JPH0350622Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は電気接続子ハウジングの改良に関す
る。

〔従来技術〕

近年、電気機器・装置に組込まれる電気コネク
タは、電気機器等の軽量化、小型化による組込み
スペースの狭小化に伴い、より小型化されたもの
が要求されている。

ところで、本出願人の権利に係る実用新案登録
第1333825号（実公昭53−12458号）公報第２図に
は、相互に嵌合可能な雄ハウジング部と雌ハウジ
ング部とから成り、雄ハウジング部が、外側面上
に係止突起を具える帯状のラツチアームを有し、
該ラツチアームが雄ハウジング部の外壁中に形成
された溝中にあるとともに該溝の底面に固定され
た異端の周りに弾性的に撓むようになつており、
一方、雌ハウジング部が、前記雄ハウジングと嵌
合したときに、前記ラツチアームの係止突起と係
合して両ハウジング部を釈放可能に錠止する突条
の係合部を有する電気接続子ハウジングが開示さ
れている。

この公知の電気接続子ハウジングにおいては、
ラツチアームが雄ハウジング部の外壁中に形成さ
れた溝中に配置され、また両ハウジング部が嵌合
したときにラツチアームの大部分が雌ハウジング
部内に収まるように構成されているので、ラツチ
アームは外力に影響されることが少いという点で
大きな利点を有している。反面、前記実公昭53−
13458号に開示されるラツチアームの構成は、電
気接続子ハウジングをより小型化する上で次のよ
うな問題を有している。すなわち、前記電気接続
子ハウジングでは、ラツチアームの係止突起が雄
ハウジング部本体の上側面より突出して形成され
ているので、雌ハウジング部が雄ハウジング部本
体を収容するための空間部に加えて、係止突起を
受容するための空間部を必要とすることである。
このため、雌ハウジング部は雄ハウジング部本体
の高さと係止突起の突出高さの和に対応する高さ
の空間部をもつて形成されなければならず、この
ことが電気接続子ハウジングの背たけをより低く
する上で一つの妨げとなつている。

また、実開昭56−5385号公報に開示する如く、
必要とする端子数が増加するにつれて、雌雄ハウ
ジングを横長の略矩形状とし、両ハウジングの上
面にラツチ係合部を形成するロツク付きのコネク
タハウジングが提案されている。ここに提案され
た各種の実施例では、いずれも程度の差こそあ
れ、雄ハウジングは矩形状ハウジング本体の上面
から突出する嵌合突起を有する。また、これと嵌
合する雌ハウジングの上面にも凸状の突条が形成
され、コネクタハウジング全体を大型となし、十
分な係合強度を有しつつ小型化、特に低背構造と
することが困難であつた。

〔考案の目的〕

本考案は、上記公知の電気接続子ハウジングを
より小型化し得るとともに電線等の絡みを防止し
得る改良ラツチアームを具えた電気接続子ハウジ
ングを提供することを目的とする。

〔考案の構成〕

以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて説
明する。

電気接続子ハウジングは雌ハウジング部１０と
この雌ハウジングに嵌合可能な雄ハウジング部２
０とから成り、いずれも電気絶縁性のプラスチツ
ク材料により成型される。

雌ハウジング部１０は上下壁１１，１２、左右
側壁１３，１４、および後壁１５によつて形成さ
れる空洞部１６を有し、該空洞部１６内には後壁
１５に固定された上下一対の複数の接触ピン１７
がそれぞれ平行に延びている。後壁１５から外方
へ突出する接触ピン部分は下方に直角を折曲され
て脚部１７ａを形成し各脚部１７ａは図示しない
プリント基板の孔に挿入されるようになつてい
る。上壁１１の内壁面前端部には傾斜前部１８ａ
と垂直背部１８ｂを有する突条係合部１８が形成
されている。

雄ハウジング部２０は仕切壁２３によつて相互
に離隔された複数の端子収容孔２１を具え、各端
子収容孔２１には雌ハウジング部１０内の上下一
対の接触ピン１７とそれぞれ組合う上下一対の電
気接続子２２が収容される。

雄ハウジング部２０の上側部中央に、組合面側
から後面に貫通する開口２４が形成される。この
開口２４の上部壁を組合面から少し離間して開口
２４に沿つて後面方向に２個の平行なスリツトを
形成し、前端が横軸２５ａを介して側壁２４ａに
固定された固定端となり、後端に突出する押圧用
突部２６を有する自由端となる片持梁形の弾性ラ
ツチアーム２５が設けられる。

ラツチアーム２５の上面は押圧用突部２６を除
き雄ハウジング２０の上面と同一平面になるよう
形成されていることに注目されたい。このラツチ
アーム２５の上面中央部には組合面から後面方向
に溝２７が形成されている。また、この溝２７内
の長手方向の略中央部には係止突起２８が形成さ
れている。

溝２７は雌ハウジング部１０の突状係合部１８
と嵌合する幅Ｗをもつて形成されており、したが
つて両ハウジング部１０，２０が組合う際、突状
係合部１８に嵌合して雄ハウジング部１０を雌ハ
ウジング部２０に正確に案内する案内溝として作
用する。

係止突起２８は溝２７の底壁２７ａから、前部
に傾斜面２８ａを後部に垂直面２８ｂを有して上
方に延びラツチアーム２５の上側面で終端してい
る。

〔考案の作用〕

上記構成において、雄ハウジング部２０の前面
と雌ハウジング１０の空洞部１６を対面させて両
ハウジング部を嵌合すれば、雌ハウジング部１０
の突状係合部１８がラツチアーム２５の溝２７に
沿つて案内され、その傾斜前部１８ａが係止突起
２８の傾斜面２８ａと当接しラツチアーム２５を
下方、すなわち溝２４の底面に向けて撓める。そ
して更に嵌合が進み、突状係合部１８がラツチア
ーム２５を更に下方に撓ませて係止突起２８を乗
り越えるとラツチアーム２５が弾性的に初期位置
に戻り、突状係合部１８の垂直背部１８ｂと係止
突起の垂直面２８ｂが係合し両ハウジング部は相
互に錠止される。一方、両ハウジング部１０，２
０の錠止を解除するには、ラツチアーム２５の押
圧用突部２６を下方に押圧し係止突起２８と係合
部１８の前記係合を解きつつ雄ハウジング部２０
を雌ハウジング１０から引き離せばよい。

〔考案の効果〕

上述の説明から明らかな如く、本考案の電気接
続子ハウジングによると、ラツチアームは雄ハウ
ジング部の組合面から後面に貫通する開口の上壁
を部分的に２個のスリツトで切断して且つラツチ
アーム外面の溝内に係止突起を形成するので、雄
ハウジング部の外表面と同一平面（但し押圧用突
部は除く）となり、雌ハウジング部を低背化、即
ち小型化することができると共に作業性、取扱易
さを大幅に改善する。また、雄ハウジング部のラ
ツチアームの溝と雌ハウジング部の突状係合部に
より、両ハウジング部の挿入ガイド作用を有する
ので、嵌合作業が容易になり挿抜時に接続ピンと
接続子とにこじりを生じる虞れも少ない。更に、
両ハウジングが嵌合してラツチアームの係止突起
が突状係合部を乗り越えて弾性的に初期位置に戻
る際、ラツチアームがその上側面全体で雌ハウジ
ング部の上内壁面をたたくことになるため高いク
リツク音が生じ、作業者は容易に両ハウジングの
完全な嵌合を感知できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の電気接続子ハウジングの嵌合
前の斜視図、第２図は第１図の−線に沿つた
断面図、第３図は第２図の嵌合状態断面図であ
る。 １０…雌ハウジング部、１８…突状係合部、２
０…雄ハウジング部、２４…ラツチアーム用開
口、２５…ラツチアーム、２７…ラツチアームの
溝、２８…係止突起。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 互いに着脱可能に嵌合し夫々多数の端子収容孔
   を有する横長の略矩形状の雌ハウジング部と雄ハ
   ウジング部とを有し、該雄ハウジング部の上面の
   組合面近傍に一端が固定され、他端が前記組合面
   から後方に延び押圧部を有する自由端となる弾性
   ラツチアームが形成され、該ラツチアームと前記
   雌ハウジング部との対応位置に係合部が形成され
   ている電気接続子ハウジングにおいて、 前記雄ハウジング部の前記組合面から後面に貫
   通する開口を形成し、前記雄ハウジング部の前記
   開口の上壁を前記組合面近傍から僅かに離間した
   位置で前記後面方向に２個の略平行スリツトで切
   断して前記ラツチアームを形成し、 該ラツチアームの上面の略中央部に前記組合面
   から前記後面方向に溝を形成し、該溝内に傾斜面
   と垂直面を有する係止突起を形成し、 前記雌ハウジング部の内面の前端近傍に前記ラ
   ツチアームの前記溝内を摺動して前記両雌雄ハウ
   ジング部のガイドとなると共に前記係止突起と係
   合して前記係合部を構成する突条係合部を形成
   し、 前記両雌雄ハウジング部の上面は前記雄ハウジ
   ング部の前記ラツチアームの前記押圧部を除き突
   出部のない略平坦状であることを特徴とする電気
   接続子ハウジング。