JPH0347259B2 - - Google Patents

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JPH0347259B2
JPH0347259B2 JP22702182A JP22702182A JPH0347259B2 JP H0347259 B2 JPH0347259 B2 JP H0347259B2 JP 22702182 A JP22702182 A JP 22702182A JP 22702182 A JP22702182 A JP 22702182A JP H0347259 B2 JPH0347259 B2 JP H0347259B2
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JP
Japan
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lower alcohol
urea
acid
adduct
alcohol ester
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JP22702182A
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Inventor
Toyokazu Tachikawa
Koji Kobayashi
Kunio Suzuki
Hiroki Kuryama
Mitsuharu Tsunoda
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Tama Biochemical Co Ltd
Original Assignee
Tama Biochemical Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は水産動物油からエイコサペンタエン酸
またはその低級アルコールエステルの高純度品を
工業的規模で製造する方法に関するものである。 我が国の死亡率の高い病気に脳卒中、心疾患等
がある。この脳卒中、心疾患は広い意味での動脈
硬化に由来する脳、心臓疾患である。そして脳血
栓、脳梗塞に起因する脳卒中や心筋梗塞は血液中
で生成した血栓が直接原因である。 従来、血栓の形成は血中コレステロール値と深
い関係があるとされていたが、近年魚を多食する
地方に心筋梗塞、脳血栓、脳梗塞等の血栓性疾患
が少ないことが明らかとなつた。 その理由の1つとしてアラキドン酸から血小板
ではサイクロオキシターゼにより血小板凝集作
用、血管収縮作用を持つトロンボキサンA2が、
動脈壁では血小板凝集抑制作用、動脈収縮抑制作
用を持つプロスタサイクリンI2が生成され、この
相方が均衡していると言われているが、エイコサ
ペンタエン酸から血小板では血小板凝集作用をも
たず動脈収縮作用させるトロンボキサンA3が、
動脈壁では血小板凝集抑制と動脈弛緩作用をもつ
プロスタサイクリンI3が生成されるので、エイコ
サペンタエン酸を多量含有する魚油を多食する
と、トロンボキサンA3とプロスタサイクリンI3
多い状態を作る結果となり、血小板凝集が阻害さ
れることが考えられる。 このようにエイコサペンタエン酸は、疫学的調
査から、血栓性疾患の予防や治療に効果があるこ
とが期待されるものである。 そこでかかる医薬品として有用なエイコサペン
タエン酸を高純度となす工業的製造法を開発する
ことが必要となつてきた。 ところで、水産動物油に含有されるエイコサペ
ンタエン酸のみを濃縮するには、水産動物油をケ
ン化或はアルコーリシスして脂肪酸か脂肪酸エス
テルを得た後、ソデイウムソープアセトン法、ウ
インターリング法、尿素付加法、分子蒸留法及び
銀イオン・クロマトグラフイー法を適宜組合わせ
ることによつて行うことが従来技術として知られ
ている。しかし、水産動物油は多種類の長鎖高度
不飽和脂肪酸を多量含有する(例えば昭和46年11
月30日丸善株式会社発行、日本油化学協会編「油
脂化学便覧」第11頁〜第12頁参照)ので、エイコ
サペンタエン酸またはそのエステルのみを選択的
に高純度まですることは難しい。 例えば工業的製造法として大量に処理が可能な
ソデイウムソープアセトン法、尿素付加法、分子
蒸留法は、単独ではエイコサペンタエン酸または
そのエステルを35%程度にしか濃縮出来ない。そ
してこれらの方法を適宜組み合せても、エイコサ
ペンタエン酸またはそのエステルは70%程度まで
しか濃縮出来ない。 一方、高純度のエイコサペンタエン酸またはそ
のエステルを得る有効な方法として開示されてい
る硝酸銀含浸ケイ酸カラムクロマトグラフイー法
(特開昭54−84519号)は使用した硝酸銀含浸ケイ
酸カラムが再生出来難く、流量が毎分10mlである
から大規模な操作には適当でなく、使用する有機
溶媒が混合し、再使用が困難である。 また、特開昭56−115736号のC8〜28のアルキ
ル基をシリカゲルに化学結合した逆相分配カラム
クロマトグラフイー法は、高速液体クロマトグラ
フイー装置といつた特殊な機械を使用するので、
大規模な操業には適当ではない。 本発明者は、このような技術状況の背景下にあ
つて、エイコサペンタエン酸またはその低級アル
コールエステルを高純度で大量かつ安価に得る方
法について鋭意研究した結果、ついに本発明を完
成するに到つた。 すなわち、本発明は水産動物油のケン化物を酸
触媒の存在下で低級アルコールとエステル化した
後、これを尿素付加処理し該付加物を除去して得
た非尿素付加物である脂肪酸の低級アルコールエ
ステル、水産動物油のケン化物を尿素付加処理し
該付加物を除去して得た非尿素付加物を酸触媒の
存在下で低級アルコールとエステル化した非尿素
付加物である脂肪酸の低級アルコールエステル、
または水産動物油をアルカリ触媒の存在下で低級
アルコールでアルコリシスした後、これを尿素付
加処理し該付加物を除去して得た非尿素付加物で
ある脂肪酸の低級アルコールエステルから選ばれ
るいづれかの脂肪酸の低級アルコールエステルを
真空蒸留して、エイコペンタエン酸の低級アルコ
ールエステルが50%以上で且つドコサヘキサエン
酸の低級アルコールエステルが少なくとも4%以
下の留分を採取し、この留分をそのままもしくは
ケン化したものを炭化水素系有機溶媒に溶解し、
これを炭化水素系有機溶媒と混じらない有機溶媒
で抽出し、該抽出液よりエイコサペンタエン酸ま
たはその低級アルコールエステルを採取すること
を特徴とする、エイコサペンタエン酸またはその
低級アルコールエステルの製造方法であつて、そ
の目的とするところは、医薬品として血栓性疾患
の予防及び治療効果が期待されるエイコサペンタ
エン酸またはその低級アルコールエステルを高純
度で大量かつ安価に得る方法を提供することにあ
る。 以下、本発明について詳細に説明する。 本発明において、原料として使用する水産動物
油は、エイコサペンタエン酸を含有する水産動物
油であればすべて用いることができる。このよう
な水産動物油の具体例として、例えばイカ、タコ
等の軟体動物、イワシ、タラ、ニシン、サンマ、
サバ等の魚類、及びオキアミ、エビ、カニ等の甲
殻類から常法により採取した水産動物油が挙げら
れる。しかし、工業的にエイコサペンタエン酸や
その低級アルコールエステルを得るには、漁獲量
が多くかつエイコサペンタエン酸含量の高い水産
動物、例えばイワシ、タラ、イカ等から採取した
油を用いるのが有利である。 これら水産動物油のケン化は任意の方法で行な
うことができるが、酵素法とアルカリ法が有利に
使用できる。 酵素法は例えば水産動物油にリパーゼ粉末を溶
解した水溶液を加え、高速撹拌後、30℃に保ちな
がら48時間以上静置するというようにして実施す
る。その後、混合液を70℃以上に加熱すればケン
化物(脂肪酸)が得られる。 アルカリ法はアルカリ水またはアルカリ性アル
コール溶液を使用して行なうことができる。アル
カリ水を使用する場合は、例えば水産動物油のケ
ン化価の2倍以上のアルカリ水(例えば苛性ソー
ダ、苛性カリ、炭酸ソーダなどの水溶液)を加
え、70〜120℃で数時間撹拌後、冷却し、酸で中
和すればケン化物(脂肪酸)が得られる。またア
ルカリ性アルコール溶液を使用する場合は、水産
動物油の3倍以上のアルコール(例えばメタノー
ル、エタノール、イソプロパノールなど)に水産
動物油を分散または溶解後、濃厚なアルカリ水
(苛性ソーダ、苛性カリ、炭酸ソーダなどの水溶
液)を加え2〜5時間常温で撹拌する。つぎに硫
酸水で酸性としながらアルコール含量を50%以下
にするとケン化物である脂肪酸が得られる。この
時のアルカリ量はケン化価の50%過剰程度でよ
い。 上記のように水産動物油をケン化したケン化物
(脂肪酸)を酸触媒の存在下で低級アルコールと
エステル化した後、この低級アルコールエステル
を尿素付加処理して非尿素付加物である脂肪酸の
低級アルコールエステルを得るか、または上記ケ
ン化物(脂肪酸)を尿素付加処理した後、この非
尿素付加物を酸触媒の存在下で低級アルコールと
エステル化して非尿素付加物である脂肪酸の低級
アルコールエステルを得る。 上記のエステル化反応は、上記ケン化物(脂肪
酸)またはこれを尿素付加処理した後の非尿素付
加物を、例えば硫酸、スルホン酸などのような酸
触媒の存在下で、低級アルコールと共に50〜120
℃で1〜6時間加熱することにより行なうことが
できる。 低級アルコールとしては、炭素数4以下のアル
コール、例えばメタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、プロパノール、イソブタノール、ブ
タノールなどを用いることができるが、メタノー
ル、エタノールを使用するのが好ましい。また低
級アルコールは上記ケン化物(脂肪酸)またはこ
れを尿素付加処理した後の非尿素付加物の3倍以
上、酸触媒は1〜10%量用いるのがよい。 また、上記ケン化物(脂肪酸)またはその低級
アルコールエステルの尿素付加処理は常法にした
がつて行なうことができる。例えば尿素を加えた
低級アルコール(例えばメタノール、エタノール
のような)溶液に上記ケン化物(脂肪酸)または
その低級アルコールエステルを加え、混合して尿
素付加物の結晶を生成させる。この場合、上記ケ
ン化物(脂肪酸)またはその低級アルコールエス
テルと尿素と低級アルコールとの使用比は重量比
で1:2:5〜1:2:7が工業的見地からみて
有利である。そして尿素付加処理を有効に働かせ
るためには、低級アルコールに尿素を投入し50〜
60℃に加熱した後、上記ケン化物(脂肪酸)また
はその低級アルコールエステルを滴下して冷却す
るのがよい。この時の冷却温度は低い方が有利で
あるが、20℃程度で十分である。 上記のような尿素付加処理した後、例えば過
により尿素付加物の結晶を分離して尿素が付加し
ていない非尿素付加物であるケン化物(脂肪酸)
またはその低級アルコールエステルを得る。そし
て非尿素付加物であるケン化物(脂肪酸)は上記
の如くエステル化して非尿素付加物である脂肪酸
の低級アルコールエステルとする。 非尿素付加物である脂肪酸の低級アルコールエ
ステルは、また原料である水産動物油をアルカリ
触媒の存在下で低級アルコールでアルコールリシ
スした後、尿素付加処理することにより得ること
もできる。 このアルコールリシスも常法にしたがつて行な
うことができ、例えば苛性ソーダ、苛性カリなど
のアルカリを0.1%以上含有する低級アルコール
を水産動物油に3倍以上加え、20〜60℃で1〜4
時間撹拌することにより行なうことができる。こ
の場合、使用する低級アルコールとしては、炭素
数4以下のアルコール、例えばメタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、プロパノール、イソ
ブタノール、ブタノールが用いられる。 このアルコールリシス終了後、反応混合物を酸
を含む低級アルコールで中和後、蒸留(例えば減
圧蒸留)で低級アルコールを回収すると、脂肪酸
の低級アルコールエステルが残留物として得られ
る。なお生成したグリセリン、中性塩はこの残留
物を水洗することにより除去する。 このようにして水産動物油からアルコールリシ
スにより得た脂肪酸の低級アルコールエステルを
尿素付加処理して非尿素付加物である脂肪酸の低
級アルコールエステルを得る。この尿素付加処理
は上述した上記ケン化物(脂肪酸)またはその低
級アルコールエステルの尿素付加処理と同様にし
て行なうことができる。 つぎに、上記のようにして得た非尿素付加物で
ある脂肪酸の低級アルコールエステルを真空精留
してエイコサペンタエン酸(以下、EPAという)
の低級アルコールエステル(以下、EPEという)
が50%以上でドコサヘキサエン酸(以下、DHA
という)の低級アルコールエステル(以下、
DHEという)が少なくとも4%以下の留分を採
取する。 真空精留は、気液接触が良く、圧損失の小さい
充填物、例えば金網製のマクマホン、デイクソ
ン、シグマパツキング等やワイヤー製のヘリパツ
ク、ヘリツクス等を充填した精留塔を備えた精留
装置で0.1〜0.001トールの真空下で行なうのがよ
い。上記のようにして得た非尿素付加物である脂
肪酸の低アルコールエステルは、大量の高度不飽
和脂肪酸の低級アルコールエステルを含有するの
で、極力高真空にする方が望ましいが、工業的見
地からみれば0.1〜0.01トールで十分である。そ
して例えば、精留搭内圧力が0.01トールでは80〜
170℃、0.1トールでは120〜180℃の流出温度が
EPAのメチルエステル、エチルエステルなどを
分留するのに好ましい温度である。 上記のようにして得た非尿素付加物である脂肪
酸の低級アルコールエステルを上記のように真空
精留すると、EPE含量が50〜80%まで濃縮でき、
かつDHEの含量が4%以下である留分を得るこ
とができる。これに対し、水産動物油の低級アル
コールエステルを尿素付加処理を行なわずに直接
真空精留すると、EPEは50%に達せず、かつ
DHE含量が10%程度である留分が得られるので
ある。さらに、真空精留の時間が長くなり、分解
物や重合物の発生が認められることがある。 つぎに、上記の真空精留により得たEPEが50
%以上でDHEが少なくとも4%以下の留分をそ
のまま、もしくはこれをケン化したものを、炭化
水素系有機溶媒とこれと混じらない有機溶媒の両
者で処理すなわち液液抽出して炭化水素系有機溶
媒と混じらない有機溶媒層より高純度のEPAま
たはEPEを得る。 上記留分のケン化は常法にしたがつて行なうこ
とができ、このケン化によりEPEはEPAとなる。 上記の液液抽出に用いる炭化水素系有機溶媒と
しては、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキ
サン、ヘプタン、オクタンなどの炭素数5〜8の
炭化水素系有機溶媒が好ましく、また炭化水素系
有機溶媒と混じらない有機溶媒としては、例えば
アセトニトリル、メタノール、フルフラール、含
水アセトン、含水エタノールなどが好適に用いら
れるが、アセトニトリルが特に好ましい。 上記の液液抽出にあたつては、上記留分を炭化
水素系有機溶媒に溶解し、これに炭化水素系有機
溶媒と混じらない有機溶媒を加えてEPAまたは
EPEを抽出してもよく、また炭化水素系有機溶
媒と混じらない有機溶媒に上記留分を溶解したも
のに炭化水素系有機溶媒を加えてEPAまたは
EPE留分に混在する不純物を抽出してもよい。
いずれの場合も、炭化水素系有機溶媒は上層に、
炭化水素系有機溶媒と混じらない有機溶媒は下層
にというように2層に分れ、炭化水素系有機溶媒
と混じらない有機溶媒層にEPAまたはEPEが抽
出され、この層を分離して有機溶媒を除くことに
より純粋なEPAまたはEPEが得られる。 なお、炭化水素系有機溶媒と、これと混じらな
い有機溶媒とは1:1〜1:5あるいは1:1〜
5:1の範囲で使用できるが、好ましい使用比は
1:1〜1:2あるいは1:1〜2:1である。
また上記留分と有機溶媒とは1:1〜1:100の
範囲で操作することができるが、好ましい使用比
は1:10〜1:100である。なおまた、抽出の温
度は常温でよい。 かくして、本発明によれば、DHAまたはDHE
の含量が4%以下である高純度のEPAまたは
EPEを得ることができる。なお、本発明による
工程は常に不活性ガス雰囲気で行ない油の酸化や
重合などの変質防止に努めることが好ましいこと
である。 次に、本発明の実施例を示すが、本発明はこれ
により制限されるものではない。なお、実施例
中、分析は下記の分析条件でガスクロマトグラフ
イーで行ない、面積百分率で含量を表示した。 ガスクロマトグラフイー分析条件 液 相 ジエチレングライコールサクシネート
(DEGS) 10% 担 体 UnipotKA (ガスクロ工業〓製) 60〜80メツシユ カラム 3mmφ×2m ステンレスカラム カラム温度 215℃ 検出器 炎イオン検出器(F.I.
D.) 実施例 1 20のガラス製反応容器にイワシ油3Kg(ケン
化価190)とメタノール9を入れ、撹拌しなが
らチツソガスを導入しつつアルカリ水(苛性カリ
0.6Kgを0.6の水の溶解)を30分かけて滴下し
た。アルカリ水の全量を滴下後、25〜30℃で5時
間撹拌した。その後、10%硫酸水を加えてPH4以
下の酸性にし、ついでケン化物(脂肪酸)が浮上
するまで水を加えた。下層のメタノール層を分離
し、これに140gの硫酸を含むメタノール6.0を
加え1時間還流した後、静置した。 硫酸水を含有する下層のメタノールを分離し、
更にこれに140gの硫酸を含むメタノール3.0を
加え2時間還流後、水洗して含有する硫酸、メタ
ノールを除去すると、淡赤褐色のメチルエステル
2.8Kg(EPAのメチルエステル13.9%、DHAのメ
チルエステル10.3%)が得られた。 50のステンレス製結晶缶に30のメタノール
と5.8Kgの尿素を投入後、撹拌しながらチツソを
導入しつつ結晶缶を50℃まで加熱した。次に上記
のようにして得たメチルエステルを60分かけて滴
下後、結晶缶を20℃まで除冷した後、過して尿
素付加物(結晶)と非尿素付加物(液)に分け
た。 この非尿素付加物(液)を5.0のナス型フ
ラスコを付した回転式エバポレーターに連続投入
してメタノールを蒸留留去後、希硫酸水で蒸留残
渣を酸性にした後、5.0の分液ロートに移し、
水洗した。かくして非尿素付加物を1.17Kg(EPA
のメチルエステル27.5%、DHAのメチルエステ
ル20.1%)得た。 この非尿素付加物を2のガラス製蒸留器に入
れ、マクマホン金網(10mm、60メツシユ)を充填
した精留塔(直径50cm、高さ450mm)を装填し、
0.01〜0.1トールの真空範囲で精密分留し第1表
の結果を得た。
【表】 No.4の主留分10gをn−ヘキサン、メタノール
各1000mlの混合液に入れ、振盪後、下層のメタノ
ール層を分離し、これより蒸留してメタノールを
留去すると、EPAのメチルエステル含量78.4%、
DHAのメチルエステル含量2.2%の淡黄色油4.1g
を得た。 実施例 2 500ステンレス製反応缶をチツソガスで十分
置換しておく。この反応缶へタラ油30Kgと苛性ソ
ーダ1Kgを溶解したメタノール100を入れ、30
〜40℃で3時間撹拌した。次に、硫酸を含むメタ
ノールを滴下して反応缶内液を中性から微酸性に
した後、反応缶を真空(30〜40トール)にしなが
ら加熱してメタノールを留去した。この反応缶へ
チツソを導入して缶内圧力を大気圧にもどした
後、30の水4回で生成したグリセリン、中性塩
を洗いとると、淡赤褐色のメチルエステル混合物
が28.5Kg得られ、このものの組成はEPAのメチル
エステル15.0%、DHAのメチルエステル5.5%で
あつた。 500ステンレス製結晶缶に210のメタノール
と60Kgの尿素を投入後、チツソガスで缶内を満た
した。結晶缶を50℃まで加熱し、尿素が溶けたら
上記メチルエステル混合物28.5Kgを滴下し、その
結晶缶を除冷して20℃にした。生成した尿素付加
物(結晶)を別後、液を真空(30〜40トー
ル)下で加熱蒸留してメタノールを回収した。こ
の蒸留缶にチツソを導入して缶内圧力を大気圧に
したのち、希硫酸水で非尿素付加物であるメチル
エステル混合物を酸性にしたのち、15の水5回
で洗浄した。かくして淡赤褐色油12.9Kgが得ら
れ、このものはEPAのメチルエステル29.5%、
DHAのメチルエステル11.7%を含有していた。 この淡赤褐色油3.5Kgを5のガラス容器に入
れ、マクマホン金網(10mm、60メツシユ)を充填
した精留搭(直径50mm、高さ500mm)を装填し
0.01〜0.1トールの真空範囲で精密分留し第2表
の結果を得た。
【表】 上記のようにして得た主留分No.4 100gをn
−ヘプタン10に溶解し、これにアセトニトリル
5を加え液液抽出し、上層のn−ヘプタン層、
下層のアセトニトリル層の2層から下層のアセト
ニトリル層を分離し、この層から真空(1〜40ト
ール)下でアセトニトリルを除去し濃縮した。こ
の第1回目の抽出で抽出物42g(EPAのメチル
エステル84%)を得た。アセトニトリル層を分離
したn−ヘプタン層に再びアセトニトリル5を
加え液液抽出し、上層のn−ヘプタン層、下層の
アセトニトリル層の2層から下層のアセトニトリ
ル層を分離し、この層から真空(1〜40トール)
下でアセトニトリルを除去し濃縮した。この第2
回目の抽出で抽出物23g(EPAのメチルエステ
ル82.1%)を得た。以下、同様に液液抽出して第
3回目の抽出物13g(EPAのメチルエステル80.9
%)、第4回目の抽出で抽出物5g(EPAのメチ
ルエステル78.6%)、第5回目の抽出で抽出物5
g(EPAのメチルエステル74.5%)を得た。 この抽出物を合わせ、8のn−ヘプタンに溶
解後、これに8のアセトニトリルを加えて液液
抽出した。そしてアセトニトリル層を分離し、こ
の層から真空(1〜40トール)下でアセトニトリ
ルを除去して抽出物51.6g(EPAのメチルエステ
ル88.1%)を得、これを再度5のn−ヘプタン
に溶かし、これにアセトニトリル5を加え、振
盪して液液抽出し、アセトニトリル層を分離し、
この層から真空下(1〜40トール)でアセトニト
リルを除去して純度96.1%のEPAのメチルエステ
ルを25.8g得た。 実施例 3 500ステンレス製反応缶をチツソガスで十分
置換しておく。この反応缶へイワシ油(ケン化価
205.5)10Kgと30のメタノールを入れ、次に苛
性ソーダ2.5Kgを3の水で溶かしたアルカリ水
を滴下した。30〜40℃で4時間撹拌後、10%硫酸
水を加えて酸性にした後、1回30の水で洗浄廃
液が中性になるまで洗つた。かくして淡赤褐色の
脂肪酸混合物9.2Kg得た。このものの組成は
EPA11.1%、DHA13.3%であつた。 500ステンレス製結晶缶に100のメタノール
と20Kgの尿素を投入後、チツソガスで缶内を置換
した。これに上記の脂肪酸混合物を添加し20℃で
5時間撹拌した。生成した尿素付加物(結晶)を
別後、液を真空(30〜40トール)下で加熱蒸
留してメタノールを留去した。この蒸留缶にチツ
ソを吹き込んで缶内圧力を大気圧にもどしたの
ち、希硫酸水で脂肪酸混合物を酸性にし、ついで
10の水で5回洗浄した。かくして淡赤褐色油
4.1Kg(EPA21.8%、DHA28.0%)を得た。 30ガラス製反応装置に上記淡赤褐色油3.0Kg
を入れ、180gの硫酸が溶けているエタノール12
を加えて4時間加熱還流した後、真空(20〜30
トール)下でエタノール7.0を留去し、ついで
反応液を30℃まで冷却した。この反応液を1回10
の水で洗浄廃液が中性になるまで洗い、3.3Kg
のエチルエステルを得た。このエステル3.0Kgを
実施例2に記載したと同じ精留装置を使用して真
空精留した。その結果を第3表に示す。
【表】 上記のようにして得た主留分No.4 10g
(EPAのエチルエステル65.6%、DHAのエチルエ
ステル1.6%)をn−ヘプタン1に溶解し、つ
いでこれにアセトニトリル1を加え液液抽出し
た。上層のn−ヘプタン層、下層のアセトニトリ
ル層の2層から、下層のアセトニトリル層を分離
し、この層からアセトニトリルを真空(1〜30ト
ール)で除去して濃縮すると、純度92.3%のEPA
のエチルエステルを2.7g得た。 実施例 4 実施例3における真空精留で得たNo.4の主留分
のうち163〜165℃で留出した留分20gをメタノー
ル60mlと苛性ソーダ5gを溶解している10mlのア
ルカリ水に加え、20〜30℃で5時間チツソガス雰
囲気下でケン化した。次に、これを10%硫酸水50
mlで酸性にしたのち、n−ヘキサン50mlで抽出す
ると、淡黄色の脂肪酸18.4g(EPA71.0%、
DHA2.6%)を得た。 この脂肪酸10gをn−ヘプタン2に溶解し
た。次にこれにアセトニトリル1を加え液液抽
出した。上層のn−ヘプタン層、下層のアセトニ
トリル層の2層から、下層のアセトニトリル層を
分離後、これに再度n−ヘプタン2を加え液液
抽出した。上層のn−ヘプタン層、下層のアセト
ニトリル層の2層から、下層のアセトニトリル層
を分離し、下層のアセトニトリル層からアセトニ
トリルを真空(1〜30トール)下で留去すると、
純度92%のEPA1.3gを得た。 実施例 5 実施例1の真空精留で得たNo.4の主留分11.8g
をn−ヘプタン1000mlに溶かし、次にフルフラー
ル1000mlを加え振盪後、下層のフラフラール層を
分離した。この層よりフルフラールを減圧蒸留し
て留去すると、淡赤褐色油2.7gを得た。このも
ののEPAのメチルエステル含量は94.9%、DHA
のメチルエステル含量は3.0%であつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 水産動物油のケン化物を酸触媒の存在下で低
    級アルコールとエステル化した後、これを尿素付
    加処理し該付加物を除去して得た非尿素付加物で
    ある脂肪酸の低級アルコールエステル、水産動物
    油のケン化物を尿素付加処理し該付加物を除去し
    て得た非尿素付加物を酸触媒の存在下で低級アル
    コールとエステル化した非尿素付加物である脂肪
    酸の低級アルコールエステル、または水産動物油
    をアルカリ触媒の存在下で低級アルコールでアル
    コリシスした後、これを尿素付加処理し該付加物
    を除去して得た非尿素付加物である脂肪酸の低級
    アルコールエステルから選ばれるいづれかの脂肪
    酸の低級アルコールエステルを真空蒸留して、エ
    イコペンタエン酸の低級アルコールエステルが50
    %以上で且つドコサヘキサエン酸の低級アルコー
    ルエステルが少なくとも4%以下の留分を採取
    し、この留分をそのままもしくはケン化したもの
    を炭化水素系有機溶媒に溶解し、これを炭化水素
    系有機溶媒と混じらない有機溶媒で抽出し、該抽
    出液よりエイコサペンタエン酸またはその低級ア
    ルコールエステルを採取することを特徴とする、
    エイコサペンタエン酸またはその低級アルコール
    エステルの製造方法。
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