JPH035145Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車両用座席の座部又は背凭れ部を座席
フレーム又は直接車体に固定或いは折りたたんで
格納状態に保持するための座席保持用バンドの取
付構造に関するものである。

（従来の技術） 車両用座席において、背凭れ部３を略垂直な座
席正規使用位置に固定したり（第７図）、座部２
と背凭れ部３とを折りたたまれた状態に保持した
り（第８図）、背凭れ部３を直接車体１に固定す
る（第９図）ために座席保持用バンド９が用いら
れている。

このような座席保持用バンド９の従来の取付構
造を、第４図ないし第６図を用いて説明する。

第４図に示す第１従来例は、座席保持用バンド
９の基端部を、座部又は背凭れ部の座席フレーム
６に、ボルト，小ネジ，タツピングスクリユーな
どの止着手段１０を用いて取付けている。

第５図に示す第２従来例は、座席フレーム６に
専用の取付座７を予め固設しておき、この取付座
７に座席保持用バンド９の基端部を第１従来例と
同様にして取付けている。尚、第４図ないし第６
図において、４は座席パツド５及び座席フレーム
６を包む表皮カバーで、この表皮カバー４の袋状
に形成された縁部に挿入したカバーワイヤ１１又
は縁部に取付けた玉縁（図示せず）を、座席フレ
ーム６の後面側部位に形成された掛止部６ａにＣ
リング１４を介して取付けられている。１５は座
席保持用バンド９が先端部に有する掛金である。

（考案が解決しようとする課題） しかし上記従来例では、座席保持用バンドに加
わる荷重に対応できるようにその取付座の寸法や
形状を選定しなければならないという困難さがあ
る。第２従来例では、前記取付座を専用部品で構
成することによつてこの問題に対処しているが、
しかし専用部品によつて部品点数やその取付工数
が増加し、製造原価が高くなるという問題を生じ
る。

更に上記従来例では、座席保持用バンドの取付
作業を組立ライン上においてその取付角又は取付
方向が設定範囲に収まるよう規制しつつ行わなけ
ればならないため、一工程内で正確に行うのに作
業者に練度と注意力が要求されるという問題があ
る。

本考案は上記問題点に鑑み、座席保持用バンド
に加わる荷重に容易に対応することができ、且つ
座席保持用バンドをオフラインで取付けることが
できる座席保持用バンドの取付構造を提供するこ
とを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記目的を達成するため、座席表皮カ
バーの縁部に基端部が止着された座席保持用バン
ドの基端部側部位を、前記縁部をＣリングを用い
て掛止するため座席フレームに設けられた掛止部
に、前記Ｃリングを用い前記縁部と共に掛止した
ことを特徴とする。

（作用） 上記構成によれば、座席保持用バンドを従来の
Ｃリングを利用して座席フレームに取付けること
ができるので、従来例のように専用取付座部を用
いることなく、使用するＣリングを個数を増減す
ることによつてこの座席保持用バンドに加わる荷
重に容易に対応することができる。従つて従来例
のような専用部品やその取付工数が不要なので、
製造原価を引き下げることができる。

又座席保持用バンドはＣリングによつて座席フ
レームに取付けられているので、取付後でも座席
保持用バンドの取付角又は取付方向が可変であ
る。従つて座席保持用バンドの取付作業を、従来
例のような練度や注意力を要することなく容易に
行なうことができる。

（実施例） 本考案の第１実施例を、第１図及び第２図に基
き説明する。

座席フレーム６と座席パツド５とは、座席表皮
カバー４によつてカバーされる。座席表皮カバー
４の縁部４ａは袋状に形成され、内部にカバーワ
イヤ１１が挿入されている。この縁部４ａの裏面
側部位に、座席保持用バンド９の基端部を座席表
皮カバー４の縫製段階において前記座席保持用バ
ンド９が所定の角度、方向となるように糸１３で
予め縫着している。座席保持用バンド９はその先
端部に掛金１５を備えている。一方、座席フレー
ム６のプレート部６ｂには、前記縁部４ａをＣリ
ング１４を用いてこの座席フレーム６に掛止する
ための掛止部６ａが形成されている。前記基端部
は、縁部４ａのこの掛止部６ａに対応する位置に
縫着されている。

以上の構成において、座席保持用バンド９を座
席フレーム６に取付けるには、Ｃリング１４によ
つて縁部４ａ内のカバーワイヤ１１と座席フレー
ム６の掛止部６ａとを掛止する際、前記Ｃリング
１４を座席保持用バンド９の基端部側部位に貫通
させ、座席表皮カバー４と座席保持用バンド９と
を一緒に前記掛止部６ａに掛止する。

これにより、座席保持用バンド９の取付座とし
て従来例のような専用部品（第５図参照）や、組
立ラインにおける従来例のようなバンド取付作業
が不要となる。尚、座席保持用バンド９に加わる
荷重に対しては、使用するＣリング１４の個数を
増減するのみで容易に対応することができる。

第３図は、本考案の第２実施例を示している。
本実施例では、座席表皮カバー４の縁部４ａにＣ
リング１４が掛止されるための玉縁１２が取付け
られている。この場合でも、座席保持用バンド９
を前記縁部４ａに第１実施例と同様に縫着又は溶
着し、Ｃリング１４を用いて座席フレーム６の掛
止部６ａに一緒に掛止することができる。尚、本
実施例のその他の構成は第１実施例と同様なので
共通符号を付して示し、説明は省略する。

本実施例によつても、第１実施例と同様の効果
を奏することができる。

本考案は上記実施例に示す外、種々の態様に構
成することができる。

例えば座席保持用バンドや掛止部の具体的形状
や寸法は、必要に応じて適宜設定することができ
る。

（考案の効果） 本考案の座席保持用バンドの取付構造は上記構
成、作用を有するので、取付作業者に要求される
練度及び注意力を緩和することができ、製造原価
の引き下げとバンド取付けの品質の安定化を図る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例における要部の斜
視図、第２図はその断面図、第３図は本考案の第
２実施例における要部の断面図、第４図は第１従
来例における要部の断面図、第５図は第２従来例
における要部の断面図、第６図はこれら従来例に
おける座部又は背凭れ部を裏面側から見た斜視
図、第７図ないし第９図は座席保持用バンドの使
用例を示す斜視図である。 ４…座席表皮カバー、４ａ…縁部、６…座席フ
レーム、９…座席保持用バンド、１４…Ｃリン
グ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 座席表皮カバーの縁部に基端部が止着された座
   席保持用バンドの基端部側部位を、前記縁部をＣ
   リングを用いて掛止するため座席フレームに設け
   られた掛止部に、前記Ｃリングを用い前記縁部と
   共に掛止したことを特徴とする座席保持用バンド
   の取付構造。