JPH0343961B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は成形金型に関し、一層詳細には、入子
を交換するようにして多種少量生産に適応させる
ようにした成形金型において、当該入子に成形品
のアンダーカツト部を形成するためのスライドコ
アが設けられていても、入子の交換が容易であり
短時間で行うことができる成形金型に関する。

（従来の技術） 近年、成形品の用途の多様化、あるいは成形品
の在庫の少量化に伴い、多種少量生産の必要性が
生じ、この要請を満たすために、入子のみを交換
するようにして、金型交換時間の短縮、金型コス
トの低減、金型の小型化による金型ストツクスペ
ースの効率的使用を図つている。

（発明が解決しようとする課題） しかるに、アンダーカツト部を具備する成形品
の成形金型にあつては、アンダーカツト部を形成
するためのスライドコアと、その駆動装置とが必
要となり、それらを入子に設けると入子が複雑か
つ大きくなり、入子を容易に交換することが困難
となる。

このため、従来、アンダーカツト部を具備する
成形品の成形金型としては、入子を交換するよう
にした金型は用いられていなかつた。

一方、アンダーカツト部を具備する成形品の成
形においても、多品種少量生産の要請が生じてき
ている。

そこで、本発明の目的は、アンダーカツト部を
具備する成形品の成形ができる入子の交換が容易
な成形金型を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 本発明者等は、前記目的を達成すべく鋭意検討
した結果、スライドコアの駆動装置を入子と分離
して入子を簡単にすると共に、複数の入子に共用
できるように金型本体に装設し、入子の交換に際
して、入子に設けたスライドコアとこれを駆動す
る駆動装置との連結およびその解除を入子の金型
本体への着脱と同時に行うことがスライドコア付
き入子の交換を容易に行うことができることを見
い出し、本発明に到達した。

すなわち、本発明は、金型のパーテイング面に
形成された入子挿入凹部へ交換可能に挿入固定さ
れる入子と、一端が入子のキヤビテイ内に型開閉
方向と交差する方向から突出入して成形品にアン
ダーカツト部を形成し、他端が入子外壁面から突
出するスライドコアと、金型の外側面に設けら
れ、進退駆動されるロツドがスライドコアの方向
に伸びる駆動装置と、駆動装置のロツド先端に連
結され型開閉方向と交差する方向に移動可能に設
けられ、かつ前記スライドコアの入子外壁面から
突出する端部が着脱自在に係合し、スライドコア
を交換可能に連結する連結部材と、駆動装置のロ
ツドによつて前記連結部材が所定位置に移動さ
れ、スライドコアの一端がキヤビテイ内に突出さ
れて成形が行われる際に、スライドコアに加えら
れる背圧を増大して連結部材を当該所定位置に固
定確保する固定部材とを具備することを特徴とす
る成形金型にある。

（作用） 本発明によれば、入子に設けたスライドコア
と、その駆動装置を分離して金型本体に設け、か
つ金型本体の挿入凹部に入子を挿入したときにス
ライドコアとその駆動装置とが係合するようにし
たので、入子の構造が簡単となり、その大きさや
重量も小さく、スライドコア付きの入子であつて
も、その交換は極めて容易かつ短時間で行うこと
ができる。

また、金型本体に設けた駆動装置を共用する、
キヤビテイ形状の異なる複数のスライドコア付き
の入子を用いることができ、アンダーカツト部を
具供する成形品の多品種少量生産を容易に行うこ
とができる。

（実施例） 以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づ
いて詳細に説明する。

成形金型の一部を断面にして示す平面図である
第１図およびその型開状態を示す第２図におい
て、１は固定側取付板であり、２は固定側取付板
１に取り付けられている固定側本体（以下、金型
本体２と称することがある）である。

３は可動側取付板であり、４は可動側取付板３
に取り付けられている可動側本体（以下、金型本
体４と称することがある）である。

前記金型本体２および４のパーテイング面に
は、それぞれ入子挿入凹部２ａおよび４ａが刻設
されている。

５は入子挿入凹部２ａに挿入固定されている入
子であり、６は入子挿入凹部４ａに挿入固定され
ている入子である。

前記入子５のパーテイング面には、キヤビテイ
５ａおよび後述するスライドコアの逃がし部５ｂ
が形成されている。

同様に前記入子６にも、そのパーテイング面に
キヤビテイ６ａおよびスライドコアの逃がし部６
ｂが形成されている。なお６ｃは入子６に設けら
れた突出し棒である。

かかる入子５，６に設けられているスライドコ
アは、コア部７と取付部材８とが一体に組合され
ているものである。

ここで、コア部７は、金型本体２と金型本体４
とが型閉したとき、一端は成形品のアンダーカツ
ト部を形成すべくキヤビテイ５ａ，６ａ内に突出
する。

このコア部７の他端は取付部材８に固着されて
いる。取付部材８の側面の一部は逃がし部６ｂの
壁面と摺接しつつパーテイング面と平行の方向に
移動可能である。

また、入子５，６の外壁面から突出しているス
ライドコアの端部、すなわち取付部材８を構成す
る係合部８ａの端部には、フランジ部８ｂが設け
られている。

なお、前記入子５，６に替えて用いられている
入子においても、入子５，６と同一位置、同一形
状の係合部８ａを具備するスライドコアが設けら
れている。

９は前記スライドコアのフランジ部８ｂが連結
される連結部材としてのスライド台であり、金型
本体４に刻設されている蟻溝４ｂに案内されてパ
ーテイング面と平行の方向、つまり型開閉方向に
対して略直角に交差する方向にスライド自在に設
けられている。

かかるスライド台９には、スライド台９のスラ
イド方向に対して直角方向に、スライド台９の端
面から溝９ａ，９ｃが互いに平行に設けられてい
る。この溝９ａにスライドコアのフランジ部８ｂ
が着脱自在に挿入されてスライドコアが係合され
る。

１０は金型本体４の側壁に固定されている、駆
動装置としてのシリンダであり、シリンダからス
ライドコアの方向に伸びるシリンダロツドの先端
に設けられているフランジ部１０ａはスライド台
９の溝９ｃに挿入されている。かかるシリンダ１
０はスライド台９に係合されている係合部８ａを
介してスライドコアにコア部７をキヤビテイ６
ａ，５ａ内に進退させる。

また、スライド台９のシリンダ１０側の面は、
金型本体２に接近するに従い、入子５，６側に傾
斜する傾斜面に形成されている。

さらに、金型本体２には、金型本体４に接近す
るに従つてシリンダ１０側に傾斜する傾斜面を具
備するスライド台１０を固定するための固定部材
として、押さえ台１１が突設されている。

かかるスライド台９は、型閉する際に、シリン
ダ１０を駆動してスライド台９に係合されている
スライドコアを押し下げ、さらに金型本体２，４
を型閉することによつて、スライド台９に斜面に
押さえ台１１の斜面が当接する。

このため、所定位置に押し下げられたスライド
台９を確実に固定することができ、射出成形の際
に、スライドコアがシリンダ１０方向へ移動する
ことを防止することができる。

この様な金型において、入子の交換は、シリン
ダ１０伸側に駆動して金型を型開状態にしてお
き、入子６を入子挿入凹分４ａから取り外すこと
によつて、スライドコアを入子６と共に取り外す
ことができる。

さらに、入子５を取り出した後、交換用のスラ
イドコア付き入子６を金型本体４の入子挿入凹分
４ａに挿入することによつて、スライドコアのフ
ランジ部８ｂをスライド台９の溝９ａに挿入する
ことができる。

次いで、金型本体２の入子挿入凹部５ａにも交
換用の入子５を挿入し入子の交換が完了する。

なお、ここで複数個容易されているスライドコ
ア付きの交換用入子は、スライドコアのフランジ
部８ｂの形状、位置を同じくしてあるため、いず
れの入子も取付可能である。

しかる後に型閉を行い、射出成形を行う。そし
て、型開後に、あるいは型開きしながら、シリン
ダ１０を縮側に駆動してスライドコアをキヤビテ
イ６ａから引き抜き、成形品にアンダーカツト部
が形成される。

なお、上述の実施例におけるスライドコアおよ
びその駆動装置は一ケ所に限らず適宜数ケ所に設
けてもよく、また駆動装置もシリンダに限るもの
ではない。

また、アンダーカツトを形成する必要のない成
形品の成形の場合にも、スライドコアを具備しな
い入子を装着することができ、成形金型の汎用性
を拡大することができる。

（発明の効果） 本発明によれば、アンダーカツト部を具備する
成形品の多品種少量生産を容易に行うこのがで
き、成形品の用途の多様化、あるいは成形品在庫
の少量化に対応することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明に係る成形金型の好適な実施例を示
し、第１図は一部を断面にした下閉状態を示す平
面図、第２図は型開状態を示す平面図である。 １……固定側取付板、２……固定側本体、２ａ
……入子挿入凹部、３……可動側取付板、４……
可動側本体、４ａ……入子挿入凹部、４ｂ……蟻
溝、５，６……入子、５ａ，５ｂ……キヤビテ
イ、５ｂ，６ｂ……逃がし部、６ｃ……突出し
棒、７……コア部、８……取付部材、８ａ……係
合部、８ｂ……スライドコアの端部（フランジ
部）、９……連結部材（スライド部）、９ａ……
溝、９ｂ……逃がし溝、９ｃ……溝、１０……駆
動装置（シリンダ）、１０ａ……フランジ部、１
１……固定部材（押さえ台）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 金型のパーテイング面に形成された入子挿入
   凹部へ交換可能に挿入固定される入子と、 一端が入子のキヤビテイ内に型開閉方向と交差
   する方向から突出入して成形品にアンダーカツト
   部を形成し、他端が入子外壁面から突出するスラ
   イドコアと、 金型の外側面に設けられ、進退駆動されるロツ
   ドがスライドコアの方向に伸びる駆動装置と、 駆動装置のロツド先端に連結され型開閉方向と
   交差する方向に移動可能に設けられ、かつ前記ス
   ライドコアの入子外壁面から突出する端部が着脱
   自在に係合し、スライドコアを交換可能に連結す
   る連結部材と、 駆動装置のロツドによつて前記連結部材が所定
   位置に移動され、スライドコアの一端がキヤビテ
   イ内に突出されて成形が行われる際に、スライド
   コアに加えられる背圧を増大して連結部材を当該
   所定位置に固定確保する固定部材とを具備するこ
   とを特徴とする成形金型。