JPH0348413B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は加熱装置で発生した熱を、循環フアン
により加熱室内に導いて加熱室内の温度を上昇さ
せる、いわゆる熱風循環方式のガスオーブン、オ
ーブン付電子レンジ、ガスオーブン付電子レンジ
等の加熱調理器に関するものである。

従来この種の熱風循環方式の例えばガスオーブ
ンと電子レンジを一体化した加熱調理器では第１
図〜第３図のように加熱室１と隔室２とを仕切る
仕切板３の中央部に設けられた吸込口４より、加
熱室１内の熱気を吸込み、仕切板３の左右の周辺
部に設けられた吹出口５より、加熱室１内に高温
の熱気を吹出している為、受皿６の周辺部に載置
した被加熱物７は、吹出口５から吹出した高温の
熱風が当りやすい、その為受皿６の周辺部に載置
した被加熱物７は乾燥して表面の水分が蒸発して
硬くなり味が落ちる。また加熱されすぎ中央と周
囲との加熱むらが大きかつた。また加熱室内に吹
出した熱気は加熱室の側壁に沿つて流れるため、
加熱室の側壁から外部にもれる熱損失が大きく被
加熱物の加熱効率が悪い。

そこで本発明は上記従来の欠点を解消するもの
で、簡単な構造により、温度が低かつた加熱室の
中央部を高くすることができ、被加熱物の局部的
な乾燥をなくすとともに、周囲と中央との熱分布
が均一化でき、加熱むらのない加熱調理ができ
る。また加熱室の側壁から外部にもれる熱損失を
抑制し、被加熱物の加熱効率が大幅に向上するこ
とを目的とするものである。

上記目的を達成するため、本発明の加熱調理器
は第１の構成として被加熱物を収納する加熱室
と、前記加熱室内を加熱する加熱装置と、前記加
熱装置で上昇した熱気を前記加熱室に循環させる
フアンと、前記フアンを収納する隔室と、前記隔
室と前記加熱室とを仕切りかつ前記熱風の吹出口
と吸込口を有する仕切板と、前記隔室内に設け前
記仕切板の吸込口を包囲するごとく形成した隔壁
と、前記仕切板の近傍の前記隔壁の部分に熱気の
吹出し方向を制御する制御壁と、前記制御壁と前
記仕切板との間に設けた熱気のバイパス路とを備
え、前記吹出口の前記加熱室側部側に障壁を設け
た。

また第２の構成として被加熱物を収納する加熱
室と、前記加熱室内を加熱する加熱装置と、前記
加熱装置で上昇した熱気を前記加熱室に循環させ
るフアンと、前記フアンを収納する隔室と、前記
隔室と前記加熱室とを仕切りかつ前記熱風の吹出
口と吸込口を有する仕切板とを備え、この仕切板
の隔室側でかつ熱風の吹出口近傍には前記熱気の
吹出方向を加熱室の略中央方向に制御する制御壁
を設けた。

さらに、第１の構成または第２の構成に被加熱
物を回転させる回転載置台を加熱室内設ける。

以上のことにより、いびつな形状の被加熱物で
あつても全周から加熱されるので局部的な乾燥を
なくし中央と周囲との熱分布を均一にし、加熱む
らのない加熱調理を行う。

また、加熱室内に吹き出した熱気は加熱室の略
中央部に吹出されるため、加熱室の側壁から外部
にもれる熱損失は少ない。また加熱室内に吹出し
た熱気は加熱室の略中央部の食品に向けられるの
で、被加熱物の加熱効率が大幅に向上する。

以下本発明の一実施例について添付図面ととも
に説明する。

第４図〜第６図において、本体８内に被加熱物
７を加熱調理する加熱室１がある。加熱室１の前
面開口部には、開閉自在に装着されたドア９が設
けられている。加熱室１の上壁には給電口１０が
設けられ、高周波の発生装置であるマグネトロン
１１と導波管１２により結合され、加熱室１内に
高周波放射する。上記の給電口１０には導波管１
２に食品かす、水蒸気等が入らないように誘電体
で形成されたカバー１３で覆われている。

加熱室１の底壁には磁力駆動方式の回転載置台
１４が装置され、この上に回転可能な受皿６が載
置されている。前記の回転載置台１４の駆動は第
６図に示す冷却用フアンモータ１５により駆動を
行つており、このモータ軸１６に装置されたプー
リＡ１７にベルトＡ１８を介してウオームギア１
９に装着されたプーリＢ２０を駆動し、更にウオ
ームギア１９の出力軸２１に装着されたプーリＣ
２２にベルトＢ２３を介してプーリＤ２４が駆動
し、プーリＤ２４にはプーリ軸２５を介してプー
リＥ２６が装置されている為、プーリＥ２６が連
動する。プーリＥ２６からベルトＣ２７を介し
て、加熱室１外底壁に装着されたプーリＦ２８が
駆動し回転する。プーリＦ２８が回転するとプー
リＦ２８に装着された磁石Ａ２９が回転し、磁石
Ａ２９に回転載置台１４の下部に設けられた磁石
Ｂ３０が磁力により互いに吸引しあい、ローラ３
１に支持された回転載置台１４が回転する。なお
加熱室１底壁および磁石を取付けている金属板３
２は、ステンレス、アルミ等の非磁性体の金属の
板で形成し磁気が通るように形成されている。

上記の冷却用フアンモータ１５のモータ軸１６
の一端に装着された冷却フアンにより、マグネト
ロン１１が冷却される。冷却後の空気はエアーガ
イド３４を通り、ほとんどはエアーガイド３４の
上壁に設けられた開孔部から加熱室１外上壁と本
体８の上壁との間を通つて排気カバー３５より外
部へ排出される。

一部は加熱室１側壁のパンチング孔３６を通つ
て加熱室１内に入つた後、加熱室１の上壁の排気
孔３７に連設した排気ガイド３８から排気カバー
３５を通つて外部へ排出される。３９は加熱室１
外上壁の断熱材、４０は加熱室１外側壁の断熱板
である。

第６図において、加熱室１の背部のほぼ中央に
吸込口４、左右の周辺部に障壁４１を設け、前記
障壁４１に吹出口５を併設し、吹出口５を多数の
パンチング穴で形成し３分割した吹出口５、すな
わち、上部吹出口５ａ、中部吹出口５ｂ、下部吹
出口５ｃを有する仕切板３と燃焼室４２、循環空
気加熱室４３と循環フアン収納室４４を有する隔
室２が設けられている。加熱室１と隔室２はそれ
ぞれ別体で、加熱室１の背部に隔室２をビスを介
して取付けた構成である。上記燃焼室４２は隔室
２の下部に位置するとともに、周壁の下部に燃焼
用空気の導入口４５が設けられ頂壁に循環空気加
熱室４３に開口する燃焼ガス通路４６を形成した
ものであり、２本の主バーナ４７と１本の種火バ
ーナ４８が収納してある。また循環空気加熱室４
３はその隔壁４９によつて仕切板３の吸込口４を
包囲するごとく形成してあり、循環フアン収納室
４４に設けられた循環フアン５０の吸引側と対向
して吸引口５１が穿設してある。さらに循環フア
ン収納室４４の左右の側壁及び、隔壁４９は仕切
板３までのびる。仕切板３の近傍の隔壁４９の部
分に吹出方向を制御する制御壁５２が設けてあ
り、さらに制御壁５２と仕切板３との間にバイパ
ス路５３が設けてあり、吹出口５（上部吹出口５
ａ、中部吹出口５ｂ、下部吹出口６ｃ）及び加熱
室１内に連通する吹出系路５４を構成している。
フアン装置５５は循環フアン５０と循環フアン５
０を駆動する循環フアンモータ５６と循環フアン
モータ５６を冷却する自冷フアン５７とケーシン
グとなる循環フアン収納室４４などで構成されて
おり、循環フアン５０は循環フアンモータ軸５８
にフアン取付ねじ５９を介して着脱自在に取付け
られた構成である。

次に上記構成における動作について説明する。

第６図および第７図において、加熱室１から仕
切板のほぼ中央に設けられた吸込口４を介して流
出した熱流と燃焼ガス通路４６を通過したバーナ
４７からの高温の燃焼ガスとは、循環空気加熱室
４３内に流動し吸引口５１から循環フアン５０に
吸引され吹出系路５４へ流れる。この吸引から吹
出までの過程での合流混合作用および循環フアン
５０の撹拌作用で両熱流は充分に混合され、温度
的にもむらのない高温の熱風となる。上記の高温
の熱風は第７図のように循環フアン収納室４４の
側壁に沿つて流れるが、仕切板３の左右の周辺部
に障壁４１が設けられている為、障壁４１部は圧
力が高くなり、障壁４１部に対応する隔壁４９の
部分には吹出口５及び加熱室１内に連通するバイ
パス路５３が設けてある。バイパス路５３の圧力
は障壁４１部の圧力より低くなる。その為高温の
熱風は隔壁４９の一部分を形成する制御壁５２に
沿つて流れるようになる。制御壁５２に沿つて流
れた高温の熱風は吹出口５（上部吹出口５ａ、中
部吹出口５ｂ、下部吹出口５ｃ）から加熱室１内
のほぼ中央部を通るように吹出される。吹出口５
から吹出された高温の熱風は、熱風の粘性により
吹出口５の周囲から、被加熱物７の加熱後の熱気
が引つ張られる、その為吹出口５から吹出した直
後の高温の熱風は、引つ張られた加熱後の熱気に
より熱が奪われ、ソフトな熱風になり加熱室１内
のほぼ中央部に向かつて流れる。

第６図のように熱風の一部は被加熱物７を加熱
後、吸込口４に吸い込まれていくが、その一部は
吹出した直後の高温の熱風により引つ張られ循環
をする。熱風の主流は、加熱室１のほぼ中央で、
右側から吹出された熱風と左側から吹出された熱
風とがぶつかりあつて、中央部を流れドア９に当
つて左右に分かれ加熱室１の側壁面に沿つて流れ
る。その一部の熱風は吹出口５から吹出した直後
の高温の熱風により引つ張られて循環をする。そ
の残りの熱風は、熱風の主流の上部または下部の
熱風の流れの弱い部分を通り吸込口４より吸い込
まれる。

上部吹出口５ａから加熱室１内に吹出され高温
の熱風は第４図〜第６図に示すように上段の受皿
６ａに載置した被加熱物７より上の面をほぼ水平
に流れるが、加熱室１の側壁面に沿つて流れた熱
風の一部は加熱室１の上壁の排気孔３７から排気
ガイド３８を流れ排気カバー３５を通り外部へ排
出される。中部吹出口５ｂから加熱室１内に吹出
された高温の熱風は上段の受皿６ａの底面と、下
段の受皿６ｂに載置した被加熱物７より上の面と
の間をほぼ水平に流れる。下部吹出口５ｃから加
熱室１内に吹出された高温の熱風は、下段の受皿
６ｂの底面と加熱室１の底壁との間を流れるが、
ドア９に当つて左右に分かれた熱風の一部は、中
部吹出口５ｂから吹出されドア９に当つて左右に
分かれた熱風と合流し上段の受皿６ａと下段の受
皿６ｂとの間の加熱室１内の側壁に沿つて流れ
る。

このように本実施例によれば、吹出口５より加
熱室１内に吹出された直後の高温の熱風は、粘性
により吹出口５の周囲から、被加熱物７の加熱後
の熱気を引つ張る為、加熱後の熱気により熱が奪
われソフトな熱風となる。また熱風は被加熱物７
より上の面を第４図〜第６図のように加熱室１内
のほぼ中央部を通つて流れる為、熱風が部分的に
強く被加熱物７に当ることもなく流れる。また吹
出口５から吹出された熱風は、徐々に垂直方向に
も広がつて行き加熱室１の熱気と混合し、被加熱
物７のふきんでは、よりソフトな熱風になり被加
熱物７を温度の均一化した熱風が包みこむように
加熱しながら、仕切板３のほぼ中央に設けられた
吸込口４の方に流れていく。また吹出口５から吹
出された熱風は受皿６の底面にそつて流れる。受
皿６は金属で形成されている為、熱伝導がよく受
皿６の温度及びその雰囲気温度の均一化が促進さ
れ、さらに回転するので加熱むら及び局部的な乾
燥のない調理を行うことができるという効果を有
する。上記は高周波加熱装置付のガスの加熱調理
器について説明したが、高周波加熱装置のないも
のであつても、また電気の加熱調理器であつても
同じであることは言うまでもない。また、同様に
２段調理の場合と実施例として説明したが、単段
調理の場合でも、あるいは３段以上の調理の場合
でも同様に効果を有するものである。

以上のように本発明によれば次の効果を得るこ
とができる。

(1) 仕切板の近傍の隔壁の部分に熱気の吹出方向
を制御する制御壁を設け、制御壁と仕切板との
間に熱気のバイパス路を設け仕切板の吹出口の
加熱室側部側に障壁を設ける構成であり、バイ
パス路と障壁によつて熱気は制御壁に沿つて吹
出されることになり、加熱室内に吹き出される
熱気は加熱室の側壁に沿つて流れない、そのこ
とにより加熱室の側壁から外部へ漏れる熱損失
を抑制できる。

(2) 熱気の吹出方向を加熱室の略中央方向に制御
する制御壁を設け、熱気の吹き出し方向を加熱
室の略中央方向に制御することにより、熱気が
加熱室の中央部の被加熱物に向けられるので加
熱室壁面からの熱の損失を最小限に抑えること
ができるので被加熱物の加熱効率が大幅に向上
し、省エネルギーとなる。また従来温度が低か
つた加熱室の中央部を高くすることができ周囲
と中央の熱分布が均一になり加熱むらのない優
れた調理性能の加熱調理器が提供できる。

(3) 被加熱物を回転させる回転載置台をさらに設
けることにより、被加熱物が回転するため、い
びつな形状の被加熱物であつても全周から加熱
されるので局部的な乾燥がなく、中央と周囲と
の熱分布が均一で加熱むらのない加熱調理を行
うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の加熱調理器の側面断面図、第２
図は同正面断面図、第３図は同平面断面図、第４
図は本発明の一実施例を示す加熱調理器の側面断
面図、第５図は同正面断面図、第６図は同平面断
面図、第７図は同要部拡大平面断面図である。 １……加熱室、２……隔室、３……仕切板、４
……吸込口、５……吹出口、７……被加熱物、１
４……回転載置台、４１……障壁、４７……主バ
ーナ（加熱装置）、４９……隔壁、５０……循環
フアン（フアン）、５２……制御壁、５３……バ
イパス路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室内
   を加熱する加熱装置と、前記加熱装置で上昇した
   熱気を前記加熱室に循環させるフアンと、前記フ
   アンを収納する隔室と、前記隔室と前記加熱室と
   を仕切りかつ前記熱風の吹出口と吸込口を有する
   仕切板と、前記隔室内に設け前記仕切板の吸込口
   を包囲するごとく形成した隔壁と、前記仕切板の
   近傍の前記隔壁の部分に設けた熱気の吹き出し方
   向を制御する制御壁と、前記制御壁と前記仕切板
   との間に設けた熱気のバイパス路とを備え、前記
   仕切板の前記吸出口の前記加熱室側部側に障壁を
   設ける構成とした加熱調理器。 ２ 被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室内
   を加熱する加熱装置と、前記加熱装置で上昇した
   熱気を前記加熱室に循環させるフアンと、前記フ
   アンを収納する隔室と、前記隔室と前記加熱室と
   を仕切りかつ前記熱風の吹出口と吸込口を有する
   仕切板とを備え、この仕切板の隔室側で、かつ熱
   風の吹出口近傍には、前記熱気の吹出方向を加熱
   室の略中央方向に制御する制御壁を設けた事を特
   徴とする加熱調理器。 ３ 被加熱物を回転させる回転載置台を加熱室内
   に設けてなる特許請求の範囲第１項または第２項
   記載の加熱調理器。