JPH0343410Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は燃料ポンプに係り、従来とは異つて車
両用燃料タンクの作業穴に取付ける密閉蓋に吊下
げた有底筒形容器の内部に固定し、実質的にサブ
タンクを構成する副容器を従来のように燃料タン
クの内底面に取付けないで前記の容器の下方部に
固定する構成により、燃料ポンプユニツトを構成
し、密閉蓋の施蓋と共に該ユニツトを燃料タンク
内に挿入できるようにしたものである。

（従来の技術） 従来、燃料ポンプは燃料タンクの内底面に固定
したサブタンクに吸込口を挿入し、燃料ポンプユ
ニツトはブラケツトを介して車両用燃料タンクの
作業口の口縁部、或は該作業口を密閉する密閉蓋
に取付けて設けており、樹脂製サブタンクを用い
た場合には塗装時の乾燥熱によつて該サブタンク
に歪が発生して燃料ポンプの吸込口に装着される
フイルターと接触するトラブルが生じることがあ
つた。また、燃料タンク全体を樹脂で製作する場
合には、予めサブタンクを成形金型内にインサー
トする必要があるが、このインサートに関しては
相当困難を伴うものであつた。

（考案が解決しようとする問題点・本考案の目
的） 本考案は従来の前記した構成による欠点を除
き、燃料ポンプを密閉蓋に吊下げる有底筒形容器
に固定し、該容器の底部壁に、実質的にはサブタ
ンクの機能を持たせた副容器を取付けた構成の燃
料ポンプユニツトを構成し、前記の容器の底部壁
と副容器の底部壁との間に前記の燃料タンクの吸
込口を突出する空間部を構成し、トラブル発生を
無くすることを解決すべき問題点とし、且つ密閉
蓋の施蓋と同時に前記の容器を含めた燃料ポンプ
ユニツトを燃料タンク内に挿入できるようにする
ことを本考案の目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記した目的に合致させたもので、燃
料ポンプ本体を車両用燃料タンクの密閉蓋から吊
下げた有底筒形容器内に固着して、該ポンプ本体
の吸込口を該容器の底部壁から突出し、リターン
チユーブを該容器に臨ませると共に、約半周を取
巻いて始端部に燃料タンクの内底に接近した出入
口を設け、同基端部に連通口を設けた燃料通路壁
を持つ副容器を前記の容器の底部に取付け、前記
の容器と副容器の各底部壁の間に前記のポンプ吸
込口を臨ませる空間部を設け、さらに、前記容器
の底部壁に空間部に開口する弁口を形成し、空間
部に該弁口を開閉するフロート弁を設けたことを
特徴とする燃料ポンプユニツトに係るものであ
る。

（実施例） 本考案の好適な実施例を次に説明する。

添付図面の第１図は本考案を例示した縦断側面
図、第２図は同要部の拡大縦断面図、第３図は副
容器の平面図、第４図は本考案の作用を例示した
縦断側面図、第５図は本考案を利用した実施例図
である。

図中１は車両用燃料タンク、２は該タンクの頂
部に設けた作業口、３は該作業口を密閉する密閉
蓋である。密閉蓋３にはブラケツト４ａにより円
筒形の有底容器４を吊下げて支持し、該容器４に
燃料ポンプ本体６を固定し、容器４の底部壁５か
ら燃料ポンプ本体６の吸込口７を突出する。８は
燃料ポンプ本体６の送給管、９はリターンチユー
ブであつて、いずれも密閉蓋３に取付ける。

１０は容器４の下方部に外嵌して固定した副容
器であつて、外周に約半周を取巻く燃料通路壁１
２を設け、その外端部に燃料タンク１の内底面に
接近させた出入口１３を設け、基端部に副容器１
０の内空に対する連通口１４を設ける。副容器１
０は実質的にサブタンクをなすものであるが、こ
れを従来のように燃料タンクの１の内底面に固定
せず、図示のように有底容器４の底部に外嵌めし
て溶接などにより固定し、燃料通路壁１２は上端
を高くして有底容器４の下方部外周をも取巻かせ
る。

有底容器４の底部壁５と副容器１０の底部壁１
１間に連通口１４及び出入口１３を介して燃料タ
ンク１の底方部に連通する空間部１５設ける。

前記の燃料ポンプ本体６は下方部の取付鍔に嵌
めたガスケツト１６を介し容器４の底部壁５に穿
つた取付口１７の上部に固定し、吸込口７とこれ
に設けたフイルター１８を空間部１５に突出す
る。また前記の底部壁５に空間部１５に連通する
弁口１９を形成し、弁口１９の下面の周りから空
間部１５に突出したガイド２０にフロートバルブ
２１を浮動自由に嵌める。

前記した容器４を燃料タンク１の中心部にする
ことができない場合は、副容器１０の出入口１３
に第５図のように燃料タンク１の中心部に開口す
るチユーブ２２を取付けることもできる。

（作用） 本考案の作用は、従来のようにサブタンクを燃
料タンクの内底部に取付け、燃料ポンプを燃料タ
ンクの作業口とか密閉蓋に固定して吸込口をサブ
タンク内に臨ませて設けているものと同じで、車
両と共に燃料タンク１が第４図のとおりに傾く
と、容器４、副容器１０及び燃料タンク中の燃料
Ｆが傾き、燃料Ｆが少なくなつているときは燃料
ポンプ本体６の吸込口７を燃料Ｆの面より浮き上
がらせるが、空間部１５に入つている燃料Faの
傾きの水準が高いから、吸込口７を燃料Fa中に
浸しているポンプ６により燃料の吸込ができなく
なることを少なくする。しかし本考案は実質上で
サブタンクを構成する副容器１０を容器４に取付
けて、燃料タンク１の内底面に取付けていないか
ら、吸込口７と空間部１５の相互の位置関係を変
化させることもなく、また空間部１５の燃料Fa
が図示の水準からさらに下がつてフロートバルブ
２１を下降させると、リターンチユーブ９により
容器４に還流されているリターン燃料が弁口１９
から空間部１５に流れ出し、その一部が傾き方向
の都合により出入口１３から燃料タンク１中に流
出するけれども、該空間部１５の吸込口７を燃料
中に浸たしてポンプ機能を保持させる。

（効果） 本考案は実質上でサブタンクの機能をもつ副容
器１０を、密閉蓋３に吊下げて燃料ポンプ本体６
を固定した有底容器４の底部に固定し、容器４と
副容器１０の夫々の底部壁５，１１間に前記ポン
プ６の吸込口７を臨ませる空間部１５を構成した
燃料ポンプユニツトを構成しているもので、副容
器１０の底部壁１１と燃料タンク１の内底面とは
固定の関係がなく、しかも空間部１５の燃料Fa
が少しでも減少すればフロートバルブ２１が開い
て容器４に貯えられたリターン燃料を補充するか
ら、その補充燃料の一部が出入口１３から燃料タ
ンク１中に流出することがあつても、燃料ポンプ
本体６のポンプ機能を従来よりさらに延長し、か
つ該ポンプの有底容器４の固定及び燃料ポンプ６
の吸込口７の空間部１５への突出の構成を安定さ
せることができると共に空間部１５を構成した特
殊な構成からなるポンプユニツトを燃料タンク１
への挿入前に調整し、該タンク１の内部への挿入
を調整に手間取ることなく施すことができる効果
をもつ。

【図面の簡単な説明】

添付図面の第１図は本考案を例示した縦断側面
図、第２図は同要部の拡大縦断面図、第３図は副
容器の平面図、第４図は本考案の作用を例示した
縦断側面図、第５図は他の実施例の側面図であ
る。 １……燃料タンク、３……開口蓋、４……容
器、４ａ……ブラケツト、５……底部壁、６……
燃料ポンプ本体、７……吸込口、９……リターン
チユーブ、１０……副容器、１１……底部壁、１
２……燃料通路壁、１３……出入口、１４……連
通口、１５……空間部、１９……弁口、２１……
フロートバルブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料ポンプ本体を車両用燃料タンクの密閉蓋か
   ら吊下げた有底筒形容器内に固着して、該ポンプ
   本体の吸込口を該容器の底部壁から突出し、リタ
   ーンチユーブを該容器に臨ませると共に、約半周
   を取巻いて始端部に燃料タンクの内底に接近した
   出入口を設け、同基端部に連通口を設けた燃料通
   路壁を持つ副容器を前記の容器の底部に取付け、
   前記の容器と副容器の各底部壁の間に前記のポン
   プ吸込口を臨ませる空間部を設け、さらに、前記
   容器の底部壁に空間部に開口する弁口を形成し、
   空間部に該弁口を開閉するフロート弁を設けたこ
   とを特徴とする燃料ポンプユニツト。