JPH0346605Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は、FM放送及びTV放送のマルチプ
レツクス信号の復調器に関するものである。

〔従来技術〕

従来、この種の装置として、第１図に示すもの
があつた。

図において、入力されたコンポジツト信号は、
38KHz副搬送波発生器１、FMマルチプレツクス
復調器２及び、TVマルチプレツクス復調器３に
入力され、38KHz副搬送波発生器１の出力はFM
マルチプレツクス復調器２のもう一つの入力に接
続される。このFMマルチプレツクス復調器２及
びTVマルチプレツクス復調器３の出力はセレク
ター４に入力される。またFMステレオインジケ
ーター５は38KHz副搬送波発生器１に、TVステ
レオインジケーター６及びTV多重インジケータ
ー７はTVマルチプレツクス復調器３にそれぞれ
接続されている。

かかる構成において、次に動作について説明す
る。

FM放送も、TV放送も、メインキヤリアがFM
変調されている点では同じであり、同一のFM検
波器によりコンポジツト信号に復調することが一
般的である。その後、各々の方式に従つて、各々
のコンポジツト信号をマルチプレツクス復調し、
いずれか適宜な出力を得るものである。

さて、38KHz副搬送波発生器１及びFMマルチ
プレツクス復調器２からなるのがパイロツトトー
ン方式のマルチプレツクス復調器で、FM放送の
コンポジツト信号を復調でき、TVマルチプレツ
クス復調器３は音声多重方式のマルチプレツクス
復調器であつて、TV放送のコンポジツト信号を
復調する。各々はパイロツト信号を検出してステ
レオ又は多重のインジケータ５，６，７を点灯さ
せる。これらの復調器は、いずれも常時動作させ
ておいて、必要な復調出力だけをセレクタ４によ
つて取出すように構成されている。こうすること
によりインジケーターは自動的にマルチプレツク
ス方式を判別して点灯される。

ここで、セレクター４はユーザーがインジケー
タの点灯状態を見て操作するものであり、ユーザ
ーは、FMステレオインジケータ５が点灯してい
ればセレクター４をFMマルチプレツクス復調器
２側に設定し、TVステレオインジケータ６また
はTV多重インジケータ７が点灯していればセレ
クター４をTVマルチプレツクス復調器３側に設
定する。また、FM放送、TV放送共モノラル放
送のときはいずれも点灯しないが、この場合はい
ずれの復調器も復調動作をしてあらず、いずれか
らも正常なモノラル出力が得られるから、セレク
ター４の設定はどちら側でもよい。

従来のマルチプレツクス復調器は以上のように
構成されている。

通常時には、入力される信号はパイロツトトー
ン方式又は音声多重方式いずれか一方のみであ
り、各々の復調器は必要な場合のみ動作する為な
んら問題がない。しかし例えば弱入力時あるいは
離調時等の特殊な条件下においては、パイロツト
信号を誤検出して同時に両方の復調器が動作して
しまう場合が十分にありうる。

特に、TV音声多重方式のパイロツト信号は、
Ｑ信号とよばれ、3.5_H（Hは水平同期信号の周
波数）のキヤリアが、922.5Hz又は982.5HzでAM
変調されており、離調等でメイン成分がクリツプ
歪を生じるような場合には、特にメイン成分はそ
の基本波の高次高調波を、基本波でAM変調した
形のスペクトラムを発生する。これは容易に
3.5Hの近傍に現われ、結局音声多重方式のＱ信
号と類似の信号を生成してしまう。この場合には
音声多重方式の復調器は誤動作を行ない、最悪時
パイロツトトーン方式のステレオ復調とが同時に
行なわれてしまうことが起こりうる。例えば、弱
入力のFMステレオ放送を受信中に、Ｑ信号と類
似の信号が発生すると、これをTVマルチプレツ
クス復調器３が誤検出し、FMステレオインジケ
ータ５と共にTVステレオやTV多重のインジケ
ータが点灯する。このとき、ユーザーが誤つてセ
レクター４をTVマルチプレツクス復調器３側に
切替えたとすると、これの出力はFMステレオ放
送のコンポジツト信号を正しくないTVのＱ信号
によつて復調したものであるから、原音とは程遠
いものであり、不快な音が発生してしまう。

あるいは、選局中の局間などで、種々のスペク
トラムが混在する状態では、FM、TV両方のパ
イロツト信号が誤検出され、セレクター４をいず
れに設定しても、局間ノイズがマルチプレツクス
復調された意味のない不快な音が発生してしま
う。

このように、弱入力時や離調時、FM、TV両
方のパイロツト信号が同時に検出されるような状
況下においては、誤つた復調をして不快な音を発
生させるより、モノラル音声のまま、すなわち原
信号のまま出力するほうがノイズは多くても不快
の程度は低く適切である。この場合、マルチプレ
ツクス復調はすべてキヤンセルする必要がある
が、従来のマルチプレツクス復調器はその機能を
もたないという欠点を有しており、聴感時に不快
な音を発生することがあつた。

〔目的〕

この考案は、上記のような従来のものの欠点を
除去するために成されたもので誤動作を検出して
マルチプレツクス復調をキヤンセルする機能を付
加したマルチプレツクス復調器を提供するもので
ある。

〔構成〕

この考案のマルチプレツクス復調回路は、上記
目的を達成するため、FM放送及びTV音声多重
放送におけるコンポジツト信号をマルチプレツク
ス復調し、復調出力として出力するマルチプレツ
クス復調回路において、前記コンポジツト信号か
らFMステレオ放送のパイロツト信号を検出し、
FM音声信号を復調するFMマルチプレツクス復
調手段と、前記コンポジツト信号からTV音声多
重放送のパイロツト信号を検出し、TV音声信号
を復調するTVマルチプレツクス復調手段を具備
し、前記FM放送のパイロツト信号と前記TV音
声多重放送のパイロツト信号が同時に検出された
とき、前記復調出力に代えて前記コンポジツト信
号を出力する切替手段を備えたことを特徴とす
る。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を図に基づいて説明
する。

第２図において、入力されたコンポジツト信号
は、38KHz副搬送波発生器１、FMマルチプレツ
クス復調器（以下FMMPXという）２TVマルチ
プレツクス復調器（以下TVMPXという）３及
びスイツチ１０に入力され、副搬送波発生器１の
出力はFMMPX２のもう一つの入力に接続され
る。FMMPX２及びTVMPX３の出力は、セレ
クター４に入力され、この出力はスイツチ１０の
もう一方の入力に印加されている。

また、TVMPX３にはTVステレオインジケー
タ６、TV多重インジケータ７、及びORゲート
８が接続されており、また副搬送波発生器１には
FMステレオインジケータ５及びANDゲート９
が接続されている。さらにORゲート８の出力は
ANDゲート９に入力され、この出力はスイツチ
１０を制御する構成となつている。

かかる構成において、次にこの考案の作用につ
いて説明する。38KHz副搬送波発生器１乃至TV
多重インジケータ７は従来の構成とまつたく同様
に動作している。

今、ここで上述した弱入力時或いは離調時にお
ける誤動作が生じた場合、ORゲート８によつて
TVMPX３の動作を検出し、更にANDゲート９
によつて、FMマルチプレツクスが同時に行なわ
れている場合を検出し、その場合に限つて、スイ
ツチ１０を駆動して、マルチプレツクス復調をな
んら施していないコンポジツト信号をそのまま出
力する。これによつて、聴感時の不快な音を発生
しない。

尚、同時にマルチプレツクス動作を表わすイン
ジケータを強制的に消灯させてもよい。

〔効果〕

以上のように、この考案によればマルチプレツ
クス復調器の誤動作による不快音をなくすことが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のマルチプレツクス復調器を示す
構成図、第２図は本考案の一実施例によるマルチ
プレツクス復調器を示す構成図である。 １……38KHz副搬送波発生器、２……FMマル
チプレツクス復調器、３……TVマルチプレツク
ス復調器、４……セレクター、５……FMステレ
オインジケータ、６……TVステレオインジケー
タ、７……TV多重インジケータ、８……ORゲ
ート、９……ANDゲート、１０……スイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. FM放送及びTV音声多重放送におけるコンポ
   ジツト信号をマルチプレツクス復調し、復調出力
   として出力するマルチプレツクス復調回路におい
   て、前記コンポジツト信号からFMステレオ放送
   のパイロツト信号を検出し、FM音声信号を復調
   するFMマルチプレツクス復調手段と、前記コン
   ポジツト信号からTV音声多重放送のパイロツト
   信号を検出し、TV音声信号を復調するTVマル
   チプレツクス復調手段を具備し、前記FM放送の
   パイロツト信号と前記TV音声多重放送のパイロ
   ツト信号が同時に検出されたとき、前記復調出力
   に代えて前記コンポジツト信号を出力する切替手
   段を備えたことを特徴とするマルチプレツクス復
   調回路。