JPH0349139Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は護岸用等に使用されるプレキヤスト
コンクリート製矢板に関するものである。

（考案が解決しようとする問題点） 矢板はそれが連続し、相互に一体化することに
よつて土圧に抵抗するが、その抵抗力を補う目的
から地山にアンカーとしての杭を打ち込み、これ
を鉄筋等により矢板に連結する方法が提案されて
いる。この場合矢板には鉄筋をつなぎ留める手段
を予め設けておくことが好ましい。

この考案はこの補強方法を採用する際の便宜を
図る目的でなされたもので、矢板に鉄筋を繁止す
る部材を取り付けて可能としておくことにより杭
との連結を容易にしようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案ではコ字状に製作されたプレキヤストコ
ンクリート製矢板の内壁面に、貫通孔を設けたコ
ンクリート板を接合可能としておくことにより上
記課題を解決する。

矢板の内壁面にはその形状に沿つてコ字状に折
り曲げられた鉄板がその表面が現われるようにし
て壁面に面一に、水平に埋設され、この鉄板にお
いてコンクリート板が接合される。

コンクリート板は矢板内壁面に嵌合する形状に
形成され、その内壁面側には鉄板がその表面が現
われるようにして埋設され、この鉄板と矢板鉄板
とが溶接される。またコンクリート板には鉛直方
向に鉄筋挿通用の貫通孔が穿設され、この貫通孔
において連結用の鉄筋を介して矢板と杭とがつな
がれる。

（実施例） 以下本考案を一実施例を示す図面に基づいて説
明する。

このプレキヤストコンクリート製矢板Ａ（以下
矢板Ａ）は第１図に示すように両側部が垂直に屈
折した断面コ字状の形状をしたもので、両屈折部
１１、内壁面２に亘つてコ字状の鉄板３がその表
面が現われるように水平に埋設されて形成された
ものである。

鉄板３は矢板Ａ内部にアンカー筋を埋込む等し
て屈折部１，１内側、内壁面２に面一にして埋設
される。

この鉄板３に、矢板Ａに嵌合する形状に形成さ
れたコンクリート板４が接合される。

コンクリート板４の矢板内壁面２側の端面には
鉄板３との溶接用に鉄板５がその表面が現われる
ようにして埋設されており、これら鉄板３，５が
相互に溶接されてコンクリート板４は矢板Ａと一
体化する。

またコンクリート板４の水平面には貫通孔６が
鉛直に穿設され、この貫通孔６に第２図のように
連結鉄筋７を挿通して第３図のように杭８と矢板
Ａとを連結する。

杭８は矢板Ａ垂直方向の地山に打ち込まれ、連
結鉄筋７はその頭部に結び付けられる。

矢板Ａと杭８との連結は貫通孔６に鋼棒やボル
トを挿通し、この両端に連結鉄筋７を結び付けて
行つてもよい。

なおコンクリート板４はこの上に土が盛られる
ことによつて矢板Ａの転倒モーメントを小さくす
る機能も有する。

（考案の効果） この考案では以上の通りコンクリート板を工場
において矢板に取り付けておくことにより現場で
は単に連結鉄筋をつなぐのみの作業で済むので、
杭との連結を容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示した斜視図であ
り、第２図、第３図はその施工例を示したそれぞ
れ平面図、断面図である。 Ａ：プレキヤストコンクリート製矢板、１：屈
折部、２：内壁面、３：鉄板、４：コンクリート
板、５：鉄板、６：貫通孔、７：連結鉄筋、８：
杭。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両側部が垂直に屈折し、この屈折部が長手方向
   に連続して形成されて断面コ字状に製作され、内
   壁面に沿つて鉄板表面が現われるようにして鉄板
   が水平に埋設されてある矢板であり、矢板内壁面
   に嵌合する形状に形成され、内壁面側に鉄板表面
   が現われるようにして鉄板が埋設されるととも
   に、鉛直方向に貫通孔が穿設されたコンクリート
   板が矢板鉄板に溶着可能としてあることを特徴と
   するプレキヤストコンクリート製矢板。