリン[1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル クリサンテメート]とを有効成分(以下、本有効成分と記す)として含有する浄化槽用害虫防除樹脂組成物(以下、本発明組成物と記す)及び本発明組成物を浄化槽内に設置することを特徴とする浄化漕内の害虫を防除する方法を提供する。
【0004】
【発明の実施の形態】
トランスフルスリンはシブヤインデックス1999、29頁12段に記載の化合物であり、エンペントリンはシブヤインデックス1999、31頁4段に記載の化合物である。
【0005】
本発明組成物におけるトランスフルスリンとエンペントリンとの重量比は、通常1:9〜1:9の範囲であり、浄化槽内の害虫に対して相乗的な防除効果が得られる。好ましくは重量比で1:9〜3:7の範囲であり、さらに好ましくはおおよそ1:4の割合である。
【0006】
本発明組成物は、特に浄化槽内で、浄化槽内に生息する害虫、例えば、チョウバエ類、ノミバエ類、ユスリカ類、カ類等に対して優れた防除効果を発揮する。
【0007】
本発明において浄化槽とは、汚水を集めて処理する施設のある公共下水道に直接連絡できない地域において、水洗便所等を使用する際に設置される、家庭等から出る屎尿や生活排水等の汚水を浄化する能力を有する施設を意味し、本槽式(多室型)、2層室型、散水濾床型、平面酸化型、単純曝気型、地下砂濾過型、長時間曝気型等の単独処理装置、散水濾床式、高速散水濾床式、長時間曝気式、循環水路曝気式、標準活性汚泥式、分注曝気式、汚泥再曝気式等の合併処理装置、および簡易処理装置による浄化槽等を含む。
【0008】
本発明組成物で用いられる樹脂基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン性不飽和結合を有する有機カルボン酸誘導体とエチレンとの共重合体;ポリビニルアルコール;ポリカーボネート;ポリエステル;ポリスチレン;ポリメタクリル酸メチル;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体;ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂;ポリウレタン等が挙げられ、特にポリエチレン等のポリオレフィンが好ましい。
【0009】
使用される樹脂基材が熱可塑性樹脂の場合には、必要によりフタル酸エステル類(フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル等)、アジピン酸エステル類、ステアリン酸等の可塑剤を含有することができる。
【0010】
例えば本有効成分を該基材に混練する方法や、該基材に本有効成分を塗布、含浸または浸漬する方法等により本発明組成物が得られる。特に混練装置を用いて本有効成分を該基材と混練する方法が好ましい。
【0011】
本有効成分の該基材への混練は通常、混練装置内で、使用する基材が軟化する温度(例えば100〜180℃)で、本有効成分を直接、または可塑剤等で希釈した希釈液として該基材中に添加・混練される。混練装置としては、例えばバンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を挙げることができる。該混練後、射出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形、圧縮成形、真空成形、多層成形等の樹脂加工で通常用いられる成形方法により、板状、フィルム状、シート状、テープ状、網状、ひも状、棒状、円盤状、球状、繊維等の各種形状に成形加工できる。
【0012】
本有効成分の該基材への塗布、含浸方法としては、通常、本有効成分をそのままあるいは有機溶媒にて所定量に希釈した溶液を、成形後の樹脂表面に均一に塗布、含浸させる方法を挙げることができる。また本有効成分の該基材への浸漬方法としては、通常、本有効成分あるいは有機溶媒にて所定量に希釈した溶液中に、成形後の樹脂を浸漬させる方法を挙げることができる。前記塗布法、含浸法、浸漬法を用いる場合は、ポリウレタン等の微細な多孔質構造より成る樹脂基材を用いることが好ましい。
【0013】
本発明組成物は、浄化槽内の壁面に貼付したり、吊り下げることにより浄化槽内に配置されることにより、例えば2〜3ヶ月程度の長期間にわたり害虫を効果的に防除することが可能となる。
【0014】
本発明組成物中の本有効成分の含有量は、本発明組成物の形状、あるいは施用する浄化槽の容量、形状等により適宜変わりうるが、通常0.1〜50重量%である。また、本発明組成物の浄化槽への設置量は、浄化槽1m3当たり本有効成分量に換算して0.1gから50g程度である。
【0015】
本発明組成物中には、本有効成分以外の殺虫活性成分を適宜含有させることも可能である。かかる殺虫活性成分としては、ジクロルボス等の有機燐化合物、テラレトリン等のピレスロイド化合物、ハイドロプレン等の幼若ホルモン様物質等が挙げられる。
【0016】
また、本発明組成物中には、防汚剤、顔料、脱臭剤、芳香剤、香料、展着剤、防錆剤、滑剤、アンチブロッキング剤、界面活性剤、帯電防止剤等を適宜含有できる。
【0017】
【実施例】
以下、実施例にて本発明をより詳細に説明する。
実施例1
トランスフルスリン(以下、化合物Aと記す)0.22g及びエンペントリン(以下、化合物Bと記す)0.87gに超低密度ポリエチレン(住友化学工業株式会社製:EUL430)を加え、全量を100gとした。これをプラストグラフを用い、150℃、50rpmの条件で5分間溶融混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を150℃にて10分間プレス加工することにより、厚さ1mmのシートを得た。このシートを3×4cm(12cm2)に裁断することにより製剤1(化合物A0.22重量%/化合物B0.87重量%)を得た。
【0018】
実施例2〜5、比較例1〜2
化合物A/化合物Bの含有量を、1.09重量%/0重量%(比較例1)、0.87重量%/0.22重量%(実施例2)、0.65重量%/0.43重量%(実施例3)、0.54重量%/0.54重量%(実施例4)、0.43重量%/0.65重量%(実施例5)、0重量%/1.09重量%(比較例2)とした以外は実施例1と同様の操作を行い、製剤2(実施例2に対応)、製剤3(実施例3に対応)、製剤4(実施例4に対応)、製剤5(実施例5に対応)、比較製剤1(比較例1に対応)及び比較製剤2(比較例2に対応)を得た。
試験例1
製剤1〜5及び比較製剤1〜2をそれぞれ下記試験に供した。
疑似浄化槽としてガラス製試験容器(直径19cm、高さ42.5cm、容量0.012m3)を用い、この容器内にオオチョウバエ成虫20頭を放ち、容器内の中央に上記の製剤(製剤1〜5または比較製剤1〜2)が配するように木綿糸にて容器蓋中央より吊り下げ、該蓋にて試験容器を密閉した。以後、0.5時間後、1時間後、2.5時間後、5時間後に試験容器内にてノックダウンしている供試虫数を数えた。得られたノックダウン率をブリスのプロビット法を用いKT50値(供試虫の50%がノックダウンを示す時間)を求めた。
下記計算式により理論KT50値および相乗効果指数を求めた。
理論KT50値=P×化合物Aの配合比率+Q×化合物Bの配合比率
P:化合物A単剤(1.09重量%)における実験KT50値
Q:化合物B単剤(1.09重量%)における実験KT50値
相乗効果指数=実験KT50値÷理論KT50値×100
実験は各2反復で行った。結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、浄化槽内の害虫を簡便に、効率よく、しかも例えば2〜3ヶ月程度の長期間にわたって防除することが可能となる。
Claims (5)
- トランスフルスリンとエンペントリンを有効成分として含有することを特徴とする浄化槽用害虫防除樹脂組成物。
- トランスフルスリンとエンペントリンとの重量比が1:9〜3:7の範囲内である請求項1に記載の浄化槽用害虫防除樹脂組成物。
- 樹脂基材がポリオレフィン系樹脂である請求項1または2に記載の浄化槽用害虫防除樹脂組成物。
- 樹脂基材がポリエチレンである請求項1または2に記載の浄化槽用害虫防除樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の浄化槽用害虫防除樹脂組成物を浄化槽内に設置することを特徴とする浄化漕内の害虫を防除する方法。
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