JPH0217168B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は事務用腰掛、特に、例えば机又は他の
仕事面で仕事をするために、腰掛に座つている人
が前にかがむ時に、座部を前傾させ、かつ好まし
くは前傾状態に固定させることもできる事務用椅
子の座部取付装置に関する。

机又は他の仕事面で長時間仕事をすることを要
求される仕事を持つ者がかつてないほどふえつつ
ある。多くの在来の事務机用椅子は、座つている
人がまつすぐな姿勢の時にすわり心地が良く、
時々背をもたれて休むことができるように後に傾
むくよう設計されているが、このような椅子で前
にかがむ時には、座部の前部が大腿部の裏を圧迫
し、背部全体はもはや心地良く支持されない。

最近、事務用腰掛、特に時々機能椅子と呼ばれ
る種類の事務用腰掛を前かがみの姿勢でより心地
良くする必要性は広く認識されてきており、前傾
する機能椅子は現在販売されている。中でも米国
特許第4131260号の発明を実施している座部取付
装置を有する“Vertebra”（商標名）は成功した
例である。

本発明によれば、通常は、座部を、まつすぐな
姿勢で座つている人に座りごこちの良い位置に保
持するが、たとえば机又はテーブルで仕事をする
ため前かがみになると自動的に座部が前傾するよ
うな椅子用座部の取付装置を提供する。取付装置
は、水平横軸を有し、椅子台座にほぼ水平に取付
られるようになつているほぼ板状の支持ブラケツ
トを有する。座部取付部材は軸に取付けられてい
て軸の軸線の周りに回動し、かつ椅子座部の下例
に取付られる。軸から間隔をへだてた支持ブラケ
ツトおよび取付部材の互に係合しうる面はブラケ
ツト上での取付部材の後方傾斜を制限し、椅子座
部の正常な直立位置を定める。ばね組立体がブラ
ケツトと取付部材の間に連結され、取付部材が軸
のまわりに前傾しないように弾性的に抑制する。
ばね組立体は、軸の後方に間隔をへだてた場所で
取付板から下方へ延び、下端に保持体を有する連
結ピンと、保持体と支持ブラケツトの下側のばね
座の間に係合している圧縮ばねとを含む。

本発明の好ましい実施例では、連結ピン上のば
ね保持体はカツプを成し、それはばねの下部を取
り囲む壁を有し、ブラケツト上のばね座は、ばね
の上部を取り囲む第２のカツプによつて構成され
ている。２つのカツプの壁は抜差し自体に関係
し、視覚的にばねを隠している。好ましくは、連
結ピンの下部はねじ山を有し、ばね保持カツプは
それに相応してねじ山を有する中央ボスを有し、
ばね保持カツプを廻すことによつてこれをピンの
下部に沿つて上下に移動させてばね力を調整する
ことができる。

連結ピンは通常ばね座より下の位置に止め（ス
トツプ）板を備えている。止め板は座部取付部材
の所定の前傾時にばね座に係合して台座上での座
部の前傾量を制限する。

任意的にしかしながら望ましい特徴としては、
座部を前傾させるとき座部を前傾状態に保つた
め、手動操作の固定部材がブラケツトと座部取付
部材の間に選択的に係合しうる。

本発明による取付装置は、製造コストを下げ、
信頼性を増す比較的簡単な構造のものである。取
付装置は小型でありブラケツトと座部取付部材は
少くとも、本発明を実施する好ましい設計では平
らな板であるから、取付装置は大部分座部によつ
て見えないようになる。好ましいが選択的である
調整可能なばね機構及び前記前傾姿勢に座部を保
持する固定部材を有する設計では直立位置と前傾
位置の間の座部の動きに関して、座部の取付を
色々な人の好みに合わせることはきわめて有利で
ある。

本発明のより長い理解のために、添附図面の図
と関連してなされる例示態様の以下の説明を参照
する。

本発明によれば、取付装置は種々の形の台座に
種々の椅子座部を取付けるのに使用しうる。第１
図に示す例では、取付装置は５脚キヤスターベー
ス１０と１個の座部、背もたれ構造体１２とから
構成される。座部および背もたれ構造体１２は一
体成形プラスチツク座部、下部背もたれ１４と、
各側が、可撓性ベロー内に隠され、受け口内に設
けられた関節リンク仕掛けによつて座部下部背も
たれ構成要素１４に取付られた上部背もたれ１６
とからなる。座部下部背もたれ構成要素は４個の
小さい突出部即ちボス２０（前一対と後一対これ
らの個々の対はセンターラインの前後の両側に適
当な距離対称的に位置する）を有している。座部
構造体１２はボス２０に挿入されたねじ（図示せ
ず）によつて取付装置に取付られる。上記座部１
２は1979年７月11日出願の米国特許出願第056790
号の主題である。

第２図及び第３図によつて示されるように、取
付装置は、僅かにテーパした受け口２４を有する
支持ブラケツト２２を有し、受け口２４は台座の
コラム２８の上端部分２６を受け入れる。支持ブ
ラケツトは特別仕様の金属鋳造物であり、後方に
のびる板状のウエブ部分３０と受け口２４の前の
横方向ボス３２とを有し、ボス３２は軸３６を取
付ける横穴３４を有する。ブラケツトは強めリブ
（例えば３８，４０および４２）によつて強化さ
れている。

座部取付板４４は好ましくは、比較的厚い鋼鉄
から作られた型打物であつて、取付板４４の下側
にボルト４８によつて固定された一対の取付金具
４６によつて軸３６を介して支持ブラケツト２２
に取付けられる。取付板４４の剛性は、その取付
板の長さの大部分に亘つて長さ方向のリブ５０を
形成することによつて又、両側に沿つて上に折曲
げたフランジ５２によつて高められる。前と後の
座部取付管６０及び６２はそれぞれ取付板４４の
両端にある弧状フランジ５４及び５６にリベツト
６４で固定され、勿論、取付管は弧状フランジに
ボルト止め又は、溶接されても良いし、或は取付
板と一体に形成されても良い。それぞれの取付管
６０及び６２は両端近くにねじ（図示せず）の穴
６６を有し、ねじは座部の下側にあるボス２０に
ねじ込まれ、座部構造体１２を取付装置に固定す
る。

座部取付板４４は軸３６の周りに回転しないよ
うに抑制され、調整可能なばね組立体７０によつ
て、座部構造体１２の正常な直立姿勢を確立する
位置に保持される。正常姿勢では、取付板の後部
がゴム製のスペーサ７２に当り、スペーサ７２は
支持ブラケツトの後部３０にある穴７３にはまつ
ているボスによつて取付られている。連結ピン７
４は取付板の後部にある穴７５と支持ブラケツト
の後部３０にある穴７７とを通して下方に突出す
る。ピン７６の頭部７６は球形下面を有し（第４
図参照）、この下面は取付板の穴の周囲に当るの
で、ピン７４は自動的に着座し、かつ回転するこ
とができる。ピン７４の下部は支持ブラケツトの
後部３０の下部へ延びて上部ばね保持カツプ７８
の中へ延び、下端は調整可能な下部ばね保持カツ
プ８０にねじ込まれている。保持カツプ７８と８
０の間で圧縮された圧縮ばね８２は、ピン７４を
下方に引張り、取付板の後部を下方に正常な下向
き位置に弾性的に保持する。この正常な下向き位
置では、軸３６とゴム製ストツプ７２が座部構造
体１２を正常位置、即ち座部底部１４が快適な、
やや後方の傾斜を有するような第１図に実線で示
す位置にしつかりと支持する。

椅子にすわつている人が前にかがんで、例えば
机で字を書いたり或は前傾姿勢で最も心地良く或
は必然的に行なわれる他の作業を行なうとき、座
部取付装置は、軸３６のまわりに前方に傾斜する
ことによつて、座部に対して、より前方位置への
人の重心移動に自動的に応答する。この場合取付
板４４の後部はブラケツト３０に対して上昇す
る。

ピン７４が下部保持カツプ８０を上方へ引張る
と、ばね８２はたわんで圧縮される。座部構造体
１２の前傾は、普通のワツシヤー８６とピン７４
にねじ込まれた保持ナツト８８によつてピン７４
に保持されたゴム製の止めワツシヤー８４が上部
ばね保持カツプ７８の端壁に係合したときに止ま
る。取付装置は、座部の前端を下げ、座る者の大
腿部の裏を圧迫する力を弱め、かつ、座部の後部
をもち上げ、改善された支持のため背もたれを前
に移動させることにより、前にかがむ人の椅子の
座りごこちを改善する。椅子に座つている人がう
しろにそるとき、人の重心変化とばね８２の力で
座部構造体１２を正常位置へ戻す。

もし椅子に座つている人が机に向つて或は他の
状態で仕事をすべく前かがみで比較的長時間すご
す場合には、例え人がうしろにそるとしても椅子
が前傾位置を保持するように、座部構造体を前傾
位置に固定したい希望がある（第１図の仮想線）。
その場合、手を下に伸ばしてロツクバー９２の端
に固定された操作ハンドル９０を回わすことがで
き、ロツクバー９２は一対の保持クリツプ９４に
よつて取付板４４の後部の下面に回動するように
取付けられる。ロツクバー９２は側方片寄り部分
９２ａを有し、この片寄り部分は、通常はロツク
されない状態で取付板の下面に平らになつている
（第２図に示す如く）が、ハンドル９０が第１図
でみて時計方向に廻わされるとき、下方かつ後方
に回転し、支持ブラケツトの後部３０上の上方突
出ストツパー９６に当り、かくして、取付板を前
記位置に固定する。

ばね機構７０は、ねじ山付下部カツプ８０を廻
してピン７４にそつて軸方向に上下させることに
よつて色々な強さの力でたわむように調整でき
る。ピン７４の頭部７６はその周囲に小面を有
し、ナツトとねじ９８が頭部７６のすぐ近くで取
付板に取付けられていて、下部カツプが廻わされ
るときピン７４が回転しないようにする。ねじと
ワツシヤー１００は下部カツプ８０がピン７４か
ら完全にはずれないようにしている。下部カツプ
８０とナツト８８の間には、座部取付構造体が前
かがみの姿勢に順応することに関して、椅子を使
う者の個人的な希望と体重に応ずる広範なばね力
をもたらすのに十分なスペースがある。

取付装置は椅子に選択的なアーム１０２を取付
ける対策を含むものある。第１図に示すように、
アーム１０２は金属管の部材であり、この金属管
を曲げて成形ひじかけ部１０４を備えているひじ
かけ部分と側部分１０６とを作り、側部分１０６
は各ひじかけ部分から下方へそしてやや後方に曲
がり、それから横方向内方に曲がつて取付板４４
の前部の下側を完全に横切つて延びる横部分１０
８を作つている。プレート１１０はアーム１０２
の横部分１０８に溶接され（さもなければ、他の
適当な方法で固定される）、プレートとアームは
取付板にボルトナツト１１２でボルト止めされ
る。

第１図乃至第４図に示されるように、支持ブラ
ケツト２２を鋳造物として製造するかわりに支持
ブラケツトを、第５図及び第６図に示されるよう
に厚い金属板から型打ちされた一対のプレートと
スリーブから作ることができる。支持ブラケツト
２００は下部プレート２０２を有し、該プレート
２０２は、上部ばね保持カツプを受けるための穴
２０４を後方部分に有し、コラム２８の上端を受
け入れるスリーブ２０８の受け入れ用のフランジ
穴２０６を前部近くに有し、更に軸３６と係合す
るための弧状フランジ即ち座部２１０を前部に有
している。上部プレート２１２は、ピン７４の穴
２１４と、鋳造部分の突起部９６に相当する一対
の側方に間隔を隔だてた突起部２１６と、スリー
ブ２０８のフランジ穴２１８と、軸３６の弧状フ
ランジ即ち座部２２０を有する。２枚のプレート
２０２と２１２及びスリーブ２０８は一体に溶接
される。ブラケツト２２２の後端近くの一対の側
方に隔だたつた穴２２２はゴム製のストツプ７２
のボスを受け入れる。

【図面の簡単な説明】

第１図に、本発明がキヤスター台座に座部を取
付けるのに用いられている完全な椅子の側面図で
ある。第２図は座部取付装置の底面図である。第
３図は座部取付装置の断面側面図である。第４図
はばね調整機構の断面拡大側面図である。第５図
は支持ブラケツトの変形の断面側面図である。第
６図は第５図に示されている支持ブラケツトの平
面図である。 １４……下部背もたれ、１８……可撓性ベロ
ー、２０……ボス、７０……調整可能なばね組立
体、８０……下部保持カツプ、９２……側方片寄
り部分。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 椅子台座上にほぼ水平に取付けられるように
   なつているほぼ板状の支持ブラケツトと、支持ブ
   ラケツトに設けられた横水平軸と、椅子座部の下
   側に取付けられるようになつており、かつ軸の軸
   線の周わりに回動するように軸に取付けられた座
   部取付部材とを有し、支持ブラケツトおよび取付
   部材は、ブラケツト上での取付部材の後方傾斜を
   制限するため、軸から間隔をへだてた互に係合し
   うる面を有し、支持ブラケツトと取付部材との間
   にばね組立体を連結し、該ばね組立体は取付部材
   が軸のまわりに前傾するのを弾性的に抑制し、ば
   ね組立体は、軸の後方に隔つた位置で取付部材に
   連結されかつ取付部材から下方にのび、下端に保
   持体を支えている連結ピンを有し、保持体の端は
   ブラケツトのばね座部分より下にあり、保持体と
   ばね座の間に圧縮スプリングを介在させて成るこ
   とを特徴とする椅子座部の取付装置。 ２ ばね保持体がばねの下部を包囲する壁を有す
   るカツプであり、ブラケツト上のばね座がばねの
   上部を包囲する壁によつて構成され、２つのカツ
   プの壁が抜差し自在の関係をなしていることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項に記載の取付装
   置。 ３ 連結ピンの下部がねじ山を有し、ばね保持カ
   ツプが、対応するねじ山を有しかつばねの力を調
   整するためピンにねじ込まれる中央ボスを有する
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項又は第２
   項に記載の取付装置。 ４ 連結ピンが、取付部材の所定の前傾時にばね
   座に係合してブラケツト上での取付部材の前傾量
   を制限する止め板を通常ばね座より下の位置に有
   していることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   又は第２項に記載の取付装置。 ５ 連結ピンが部材中の穴を通過して部材に連結
   され、穴の連結ピンは上端に当る頭部を有し、穴
   の周縁に当る頭部の表面が球状であり、その結果
   連結ピンは穴の中で調心し取付部材が傾斜すると
   きピンの揺動を容易にすることを特徴とする特許
   請求の範囲第１項又は第２項に記載の取付装置。 ６ 取付部材が前傾するとき部材を前傾状態に保
   つため、取付部材とブラケツトの間に選択的に係
   合しうる固定部材を更に含むことを特徴とする特
   許請求の範囲第１項に記載の取付装置。 ７ 固定部材は片寄り部分を有する棒であり、該
   棒は、片寄り部分が一般的に、棒の枢着軸線と水
   平な平面にあるような不作動位置と、片寄り部分
   が棒の枢着軸線から垂直に変位されるような固定
   位置との間を移動できるように取付部材かブラケ
   ツトのいずれかに回動自在に取付けられ、固定位
   置では片寄り部分はこれを固定位置に保持する衝
   合部と係合する特許請求の範囲第６項に記載の取
   付装置。