JPH0352151Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はマイクロピペツト用のチツプを多数同
時に洗浄する洗浄器に関するものである。

（従来の技術） この種のチツプは被検液や試薬等をスポイトの
ように吸引して滴定プレートに滴下させるもので
あり、従来は１本１本手で洗浄を行なうか、或い
は洗浄を要するものは廃棄していたため、洗浄器
具類は未だ知られていない。そこで本考案者はこ
うした洗浄を能率良く行なえる器具を開発し、出
願した。本考案は先の出願の考案を更に発展させ
たものである。

（技術的課題） 従つて本考案の目的は、各種のチツプを多数同
時に簡単かつ有効に洗浄し、チツプを繰返し衛生
的に使用することを可能にするもので、特にチツ
プの内部だけでなく外部をも効果的に洗浄するこ
とができるマイクロピペツト用チツプの洗浄器具
を提供することにある。

（技術的手段） 前記目的を達する本考案は、円錐形チツプ１を
挿入係止する支承口を多数設けたチツプ受板２を
有し、下部を開放したチツプ支持用の筐体３と、
その上に装着する下面開放の洗浄カバー４及び筐
体３を密封載置するための載置台５を有し、カバ
ー４の内部に前記多数の支承口に嵌合するノズル
６を多数下向きに列設した隔板７を設けるととも
に、カバー４の適所に洗浄液及び／又は乾燥気体
の導入口８を形成し、前記載置台５に第１の導出
口９を、また筐体３の側面上部に第２の導出口１
０を夫々設け、第２の導出口１０は第１の導出口
９より大きくかつ開閉可能に設けたことを特徴と
するマイクロピペツト用チツプの洗浄器である。

（考案の作用） 本考案のものは、チツプ１を取付けた筐体３と
これを載置した載置台５に夫々導出口９，１０を
設け、載置台５の導出口９を第２の導出口１０よ
り小径としたことにより、チツプ１に嵌合したノ
ズル６より洗浄液を注入すると、洗浄液を筐体３
に溜めてチツプ１の外部も同時に洗浄される。第
２導出口１０は満水状態で閉塞し、その後開放す
ると外気を導入してチツプ１の内部の水切りを円
滑にする。

（実施例） 図示実施例により説明すると、筐体３は直方体
形状を有し、上部の開口近くに多数の支承口２ａ
を規則的に配列したチツプ受板２を有し下部は解
放している。円錐形チツプには何種かの形態があ
るがマイクロピペツトとの接続部外縁の寸法は略
同じである。洗浄カバー４は筐体３の上部開口に
凹段部１１で着脱可能に外嵌され、天板部１２と
の間に空所を設けた隔板７に多数の下向きノズル
６を突設し、天板部１２には洗浄液や乾燥気体の
ホース１３を接続する導入口８が突設してある。
ノズル５はチツプ１ａの口環部１ｃに接する強い
傾斜のテーパ状に形成され、チツプ先端口が極小
でも逆流して漏らさないようになつている。載置
台５は筐体３の下端開口を密封的に載置するもの
で第１導出口９を有し、これは筐体受板直下の第
２導出口１０より流量が小さい。１４は第２導出
口１０を開閉する栓、１５は支脚、１６は密封
枠、１７は筐体３を収める予洗ケース、１８はチ
ツプ取付台、１９はその緩衝受板、２０は緩衝ば
ね、２１はマイクロピペツトを示す。

故に洗浄の際はすべてのチツプ１を取付けた筐
体３ごと予洗ケース１７に入れ、定時間洗浄液中
に浸しておき（第４図）、その後筐体３ごと載置
台５にのせ、洗浄カバー４をかぶせ、導入口８に
接続したホース１３より洗浄液を噴射し各ノズル
よりチツプ毎に洗浄を行なうとともに筐体３内に
も湛液してノズル外面も洗浄し、次いで水洗いに
切換え、同様にチツプ１を内外から水洗し、満水
状態（第５図）から栓１４を抜き水を切り最後に
乾燥する。第７図は乾燥したチツプ１をマイクロ
ピペツト２１に装着している状態で、ばね２０に
より装着時操作力が緩和、一定化されるため、
各々一定の嵌合力で装着される。

（考案の効果） 本考案は以上の如く構成されかつ作用するもの
であるから、各チツプ１に対しその内外面共効果
的に洗浄することができる顕著な効果があり、ま
たそのための取扱い操作は到つて簡単であるか
ら、小さなマイクロピペツト用のチツプの洗浄が
非常に容易に行なえる。従つて多数のチツプを早
く有効に洗浄できるから、チツプを廃棄する割合
が低減し、チツプを長期間衛生的な状態を保つて
使用できるなど顕著な効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るマイクロピペツト用チツプ
の洗浄器の実施例を示すもので第１図は斜視図、
第２図は要部破断正面図、第３図は第２図部分拡
大破断正面図、第４図は予洗状態の斜視図、第５
図、第６図は洗浄状態の正面図、第７図はマイク
ロピペツトへの装着状態の斜視図である。 １……チツプ、２……チツプ受板、３……筐
体、４……洗浄カバー、５……載置台、６……ノ
ズル、７……隔板、８……導入口、９……第１導
出口、１０……第２導出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円錐形チツプ１を挿入係止する支承口を多数設
   けたチツプ受板２を有し、下部を開放したチツプ
   支持用の筐体３と、その上に装着する下面開放の
   洗浄カバー４及び筐体３を密封載置するための載
   置台５を有し、カバー４の内部に前記多数の支承
   口に嵌合するノズル６を多数下向きに列設した隔
   板７を設けるとともに、カバー４の適所に洗浄液
   及び／又は乾燥気体の導入口８を形成し、前記載
   置台５に第１の導出口９を、また筐体３の側面上
   部に第２の導出口１０を夫々設け、第２の導出口
   １０は第１の導出口９より大きくかつ開閉可能に
   設けたことを特徴とするマイクロピペツト用チツ
   プの洗浄器。