JPH0354039Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、駅や列車内に於ける湯茶の販売に使
用するものであり、容器本体の注出口に茶こしを
着脱自在に挿着すると共に、容器本体の側壁に茶
葉用ステイツクの収納窪部を形成したプラスチツ
ク製容器に関する。

（従来の技術） 駅や列車内での茶の販売には、通常第６図に示
す様なプラスチツク製容器が使用されており、容
器Ａ内に予かじめ茶葉を煎じた湯茶を入れて販売
するか、又は、容器Ａ内に湯のみを入れ、これに
茶葉のパツクを添えて販売されている。

しかし、前者の場合には、所謂茶の香りや味が
時間の経過と共に損なわれるという欠点がある。
また、後者の場合にも、茶葉が繊維質の袋材によ
つて包まれているため、湯の温度が60℃以下位に
低下すると、茶の香りや味が十分に出ず、所謂美
味い湯茶が得られないことという難点がある。

これに対して、茶葉を直接湯の中へ混入した場
合には、湯温が50℃位いに低下した場合にでも茶
の香りや味が十分に出て、美味しい湯茶を得るこ
とが出来る。

ところが、従前のプラスチツク製容器Ａでは、
茶葉を直接湯内へ投入すれば、茶湯の注出時に注
出口Ｂから茶葉が一緒に流出し、極めて好都合で
ある。又、茶葉の流出を防ぐため、注出口Ｂに網
状の茶こしを設けたような場合には、湯の注入や
茶葉の投入が著しく困難になり、更に、湯の注入
口と湯茶の注出口とを別個に設ける場合には、容
器の製造コストが上昇するという難点がある。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、従前の湯茶販売用のプラスチツク製
容器に於ける上述の如き問題、即ち容器内へ直
接茶葉を投入すると茶葉が流出すること、網状
の茶こしを注出口に取付けると湯や茶葉が入れ難
くなること、所謂急須型の容器にすると、容器
の製造コストが上昇すること、等の問題を解決せ
んとするものであり、湯や茶葉が入れ易く、しか
も茶葉の流出が全く無く、そのうえ製造コストの
安価な湯茶の販売用容器を提供するものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、容器本体の注出口に、筒体の内部空
間を筒体とほぼ等しい高さの仕切壁によつて分割
してその一方の空間の上方にスクリーンを形成し
て成る茶こしを、着脱自在に挿着したことを考案
の基本構成とするものである。

（作用） 容器本体内へ湯を注入し、これに茶葉を入れた
茶葉ステイツクを添えて販売する。

茶を飲む場合には、蓋を取外し、茶葉ステイツ
クからの茶葉を茶こしの開口部を通して湯内へ投
入する。

容器本体を傾け、茶こしのスクリーンを通して
湯茶を注出すると、湯内で膨展した茶葉は、スク
リーン下方の仕切空間内に集積され、湯茶のみが
注出されることになる。

（実施例） 以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。

本考案は、第１図乃至第５図に示す如く、容器
本体１と、蓋体２と、容器本体の注出口４に嵌着
した茶こし３とから構成されており、前記各部材
１，２，３は全て合成樹脂の一体成形品である。

容器本体１は、胴部１ａが四角筒状に、口部１
ｂが円筒状に夫々形成されており、口部１ｂの外
周面には蓋体２の締込み用ねじ５が設けられてい
る。又、前記胴部１ａの両側面には、把持用の浅
窪部６′，６′が形成されており、更に、胴部１ａ
の一隅には、縦長の窪部６が形成されている。
尚、前記窪部６は、後述するように煎茶葉等を入
れた筒状の紙袋（茶葉ステイツク）を収容するた
めのものである。

前記蓋体２は、容器本体１の口部１ｂに挿着さ
れており、口部外周部のねじ５へ螺着することに
より、容器内を密封する。また、当該蓋体２は、
容器本体１から取り外すことにより、湯茶用のコ
ツプとして利用される。

前記茶こし３は、第３図乃至第５図に示す如
く、外周壁の上端部を外方へ折り返した筒体８の
内部空間を、該筒体８とほぼ等しい高さの円弧状
の仕切壁９によつて分割し、仕切壁９の外側の空
間の上部に、複数のスリツト１０ａから成るスク
リーン１０を形成して構成される。

当該茶こし３は、容器本体１の注出口４内へ挿
入され、逆Ｕ字状の係止溝８ａ内へ容器本体１の
口部外壁上端を挿入することにより、これに着脱
自在に挿着されている。

尚、本実施例では、前記仕切壁９を断面が円弧
状の形態としているが、これを直線状としてもよ
いことは勿論である。また、仕切壁９の外側空間
の天井壁９ａに複数のスリツト１０ａを設けてス
クリーン１０を形成しているが、天井壁９ａに円
又は四角状の孔を穿設するようにしてもよい。

次に、本件湯茶の販売用容器の使用方法を説明
する先ず、容器本体１内へ注出口４から湯を注入
する。その後、茶こし３を注出口４内へ挿入し、
係止溝８ａ内へ本体１の上端外周壁を圧入せしめ
ることにより、これを挿着する。

次に、蓋体２を容器本体１の口部へ締込み、蓋
体２と茶こし３と容器本体１間の気密を保ち、容
器内を密封する。尚、容器本体１の胴部に形成し
た窪部６には、予かじめ茶葉を入れた縦長の紙袋
（茶葉ステイツク１１）が収納され、接着剤等に
より剥離自在に固着されている。

湯（70℃〜80℃）を入れた容器は駅や列車内で
販売され、購入者は、蓋体２を取り外したあと、
前記茶葉ステイツク１１を開封して、茶こし３の
開口部８ｂから茶葉を直接湯の中へ投入する。

そして、適宜時間の経過後、容器本体１を傾け
て、茶こし３のスクリーン１０を通して湯茶を蓋
体２内へ注出する。

この場合、湯中で大きく膨展した茶葉は、スク
リーン１０の下方空間内に溜まり、容器本体１を
相当傾斜させた場合でも、茶葉が外部へ洩出する
ことはない。

（考案の効果） 本考案に於いては、容器本体１の注出口４へ、
筒体の外周壁と略同じ高さの仕切壁９によりその
内部空間を仕切ると共に、その片側の仕切空間部
の上部にスクリーンを形成して成る茶こし３を、
着脱自在に挿着した構成としているため、茶葉を
湯の中へ直接投入したあとこれを傾けても、膨展
した茶葉は、全てスクリーン１０の下方の筒体８
と仕切壁９間の空間部に集積され、湯茶の中へは
全く洩出しなくなる。

その結果、茶葉を直接容器内へ投入することが
出来、湯温が50℃位いにまで低下した場合でも、
味や香りが充分に出た美味しい茶湯を得ることが
出来る。

また、茶こし３には、クリーンの無い開口部８
ｂが設けられているため、使用者は該開口部８ｂ
から容易に茶葉を容器内へ投入することが出来る
と共に、茶こし３を容器本体１へ着脱自在として
いるため、湯を入れる際には該茶こし３を取り除
くことも出来、実用的に極めて便宜である。

更に、容器本体１の外壁面には、茶葉ステイツ
ク１１の収納用の窪部６が形成されているため、
茶葉ステイツク１１をコンパクトに収容すること
が出来、極めて便宜である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、容器本体の正面図であり、第２図は
第１図のＡ−Ａ視断面図である。第３図は、茶こ
しの平面図であり、第４図は第３図のＢ−Ｂ視断
面図である。第５図は、茶こし付容器の縦断面図
である。第６図は、従前の茶販売用容器の断面図
である。 １…容器本体、２…蓋体、３…茶こし、４…注
出口、６…窪部、８…筒体、９…仕切壁、１０…
スクリーン、１１…茶葉ステイツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器本体１の注出口４に、筒体８の内部空間を
   筒体８とほぼ等しい高さの仕切壁９によつて分割
   してその一方の空間の上方にスクリーン１０を形
   成して成る茶こし３を、着脱自在に挿着したこと
   を特徴とする湯茶の販売用容器。