JPH0353555B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 本発明はスーパーマーケツト等において食品を
冷凍しながら展示するために用いられる、いわゆ
る冷凍シヨウケース（以下単にシヨーケースと呼
ぶ）内の熱交換器としてのエバポレータに付着し
た霜を取り除くための制御装置に関する。

〔従来技術とその問題点〕

この種の霜取り制御装置（以下装置と呼ぶ）
は、空気中の水分が熱伝導の悪い霜の形で前記エ
バポレータに附着することにより、エバポレータ
の冷却能力が低下するので、ある期間毎に、除霜
ヒータなどを用いて霜を融かして除く装置である
が、この種の装置として従来は、除霜ヒータを一
定時間の周期でON／OFFを繰返すタイマー（例
えば何分間ON、何時間OFFと言うように）と、
除霜時、前記除霜ヒータをONしたのち一定の庫
内温度以上となると、除霜終了とみなし除霜ヒー
タをOFFするサーモスイツチの２つの単体の製
品をシーケンス的に組合せ構成して制御を行なつ
てきたが、この従来装置においては、下記のよう
な問題点がある。

(1) ２つの単体製品を組み合わせるという理由か
ら、その他の付属品などを合わせるとどうして
も大きくなりがちであり、シヨウケースに内蔵
することが困難で、一般に動力室に置くことと
なりそれに伴なう配線用の材料費、工事費など
が高額になる。

(2) 所定の時間感覚でのみON／OFFするタイマ
ーを使用している為、外気の湿度条件に応じた
（すなわち霜の付着成長する速さに応じた）、従
つて例えば季節別の霜取り時間間隔の調整、あ
るいはスーパーマーケツトにおける販売の集中
する時間帯を避けて霜取りを行うようなタイマ
ー時間の調整、（これは霜取り中には展示商品
の冷却は行われず、このため展示商品を購入す
る客から商品の品質を疑われるため、販売の集
中する時間帯、例えば午後から夕方にかけての
霜取りは避けたいと言う、スパーマーケツトの
管理者の要望による）が実際上不可能に近い。

〔発明の目的〕

この発明は前述の欠点を除き、従来の様に個別
の機能を持つた単体製品の組合せによつて行なわ
れていた霜取りの制御を一台の装置として集約し
小形化して、装置をシヨウケースに内蔵すること
を可能とし、装置や配線工事の費用を低減でき、
霜取り開始時点を多数点、任意かつ容易に設定可
能で、さらに除霜後の冷凍再開時、冷凍機の同時
機動によるピーク電流の重なりを抑制し電源設備
の容量を低減し得るなどの機能を持つ霜取り制御
装置を提供することを目的とする。

〔発明の要点〕

本発明の要点は除霜開始時点を、時計を用い、
任意の複数の時刻として設定することにより、季
節別、時間帯別に自由に除霜開始時点を設定し得
るようにするとともに、１つの前記除霜開始時点
の除霜開始信号に対応して順次所定の時間差を持
つ他の除霜開始信号を出力しそれぞれの除霜開始
信号により対応する各系統におけるシヨウケース
の除霜を行なうことにより、除霜後それぞれのシ
ヨウケースの冷凍機の再起動における起動電流の
重なりを防ぐようにした点にある。

〔発明の実施例〕

以下第１〜４図に基づいて本発明を説明する。

第１図はシヨウケースの構造例を示す断面図
で、Ｓはシヨウケースの本体、Ｆはその前面、
SHはシヨウケースの庫内に設けられた商品の展
示棚、１は後述のエバポレータ３により冷却され
た空気（冷気）を外側のエアーカーテンＡ１に介
してシヨウケースの庫内に循環させ、展示棚上の
商品の冷却を保つフアン、５は同じく内側のエア
ーカーテンＡ２を介して前記冷気を庫内に循環さ
せ、また後述の除霜ヒータ４によつて加熱された
空気をも同様に循環させるフアン、２はフアン５
によつて循環される庫内空気温度を検出する温度
センサ、３は外部の冷凍機（図示せず）より送ら
れる冷媒により、庫内を循環する前記の空気を冷
却する熱交換器としての前記エバポレータ、４は
エバポレータ３に付着した霜を溶かすための前記
除霜ヒータ、６は本発明における霜取り制御装置
である。

次に第１図の各部の動作を説明すると、霜取り
制御装置６は、シヨウケースＳの前面Ｆの上部に
位置し、前方より８桁の液晶の表示板（第２図１
９）が見える様になつており、必要により該表示
板１９を見ながら設定用のキーボード（第２図１
８）を介して、設定値を入力する事ができる。

装置の制御対象となる除霜ヒータ４は、エアー
カーテンＡ２に対応する循環用のフアン５のすぐ
後に位置し、除霜ヒータ４を通電する事によりフ
アン５によつてエバポレータ３に、高温の空気を
吹き付けられる構造になつている。

除霜ヒータ４の通電によつて高温となつた空気
は、エバポレータ３を温ため、エバポレータ３に
付着した霜を溶かすが、付着した霜がやがてほと
んどとけてなくなると、今まで霜によつて吸収さ
れていた前記の高温の空気の熱が吸収されなくな
り、エバポレータ３を通過した空気の温度はしだ
いに高くなつてくる。その温度（庫内空気温度θ
と呼ぶ）を温度センサ２によつて監視し、該庫内
空気温度θが解除温度θMに達すると霜取りが終
了したものと間接的に判断し、除霜ヒータ３の通
電を停止する。

次に第２図は霜取り制御装置の構成を示すブロ
ツク図で、１１は図示されていない中央処理装
置、ROMとしてのプログラムメモリ、RAM、
入出力インターフエイス、などを内蔵した１チツ
プ型のマイクロコンピユータ、１２はＡ／Ｄコン
バータで、系統１のシヨウケース（図示せず、な
おここで系統とは、シヨウケースの群の配置など
と対応する配線上の区分を言つている。）内の前
記温度センサ２に相当する温度センサ２１、同じ
く系統２のシヨウケース（図示せず）内の温度セ
ンサ２２の各検出温度（前記庫内空気温度θに相
当するθ1，θ2）に対応する各アナログ信号を各レ
ベル変換部１２ａ１，１２ａ２に入力したのちデ
ジタル信号に変換しマイクロコンピユータ１１に
入力する。１３１，１３２はそれぞれ前記系統１
のシヨウケース内の前記除霜ヒータ４に相当する
除霜ヒータ４１、同じく前記系統２のシヨウケー
ス内の除霜ヒータ４２、を通電制御する除霜リレ
ーで、それぞれマイクロコンピユータ１１より出
力されるヒータ通電信号Ｈ１，Ｈ２によつて動作
する。１７は前記除霜ヒータ４１，４２の最大通
電時間（従つて前記ヒータ通電信号Ｈ１，Ｈ２の
最大の出力時間）としての除霜制御時間TLを設
定し、マイクロコンピユータに入力する除霜制限
時間設定スイツチ（制限時間スイツチと呼ぶ）。
１８はマイクロコンピユータ１１に次の設定値、
すなわち現在時刻、除霜開始時刻（t1〜tn）、お
よび霜取りの終了を判別するための前記解除温度
θMに相当し、系統１，２の各シヨウケースに対
応する解除温度θM，θM２を入力するためのキー
ボードで、１８ａは前記現在時刻の設定、すなわ
ちマイクロコンピユータ内の時計（図示せず）を
現在時刻に合わせるために当該の説明モードであ
ることをあらかじめ指定するいわゆるフアンクシ
ヨンキーとしての時計キー、１８ｂは同様に前記
除霜開始時刻の設定モードを指定する開始時刻キ
ー、１８ｃは同様に前記解除温度の設定モードを
指定する解除温度キー、１８ｄは前記の各設定モ
ードに対応する数値を入力するテンキー、１８ｅ
はキーボード１８上の前記の各キーの操作によつ
て、予め表示板１９に表示された設定用のデータ
を、マイクロコンピユータ１１内の対応する各設
定値用メモリ（図示せず）に書込むためのセツト
キー、１８ｆはキー操作の誤りなどに基づく前記
設定用のデータをクリヤーするためのクリヤーキ
ー、１９は前述のようにキーボード１８から入力
される設定用のデータをマイクロコンピユータ１
１の設定値用メモリに書込むに先立つて表示し、
また設定値用メモリに書込まれた設定値を前記キ
ーボード１８を用いて、読出して表示することも
できる表示板である。

次に第３図と第４図を参照しつつ第２図を用い
て本装置の動作を説明する。まずキーボード１８
における、前記の各設定モードを指定するキーす
なわち時計キー１８ａ，開始時刻キー１８ｂ，解
除温度キー１８ｃと、これらに対応する数値を入
力するテンキー１８ｄとの操作によつて、現在時
刻、除霜開始時刻（第４図t1〜tn）、解除温度
（第３図θM１，θM２）をマイクロコンピユータ
１１に入力する。このときマイクロコンピユータ
１１は対応するキーの操作によつて前記の各設定
モード毎に、そのモードと数値を解読し、マイク
ロコンピユータ１１内の表示出力用メモリ（図示
せず）に対応したデータを書き込み、同時に該デ
ータを表示板１９に表示する。従つて装置の操作
者は該表示板１９を見ながらキーボード１８の操
作を行うことができる。次にキーボード１８上の
セツトキー１８ｅが押されると、前記表示出力用
メモリのデータは前記設定用値用メモリにおける
その設定モードに対応する領域に転送され、制御
用の設定値として記憶される。なお前記の時計は
外部の商用電源または発振器（共に図示せず）の
周波数をマイクロコンピユータ１１に入力して計
数し、１秒単位の24時間制の時計としてマイクロ
コンピユータ１１内の当該メモリ（図示せず）上
に形成されている。従つて前記現在時刻は一旦１
秒単位のパルス数に変換されて書込まれ前記の時
計は書込み時点の時刻に合される。該変換は除霜
開始時刻や後述の除霜制限時刻の設定にも同様に
行われる。除霜開始時刻（t1〜tn）は第４図に示
すように前記ヒータ通電信号Ｈ１の出力される時
刻で、例えばこの場合“XX時”のように“時”
の単位で８種まで設定されるが、一般にはこれに
限定されるものではない。

前記除霜開始時刻（t1〜tn）が設定されると、
第４図のようにこの設定時刻より時間差△Ｔだけ
遅れた時間に前記ヒータ通電信号Ｈ２が出力され
て、ヒータ通電信号Ｈ１とＨ２が重なることを防
止し、除霜後、冷凍機の再起動の重なりに基づ
く、電源電流のピークを抑制するが、前記時間差
△Ｔは本装置の例では30分の固定の設定値として
マイクロコンピユータ１１内のメモリに記憶され
ている。

次に制限時間スイツチ１７を用いて、前記除霜
制御時間TL（第３図）が設定させる。該制限時間
スイツチ１７は２桁の２進数を設定するいわゆる
デイツプスイツチ１７ａ，１７ｂで構成されてお
り、該デイツプスイツチ１７ａ，１７ｂの各設定
値が“00”であれば20分、“01”であれば30分、
“10”であれば40分、“11”であれば50分と言うよ
うに10分きざみで20分から50分まで設定される。
この除霜制限時間TLは、後述のように除霜動作
の異常時のバツクアツプ用のために設定されるも
ので、通常は、この程度の時間、精度で充分であ
るが必要によつてはこれに限定されるものではな
い。

このようして装置が制御を開始し、設定された
除霜開始時刻（t1〜tn）のいずれかの時刻に到達
すると、マイクロコンピユータ１１によりヒータ
通電信号Ｈ１が出力され除霜ヒータ４１（系統
１）に通電され除霜が開始される。また前記時刻
より時間差△Ｔだけ遅れて除霜ヒータ４２（系統
２）にも同様に通電され、同様に除霜が開始され
る。

前記除霜ヒータ４１，４２への通電によつて、
当該のシヨウケース内のそれぞれの庫内空気温度
θ1，θ2は、それぞれ前記温度センサ２１，２２に
よつて、マイクロコンピユータ１１に読込まれな
がら除霜ヒータ４１，４２の制御が行われるが、
このときの除霜の開始から終了までの動作は第３
図に示される。

すなわち時点tD１においてヒータ通電信号Ｈ
１（またはＨ２）の出力により除霜ヒータ４１
（または４２）に通電が開始されると除霜中は庫
内空気温度θ1（またはθ2）の温度は、あまり変り
がないが、時点tD２において霜が融け終ると急
速に上昇を始める。そこで庫内空気温度θ1（また
はθ2）が、これらに対応する設定値としての前記
解除温度θM１（またはθM２）を越えると直ち
に、前記ヒータ通電信号Ｈ１（またはＨ２）は断
たれ、除霜の制御は終了する。

ここで何らかの理由例えば温度センサ２１（ま
たは２２）の故障などでマイクロコンピユータ１
１の読取る庫内空気温度の値が、前記解除温度
θM１（またはθM２）を上回らない場合は、前記
の除霜開始の時点tD１から、前記の設定値とし
ての除霜制限時間TLを経た時点tD４において、
当該のヒータ通電信号Ｈ１（またはＨ２）が断た
れ、除霜ヒータの過大な通電時間による展示商品
の損傷を防止する。

〔発明の効果〕

以上詳述したようにこの発明によれば、従来の
霜取り開始／停止タイマ機能、解除温度検出用サ
ーモスイツチ機能を、１チツプマイクロコンピユ
ータを使用し多系統の除霜制御の可能な、１つの
装置として置き換えた為小形となりシヨウケース
内への組み込みもでき、配線工事費も含め、全体
として安価に実現できる。また装置単体としても
この装置１台で２系統のシヨウケースの制御する
事が可能な為、この装置に対するコストは従来の
約1/2以下となる。

また従来のタイマー機能は、一定時間ごとの繰
返しタイマーであつたが、これを除霜開始の任意
の複数の時刻を指定可能な24時間制タイマー機能
とし、この時刻の設定には技術知識の少ない店舗
管理者でも直接霜取り開始したい時刻を容易に設
定できる様にしたので、夜や午前中に集中的に霜
取りを行なうことにより、展示商品の品質に不信
を招くおそれがなく、また季節別の時刻設定の変
更、すなわち例えば湿気の多い夏などには短い時
間間隔で霜取りを行ない、逆に湿気の少ない冬な
どには長い時間間隔で霜取りを行なうことによ
り、必要以上の除霜による無駄な電力消費や展示
商品の品質劣化を防ぐことができる。

また前記のタイマー機能についても系統１と系
統２を設け、両者の除霜開始時間に時間差を設け
る事により霜取り後冷却再開のための冷凍機の同
時駆動に伴なうピーク負荷の発生を防止できる
為、電源容量を低減することができると言つた各
種の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は冷凍シヨウケースの構造例を示す断面
図、第２図は本発明の構成例を示すブロツク図、
第３図、第４図は本発明の動作を説明するタイム
チヤートである。 符号説明、１１……マイクロコンピユータ、２
１，２２……温度センサ、４１，４２……除霜ヒ
ータ、１３１，１３２……除霜リレー、１７……
除霜制限時間設定スイツチ（制限時間スイツチ）、
１８ａ……時計キー、１８ｂ……開始時刻キー、
１８ｃ……解除温度キー、１８ｄ……テンキー、
１８ｅ……セツトキー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 冷凍機のエバポレータおよび循環送風フアン
   を内蔵し、該エバポレータを通じて庫内へ冷気を
   循環通風させることにより庫内陳列商品を保冷す
   る複数台の冷凍シヨウケースにおいて、 庫内を冷却するエバポレータに付着した霜を溶
   かすため前記複数台の冷凍シヨウケースにそれぞ
   れ設けられている除霜手段と、 循環される庫内空気の温度を検出し該温度に対
   応する検出信号を出力する空気温度検出手段と、 前記除霜手段の通電開始時刻を複数段記憶する
   通電開始時刻記憶手段と、 前記除霜手段の最大連続通電時間を記憶する通
   電時間記憶手段と、 前記空気温度検出手段における除霜終了温度を
   記憶する除霜終了温度記憶手段と、 前記除霜開始時刻に基づいて前記除霜手段をオ
   ンし、前記複数台の冷凍シヨウケースの各除霜手
   段を、最初に通電された除霜手段の通電開始時刻
   を基準として所定の時間差で各除霜手段を順次オ
   ンする除霜開始制御手段と、 前記除霜手段への連続通電時間が前記通電時間
   記憶手段に記憶されている最大連続通電時間を越
   える条件、前記空気温度検出手段の検出信号が前
   記除霜終了温度を越える条件、の２つの条件をう
   ちいずれか一方の条件を満足した前記除霜手段か
   ら順次オフする除霜終了制御手段と を備えたことを特徴とする冷凍シヨウケースの霜
   取り制御装置。