JPH0343874Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、開口を有する可撓性内張材の側縁
が、直接または取付部材を介して車体のルーフサ
イドレールに係止され、該ガイドレールに隣接し
た内張材部分が、ルーフサイドレールに平行に延
びかつ該レールに固定されたガーニツシユによつ
て覆われており、前記開口の縁部が、車体の屋根
に形成された窓孔の周縁に係止され、該窓孔とル
ーフサイドレールの間の内張材部分を除く内張材
に自動車の横方向に延びるリステイングワイヤが
挿通され、該ワイヤの端部はルーフサイドレール
に係止されている自動車のつり天井に関する。

従来技術 主として車室内の美観を向上させる目的で上記
形式のつり天井を車体のルーフパネル内側に設け
ることは従来より周知である。ガーニツシユはル
ーフサイドレールに隣接する内張材部分を覆い隠
すために装着される内装材であるが、車体の屋根
に窓孔が形成された自動車のつり天井において
は、この窓孔とルーフサイドレールの間を延びる
内張材部分と、ガーニツシユとの間に隙間がで
き、車室内の美観が害される恐れがあつた。

目 的 本考案の目的は上記従来の欠点を簡単な構成に
よつて除去できる冒頭に記載した形式のつり天井
を提供することである。

構 成 本考案は上記目的を達成するため、窓孔とルー
フサイドレールの間を延びる内張材部分と、前記
ガーニツシユとの間の隙間をなくすスペーサをル
ーフサイドレールに設けた構成を提案する。

実施例 以下、本考案の実施例を図面に従つて説明し、
併せて先に説明した従来の欠点を図面に即してよ
り具体的に明らかにする。

第１図は自動車の一例を、第２図はその内部の
一部を簡略化して示す斜視図であり、第３図の実
線は第２図Ａ−Ａ線断面を示す図である。第２図
および第３図から明らかなように、車体１の屋根
を構成するルーフパネル２の内側に本考案に係る
つり天井３が装着されている。

つり天井３はルーフパネル２を車内側から覆つ
ている可撓性材料の内張材４を有し、この内張材
４は第４図に明示する如く車体の横方向に延びる
適数の袋状部４ａを有し、その内部にリステイン
グワイヤ５が挿通され、各ワイヤ５の端部は車体
の両側に位置するルーフサイドレール６の係止孔
７にそれぞれ係止されている。

上述した内張材４の側縁は、ルーフサイドレー
ル６の下部フランジ６ａに巻き掛けられ、このフ
ランジ６ａに嵌着されたオープニングトリム８に
よつてルーフサイドレール６に係止されている。
このように内張材の側縁を直接ルーフサイドレー
ル６に係止する代りに、図示していない取付部材
に内張材の側縁を固着し、この取付部材をルーフ
サイドレール６に取付けることによつて内張材の
側縁をルーフサイドレール６に固定してもよい。

ルーフサイドレール６に隣接した内張材部分
は、このレール６に平行に延びかつ該レールにた
とえばクリツプ（図示せず）等で固定されたガー
ニツシユ９によつて覆い隠されている。その際ガ
ーニツシユ９の上端部９ａとこれに対向する内張
材部分４ｂとの間に隙間はなく、車内の美観が美
しく保たれている。

自動車の屋根には窓孔１０が形成され、図示し
た窓孔１０は第５図に示す如くルーフパネル２の
開口に沿つて固着された窓枠フレーム１１によつ
て区画されている。窓孔１０はルーフパネル２に
固着された窓ガラス１４によつて覆われている。

一方、内張材４には第４図に明示する如く窓孔
１０に対応した位置に開口１２が形成され、その
縁部１２ａが、第５図のように窓枠フレーム１１
のフランジ１１ａに嵌着されたスカイウインドオ
ープニングトリム１３によつて、窓孔の周縁、す
なわちフランジ１１ａに係止されている。先に説
明したリステイングワイヤ５は、窓孔１０とルー
フサイドレール６との間の内張材部分４ｃ（第４
図）には存在せず、その他の内張材部分に位置し
ている。これは、窓孔１０を横断してリステイン
グワイヤ５を延在させることは不適当だからであ
る。

図に一例として示した自動車においては、第１
図から明らかなように窓孔１０よりも前方のルー
フパネル部分２ａが、窓孔１０の後方のルーフパ
ネル部分２ｂよりも高さが低くなつており、その
間の領域２ｃが前方へ向けて低く傾斜している。
この場合、ルーフパネル部分２ａの断面形態は、
第３図に実線で示しかつ前述した通りであるが、
後方のルーフパネル部分２ｂの断面形態は第３図
に鎖線で示した通りであつて、両部分におけるリ
ステイングワイヤ５の形状やこれによつて張られ
る内張材の形態がわずかに相違するものの、両部
分における本質的な相違はない。またリステイン
グワイヤ５がルーフサイドレール６に係止された
部分ないしはその近傍のワイヤ部分は両ルーフパ
ネル部分２ａ，２ｂにおいて同一形態を呈してお
り、したがつて後方のルーフパネル部分２ｂにお
いても、ガーニツシユ９の上端部９ａとこれに対
向する内張材部分４ｂとの間に隙間ができること
はない。

ところが窓孔１０とルーフサイドレール６との
間の内張材部分４ｃにリステイングワイヤが存在
しないため、従来のつり天井においては第７図に
例示するようにガーニツシユ９の上端部９ａとこ
れに対向する内張材部分４ｂとの間に隙間ができ
る恐れがあつた。すなわち、第７図に実線で示す
如く、窓孔１０の幅ｗが小なるときは、この窓孔
１０とルーフサイドレール６の間を延びる内張材
部分４ｃの一部４ｂがガーニツシユ９の上端部９
ａに当るので、これらの間に隙間はどきないが、
第７図に鎖線で示すように窓孔１０の幅Ｄが大き
くなると、内張材部分４ｃにはリステイングワイ
ヤが存在しないため、第７図に同じく鎖線で示す
ように部分４ｂとガーニツシ上端部９ａとの間に
隙間Ｇができ、車室内の美観が損われる欠点があ
つた。このため従来は窓孔１０の幅を第７図に実
線で示すように狭く形成して隙間をなくしていた
が、このようにすれば開放的な大きな窓を得るこ
とはできない。またガーニツシユ９の上端部９ａ
を第７図に鎖線で示す如くルーフサイドレール６
の側に突出させ、あるいはこのガーニツシユをレ
ール６の側に近付けて隙間Ｇをなくすこともでき
るが、このようにするとこの部分のガーニツシユ
の形状が第３図に示したガーニツシユ部分の形状
と相違することになりガーニツシユの外観が低下
する。

そこで本考案に係る構成においては、第５図に
明示するように窓孔１０とルーフサイドレール６
の間を延びる内張材部分４ｂに対向したルーフサ
イドレール６の部分に、貼着、ねじ止めあるいは
他の適宜な方法でスペーサ２０が固着されてい
る。このスペーサ２０は内張材部分４ｂをガーニ
ツシユ９の上端部９ａに押し付けるように作用す
るので、窓孔１０の幅Ｄを広く、したがつて窓孔
を大きく形成しても、内張材部分４ｂとガーニツ
シユ９との間に隙間が生じることはない。また第
５図に示したガーニツシユ部分の断面形状を、第
３図に示した部分の形状と変える必要はなく、ガ
ーニツシユ９の美観低下を防止できる。内張材部
分４ｂがガーニツシユ９の上端部９ａに密接でき
るように、スペーサ２０をたとえばゴム等の弾性
体から構成し、その弾性力で部分４ｂを上端部９
ａに押し付けるようにすると有利である。

第６図に示す実施例のように、板ばねから成る
スペーサ１２０をねじ２１によつてルーフサイド
レール６に固着し、このスペーサ１２０により内
張材４とガーニツシユ９の間の隙間をなくすよう
にしてもよい。

以上、自動車の一方の側（進行方向右側）の車
体構造とつり天井の構造を説明したが、他方の側
の構造も全く同様に構成できることは当然であ
る。また上記実施例では窓孔１０よりも前方のル
ーフパネル部分２ａと後方の部分２ｂの高さが異
なる自動車に本考案を適用した場合を示したが、
これは本考案の本質に係るものではなく、両部分
２ａ，２ｂの高さが同じ場合にも本考案を適用で
きることも当然である。

効 果 本考案によれば、窓孔とルーフサイドレールの
間を延びる内張材部分と、ガーニツシユとの間の
隙間をなくすスペーサをルーフサイドレールに設
けるという極く簡単な構成によつて、ガーニツシ
ユの外観を害することなく、ルーフサイドレール
と内張材との間の隙間をなくし、車室内の美観を
向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は窓孔を有する自動車の外観斜視図、第
２図はこの自動車の車室内上部の概略を示す斜視
図、第３図は第２図のＡ−Ａ線断面を実線で、Ｂ
−Ｂ断面を鎖線で表わした断面図、第４図は内張
材とこれに挿通されたリステイングワイヤを示す
斜視図、第５図は第２図のＣ−Ｃ断面図、第６図
は他の実施例を示す、第５図と同様な断面図、第
７図は従来の構成例を示す、第５図と同様な断面
図である。 ４……内張材、４ｂ，４ｃ……内張材部分、５
……リステイングワイヤ、６……ルーフサイドレ
ール、９……ガーニツシユ、１０……窓孔、１２
……開口、１２ａ……縁部、２０，１２０……ス
ペーサ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 開口を有する可撓性内張材の側縁が、直接また
   は取付部材を介して車体のルーフサイドレールに
   係止され、該ガイドレールに隣接した内張材部分
   が、ルーフサイドレールに平行に延びかつ該レー
   ルに固定されたガーニツシユによつて覆われてお
   り、前記開口の縁部が、車体の屋根に形成された
   窓孔の周縁に係止され、該窓孔とルーフサイドレ
   ールの間の内張材部分を除く内張材に自動車の横
   方向に延びるリステイングワイヤが挿通され、該
   ワイヤの端部はルーフサイドレールに係止されて
   いる自動車のつり天井において、 前記窓孔とルーフサイドレールの間を延びる内
   張材部分と、前記ガーニツシユとの間の隙間をな
   くすスペーサをルーフサイドレールに設けたこと
   を特徴とするつり天井。