JPH034371Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野） 本考案は回転霧化静電塗装装置に関する。

〔従来の技術〕

噴霧頭を具えた回転軸をエアモータハウジング
内において回転可能に支承すると共に回転軸をエ
アモータにより高速度で回転せしめ、エアモータ
ハウジングを高電圧発生装置に接続して負の高電
圧をエアモータハウジングを介して噴霧頭に印加
し、噴霧頭のカツプ状内周面に塗料を供給して噴
霧頭先端部から負電荷を帯びた塗料噴霧を被塗装
物に向けて放出せしめるようにした回転霧化静電
塗装装置が公知である（例えば特開昭56−115652
号公報参照）。

この回転霧化静電塗装装置では上述の如くエア
モータハウジングに負の高電圧を印加しなければ
ならないためにエアモータハウジングを地面に対
して絶縁しなければならず、また塗料の色替時に
噴霧頭を洗浄しなければならないために洗浄液を
捕獲するシユラウドを噴霧頭の周りに配置する必
要がある。従つてこの回転霧化静電塗装装置では
エアモータハウジングの後端部を絶縁材料からな
るインシユレータサポートを介して導電性の基台
に固定し、エアモータハウジング前端部の噴霧頭
周りに配置したシユラウドをエアモータハウジン
グと平行に延びかつ絶縁性合成樹脂材料からなる
シユラウドガイド軸の前端部に固定し、シユラウ
ドガイド軸の後端部を基台上に取付けられた導電
性の駆動シリンダに連結して駆動シリンダにより
シユラウドを前進後退させ、エアモータハウジン
グに導電性の支持プレートを固定すると共に支持
プレートによりシユラウドガイド軸の中間部を摺
動可能に支持している。このようにこの回転霧化
静電塗装装置ではインシユレータサポートを絶縁
材料から形成し、シユラウドガイド軸を絶縁材料
から形成することによつてエアモータハウジング
を地面に対して絶縁するようにしている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところでシユラウドガイド軸は通常剛性、絶縁
性、吸水性および重量を考慮してエポキシ樹脂等
から形成されている。しかしながら塗装ブース内
は塗装品質を管理する等の必要性から80〜90％の
湿度に加湿されており、このような多湿のもとで
はエポキシ樹脂の表面に塗料ミストや水滴が付着
しやすく、水滴が付着すると水滴が薄い膜状に広
がつてしまう。しかしながらこのように塗料ミス
トが付着したり或いは水滴が薄い膜状に広がると
電流がエポキシ樹脂からなるシユラウドガイド軸
の表面を流れて漏洩することになる。高電圧発生
装置は安全回路として一定値以上の電流が流れる
と高電圧の発生を停止する回路を具えており、従
つて上述のようにシユラウドガイド軸の表面を介
して電流が漏洩すると高電圧の発生が停止しても
はや塗装を行なうことができないという問題があ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するために本考案によれば噴
霧頭を具えた回転軸を導電性のエアモータハウジ
ング内において回転可能に支承し、エアモータハ
ウジングの後端部を絶縁材料からなるインシユレ
ータサポートを介して導電性の基台に固定し、エ
アモータハウジングの前端部に噴霧頭を包囲する
シユラウドを配置すると共にシユラウドをエアモ
ータハウジングと平行に延びかつ絶縁性合成樹脂
材料からなるシユラウドガイド軸の前端部に固定
し、シユラウドガイド軸の後端部を基台上に取付
けられた導電性の駆動シリンダに連結して駆動シ
リンダによりシユラウドを前進後退させ、エアモ
ータハウジングに導電性の支持プレートを固定す
ると共に支持プレートによりシユラウドガイド軸
の中間部を摺動可能に支持し、エアモータハウジ
ングに負の高電圧を印加するようにした回転霧化
静電塗装装置において、シユラウドガイド軸の全
外周面をポリ四弗化エチレンからなるコーテイン
グ層で覆つている。

〔実施例〕 第１図を参照すると、その全体を符号１で示す
回転霧化静電塗装装置は導電性のエアモータハウ
ジング２内において回転可能に支承された回転軸
（図示せず）を具備し、この回転軸の前端部に噴
霧頭３が固定される。この回転軸は噴霧頭３と共
に図示しないエアモータにより高速度で回転せし
められる。エアモータハウジング２の後端部は絶
縁材料からなるインシユレータサポート４を介し
て導電性の基台５に固定される。エアモータハウ
ジング２の前端部周りにはシユラウド６が配置さ
れ、このシユラウド６はエアモータハウジング２
と平行に延びる複数本のシユラウドガイド軸７の
前端部に固定される。このシユラウドガイド軸７
はエポキシ樹脂等の絶縁性合成樹脂材料から形成
されており、シユラウドガイド軸７の全外周面は
ポリ四弗化エチレンからなるコーテイング層によ
り覆われている。

基台５には導電性の駆動シリンダ８が固定さ
れ、駆動シリンダ８のピストンロツド９の先端部
には導電性の可動板１０が固定される。この可動
板１０にはシユラウドガイド軸７の後端部が固定
される。また、エアモータハウジング２には導電
性の支持プレート１１が固定され、シユラウドガ
イド軸７の中間部はこの支持プレート１１によつ
て摺動可能に支持される。エアモータハウジング
２は高電圧発生装置１２に連結され、その高電圧
発生装置１２によつてエアモータハウジング２に
負の高電圧が印加される。この負の高電圧は回転
軸を介して噴霧頭３に印加される。エアモータハ
ウジング２には色替バルブａ，ｂ、エアバルブ
ｃ、シンナバルブｄ等を具えた弁装置１３が取付
けられ、この弁装置１３は塗料ホース１４を介し
て塗料供給ノズル（図示せず）に連結される。色
替バルブａ，ｂ、エアバルブｃ、シンナバルブｄ
は夫々塗料タンク、圧縮空気源、洗浄液タンクに
連結される。

塗装作業時には第１図に示すようにシユラウド
６が駆動シリンダ８によつて後退せしめられてお
り、噴霧頭３が高速度で回転せしめられると共に
エアモータハウジング２に負の高電圧や印加され
る。色替バルブａ又はｂが開弁すると塗料が塗料
ホース１４および塗料供給ノズルを介して噴霧頭
３のカツプ状内周面に供給され、負電荷を帯びた
塗料噴霧が噴霧頭３の先端部から放出される。

塗料の色替えを行なうときには第２図に示され
るようにシユラウド６が駆動シリンダ８によつて
前進せしめられ、負の高電圧の印加が停止され
る。次いでエアバルブｃ、シンナバルブｄが交互
に開弁せしめられて空気および洗浄液が回転して
いる噴霧頭３内に供給され、それによつて噴霧頭
３、塗料ホース１４等の洗浄が行なわれる。

上述したようにシユラウドガイド軸７はエポキ
シ樹脂のような絶縁性材料から形成されており、
シユラウドガイド軸７の全外周面はポリ四弗化エ
チレンからなるコーテイング層によつて覆われて
いる。このようにシユラウドガイド軸７の外周面
をポリ四弗化エチレンからなるコーテイング層で
覆うとシユラウドガイド軸７の外周面に塗料ミス
トや水滴等が付着しずらくなり、また水滴等が付
着したとしても水滴のまま維持され、薄膜状に広
がることもない。その結果、シユラウドガイド軸
７の表面を介して電流が漏洩するのを阻止するこ
とができる。

〔考案の効果〕 シユラウドガイド軸の全外周面をポリ四弗化エ
チレンからなるコーテイング層により覆うことに
よつてシユラウドガイド軸の表面を介して電流が
漏洩するのを阻止することができる。従つて高電
圧発生装置が塗装作業時に高電圧の発生を停止し
てしまうことがないので塗装作業が中断されると
いう問題が生じることがない。また、シユラウド
ガイド軸の全外周面をポリ四弗化エチレンからな
るコーテイング層により覆うことによつてたとえ
塗料ミスト等が付着しても容易に洗浄除去するこ
とができるという利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は塗装作業時を示す回転霧化静電塗装装
置の側面図、第２図は洗浄作業時を示す回転霧化
静電塗装装置の側面図である。 ２……エアモータハウジング、３……噴霧頭、
４……インシユレータサポート、５……基台、６
……シユラウド、７……シユラウドガイド軸、８
……駆動シリンダ、１１……支持プレート、１２
……高電圧発生装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 噴霧頭を具えた回転軸を導電性のエアモータハ
   ウジング内において回転可能に支承し、該エアモ
   ータハウジングの後端部を絶縁材料からなるイン
   シユレータサポートを介して導電性の基台に固定
   し、エアモータハウジングの前端部に上記噴霧頭
   を包囲するシユラウドを配置すると共に該シユラ
   ウドをエアモータハウジングと平行に延びかつ絶
   縁性合成樹脂材料からなるシユラウドガイド軸の
   前端部に固定し、該シユラウドガイド軸の後端部
   を上記基台上に取付けられた導電性の駆動シリン
   ダに連結して該駆動シリンダによりシユラウドを
   前進後退させ、上記エアモータハウジングに導電
   性の支持プレートを固定すると共に該支持プレー
   トによりシユラウドガイド軸の中間部を摺動可能
   に支持し、該エアモータハウジングに負の高電圧
   を印加するようにした回転霧化静電塗装装置にお
   いて、上記シユラウドガイド軸の全外周面をポリ
   四弗化エチレンからなるコーテイング層で覆つた
   回転霧化静電塗装装置。