JPH0343393Y2

JPH0343393Y2 -

Info

Publication number: JPH0343393Y2
Application number: JP1983124872U
Authority: JP
Priority date: 1983-08-11
Filing date: 1983-08-11
Publication date: 1991-09-11
Also published as: JPS6032532U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は内燃機関の吸気量を調整するスロツト
ル弁を全閉状態に復帰せしめるリターン装置に関
するものである。

この種のリターン装置は一般に回動開閉するス
ロツトル弁の軸にバネ部材を設けて軸をスロツト
ル弁の閉方向に付勢する構造としてあるが、バネ
部材が損傷等によ復帰力を消失するとスロツトル
弁の閉作動が円滑に行なわれなくなる。そこで、
かかる装置の信頼性を向上せしめるために複数の
バネ部材を軸に併設したものがあるが（特開昭56
−83536号）、軸長が長くなつて広いスペースを必
要とする。

また、実公昭57−2663号公報には、複数のバネ
部材をスロツトル弁の軸に対して同軸に設けるも
のが開示されているが、複数のバネを内周と外周
とに２重に設けるため、軸を中心にした円形の広
い取り付けスペースが必要であつた。さらに、実
公昭47−21014号公報には、スロツトル弁の軸と
平行に別の軸を設け、その軸にスロツトル弁を閉
方向に付勢するバネ部材を設けるものが開示され
ている。しかし、このバネ部材はスロツトル弁を
常時閉じ方向に付勢するものではなく、他のバネ
部材が折損したような場合にのみスロツトル弁を
閉方向に付勢するように構成されている。このた
め、各々のバネ部材は、一本のバネ部材しか備え
ない装置と略同様の大きさのバネ部材とする必要
があり、全体の構成は、一本のバネ部材しか備え
ない装置より大幅に大型化してしまう。さらに、
スロツトル弁を開くときに必要なトルクは、一本
のバネ部材のみで決まつてしまうため、スロツト
ル弁の開度に対するトルクの特性を所望の特性に
調節するのは困難であつた。

本考案は上記従来装置の問題点に鑑み、スロツ
トル弁を閉方向に付勢するバネ部材を複数設け、
スロツトル弁の作動の信頼性を高くするととも
に、スロツトル弁の近傍でのバネ部材等の配置の
自由度を高め、狭いスペースへの組付けを容易に
し、さらにスロツトル弁の開度に対するトルクの
特性の設計自由度を高め、所望のトルク特性を得
ることができるスロツトル弁のリターン装置を提
供することを目的とする。

上記目的を達成するために本考案は、内燃機関
の吸気通路の一部をなす筒体と、前記筒体を径方
向に貫通して設けられた回動軸と、前記筒体内に
設けられ、前記回動軸に直径部が固定されて、前
記回動軸と一体に回転して吸気量を調節するスロ
ツトル弁と、前記筒体の外部に突出した前記回動
軸から直角に延びる第１のアーム部材と、前記回
動軸に同軸に設けられ、前記スロツトル弁を閉方
向に付勢する第１のコイルバネと、前記回動軸と
所定間隔をおいて平行に設けられる少くとも一個
の補助軸と、前記補助軸から直角に延びる第２の
アーム部材と、前記第１のアーム部材の先端部に
回動可能に連結される一端部と、前記第２のアー
ム部材の先端部に回動可能に連結される他端部と
を有し、前記各アーム部材を各軸を中心に回動可
能に連結する連結用アームと、前記補助軸に同軸
に設けられ、前記第２のアーム部材から前記連結
用アームを介して前記第１のアーム部材、前記ス
ロツトル弁を閉方向に付勢する力を常時作用させ
る第２のコイルバネとを備えるという技術的手段
を採用した。

上記本考案の構成によると、スロツトル弁を閉
方向に付勢するために、第１と第２のコイルバネ
が設けられ、スロツトル弁はこれらふたつのコイ
ルバネの両方により常時、閉方向に付勢される。
このため、第１と第２のコイルバネのいずれか一
方が折損するようなことがあつても、他方のコイ
ルバネによりスロツトル弁は確実に閉方向に付勢
される。また、第２のコイルバネは、スロツトル
弁の回動軸と平行に設けられた補助軸に設けられ
る。このため、スロツトル弁の回動軸の近傍に十
分な取り付けスペースを確保できない場合でも、
スロツトル弁を閉方向に付勢するコイルバネを複
数設けることができ、狭いスペースへの取り付け
が可能になる。さらに、第２のコイルバネは、補
助軸に設けられた第２のアーム部材から連結用ア
ームを介して、回動軸に設けられた第１のアーム
部材に、スロツトル弁を閉方向に付勢する力を常
時作用させている。このため、第１のアーム部材
と第２のアーム部材とのアームの長さを適宜設定
することにより、第２のコイルバネにより増加す
るスロツトル弁の閉方向トルクの特性が所望の特
性に調節される。

以下、本考案を図示の実施例により説明する。

第１図、第２図において、吸気管の一部をなす
筒体１にはこれを径方向に貫通せしめて軸２が設
けてあり、該軸２に支持せしめられて上記筒体１
内には円板状のバタフライ式スロツトル弁３が配
置してある。スロツトル弁３はその直径部が軸２
に固定してあり、軸２を中心としてこれと一体回
動する。

上記軸２の筒体１より突出した一端には径方向
にアーム部材２１が突設してあり、軸まわりには
第１のバネ部材たるコイルバネ４ａが設けてあ
る。そして、上記コイルバネ４ａの一端は上記ア
ーム部材２１の係止部に係止され、他端は軸２の
下方に設けた係止用ビス５に係止してある。これ
により軸２は反時計方向に付勢せしめられて、図
示の如くスロツトル弁３は全閉状態となる。

上記軸２にはまた先端を断面Ｕ字状の円弧に形
成したスロツトルプーリ６が設けてあり、該プー
リ６には図示しないアクセルペダルに至るワイヤ
７の一端が係着してある。

さて、筒体１には上記軸２と平行に補助軸８が
設けてある。補助軸８には径方向にアーム部材８
１が突設してあり、軸回りには第２のバネ部材た
るコイルバネ４ｂが設けてある。コイルバネ４ｂ
の一端は、上記アーム部材８１に突出形成した係
止部８１ａに係止され、他端は上記係止用ビス５
に係止してある。これにより、軸８は反時計方向
に付勢せしめられている。

そして、上記軸２のアーム部材２１と補助軸８
のアーム部材８１の各先端間は連結用アーム９に
て連結してリンク機構としてあり、該リンク機構
によつて上記両軸２，８はそれぞれに設けたコイ
ルバネ４ａ，４ｂのばね力を合計したばね力でス
ロツトル弁３の閉方向に一体的に回転付勢せしめ
られている。

上記構造のリターン装置において、アクセルペ
ダルを踏むとその踏込量に応じてワイヤ７が右方
に引張られる。これにより、軸２はコイルバネ４
ａ，４ｂのばね力に抗して時計方向に回動し、ス
ロツトル弁３が開く。アクセルペダルを離すと軸
２は上記バネ４ａ，４ｂのばね力により速やかに
反時計方向に回動し、スロツトル弁３は閉止す
る。

ここで、例えばコイルバネ４ａ，４ｂの一方が
損傷しても、軸２は残る他方のバネ４ａ，４ｂに
より回動せしめられ、スロツトル弁３は確実に閉
止せしめられる。

そして、本考案では軸２とリンク結合せしめて
補助軸８を設け、該軸８を設け、該軸８に第２の
バネ部材たるコイルバネ４ｂを付設したから、軸
２の軸長を長くする必要はなく、したがつて狭小
なスペースに設置することが可能である。

なお、補助軸を複数設けてコイルバネの設置数
を増すことももちろん可能である。以上の如
く、本考案のスロツトル弁のリターン装置は、ス
ロツトル弁の閉方向作動の信頼性が高く、またス
ロツトル弁の近傍でのバネ部材等の配置の自由度
が高くコンパクトに構成でき、狭いスペースへの
組付けが容易にでき、さらにスロツトル弁の開度
に対するトルクの特性の設計自由度が高く、所望
のトルク特性を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はリターン装置の正面図、第２図はリタ
ーン装置の側面図である。１……筒体、２……軸（回動軸）、２１……第
１のアーム部材、３……スロツトル弁、４ａ……
第１のコイルバネ、４ｂ……第２のコイルバネ、
８……補助軸、８１……第２のアーム部材、９…
…連結用アーム。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

内燃機関の吸気通路の一部をなす筒体１と、前
記筒体を径方向に貫通して設けられた回動軸２
と、前記筒体内に設けられ、前記回動軸に直径部
が固定されて、前記回動軸と一体に回転して吸気
量を調節するスロツトル弁３と、前記筒体の外部
に突出した前記回動軸から径方向へ延出する第１
のアーム部材２１と、前記回動軸に同軸に設けら
れ、前記スロツトル弁を閉方向に付勢する第１の
コイルバネ４ａと、前記回動軸と所定間隔をおい
て平行に設けられる少くとも一個の補助軸８と、
前記補助軸から径方向へ延出する第２のアーム部
材８１と、前記第１のアーム部材の先端部に回動
可能に連結される一端部と、前記第２のアーム部
材の先端部に回動可能に連結される他端部とを有
し、前記各アーム部材を各軸を中心に回動可能に
連結する連結用アーム９と、前記補助軸に同軸に
設けられ、前記第２のアーム部材から前記連結用
アームを介して前記第１のアーム部材に、前記ス
ロツトル弁を閉方向に付勢する力を常時作用させ
る第２のコイルバネ４ｂとを備えることを特徴と
するスロツトル弁のリターン装置。