JPH0355824B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、例えば電子写真複写機の加熱定着
部、あるいは刷版自動現像機の乾燥部等に適用す
ることができる加熱処理装置に関し、さらに詳細
には、複写紙と、刷版等のシート部材を搬送する
方向と略直交する方向（以下横断方向と称する）
に熱源体を配した加熱器を、シート部材の搬送手
段に対向して設け、シート部材の横断方向の温度
分布を略均一にするようにした加熱処理装置に関
する。

（従来技術） 上記構造を有する加熱処理装置においては、搬
送途上のシート部材を横断方向に配した熱源体に
よつて加熱するようになつているため、シート部
材の中央部の温度が、両側端部の温度より高温に
なり、そのためシート部材にはこの不均一な加熱
により、定着ムラが生じたり、しわが発生し、こ
のしわによつてジヤムを生じる等の不都合があつ
た。このため従来より例えば、ニクロム線を巻い
た直管型熱源体を用いる場合には、ニクロム線の
巻数を中央部は粗に、両端部は漸次密にして、シ
ート部材の横断方向における加熱分布を略均一に
する手段が採られていた。

また、直管型の光源を用いる場合には、中央部
をフイルタ等により遮光することにより、シート
部材の横断方向における加熱分布を略均一にする
手段が採用されている。

（発明が解決しようとする問題点） しかるに、上記のような加熱処理装置において
は、いつたん加熱分布状態を決定すると変更が困
難であり、例えば電子写真複写機の加熱定着部に
採用した場合、複写紙のサイズに応じて加熱分布
状態を調整し、常に均一な加熱定着を行なうこと
は困難であるとともに、仮に加熱分布状態を調整
することができたとしても、常に熱エネルギーを
損失する方向での調整であるため、熱源体の使用
効率も悪いという難点があつた。

本発明は、これらの難点を解消し、シート部材
のサイズが変つた場合でも、シート部材の横断方
向における加熱分布の調節が容易で、しかも熱源
体の使用効率が良い加熱処理装置を提供すること
を目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、上記目的を達成するために、例えば
第１図ないし第４図に示すように、シート部材１
に対して熱源体３の中央部を遠ざけ、両端部を近
づけるべく、その熱源体３を湾曲させて形成する
とともに、該当中央部におけるシート部材との離
間距離と側端部におけるシート部材との離間距離
とを相対的に可変調節する手段５を介して、その
熱源体３を加熱器４の機枠６に保持したことを特
徴とする加熱処理装置である。

（作用） 本発明は、熱源体３とシート部材１との離間距
離を、その横断方向に沿つて中央部が側端部に対
してより大きく離間するよう、可変調節手段５を
介して自在に調節し得る構成としたから、熱源体
３によるシート部材１の加熱分布状態は、当該離
間距離を調節することにより、自在に抑制され
る。

以下、本発明による実施例を図面に基いて説明
する。

（第１実施例） 第１図は本発明に係る加熱処理装置の第１の実
施例を示す正面図で、第２図はその−矢視断
面図である。

これらの図面において、２は駆動ローラ１１及
び従動ローラ１２に無端ベルト１３を張設した搬
送手段であり、この搬送手段２に対向して加熱器
４が設置されている。こ加熱器１の機枠６には熱
源体として、例えば複数の可撓性パネルヒータ３
が所定の間隔で配設されている。なお、これらの
パネルヒータ３は細長い短冊状で、シート部材１
の搬送方向（矢印Ａで示す）に対し、これと直交
する横断方向に配設されている。

当該パネルヒータ３の両端は、機枠６の天井に
ヒンジ状の保持部材７によつて回動自在に保持さ
れ、かつその中央部は当該中央部に一端を固設し
たネジ８によつて、当該機枠６にナツト９止めさ
れている。この第１実施例では、上記ヒンジ状の
保持部材７、ネジ８及びナツト９でもつて熱源体
３の可変調節手段５を構成する。

このネジ８もしくはナツト９の調節によつて、
パネルヒータ３の中央部をシート部材１に対して
遠ざけたり、近づけたりすることによつてシート
部材１の横断方向における加熱分布状態を適宜調
節することができる。

第１図および第２図においては、中央部のみを
接離調節し得るようにしたが、適宜パネルヒータ
３の横断方向における複数個所に可変調節手段５
を設けるようにしてもよい。

また、可撓性熱源体３としては、パネルヒータ
に限らず、ニクロム線で形成したヒータを用いる
こともできる。

この実施例のように可撓性熱源体３を用いた場
合には、シート部材１と熱源体３との離間距離を
比較的自由に調節することができるから、加熱分
布を均一にするのが容易となる。

（第２実施例） 第３図は本発明に係る加熱処理装置の第２の実
施例を示す正面図で、第４図はその−矢視断
面図である。

これらの図面においては、前期第１実施例と同
様、搬送手段２に対向して加熱器４を設置する
が、ここでは熱源体３として複数の湾曲形成され
た長管ランプ等の棒状ヒータ３ａが所定間隔で配
設されている。これらの棒状ヒータ３ａは第１の
実施例と同様シート部材１が搬送される矢印方向
Ａに対し、これと直交する横断方向に配設され
る。

この第２の実施例においては、湾曲形成した棒
状ヒータ３ａの両端部をソケツト１４によつて保
持し、該ソケツト１４にその一端が固設されたネ
ジ１５を加熱器４の機枠６に回動自在にナツト９
を介して保持するように構成されている。

したがつて、シート部材１の横断方向における
加熱分布状態を略均一にするには、第４図によう
に棒状ヒータ３ａの両端部を支点にして、棒状ヒ
ータ３ａを矢印Ｃ方向に回動調節すれば、第３図
矢印Ｂで示すように、棒状ヒータ３ａの中央部を
シート部材１に対して接離調節可能となり、加熱
分布状態の調節が可能となる。

（発明の効果） 本発明は、搬送装置２に載置したシート部材１
に対して、その横断方向に配した熱源体３を湾曲
形成するとともに、その中央部を遠ざけたり、近
づけたりすることにより、シート部材１に対する
その中央部を離間距離の両端部の離間距離とを可
変調節手段５により、相対的に可変するように構
成したから、次のような効果を奏する。

(イ) 搬送途上にあるシート部材を該シート部材の
横断方向に略均一な加熱分布状態を得ることが
できるとともに、これによつてシート部材のし
わ、ジヤムを生ずることもない。

(ロ) シート部材のサイズが変わつた場合でも、シ
ート部材の最大サイズに対応する熱源体さえ配
設されていれば容易に均一な加熱分布状態を得
ることができ、従来のように熱エネルギーを損
失する方向での調整でないため、熱源体の使用
効率も良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る加熱処理装置の第１の実
施例を示す縦断正面図、第２図はその−矢視
断面図、第３図は第２の実施例を示す縦断正面
図、第４図はその−矢視断面図である。 １……シート部材、２……搬送手段、３……熱
源体、３ａ……棒状の熱源体、４……加熱器、５
……調節手段、６……加熱器の機枠。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ シート部材を載置して搬送する搬送手段を有
   し、その搬送方向と略直交する方向に熱源体を配
   した加熱器を、前記搬送手段に対向して設けた加
   熱処理装置において、 熱源体を、該熱源体の中央部における離間距離
   と両端部における離間距離とを相対的に可変し得
   る調節手段を介して、加熱器の機枠に装着するこ
   とにより、シート部材に対して熱源体の中央部を
   遠ざけ、両端部を近づけてその熱源体を湾曲形成
   したことを特徴とする加熱処理装置。 ２ 熱源体が可撓性熱源体である特許請求の範囲
   第１項に記載の加熱処理装置。 ３ 熱源体がパネルヒータである特許請求の範囲
   第１項もしくは第２項に記載の加熱処理装置。 ４ 調節手段が可撓性熱源体の両端部を回動自在
   に保持する保持部材と、当該熱源体の中央部を上
   下自在に保持するネジ及びナツトからなる特許請
   求の範囲第１項に記載の加熱処理装。 ５ 熱源体が湾曲形成された棒状の熱源体である
   特許請求の範囲第１項に記載の加熱処理装置。 ６ 調節手段が湾曲形成された棒状の熱源体の両
   端部を機枠の所定位置に回動自在に軸支するネジ
   及びナツトからなる特許請求の範囲第１項に記載
   の加熱処理装置。