JPH0347558Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、トーシヨンバーにより椅子座シート
に弾力的な後傾緩衝力を付与せしめた椅子のロツ
キング装置に関し、特に、前傾も可能なるように
構成したロツキング装置に関するものである。

これら前傾機能は、タイプ打ち作業やコンピユ
ータのオペレータ作業などに適した姿勢が得られ
るので都合がよく、後方へのロツキングは揺れに
よる安楽感が得られる。

従来からこのようなロツキング装置については
いくつかの形体のものがあるが、従来装置では構
造が複雑で高価であるといつた欠点があつた。

本考案は従来のこの種の椅子における上記の欠
点を解決するためになされたもので、以下添付の
図面に基づいて具体的に説明する。

図において１は基台であり、２は該基台１の前
端に固着した内筒、３，３は両端に座シート取付
用ブラケツト４，４を固着した外筒であり、該外
筒３，３を前記内筒２に回動自在に挿嵌し、さら
に該内筒内にトーシヨンバー５を挿入し、該トー
シヨンバー５の一端を前記内筒２の端部に固定リ
ング６を嵌着して固定してある。

前記トーシヨンバー５の他端には傾動片７を嵌
着し、該傾動片７の遊端の垂直方向にねじ孔を設
けて、このねじ孔に調整軸８を螺合させ、該調整
軸８の上端ブラケツト４に下面へ突出させて設け
た受止部９に衝止させる。

１０は調整軸８の下部に延設した捩り調整ハン
ドルであり、該ハンドル１０を回動することによ
り傾動片７の遊端側を上下させ、該傾動片７を介
してトーシヨンバー５の弾力を任意に調整する如
く構成されている。なお１１は前記外筒３，３の
中央部に１体に固着された側面がＣ形をなす枠体
であり１２，１２，……はブラケツト４，４の上
面に穿設した取付孔である。

また、前記基台１の後端縁には、その対向両側
壁１３，１３の対向位置に孔１４，１４を穿設
し、該両孔間に軸筒１５を水平に横架固着し、該
軸筒内に枢軸１６を挿通し、椅子脚支柱の上端を
嵌着する基枠１７の後端縁の一対向両側壁１８，
１８の対向位置に穿設した孔１９，１９に前記枢
軸１６を挿通して該基台１を前後方向に傾動自在
なるように装着する。２０，２０は該枢軸１６の
両端に嵌着した抜け止め用ワツシヤである。ま
た、前記基台１の長さ方向のほほぼ中央の上面に
は調整ボルト２１の挿通孔２２を穿設し、さらに
その下面の底板には円筒形をなす弾性体２３を収
納する円孔２４を穿設する。一方、前記基枠１７
の前端には螺孔２５を設け、前記調整ボルト２１
により座金２６を挿通介在させて弾性体２３を貫
通する。さらに基台１の円孔２４及び挿通孔２２
を貫通させる。そして前記基枠１７の螺孔２５に
螺着し、調整ボルト２１が螺進するに伴ないその
頭部２７が座金２６に衝止して弾性体２３を押圧
する。

なお２８，２９は基枠１７に設けた椅子脚支柱
の嵌着孔、３０，３１は基台１に設けた長孔であ
る。

このように構成したロツキング装置は座シート
ａの下面に当てがい、ブラケツト４，４の夫々上
面に設けた取付孔１２，１２……を介してねじ締
めして取付け固定し、脚支柱ｂの上端を基台１に
設けた長孔３０，３１に遊嵌状に挿通すると共に
基枠１７に設けた孔２８，２９に嵌着して固定さ
せる。そして後傾ロツキングの場合は公知の椅子
の使用と同じように予かじめ調整ハンドル１０を
操作して弾力（座シートの復元力）を任意に設定
して使用するがその場合座シートａはトーシヨン
バー５を内挿した内筒２を支点として前後に傾動
することができる。

しかしてその際、内筒２の内挿したトーシヨン
バー５はその一端を内筒２の端部に固定リング６
を介して固定し、他端に傾動片７を嵌着し、その
遊端側に螺合させた調整軸８をブラケツト４に衝
止させてあるため、座シートａを第３図に実線で
示した略水平状態から、同図中矢示Ａ方向へ傾動
させれば、それに応じて、前記トーシヨンバー５
は捩り反発力を生じ、座シートａのロツキング作
用を与えるものである。

また、前傾ロツキングの場合は予かじめ調整ボ
ルト２１を操作して弾力を設定する。そして使用
者が椅子の背もたれからやゝ背中を浮かした状態
で腰掛けると座シートａは枢軸１６を支点として
基台１と共に前傾する。

なお、その場合は、調整ボルト２１により押圧
された弾性体２３によつて基台１が上方へ弾圧さ
れているため、座シートａを第４図に実線で示し
た如く、略水平状態から、同図中矢視Ｂ方向へ傾
動させれば前記弾性体２３の弾圧力により、座シ
ートａにクツシヨン作用、いいかえれば前傾ロツ
キング効果を得ることができる。

このように本考案に係るロツキングチエアは、
座シートが前後いずれの方向にも傾動するから、
前傾姿勢で行なう仕事に適用できるのはもちろん
後方への揺れによる安楽感が得られ、しかも前後
の傾動が各々独立した機構により復帰するもので
あるから、前後への揺動が「ゆりかご」のように
均一でないため、使用目的に合致したきわめて安
定した座り必地が得られ、さらに、前傾ロツキン
グの際の支点となる枢軸１６が座シートの後方に
位置するため、弾性体２３の緩衝作用によつて着
座時のシヨツクをやわらげて快適な座り必地とな
すことができる。

また、本考案の装置は、従来のロツキング装置
を基にして前傾機構を組込んで構成したものであ
るから、製作が容易で構造が簡単であると共に、
製品コストの低減にも寄与することができる利点
を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例に係わるもので第１図は一
部を断面で示す底面図、第２図は要部を分解して
示す斜視図、第３図は側断面図、第４図は作用説
明図である。 １……基台、２……内筒、３……外筒、４，４
……ブラケツト、５……トーシヨンバー、７……
傾動片、８……調整軸、１０……調整ハンドル、
１６……枢軸、１７……基枠、２１……調整ボル
ト、２３……弾性体、ａ……座シート、ｂ……椅
子支脚。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基台の前端に内筒を固着し、両端に座シート取
   付用のブラケツトを固着した外筒を前記内筒に回
   動自在に挿嵌し、さらに該内筒内にトーシヨンバ
   ーを挿入し、該トーシヨンバーの一端を前記内筒
   の端部に固着すると共に該トーシヨンバーの他端
   を前記ブラケツトに取付けた調整軸に連係させて
   固定した椅子座シートのロツキング装置におい
   て、脚支柱の上端に固着させる基枠に前記基台を
   前後方向に傾動自在なるように枢着すると共に、
   該基台の前方を弾性体により常に上方へ付勢せし
   めてなる椅子座シートのロツキング装置。