JPH0346820B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は陰極線管（CRT）デイスプレイ装置
に係り、更に詳細に説明すればスクリーンからの
眩光や反射光を最小にするようにデイスプレイ装
置を調節可能に傾斜させるための装置に係る。

〔従来の技術〕

多くのCRTデイスプレイ装置は、デイスプレ
イ・スタンドの如き調節可能な傾斜装置を備えて
いる。最も簡単な型のものでは、上側の組立体か
ら下側に延びるアームが、基板組立体から上側に
延びるアームにピボツト・ピンで取付けられてい
る。一般に、このような傾斜装置はロツク機構を
必要とし、このロツク機構がアンロツクされてい
る場合にのみ傾斜を自由に変えることができる。
他の傾斜装置は上側の組立体と下側組立体の間の
摩擦力を利用して傾斜角を変えたり、所望の位置
に止めるようにしている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、従来の装置はCRTデイスプレ
イ装置を所望の位置に維持するのにロツク機構や
摩擦力を利用していたために、操作が面倒であつ
たり、或いはCRTデイスプレイ装置を所望の位
置に確実に維持することができないという問題点
があり、その解決が望まれていた。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明に従つて構造体はCRTデイスプレイ装
置を含む傾斜可能なトレイ組立体を備え、該組立
体は傾斜不能な基板組立体に取付けられる。取付
け機構は歯車機構を含み、該歯車機構はトレイ組
立体がその重心又は該重心の近傍を通る水平線に
関し傾斜することを可能にする。従つて、トレイ
組立体が傾斜するとき、これは実質的にバランス
を保つようにされる。歯車機構はトレイ組立体の
下方に延び且つ該組立体の両側に設けられた１対
の扇形歯車を含む。扇形歯車の各々は１対のピニ
オンで支持されており、かくしてトレイ組立体が
傾斜するとき扇形歯車は滑らかに回転することが
できる。扇形歯車のピツチ半径はトレイ組立体の
重心又はその近傍を通る線上に中心づけられる。

〔実施例〕

第１図は側面図であつて、CRTデイスプレイ
装置１がスタンド２へ搭載されている状態を示
す。第２図はスタンド２の背面図である。スタン
ド２は傾斜及び旋回可能に構成されているので、
CRTスクリーンを操作員が望む位置に置くこと
ができる。CRTデイスプレイ装置１の脚部３及
び４は、スタンド２中のトレイ組立体に適合す
る。このトレイ組立体は、１対の側壁部（第１図
には１つの側壁部５だけが示されている。）、前壁
部６、後壁部７及び床部８によつて形成される。
側面のスカート部９及び１０は側壁部の下側に延
び、前面のスカート部１１は前壁部６の下側に延
びる。これらのスカート部９〜１１は、スタンド
２の見ばえを良くするためその内部にある傾斜機
構を隠すように作用する。傾斜機構の詳細を明ら
かにするため、第１図には前壁部６、後壁部７、
床部８及び前面のスカート部１１の断面が示され
ている。従つて、第２図のスカート部１０は第１
図には示されていない。

第１図ないし第３図を一括して参照するに、１
対の扇形歯車１８及び２４が床部８の下側表面に
取付けられている。これらの扇形歯車１８及び２
４は、或る水平線の直下に位置づけられる。この
水平線は、CRTデイスプレイ装置１とスタンド
２の傾斜機構（トレイ及びスカート部）との組合
せによつて決まる重心又はその近傍を通る。第１
図において、この水平線の位置は参照番号３４で
示されている。扇形歯車１８及び２４の各々の曲
率半径は、当該歯車の真上にあるこの水平線上の
点に中心づけられる。

扇形歯車１８は１対のピニオン１５及び１７と
係合し、これらのピニオンは第３図に示すように
軸２１及び１９にそれぞれ取付けられている。こ
れらの軸２１及び１９は支持板１２に固定され、
またこの支持板１２は上側の基板２２に取付けら
れている。ピニオン１５及び１７はそれより大き
いピニオン１４及び１６にそれぞれ固定され、そ
してこれらのピニオン対は軸１９及び２１を中心
として自由に回転する。ピニオン１４及び１６は
それより大きなピニオン１３に係合し、後者のピ
ニオン１３は支持板１２に取付けられた軸２０を
中心として自由に回転することができる。第２図
から明らかなように、扇形歯車２４も扇形歯車１
８と同様の手段、すなわち支持板２８、１対のピ
ニオン２５及び２６、他のピニオン対（図示せ
ず）及びピニオン２７によつて支持される。

従つて、CRTデイスプレイ装置１及びスタン
ド２のトレイ組立体は４つの小さなピニオンによ
つて十分に支持され、そしてCRTデイスプレイ
装置１の傾斜に応じて扇形歯車１８及び２４が回
転するとき該扇形歯車に係合する４つのピニオン
が回転するようにされる。扇形歯車１８及び２４
の曲率半径は傾斜される要素、すなわちCRTデ
イスプレイ装置１及びトレイ組立体の重心又はそ
の近傍を通る水平線に中心づけられるので、重心
の移動は最小となる。従つて、傾斜される要素は
傾斜角の如何に拘わらず少くとも扇形歯車１８及
び２４の長さによつて実質的に規定された制限内
で、実質的にバランスを保つことになる。云いか
えれば、これらの要素が傾斜する際、これらの要
素はその重心又はこの重心の近傍を通る水平線を
中心として回転するので、重量が前後に移動する
ことは殆どない。

仮に同軸ピニオンや中央ピニオンを省略する
と、たとえばスタンド２の僅かな振動に応じて
CRTデイスプレイ装置１が望ましくない傾斜位
置に移動することがある。静止圧力を追加するこ
とによつてこのような望ましくない移動を防止す
るとともに、傾斜が徐々に変化する場合のバツク
ラツシユを最小にするため、これらの小さなピニ
オンは大きな中央のピニオンによつて互いに結合
される。実際には、これらの小さなピニオンを、
それより大きな同軸ピニオン（たとえば１４及び
１６）を介さずに、中央のピニオン（たとえば１
３）に直接的に係合させてもよい。これらの同軸
ピニオンの目的は、第２図に示すように小さなピ
ニオンとそれより大きな同軸ピニオンとの間の寸
法差によつて扇形歯車１８及び２４の横運動を制
限することであり、また最大及び最小の傾斜位置
で床部８の下面に係合することによつて傾斜角を
制限する停止位置を与えることである。

第４図は、使用中にトレイ組立体が基板からは
ずれることを防止するように設計された保持機構
の詳細を示す。前述のシステムでは扇形歯車１８
及び２４は４つの小さなピニオンに係合するから
CRTデイスプレイ装置１がノツクされた場合に
は、トレイ組立体の位置がずれるか又は完全に脱
合することがありうる。さらに、トレイ組立体を
持ち上げてCRTデイスプレイ装置１及びスタン
ド２の全体を運搬しようとする場合、トレイ組立
体及びCRTデイスプレイ装置１だけが運ばれて
基板２２が残されるようなことがある。従つて、
第２図及び第４図に示すように、曲り案内部材３
５及び３７が支持板２８及び１２の外表面にそれ
ぞれ設けられる。この案内部材３５及び３７の
各々は第４図に示すように支持板２８又は１２の
突起部として形成してもよいし、或いは支持板２
８又は１２に固定された別個の部材として形成し
てもよい。保持板２９及び３０は、第２図に示す
ように床部８（第１図）の下面に設けられる。こ
れらの保持板２９及び３０は保持用の突起部３６
及び３８を含み、その形状は曲り案内部材３５及
び３７と協働するように選ばれている。案内部材
３５及び３７と保持用突起部３６及び３８は垂直
方向に十分な距離を置いてそれぞれ配置されてい
るので、通常の使用状況では互いに接触しない。
しかしながら、トレイ組立体が基板２２から上方
向に移動する場合には、これらは扇形歯車１８及
び２４が小さなピニオンから脱合しないように作
用する。

CRTデイスプレイ装置１の旋回運動を可能と
するため、円板状の上側基板２２は下側基板２３
にピン（図示せず）によつて取付けられる。この
旋回運動を円滑にするには、上側基板２２と下側
基板２３の間にテフロン（登録商標）製の円板状
シートを介挿するとよい。或いは、上側基板２２
と下側基板２３を分離し且つ旋回運動を円滑にす
るため、下側基板２３のグルーブに同じ材質のリ
ングを挿入してもよい。

CRTデイスプレイ装置１の重心と扇形歯車１
８及び２４との間の関係を考慮すると、所与の寸
法を持つスタンド２は、特定の設計を有する
CRTデイスプレイ装置についてのみ使用できる
にすぎないと考えられるかもしれない。しかし、
実際はそうではない。というのは、最近では重量
が軽いモールド式キヤビネツトを使用しているた
めにCRTデイスプレイ装置１の重心は殆ど陰極
線管の寸法によつて決まるからである。従つて、
このスタンド２は、CRTスクリーンの寸法が同
じ白黒又はカラー・デイスプレイ装置のいずれを
も収容することができる。重心位置の僅かな変動
に伴う効果は、ピニオン結合機構によつて打消さ
れてしまう。前述のように、このピニオン結合機
構は静止圧力を与えて、不必要は傾斜運動を防止
するように作用する。

前述のスタンド２はCRTデイスプレイ装置１
を適合させるためのトレイ組立体を含んでいるが
扇形歯車１８及び２４やスカート部９〜１１をデ
イスプレイ装置自体の基部に形成することもでき
る。こうすると、コストを著しく削減することが
できる。さらに、スカート部９〜１１を適当に設
計すれば、CRTデイスプレイ装置１がこれらの
スカート部に搭載されるか、或いは図示の如き傾
斜機構を備えたスタンド２に搭載されるように、
ユーザに対し選択可能性を与えることができる。

このスタンド２の製造は簡単であり、従つて安
価である。スカート部９〜１１、扇形歯車１８及
び２４、並びに保持板２９及び３０を含むトレイ
組立体は、１体的にモールドすることができる。
上側基板２２並びに支持板１２及び２８も、同様
に１体的にモールドすることができる。残りの構
成要素は、ピニオン軸、ピニオン自体（このうち
同軸ピニオンは１体的にモールドすることができ
る。）、下側基板２３及びデイスク又はロツドを分
離する基板である。トレイ組立体を基板組立体へ
組立てる最終作業を除けば、すべての組立作業を
ロボツトに行わせることができよう。というの
は、この最終作業は比較的困難であつて、トレイ
組立体を保持機構によつて規定された曲線経路に
沿つて小さなピニオンまで誘導することを必要と
するからである。

〔発明の効果〕

以上詳述したように本発明によれば、CRTデ
イスプレイ装置の傾斜角を容易に調節することが
でき、しかもこれを所望の位置に確実に維持する
ことができるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はCRTデイスプレイ装置を搭載してい
る状態を示す本発明のスタンドの側面図、第２図
は第１図のスタンドの背面図、第３図は第１図の
傾斜機構の一部を示す図、第４図は第１図及び第
２図の傾斜機構に関連する止め機構を示す図であ
る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ デイスプレイ装置を載置するための床部８を
   有するトレイ組立体を基板組立体２２上に傾斜可
   能に装着したCRTデイスプレイ装置支持スタン
   ドにおいて、 前記トレイ組立体の互に離れた位置で固定さ
   れ、その下面から張出している１対の扇形状歯車
   １８，２４と、 前記基板組立体の上面において前記１対の扇形
   状歯車に対応する位置に設けられた１対の支持板
   １２，２８と 前記１対の各扇形状歯車と噛合しながら前記ト
   レイ組立体を支持するように前記支持板の各々に
   対になつて枢軸された２対の支持ピニオン１５，
   １７，２５と、 前記各支持板上に枢軸され、前記各対の支持ピ
   ニオンと直接的又は間接的に噛合する１対の中央
   ピニオン１３，２７であつて、前記トレイ組立体
   を傾斜させるために力が加えられた場合、前記支
   持ピニオンが自由に回転する一方、前記の力を除
   去した場合、その後の移動を阻止するための静止
   力を前記支持ピニオンに印加するように前記中央
   ピニオンが前記支持ピニオンに関して配置されて
   いる事を特徴とする傾斜可能なCRTデイスプレ
   イ装置支持スタンド。 ２ 前記１対の支持板には、前記支持ピニオンよ
   りも大径であり、各支持ピニオンに同心的に固定
   された中間ピニオン１４，１６，２６が設けら
   れ、前記支持ピニオンが前記中間ピニオンを介し
   て前記中央ピニオンに噛合されている事を特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載のCRTデイスプ
   レイ装置支持スタンド。