JPH0349924Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、自動車に設ける外部スライド式サ
ンルーフの開閉装置に関するものである。

（従来技術） 自動車に設ける外部スライド式サンルーフは、
ルーフ開口部に定置するとき、ルーフ面とほぼ面
一状に連続形成される。従つてサンルーフを開扉
して後方へ移動させるとき、まずサンルーフの後
端をはね上げ（ポツプアツプさせ）、次にルーフ
面に沿つて変位させる。

このはね上げ装置については、たとえば特開昭
59−6128号公報に示すように、種々の構造のもの
があるが、いずれもリンク等を組み合せた複雑な
機構になつており、調整が容易ではなく、また高
価になるという問題点があつた。

（考案の目的） この考案は、前記の問題点に対して、これを解
消した外部スライド式サンルーフ開閉装置を提供
するようにしたものである。

（考案の構成） この考案は、サンルーフを定置するルーフ開口
部の左右内壁に、前方から後方へ下降傾斜部、低
位平坦部、上昇傾斜部、高位平坦部を連続させた
ガイドレールを設置するとともに、該サンルーフ
の前方下部の左右側に、該ガイドレール内を転動
して自由に移動する前部ローラと後部ローラとを
設け、該両ローラを、該下降傾斜部と該上昇傾斜
部とに掛け渡すような間隔に配置してなる外部ス
ライド式サンルーフの開閉装置である。

（実施例） この考案の詳細を、図面に示す実施例について
説明すると、次の通りである。

自動車のサンルーフ１は、閉扉時にルーフ２の
開口部２ａに定置される。そしてこのとき、サン
ルーフ１の上面はルーフ２の上面に、面一状に連
続形成される。

サンルーフ１は、ルーフ２に対して、開口部２
ａの周囲の縁部で係合し、開扉時に後方へ移動自
由に形成される。（各図面は開口部２ａの左右の
縁部の一方の構造を示し、他方はこれと対称形状
に設けられる。） 第１図は、ガイドレールとローラ（いずれも後
述する）の係合構造の断面図であつて（ガイドレ
ールのいずれの断面部においても、このように構
成される）、ルーフ２の開口部２ａの近傍に位置
するフレーム４の下面に、天井のトリムパネル５
を止着して、端部をガーニツユ６で覆つて美観を
整えるようにし、フレーム４の上端にウエザスト
リツプ７を嵌着して、ルーフ２に当接させる。そ
してフレーム４にガイドレール９を固設する。

またサンルーフ１は、サンルーフパネル１２の
内方にインナパネル１３を止着して、その結合フ
ランジ部１４にウエザストリツプ１５を嵌着し、
これをルーフ２の開口部２ａに当接させて、車室
内外を封止する。そしてインナパネル１３に取付
ネジ１７で、前部ブラケツト１８と後部ブラケツ
ト１９を固着し、前部ブラケツト１８の端部に前
部ローラ２１を、また後部ブラケツト１９の端部
に後部ローラ２２を、それぞれ取付ける。この前
部ローラ２１と後部ローラ２２は、ガイドレール
９の内を転動して自由に移動する。

さてガイドレール９は、車体の前部方向から後
部方向へかけて、下降傾斜部９ａ、低位平坦部９
ｂ、上昇傾斜部９ｃを、高位平坦部９ｄ（第２図
〜第４図に示す）を順次に連続させて形成する。

そして前部ローラ２１と後部ローラ２２とを、
前部ローラ２１を下降傾斜部９ａに、また後部ロ
ーラ２２を上昇傾斜部９ｃに、掛け渡すような間
隔に配置する。

第２図は、両ローラ２１，２２を、前記の傾斜
部９ａ，９ｃにそれぞれ位置させた状態を示し、
サンルーフ１はルーフ２の開口部２ａに定置され
て閉扉状態になる。

第３図は、サンルーフ１を開扉する初期の状態
を示し、サンルーフ１が後方移動を始めるとき、
前部ローラ２１は下降傾斜部９ａを経て、低位平
坦部９ｂに入り（低部に位置する）、後部ローラ
２２は上昇傾斜部９ｃを経て、高位平坦部９ｄに
入る（高部に位置する）ようになる。従つてサン
ルーフ１は傾斜状態になり、その後端１ａは、ル
ーフの開口部２ａから上方Ｅにはね上るようにな
る。

第４図は、サンルーフ１をさらに開扉した状態
を示し、前部ローラ２１と後部ローラ２２は、と
もに高位平坦部９ｄに入つて後方へ移動する。従
つてサンルーフ１はルーフ２の上方を、ルーフ２
と平行方向に移動し、開扉するようになる。

すなわちサンルーフ１を開扉する初期におい
て、サンルーフ１を後方へ移動させるだけで、後
端１ａがはね上り、続いてルーフ２の上方を移動
するようになる。そしてこのときの後端１ａの移
動軌跡は、Ｆ線で示すようになる。

（考案の効果） この考案は、前述のように構成してあり、サン
ルーフを開扉するときの、後端のはね上げを、従
来構造のようにリンク等からなる複雑な機構によ
ることなく、特有のガイドレールとローラとの組
み合せによつて行うから、構造がきわめて簡単に
なる。

そしてリンク機構のような面倒な調整部分がな
く、ローラがガイドレールの内を転動移動するだ
けであるから、故障の発生がなく、また部材の精
度を出すのが容易であり、低コストで実施できる
という利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図はガイ
ドレールとローラの係合構造を示す断面図、第２
図はサンルーフを閉扉したときのガイドレールと
ローラの説明図、第３図はサンルーフを開扉する
ときの初期の説明図、第４図はさらに開扉すると
きの説明図である。 １……サンルーフ、２……ルーフ、２ａ……開
口部、９……ガイドレール、９ａ……下降傾斜
部、９ｂ……低位平坦部、９ｃ……上昇傾斜部、
９ｄ……高位平坦部、２１…前部ローラ、２２…
…後部ローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. サンルーフを定置するルーフ開口部の左右内壁
   に、前方から後方へ下降傾斜部、低位平坦部、上
   昇傾斜部、高位平坦部を連続させたガイドレール
   を設置するとともに、該サンルーフの前方下部の
   左右側に、該ガイドレール内を転動して自由に移
   動する前部ローラと後部ローラとを設け、該両ロ
   ーラを、該下降傾斜部と該上昇傾斜部とに掛け渡
   すような間隔に配置したことを特徴とする外部ス
   ライド式サンルーフの開閉装置。