JPH0344014Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は車両用シート（特に自動車座席）の
ヘツドレストに関し、より詳しくはヘツドレスト
本体の高さ調整機構の改良に係るものである。

（考案の背景） 従来、この種の自動車座席に用いるヘツドレス
トを説明する。ヘツドレストは、ヘツドレスト本
体の下部にヘツドレストステーが２本１組で突設
し、シートバツク上部に挿入装着される。前記ヘ
ツドレストステーには高さ方向に所定間隔で複数
のガイド溝が形成されており、シートバツク上部
のロツク機構に係合し、ヘツドレスト本体が上下
高さを調整できるように構成されている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記構成にかかる自動車座席のヘツドレスト
は、ヘツドレスト本体を支持するヘツドレストス
テーにガイド溝が形成され、このガイド溝とシー
トバック上部のロツク機構とを係合せしめ、乗員
の体格に応じてヘツドレスト本体の高さ調整を行
なつていたが、ヘツドレストステーのガイド溝は
所定間隔（通常ガイド溝間は30mm）に形成されて
いたため、ヘツドレスト本体の高さを微調整する
ことができず、乗員の体格に合致していなかつ
た。

この考案はかかる問題点を解決すべくなされた
ものであり、ヘツドレスト本体の高さを微調整す
ることができて乗員の体格に合致する車両用シー
トのヘツドレストを提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） この考案にかかる車両用シートのヘツドレスト
は、ヘツドレスト本体を支持するヘツドレストス
テーを、ヘツドレスト本体側とシート側とに分割
するとともに、前記ヘツドレスト本体側のステー
を前記シート側のステーに対して上下移動可能に
形成し、前記シート側のステーに、長穴を形成し
た保持片を取付け、前記ヘツドレスト本体側のス
テーに、前記ヘツドレスト本体側部の操作部材に
より高さ方向に回動する回動部材を設け、前記保
持片の長穴に前記回動部材を摺動可能に取付けた
ものである。

（作用） この考案による車両用シートのヘツドレストに
よれば、ヘツドレスト本体下部のステーに形成し
た掛止溝とシート側のロツク機構とを協同してヘ
ツドレスト本体を所定高さ位置に調整することが
できるとともに、ヘツドレスト本体側のステーに
取付けた回動部材を、シート側のステーに取付け
た保持片の長穴に摺動可能に取付けたことによ
り、回動部材の高さ方向の変化量だけさらにヘツ
ドレスト本体の高さ位置を微調整することができ
る。

（実施例） この考案に係る一実施例を第１図ないし第５図
に基づいて説明する。同図中、１は自動車シート
で、シートクツシヨンとシートバツク２とからな
る。このシートバツク２にはステー３が２本１組
で取付けられる。このステー３には高さ方向に沿
つて所定間隔（30mm間隔）で掛止溝３ａが形成さ
れる。このステー３の掛止溝３ａはシートバツク
２のロツク機構（図示せず）に掛止することによ
り、ステー３の高さ位置が調整される。そして、
このステー３の上端にはヘツドレスト本体４が取
付けられ、乗員の頭部を支持している。このヘツ
ドレスト本体４は中空のフレーム５と表皮６との
間にクツシヨン体７が設けられ、前記フレーム５
内にステー３の上端部が突出する。

ヘツドレスト本体４のフレーム５内のステー３
は上下に分割され、上部ステー３ｂが下部ステー
３ｃに嵌入する。この上部ステー３ｂは下部ステ
ー３ｃに対し、ステー３に形成した掛止溝３ａ間
距離30mmだけ上方へ移動可能に取付けられるとと
もに、ヘツドレスト本体４のフレーム５に固定し
て設けられる。さらに、上部ステー３ｂ間にはク
ランク状の回動部材８が取付けられる。この回動
部材８はヘツドレスト本体４の側面に取付けられ
た操作ノブ９によつて回動可能に装着される。一
方、下部ステー３ｃにはその間に棒状部材１０が
横架し、この棒状部材１０の略中央部にはＬ字形
状の保持部材１１が固定して取付けられる。すな
わち前記保持部材１１は棒状部材１０に直交して
設けられ、ヘツドレスト本体４の奥行き方向に沿
つて長穴１１ａが形成される。そして、この保持
部材１１の長穴１１ａには前記回動部材８のクラ
ンク部８ａが摺動可能に取付けられる。

上記構成に係るヘツドレストは、着座者がステ
ー３をシートバツク２に対し、ステー３の掛止溝
３ａとシートバツク２のロツク機構と協同して30
mm間隔で、ヘツドレスト本体４の高さ位置を調整
できる。さらに、この30mm間隔でのヘツドレスト
本体４高さ位置調整だけでは、着座者の体型に合
致しないときは、ヘツドレスト本体の操作ノブ９
を操作すると、回動部材８のクランク部８ａは回
動し、それに伴なつてクランク部８ａは保持部材
１１の長穴１１ａを摺動する。すなわち、回動部
材８の高さ位置が変化することに伴ない、上部ス
テー３ｂは下部ステー３ｃに対して上下動移動
し、ヘツドレスト本体４の高さ位置が調整でき、
ヘツドレスト本体４を着座者の体型に合つた好適
な高さ位置に設置することができる。

（考案の効果） この考案によれば、シート側のロツク機構と協
同してヘツドレスト本体を所定高さ位置に掛止す
る掛止溝を形成したヘツドレストステーをヘツド
レスト本体側とシート側とに分割するとともに、
ヘツドレスト本体側のステーをシート側のステー
に対して上下動移動可能に形成し、シート側のス
テーに長穴を形成した保持片を取付け、ヘツドレ
スト本体側のステーに、ヘツドレスト本体側の操
作部材によつて高さ方向に回動する回動部材を設
け、前記保持片の長穴に前記回動部材を摺動可能
に取付けるという簡単な構造により、ヘツドレス
ト本体の高さ位置を乗員の体型に合致する位置に
設定できて運転操作姿勢の良好な車両用シートの
ヘツドレストが得られるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかる一実施例を示すヘツ
ドレストを用いた自動車座席の斜視図、第２図は
第１図に示すヘツドレストの拡大斜視図、第３図
はヘツドレストの分解斜視図、第４図は第３図に
示すヘツドレスト本体の正面図、第５図は第４図
に示すヘツドレスト本体の断面図である。 図中、２はシートバツク、３はヘツドレストス
テー、４はヘツドレスト本体、８は回動部材、１
１は保持部材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヘツドレスト本体の下部に、前記ヘツドレスト
   本体を支持するヘツドレストステーを垂下状に取
   付け、前記ヘツドレストステーに、シート側のロ
   ツク機構と協同して前記ヘツドレスト本体を所定
   高さ位置に掛止する掛止溝を形成してなる車両用
   シートのヘツドレストにおいて、前記ヘツドレス
   トステーを前記ヘツドレスト本体側と前記シート
   側とに分割するとともに、前記ヘツドレスト本体
   側のヘツドレストステーを前記シート側のヘツド
   レストステーに対して上下移動可能に形成し、前
   記シート側のヘツドレストステーに、長穴を形成
   した保持片を取付け、前記ヘツドレスト本体側の
   ヘツドレストステーに、前記ヘツドレスト本体側
   部の操作部材によつて高さ方向に回動する回動部
   材を設け、前記保持片の長穴に前記回動部材を摺
   動可能に取付け、前記ヘツドレスト本体側のステ
   ーを前記シート側のステーに対して上下動させる
   ことを特徴とする車両用シートのヘツドレスト。