JPH0354617Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、上面側あるいは下面側のどちらか
を使用するかによつて硬さが異なるようにしたマ
ツトレス装置に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

一般に従来のマツトレス装置は多数のスプリン
グを平板状に連結してスプリングユニツトを構成
し、このスプリングユニツトの上下面に綿やウレ
タンフオーム等の弾性材を添設し、それらを外装
地で被覆して構成されている。したがつて、この
様なマツトレス装置の硬さは上面側あるいは下面
側のどちらかを使用しても同じである。すなわ
ち、１つのマツトレス装置は一定の硬さしか備え
ていないから、利用者が変わりこの利用者の好み
が異なる場合などは非常に不便であつた。又、弾
性材として使用されるウレタンフオーム自体は通
気性の点において十分とは言えない。したがつて
クツシヨン性を持たせる程度にウレタンフオーム
に厚みを持たせると、マツトレス装置としての通
気性が不十分であるという問題がある。

〔考案の目的〕

この考案は上記事情にもとづきなされたもの
で、その目的とするところは、上面側あるいは下
面側のどちらを使用するかによつて硬さが異なる
ようにすると共に通気性にも優れ、従来にない寝
心地を得られるようにしたマツトレス装置を提供
することにある。

〔考案の概要〕

この考案はスプリングユニツトの一方の面に畳
あるいは畳芯を添設し、他方の面に弾性材を添設
し、それらを外装体で被覆したマツトレス装置で
ある。

〔実施例〕

以下この考案の一実施例を図面にもとづいて説
明する。図中１はスプリングユニツトで、このス
プリングユニツト１は多数のスプリング２…をヘ
リカル線３…で平板状に連結するとともにこの上
面と下面の周辺に各々枠線４，４を上記スプリン
グ２…にクリツプ（図示せず）で連結して構成し
ている。

そして、このように構成されたスプリングユニ
ツト１の上面側には、フエルトなどからなる保護
材５を介して、畳６あるいは畳芯が添設され、下
面側には保護材５を介して綿やウレタンフオーム
等の弾性材７が添設されている。そして、それら
が外装体８で被覆されている。上記外装体８は、
上記畳６の上面に敷設される上部外装体９と、上
記弾性材７の上面に敷設される下部外装体１０
と、スプリングユニツト１の周辺部を被い、一端
側が上部外装体９の周縁部と、他端側が下部外装
体１０の周縁部とそれぞれテープエツヂ１１と共
に縫着されたマチ地１２とで構成されている。

上記上部外装体９は、線あるいはウレタンフオ
ームなどからなる詰物１３を介在して上鏡地１４
と金布１５をキルテイング加工し、その周辺内面
にフランジ布１６の一端側を縫着してなり、そし
て上記フランジ布１６の他端側を上記保護材５を
巻き込んでクリツプ１７…によりスプリング２…
に連結固定している。同様に下部外装体１０は詰
物１３を介在して下鏡地１８と金布１９をキルテ
イング加工し、その周辺内面にフランジ布１６の
一端側を縫着してなり、このフランジ布１６の他
端側を上記保護材５と弾性材７を巻き込んでクリ
ツプ１７…によりスプリング２…に連結固定して
いる。

しかして、上記構成のマツトレス装置によれ
ば、この上面側あるいは下面側のいずれかを使用
する場合の硬さは、畳６と弾性材７との弾力性の
差によつて異なつてくる。すなわち、たとえば上
面側に荷重が加わつた場合には、スプリングユニ
ツト１の各々スプリング２…が上記荷重に応じ畳
６を介して各々所定量の弾性変形しようとする。
しかしながら上記スプリング２…には畳６を介し
て荷重が加わる。仮にこの畳６が荷重によつて変
形しやすい場合には上記荷重が各スプリング２…
に分散されず集中的に加わる。この集中した荷重
により荷重が加わつた各スプリング２…は荷重に
応じて弾性変形するので弾性変形量は大きくな
る。しかしながら畳６は弾力性が小さく変形しず
らい為スプリングユニツト１の各スプリング２…
には畳６により荷重が分散されて加わる。したが
つて各スプリング２…はあたかも一体となるよう
にして荷重を受けるから各スプリング２…の弾性
変形量は小となる。

これに対して下面側の綿やウレタンフオームか
らなる弾性材７は弾力性が大であるから、この弾
性材７を介して加わる荷重は各スプリング２…に
分散されず集中的に加わる。したがつて、各スプ
リング２…はその荷重に応じて弾性変形するから
荷重が加わつた各スプリング２…の弾性変形量は
大となる。

すなわち、このような構成のマツトレス装置に
よれば、この上面側を使用するか下面側を使用す
るかによつてスプリング２…の弾性変形量に差が
生じるから、どちらかの面を使用するかによつて
異なる硬さが得られる。又上記畳６の弾力性は弾
性材７に比べて小であるが、畳６独特の弾力性を
有している。

したがつてスプリングユニツト１により全体の
荷重を受けてある程度の、スプリング独特のクツ
シヨン性を呈し、更に畳６独特のクツシヨン性に
より硬く利用者を支持するから、従来にない硬い
感触を有しながらも、クツシヨン性がある独特の
寝心地を呈するマツトレス装置となる。更に、畳
６はウレタンフオームに比べて通気性に優れてい
るので、上面側は特に通気性に優れたものとな
り、特に夏季に於てより効果を得ることができ
る。

なお、この実施例に於ては、外装体８に詰物１
３を設けるようにしたが、詰物１３を設けないよ
うにしても良い。

〔考案の効果〕

以上述べたようにこの考案においては多数のス
プリングを平板状に連結して構成されたスプリン
グユニツトの一方の面に畳あるいは畳芯を添設
し、他方の面に弾性材を添設するようにしたか
ら、これら畳と弾性材の弾力性の差に応じて上面
側と下面側のいずれを使用するかによつてマツト
レス装置の硬さが異なる。したがつて利用者の好
みや体調などに応じた最適な硬さでマツトレス装
置を利用することができる。

更に、畳による硬い感触とスプリングによるク
ツシヨン性とによる従来にない独特の寝心地を得
ることができる。又、通気性にも優れたものとな
るなどの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示す一部を断面し
た側面図である。 符号、１……スプリングユニツト、２……スプ
リング、６……畳、７……弾性材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数のスプリングを平板状に連結してスプリン
   グユニツトを構成し、このスプリングユニツトの
   一方の面に畳あるいは畳芯を添設し、他方の面に
   弾性材を添設し、それらを外装体で被覆して構成
   した事を特徴とするマツトレス装置。