JPH0355513Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、自転車のキヤリパーブレーキに関
し、特にその取付け作業を容易にできるようにし
たキヤリパーブレーキに関する。

〈従来の技術〉 一般の自転車用キヤリパーブレーキは、支持軸
３０により回動可能に支持される１対のブレーキ
アーム３１，３２と、ブレーキアームの先端に内
側を向けて取付けられるブレーキゴム３４と、ブ
レーキアーム３１と３２を開く方向に付勢するね
じりばね３５とブレーキアーム３１の一部に設け
られたワイヤ固定金具３６と、ブレーキアーム３
２の一部に設けられたワイヤ調整金具３７とを備
えて構成される。

〈考案が解決しようとする課題〉 組立てられたキヤリパーブレーキを自転車に取
付ける場合、その支持軸３０を自転車フレームの
所定位置に固定して装着するが、この取付け時、
ブレーキケーブルは連結されてないため、第７図
のように、ブレーキアーム３１，３２がねじりば
ね３５の力に大きく開いてしまい、装着しにくい
課題があつた。

また、フレームに取付けた後、ブレーキワイヤ
のアウタワイヤをワイヤ調整金具３７に係止し、
インナーワイヤをワイヤ固定金具３６に固定し
て、ブレーキワイヤを連結するが、この際、ブレ
ーキアーム３１，３２は大きく開いているため、
このブレーキアーム３１，３２をばね力に抗して
手で押し狭めながら、インナーワイヤをワイヤ固
定金具３６に固定しなければならず、装着作業が
やりにくい課題があつた。

本考案は、上記の課題を解決するためになされ
たもので、装着作業を容易に行うことができる自
転車用キヤリパーブレーキを提供することを目的
とする。

〈課題を解決するための手段〉 上記の目的を達成するために、本考案の自転車
用キヤリパーブレーキは、中間部にフランジを有
する支持軸により両側ブレーキアームを回動可能
に支持し、両ブレーキアームを開く方向に付勢す
るばねを設けた自転車用キヤリパーブレーキにお
いて、係止片を有するアーム係合保持部材がフラ
ンジに係合した状態で支持軸に外嵌され、両ブレ
ーキアームの一部に係合段部を設け、その係合段
部と前記係止片を係合させ、両ブレーキアームの
開方向への回動を係止片により規制するように構
成したものである。

〈作用〉 このキヤリパーブレーキは、係止片を有するア
ーム係合保持部材がフランジに係合した状態で支
持軸に外嵌され、両ブレーキアームの一部に係合
段部を設け、その係合段部と前記係止片を係合さ
せ、両ブレーキアームの開方向への回動を係止片
により規制するため、ブレーキワイヤを接続しな
い非装着状態で、両ブレーキアームは、装着状態
に近い略馬蹄形を呈することができる。

このため、自転車フレームへの装着が容易とな
り、ブレーキワイヤの接続作業も容易に行うこと
ができる。

〈実施例〉 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図はキヤリパーブレーキの平面図を、第３
図はその右側図面を、第４図はその正面図を示し
ている。１１は一対のブレーキアーム１３，１４
を支持する支持軸で、この支持軸１１には第６図
のように、その中間部にフランジ１２が設けら
れ、そのフランジ１２の先端側には、歯形が形成
され、後述のねじりばね１６が挿入されるための
切欠部１２ａと、後述のアーム係合保持部材１５
の係合片１５ｂが係合するための切欠部１２ｂが
設けられる。

アーム係合保持部材１５は、第６図に示すよう
に、中央に支持軸１１を嵌挿させる孔を有し、上
部に軸の先端方向に伸びる係止片１５ａが突設さ
れ、下部反対側に係合片１５ｂが突設される。こ
のアーム係合保持部材１５は支持軸１１に挿通さ
れ、上記フランジ１２の切欠部１２ａにねじりば
ね１６が係止された状態で、係合片１５ｂが切欠
部１２ｂと係合するように、フランジ１２と係合
され、回動不可能な状態に組み付けられる。

一対のブレーキアーム１３，１４は組合わせた
状態で馬蹄形となるように形成され、一方のブレ
ーキアーム１３の下端にブレーキゴム１９が取付
けられ、そのブレーキアーム１３の先端にワイヤ
固定金具２１が取付けられる。他方のブレーキア
ーム１４の下端にもブレーキゴム２０が取付けら
れ、ブレーキアーム１４の上端にワイヤ調整金具
２２が取付けられる。

さらに、ブレーキアーム１３の中央上部とブレ
ーキアーム１４の先端上部には、上記アーム係合
保持部材１５の係止片１５ａと係合する係合段部
１３ａと係合段部１４ａが設けられる。

そして、アーム係合保持部材１５を外嵌させた
支持軸１１の先端側に、一対のブレーキアーム１
３，１４が、その中央又は先端付近に設けた孔に
軸を挿通させるように外嵌され、且つブレーキア
ーム１３の係合段部１３ａとブレーキアーム１４
の係合段部１４ａに、上記アーム係合保持部材１
５の係止片１５ａが係合するように組み付けられ
る。そして、一対のブレーキアーム１３，１４は
適度な摺動抵抗を持つて回動し得るようにナツト
１７と袋ナツト１８により締つけられ、ねじりば
ね１６の両端が両ブレーキアーム１３，１４の突
起に掛止される。

このように組み付けられたキヤリパーブレーキ
は、ねじりばね１６が両ブレーキアーム１３，１
４を開く方向に付勢しているが、ブレーキアーム
１３は、その係合段部１３ａが係止片１５ａの第
４図左側に当つて停止し、ブレーキアーム１４は
その係合段部１４ａが係止片１５ａの右側に当つ
て停止する。このため、第４図のように、略馬蹄
形の装着しやすい形状を保持した状態となる。

このような状態でキヤリパーブレーキは、自転
車フレームの所定位置の取付け孔にその支持軸１
１を挿入してナツトで締付け固定され、次に、ブ
レーキワイヤのアウタワイヤ先端をワイヤ調整金
具２２内に挿入し、そのインナーワイヤの先端を
ワイヤ固定金具２１に固定する。

このとき、キヤリパーブレーキは作動時に近い
略馬蹄形となつているため、従来のように、両ブ
レーキアームを強く押し狭めながらワイヤを固定
するという煩雑さはなく、簡単にワイヤを連結す
ることができる。そして、装着後、ワイヤ調整金
具２２を操作してブレーキゴムとリムの間隙を調
整する。

〈考案の効果〉 以上説明したように、本考案の自転車用キヤリ
パーブレーキによれば、係止片を有するアーム係
合保持部材を、フランジに係合した状態で支持軸
に外嵌させ、両ブレーキアームの一部に係合段部
を設け、その係合段部と前記係止片を係合させ、
両ブレーキアームの開方向への回動を係止片によ
り規制するため、ブレーキワイヤを接続しない状
態でも、両ブレーキアームは、装着状態に近い馬
蹄形を呈し、自転車フレームの所定箇所に容易に
組み付けることができる。

また、ブレーキワイヤをブレーキアームのワイ
ヤ固定金具に連結する場合、従来のように、ブレ
ーキアームを手で強く押し狭めながらワイヤをブ
レーキアーム端部に接続しなくてもよいため、容
易に接続作業を行うことができる。

さらに、両ブレーキアームの回動範囲が狭く規
制されるため、両ブレーキアームを開く方向に付
勢するばねのばね力を、従来に比べ弱くすること
ができ、このために、ブレーキの操作力を軽くす
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すキヤリパーブ
レーキの平面図、第２図は第１図の−断面
図、第３図はその右側面図、第４図はその正面
図、第５図はブレーキアーム１４の正面図、第６
図は支持軸とアーム係合部材の斜視図、第７図は
従来のキヤリパーブレーキの正面図である。 １１……支持軸、１２……フランジ、１３，１
４……ブレーキアーム、１３ａ，１４ａ……係合
段部、１５……アーム係合保持部材、１５ａ……
係止片、１６……ねじりばね。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 中間部にフランジを有する支持軸により両側ブ
   レーキアームを回動可能に支持し、該両ブレーキ
   アームを開く方向に付勢するばねを設けた自転車
   用キヤリパーブレーキにおいて、 係止片を有するアーム係合保持部材が前記フラ
   ンジに係合した状態で前記支持軸に外嵌され、前
   記両ブレーキアームの一部に係合段部を設け、該
   係合段部と前記係止片を係合させ、両ブレーキア
   ームの開方向への回動を該係止片により規制した
   ことを特徴とする自転車用キヤリパーブレーキ。