JP3075832U - 椅子の座体の前後傾動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コストが安く、前傾して腿の圧迫をやわ
らげ、後傾して体重を分散して座体の体重集中をやわら
げ、人体の動きに自由度が増すことになって、長時間の
使用でも疲労度が少なく姿勢が悪くならないよう快適に
使用できる使用性の良好な椅子の座体の前後傾動装置を
提供する。 【解決手段】 椅子の座体１と、脚体３と、側面視が倒
への字状となってその倒への字の中央山頂部が前記脚体
３の上部に固定される所定輻の板ばね製座受体２とを備
え、前記座体１の下面が前記座受体２の傾斜上位側前後
端部に止めねじ４などを介して取付けられる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、例えば講義室のようなところで机に相対して座れる椅子として好適 で、用途に相応しく座体が前後傾動する椅子の座体の前後傾動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、特許第２７５８７２０号に見られるように、椅子の座体の底面から下方 に向かう彎曲した形態の板ばねの中央部が支柱上に取付けられるような構造の椅 子は知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、そのような形態の板ばねを使用した椅子の場合、座体に座る人 体の動きに応じて座体が前後傾動できるかどうか、はっきりせず、むしろ人体の 動きが制約されることになって長時間の使用が苦痛に感じられ、疲労が増して姿 勢が悪くなり、使用性が悪い、といった問題が生じる。

【０００４】 従って本考案の目的は、製造コストが安く、前傾して腿の圧迫をやわらげ、後 傾して体重を分散して座体の体重集中をやわらげ、人体の動きに応じて座体が前 後傾動し人体の動きにも自由度が増すことになって、長時間の使用でも疲労度が 少なく姿勢が悪くならないよう快適に使用できて使用性の良好な椅子の座体の前 後傾動装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る椅子の座体の前後傾動装置は、椅子の座体と、脚体と、側面視が 逆への字状となりその中央山部が脚体の上部に固定されている所定幅の板ばね製 座受体とを備え、前記座体の下面が前記座受体の傾斜上位側前後端部に止めねじ などを介して取付けられる。

【０００６】 上記構成によれば、構造が簡単になって製造コストが安くなり座って体を前傾 させると、体重移動により座体の前部が下がって座受体が撓み、同時に座体の前 部が下がるのにつれて座受体の後半が同時に引っ張られて撓み、座体の後部が上 がって座体が前傾し、逆に座体の後に凭れるとその体重移動により座体の後部が 下がって座受体が撓むと共に座体の後部が下がるのにつれて座受体の前半が同時 に引っ張られて撓み、座体の前部が上がって座体が後傾し体重を分散して座体の 体重集中をやわらげるとともに、人体の動きに応じて前後傾動し長時間でも疲労 度が少なく姿勢が悪くならないよう使用できるため、使用性が良好である。

【０００７】 本考案の好適な実施形態では、脚体の上部が座体の前後の傾動範囲を設定する ストッパーを有する。

【０００８】 本考案の好適な実施形態の変形例では、ストッパーが座受体に接当する脚体の 上部の位置に設けられる。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を、図面により詳細に説明する。

【００１０】 パイプフレームを屈曲して形成する脚体３と、後部に背凭れを一体的に形成し た座体１との間に、側面視が逆への字状となる所定幅の板ばね製座受体２を取り 付けるが、該座受体２の逆への字の中央山部を前記脚体３の上部に止めねじ５を 介して固定し、前記座体１の下面が前記座受体２の傾斜上位側前後端部の上面に 止めねじ４を介してそれぞれ取付け、また、前記座受体２の前後側となる前記脚 体３の上部には前記座体１の前後の傾動範囲を設定するパイプフレームの一部か らなるストッパー７ａ、７ｂを設ける。

【００１１】 なお、前記座受体２は人が座ってもその体重を支えうる厚さの板ばねを側面視 が逆への字状となるように形成してへの字形を仰向けにして取付けるが、座受体 ２は１枚物でも、幅の狭いもの２枚にしたり、幅の狭いものはその分肉厚にして 形成し、また、座受体２は側面視が逆への字状となるが、図３に示すように、そ のへの字の山部に平面がある形状にする。

【００１２】 したがって、図１に示すように、座体１に座って体を前傾させると、その体重 移動により座体１の前部が下がり座体の前部下面１ａがストッパー７ａに当たる まで座受体２が撓み、同時に座体１の前部が下がるのにつれて座受体２の後半が 同時に引っ張られて撓み、座体１の後部が上がって座体１が前傾し、また逆に、 後に強く凭れると、体重移動により座体１の後部が下がり座体の後部下面１ｃが ストッパー７ｂに当たるまで座受体２が撓み、同時に座体１の後部が下がるのに つれて座受体２の前半が同時に引っ張られて撓み、座体１の前部が上がって座体 １が後傾することになる。

【００１３】 図２は、図１に示す状態よりストッパー７ａ、７ｂの前後間隔を狭くした場合 を示し、座体１の前後傾とも座受体２の途中でストッパー７ａ、７ｂに当たって から座受体２の前後端までの間で更に少し撓み、更に僅かに前後傾することでス トップするショックを和らげることができる。

【００１４】 図５、図６は筆記やパソコン使用時の前傾姿勢を設定した場合を示し、座受体 ２は前記座受体の変形で予め前傾する状態に形成した座受体を取付けて座体の前 部下面１ａ又は座受体２をストッパー７ａ、７ｂに予め当てておくことにより、 前傾姿勢が容易にとれることになり、傾動は後傾のみとし、範囲は図５は座体の 下面１ｂがストッパー７ｂに当たるため図１に示す状態より多く動き、図６は図 ２に示す状態と同じになることを示し、また、図５、図６は、図１、図２の座受 体２とストッパーを前後反転した位置関係にするとともに座体１を後方へずらし て前傾姿勢のバランスを考慮して設定した場合を示す。

【００１５】 図７、図８は、前記のようなパイプフレームからなるストッパーが無い形態の 脚体３の上部に、ストッパーの働きをする座受体ストッパー７を座受体２との間 にそれぞれ取付けた場合を示し、傾動の仕方、範囲は図７では座体の下面１ｂが 座受体ストッパー７に当たるため図１に示す状態より前後傾とも多く動き、図８ は図２に示す状態と同じになる。

【００１６】 図１１、図１２は筆記やパソコン使用時の前傾姿勢を設定した場合を示し、座 受体２は前記座受体の変形で予め前傾する状態に形成した座受体２を取付けて、 座体の前部下面１ａまたは座受体２を座受体ストッパー７に予め当てておくこと により、前傾姿勢が容易にとれ傾斜範囲は広い後傾のみにすることを示し、図１ ２に示す場合は、前後傾時のストップのショックを和らげることができる。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、簡単な構造にして製造コストを安くす ることができ、前傾して腿の圧迫をやわらげ、後傾して体重を分散して座体の体 重集中をやわらげ、人体の動きに応じて座体が前後傾動し人体の動きに自由度が 増すので長時間の使用でも疲労度が少なく姿勢が悪くならないよう快適に使用で き且つ使用性の良好な椅子の座体の前後傾動装置を提供することができたのであ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】椅子を概略示す側面図。

【図２】他の椅子を概略示す側面図。

【図３】図１の一部を示す斜視図。

【図４】図２の一部を示す斜視図。

【図５】他の椅子を概略示す側面図。

【図６】他の椅子を概略示す側面図。

【図７】他の椅子を概略示す側面図。

【図８】他の椅子を概略示す側面図。

【図９】図７の一部を示す斜視図。

【図１０】図８の一部を示す斜視図。

【図１１】他の椅子を概略示す側面図。

【図１２】他の椅子を概略示す側面図。

【符号の説明】

１ 座体 ２ 座受体 ３ 脚体 ４ 止めねじ ７ ストッパー ７ａ ストッパー ７ｂ ストッパー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】椅子の座体１と、脚体３と、左右２本で側
   面形状がへの字を天地反転した形状をする弾性帯状板を
   以って形成する座受体２とを組み合わせて構成する椅子
   であって、該逆への字状をする左右の弾性平板の前縁と
   後縁とはそれぞれ平板を、また左右の弾性平板の中央部
   分も平板を以って繋いで座受体２を形成し、上記座受体
   の前縁板と後縁板とは座体１の裏面前部及び後部にビス
   ４により螺子止めし、また中央部分を繋ぐ平板は前記左
   右の脚体３の上面に係着５する様構成し、更に左右の脚
   体３の上部にはストッパー７、７ａ、７ｂ等を形設し
   て、傾動も規制し得る様構成してなる椅子の座体の前後
   傾動装置。