JPH03443B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、橋梁等の構造物の固定端部を回転可
能にかつ横移動しないように支承する構造物固定
端支承装置に関するものである。

次に本発明を図示の例によつて詳細に説明す
る。

図面は本発明の一実施例を示すものであつて、
金属製下部支承部材２の下部に、コンクリート製
橋台または橋脚等の支持構造体１に埋設される十
字状のリブ１０が一体に連設されると共に、その
支持構造体１に埋設される定着用鉄筋１１が溶接
により固着され、かつ金属製上部支承部材５の上
部には、コンクリート製橋桁等の被支持構造物４
に埋設される十字状のリブ１２が一体に連設され
ると共に、その構造物４に埋設される定着用鉄筋
１３が溶接により固着されている。

下部支承部材２の上部に、上向きに開口する下
部凹球面３が設けられ、かつ下部支承部材２にお
ける構造物長手方向に直角な方向の両側には、フ
ランジ１４が一体に連設され、そのフランジ１４
にはボルト挿通用透孔１５が設けられ、さらに上
部支承部材５の下部には下向きに開口する上部凹
球面６が設けられ、また上部支承部材５における
構造物長手方向に直角な方向の両側にフランジ１
６が一体に連設され、そのフランジ１６にはボル
ト挿通用透孔１７が設けられている。

上部支承部材５の上部凹球面６は下部支承部材
２の下部凹球面３の上方においてこれに対向する
ように配置され、金属製ベアリング部材７の下部
に形成された下部凸球面８は前記下部凹球面３に
嵌合され、かつベアリング部材７の上部に形成さ
れた上部凸球面９は前記上部凹球面６に嵌合され
ている。

前記各フランジ１４，１６の透孔１５，１７に
わたつて挿通されたボルト１８にナツト１９が螺
合され、そのボルト１８およびナツト１９により
下部支承部材２と上部支承部材５とがベアリング
部材７を介して締付結合され、この状態で下部支
承部材２が支持構造体１に固定されると共に上部
支承部材５が構造物４の固定側端部に固定された
のち、構造物４の回転（支承部を中心とする上下
方向回動）を阻害しないようにボルトナツトによ
る締付けが解放される。

前記実施例の装置において、構造物４に対し著
しく大きな水平力が作用して、ベアリング部材７
が下部支承部材２の下部凹球面３に沿つてせり上
がろうとすると共に、上部支承部材５がベアリン
グ部材７の上部凸球面９に沿つてせり上がろうと
した場合は、そのせり上がりがボルト１８および
ナツト１９により阻止される。

この発明を実施する場合、前記下部支承部材２
および上部支承部材５は鋼材例えば鋳鋼により製
作され、またベアリング部材７は下部支承部材２
および上部支承部材５よりも軟質の金属例えば
JIS、H5102の高力黄銅鋳物あるいはその他の黄
銅等により製作される。ベアリング部材７を下部
支承部材２および上部支承部材５よりも軟質の金
属により製作すれば、ベアリング部材７と下部支
承部材２および上部支承部材５との接触部のなじ
みを良くすることができる。

また前記下部凹球面３および上部凸球面９に多
数の浅い凹部を設け、その凹部に黒鉛潤滑剤を収
容しておくのが回転抵抗を軽減できるので好まし
い。さらにまた、前記フランジ１４，１６および
ボルト１８、ナツト１９を省略してもよい。

本発明によれば、支持構造体１の上部に固定さ
れる金属製下部支承部材２の上部に、上向きに開
口する下部凹球面３が設けられ、構造物４の下部
に固定される金属製上部支承部材５の下部に、下
向きに開口する上部凹球面６が設けられ、金属製
ベアリング部材７の下部に形成された下部凸球面
８が前記下部凹球面３に嵌合されると共に、前記
ベアリング部材７の上部に形成された上部凸球面
９が前記上部凹球面６に嵌合されているので、下
部凹球面３に対する下部凸球面８の回動あるいは
上部凸球面９に対する上部凹球面６の回動または
それら双方の回動により、構造物４の回転（支承
部を中心とする上下方向回動）および捻れ等を許
容し、それぞれ金属材料により構成された下部支
承部材２とベアリング部材７と上部支承部材５と
を常に面接触させることができ、そのため支承装
置を小型にかつ低コストで製作することができ、
さらに下部凹球面３と下部凸球面８との嵌合部お
よび上部凹球面６と上部凸球面９との嵌合部には
構造物４による大きな荷重が作用しているので、
水平力による構造物の横方向のずれ動きを防止す
ることができ、そのため下部支承部材２とベアリ
ング部材７との間および上部支承部材５とベアリ
ング部材７との間あるいは下部支承部材２と上部
支承部材５との間に移動防止用の特別なストツパ
装置を設ける必要がない等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すものであつて、
第１図は構造物固定端支承装置の使用状態を示す
側面図、第２図は構造物固定端支承装置の使用状
態を示す拡大縦断正面図、第３図は第２図のＡ−
Ａ線断面図、第４図は下部支承部材とベアリング
部材と上部支承部材とを分離して示す一部縦断側
面図である。 １：支持構造体、２：金属製下部支承部材、
３：下部凹球面、４：構造物、５：金属製上部支
承部材、６：上部凹球面、７：金属製ベアリング
部材、８：下部凸球面、９：上部凸球面、１０：
リブ、１１：定着用鉄筋、１２：リブ、１３：定
着用鉄筋、１４および１６：フランジ、１８：ボ
ルト、１９：ナツト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 支持構造体１の上部に固定される金属製下部
   支承部材２の上部に、上向きに開口する下部凹球
   面３が設けられ、構造物４の下部に固定される金
   属製上部支承部材５の下部に、下向きに開口する
   上部凹球面６が設けられ、金属製ベアリング部材
   ７の下部に形成された下部凸球面８は前記下部凹
   球面３に嵌合され、前記ベアリング部材７の上部
   に形成された上部凸球面９は前記上部凹球面６に
   嵌合されていることを特徴とする構造物固定端支
   承装置。