JPH0344193Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、身体障害者、寝たきり老人、病人
を移送する移送装置に関するものである。

〔従来の技術〕

通常、家庭、病院、老人養護施設等での身体障
害者、病人、寝たきり老人を例えば、ベツドから
車椅子へ、又ベツドから上記ベツドサイドに運び
込まれた浴槽に移送する場合、看護婦等の介添者
が直接抱きかかえて行なうので、介添者、特に力
の弱い女子にあつては大変困難であり、複数の介
添者を必要とする。そこで、抱きかかえないで身
体障害者、病人、老人を移送するようにした従来
技術として、実開昭53−150096号公報に示された
移載装置がある。

この移載装置は、ベツド上の患者が仰臥する位
置まで水平杆をガイドとして昇降機を水平動させ
たのち、昇降機を運転して載置具に患者を載置す
る。

その後に載置具と共に患者を昇降機の運転によ
り所定の高さまで上昇させ、然るのち水平杆に沿
つて昇降機と共に載置具、患者を横移送し、次い
で載置具と共に患者を降送して例えば車椅子に移
載する。

〔考案が解決しようとする課題〕

患者移載装置は、左右一対の支持部材と、この
両支持部材の上端間に横架した水平杆とで門型に
形成してあり、しかも両支持部材の間にベツド及
び車椅子が納まるので、大型になると共に、不使
用時邪魔になる問題があつた。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題を解決するために、この考案はベツ
ドの頭側及び足側の外面両側間に設けた水平のガ
イド部材と、このガイド部材によりガイドされて
出没スライドするように設けたスライダと、この
スライダの突出方向端に設けた荷重受けの脚材
と、両スライダ上から起立する起立部材と、この
頭側と足側との起立部材間に回転自在に架設した
二本の並行する回転軸をドライブするよう設けた
ドライブ装置と、両回転軸と両ベルトの端とを着
脱自在に係合する身体障害者や病人の載置具とで
構成したものである。

〔作用〕

ベツド上の身体障害者や病人を載置具にのせた
のち、両回転軸に上記載置具の両ベルトの端をそ
れぞれ係合し、次いでドライブ装置により両回転
軸を回動させながら上記回転軸にベルトを巻取つ
て身体障害者や病人を吊り上げる。

その後に両スライダをベツドのサイドに突出す
るようスライドさせてベツド外に身体障害者や病
人を移送し、然るのち、ドライブ装置により回転
軸を回動させながらベルトを巻き戻して待機させ
てある車椅子や浴槽に身体障害者や病人を下ろ
す。

〔実施例〕

図において、１はベツドで、このベツド１の頭
側及び軸側の外面両側には、水平のガイド部材２
が設けられている。

３はガイド部材２によりガイドされて出没スラ
イドするように設けたスライダである。

上記のガイド部材２は、図示の場合Ｔ形のレー
ルを使用し、このレールに薄型材のスライダ３が
スライド自在に嵌め合わせてある。

又上記スライダ３の突出方向端には、スライダ
３を引き出してベツド１から側方に突出させたと
き上記スライダ３の突出端が降下するのを防止す
る荷重受けの脚材４が設けられている。

上記の脚材４は、第１図及び第４図に示すよう
にスライダ３の両端に１本の脚材４の上端をボル
トと蝶ナツトとから成る締付具５により着脱自在
に取付けられ、スライダ３を第１図左方向に引き
出す場合上記スライダ３の左端に脚材４を取付
け、又スライダ３を第１図右方向に引き出す場合
上記スライダ３の右端に脚材４を取付ける。

６は両スライダ３上から起立する起立部材で、
この頭側と足側との起立部材６間に並行する二本
の回転軸７，７を回転自在に架設し、又上記の回
転軸７，７は、それぞれドライブ装置８により可
逆回動させるようになつている。

上記の起立部材６は、図示の場合スライダ３に
並列する二本の柱材９，９を立設して、この柱材
９，９の上端に起立部材６の下端をそれぞれ回動
自在に取付け、上記起立部材６は、ストツパ１０
により起立した位置と、倒した位置でストツプさ
せて使用できるようになつている。

又ドライブ装置８は、第１図及び第６図に示す
ように、ハンドル１１により第１歯車１２をドラ
イブして、この第１歯車１２に噛み合う第２歯車
１３及びスプロケツトと、このスプロケツト間に
かけ渡したチエンとから成る伝達機構１４を介し
て回転軸７，７を回動させる手動式を採用した
が、モーターを用いた電動式であつてもよい。

１５は、身体障害者や病人の載置具で、この載
置具１５の両端から連なるベルト１６の端は、回
転軸７，７に着脱自在に係合し、回転軸７，７の
回動により上記回転軸７，７にベルト１６を巻取
りながらベツド１上から載置具１５を浮上させて
身体障害者や病人を吊り上げる。

上記吊り上げた身体障害者や病人は、スライダ
３を引き出してベツド１の片サイドから外方に移
送し、然るのちベルト１６を巻戻して第１図に示
すように浴槽Ａ内に下ろしたり、或いは車椅子の
座席上に下ろす。

なお、浴槽や車椅子からベツド１上に身体障害
者や病人を戻す場合、ベルト１６を巻取つて吊り
上げ、次いでスライダ３を押し戻し、然るのちベ
ルト１６を巻戻す。

上記の載置具１５は、図示の場合身体障害者や
病人の肩部、尻部、足を支えるよう三枚のマツト
を並べたが、一枚のマツトやマツトレス外の例え
ばバスケツト等でよい。

又ベルト１６の係合は、第４図に示すように回
転軸７の透孔１７にベルト１６の端に支持させた
ピン１８を嵌入して行なう。

図中１９は脚材４の上部の回転を止める係合
部、２０は脚材４の下端に設けた車輪、２１はベ
ツド１にガイド部材２を取付ける金具である。

〔効果〕

以上のように、この考案に係る病人の移送装置
によれば、スライダを引き戻してベツドの直上に
回転軸を位置させ、そして回転軸にベルトを巻付
けながら浮上する載置具を介し身体障害者や病人
を吊り上げたのち、スライダを引き出してベツド
のサイド外方に移送し、然るのちベルトを巻戻し
ながら浴槽や車椅子に身体障害者や病人を下ろす
ので、力の弱い女子にあつても容易に病人を移す
ことができる。

又ベツド上で身体障害者や病人を吊り上げてシ
ーツの交換もできる。

更にスライダを引き出したとき、上記スライダ
の突出方向端を脚材により支承するので、荷重に
よるスライダの傾斜やスライドを阻害するような
不都合をなくすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る病人の移送装置の正面
図、第２図は同側面図、第３図は同平面図、第４
図はベルトの先端係合部分の縦断正面図、第５図
はスライダの拡大平面図、第６図はドライブ装置
の縦断側面図である。 １……ベツド、２……ガイド部材、３……スラ
イダ、４……脚材、６……起立部材、７……回転
軸、８……ドライブ装置、９……柱材、１５……
載置具、１６……ベルト、１７……透孔、１８…
…ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベツドの頭側及び足側の外面両側間に設けた水
   平のガイド部材と、このガイド部材によりガイド
   されて出没スライドするように設けたスライダ
   と、このスライダの突出方向端に設けた荷重受け
   の脚材と、両スライダ上から起立する起立部材
   と、この頭側と足側との起立部材間に回転自在に
   架設した二本の並行する回転軸をドライブするよ
   う設けたドライブ装置と、両回転軸と両ベルトの
   端とを着脱自在に係合する身体障害者や病人の載
   置具とから成る病人の移送装置。