JPH0342857B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は片軸型や両軸型リールにおける左右の
捲取りを兼用できるクラツチ機構の改良に関す
る。

従来、この種左右捲取り兼用リールのクラツチ
機構としては実公昭54−33909号公報や実開昭57
−542800号公報に見られるように、ハンドル軸内
に偏心カムを有する摺動軸を設けて行つている
が、このような方式は構造及び部品が複雑でコス
ト高になると共に操作位置がハンドル軸であるた
め釣竿を握持した手の指での操作が困難でハンド
ルを持つた手で操作しなければならず、操作性が
悪い欠陥がある。

本発明はこれらの欠陥を改善して両軸受型リー
ル等のクラツチ機構として広く使用されているデ
ツトポイントバネを利用したクラツチプレート摺
動方式において左右の捲取りができるようにした
クラツチ機構に関するもので、ハンドル軸の駆動
歯車と噛合するピニオンをスペール又はスプール
軸の結合部に着脱自在に嵌装し、デツトポイント
バネで内側摺動位置と外側摺動位置に振り分け附
勢されるクラツチプレートで前記ピニオンに係合
したヨークプレートを作動せしめてピニオンをス
プール又はスプール軸に着脱自在に連結するよう
にした魚釣用リールにおいて、前記クラツチプレ
ートの先端部に形成した二又状部を前記クラツチ
プレートが内側摺動位置にあるときにハンドル軸
の両側稍々上方部分まで延設すると共に該延設部
に対向して係合片を形成しハンドル軸には両側部
に係合突起を有する係合体をスプリングで摺動自
在に係着し、係合突起を前記クラツチプレートの
内側摺動位置における係合片に衝接自在に形成し
たことを要旨とするものである。

本発明の実施例を図面について説明すると、片
軸受型リールのリール本体１の内側に突設固定さ
れたスプール軸２の外端部には内側に結合部３を
有するスプール４が回転自在に嵌装されると共に
前記結合部３の内側のスプール軸２には前記結合
部３に係合自在なピニオン５が回転かつ摺動自在
に嵌装され、更に該ピニオン５はハンドル軸６に
固着された駆動歯車７と噛合している。

また前記ピニオン５に係合したヨークプレート
８の両端部はリール本体(1)に植設されたスタツド
９，９に嵌装されると共に該スタツド９，９に螺
装されたスプリング１０，１０でピニオン５をス
プール４の結合部３に係合するように附勢されて
おり、更にヨークプレート８の両側部外面には二
又状の作動部１１，１１を有するクラツチプレー
ト１２がデツトポイントバネ１３で内側摺動位置
と外側摺動位置に摺動自在に振り分け附勢されて
おり、内側摺動位置においては二又作動部１１，
１１がヨークプレート８をスプリング１０，１０
に抗してリール本体１側に押圧摺動せしめてピニ
オン５を結合部３から分離せしめ、外側摺動位置
においてはヨークプレート８は二又作動部１１，
１１で作動されず、ピニオン５はスプリング１
０，１０の附勢力で結合部３に係合するように構
成されている。

しかして前記クラツチプレート１２の二又作動
部１１，１１の先端部は駆動歯車７前部のハンド
ル軸６の両側稍々上方まで延設されると共に該延
設部１４，１４には対向して係合片１５，１５が
夫々一体に形成され、またハンドル軸６の駆動歯
車７の前部に形成された欠円軸部６′には両側に
係合突起１６，１６を有する係合体１７がスプリ
ング１８により傾動自在に係着し、クラツチプレ
ート１２が内側摺動位置にあるときにハンドル軸
６を何れか一方に回動すると、一方の係合突起１
６が一側の係合片１５に衝接して係合体１７を傾
動しその上部に乗り上げ、次いで他方の係合突起
１６が他側の係合片１５に係合してクラツチプレ
ート１２を上方に扛上できるように形成されてい
る。なお図中１９はクラツチプレート１２の摺動
案内板、２０はヨークプレート止板、２１は逆転
防止爪車、２２はその係止ストツパー、２３は係
止ストツパー切換レバーである。

本発明実施例は上記のように構成されているか
ら第３図においてハンドル軸６の反時計廻り方向
の回動を右ハンドル時の釣糸捲取り方向とし、ク
ラツチプレート１２の内側摺動位置に摺動する
と、クラツチプレート１２の作動部１１，１１は
ヨークプレート８をリール本体１側に押圧摺動し
てピニオン５を結合部３から分離せしめスプール
４を回転自在にすると同時にクラツチプレート１
２の延設部１４，１４の係合片１５，１５はハン
ドル軸６の両側稍々上部に進出する。

次にこの状態においてハンドル軸６を釣糸捲取
り方向である反時計廻り方向に回動すると、係合
体１７の上側にある突起１６が左側の係合片１５
に衝接して係合体１７を傾斜せしめながらその上
部に乗上げた後、係合体１７の下側にある突起１
６が右側の係合片１５に係合してクラツチプレー
ト１２をそのデツトポイントバネ１３の死点を越
えるまで上方に押圧してクラツチプレート１２を
外側摺動位置に復帰せしめ、ピニオン５は結合部
３に係合してスプール４を回動し釣糸を捲取るも
のである。

また左ハンドルでハンドル軸６を時計廻り方向
に回動して釣糸を捲取場合には、係合体１７の上
側の突起１６が右側の係合片１５に衝接して係合
体１７を第９図のように前記逆方向に傾斜せしめ
てその上部に乗り上げた後下側の突起１６が左側
の係合片１５に係合してクラツチプレート１２を
外側摺動位置に復帰せしめてピニオン５を結合部
３に係合して釣糸を捲取るものである。

しかしてこのハンドル変更の場合には予め逆転
防止爪車２１の係止ストツパー２２の係止方向を
切換レバー２３で逆に切換えることは勿論であ
る。

また前記実施例は片軸受型リールについて説明
したが、両軸受型リールにも適用できることは勿
論であり、この場合は通常の両軸受型リールに見
られるようにスプールを固着したスプール軸に結
合部を設けこの結合部にピニオンを係合するよう
にすれば良い。

本発明はデツトポイントバネを利用したクラツ
チプレート摺動方式のクラツチ着脱機構におい
て、クラツチプレートの先端二又状部をクラツチ
プレートが内側摺動位置にあるときにハンドル軸
の両側稍上部附近まで延設し、該延設部に対向し
て一対の係合片を設けると共にハンドル軸にはこ
れに衝接するように両側に突起を有する係合体を
スプリングで傾動自在に係着したので、ハンドル
軸を何れか一方に回動して係合体の一方の突起を
一側の係合片に衝接せしめることにより係合体を
傾動せしめてその上部に乗り上げ、この傾動した
係合体の他方の突起で他側の係合片を係合してク
ラツチプレートを外側摺動位置である釣糸捲取り
位置に自動復帰させることができ、従つて釣竿を
握つた手で操作できる操作性の良いクラツチプレ
ート摺動方式のクラツチ機構を左右ハンドル兼用
リールに適用することができ、しかもクラツチプ
レートはデツトポイントバネで確実に釣糸繰出位
置である内側摺動位置にセツトでき、またその構
成も従来の偏心カム方式に比し簡易で部品も少く
低コストである優れた特徴を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の縦断正面図、第２図は縦断側
面図、第３図は本発明要部の釣糸放出状態の正面
図、第４図は同要部の前側面図、第５図及び第６
図は同要部の右ハンドルの作動状態を示す夫々正
面図、第７図は第６図の前側面図、第８図は同要
部の釣糸捲取り状態の前側面図、第９図は同要部
の左ハンドルの作動状態を示す前側面図、第１０
図は本発明要部の分解斜面図である。 ２……スプール軸、３……結合部、４……スプ
ール、５……ピニオン、６……ハンドル軸、７…
…駆動歯車、８……ヨークプレート、１１，１１
……作動部、１２……クラツチプレート、１３…
…デツトポイントバネ、１４，１４……延設部、
１５，１５……係合片、１６，１６……係合突
起、１７……係合体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ハンドル軸の駆動歯者と噛合するピニオンを
   スプール又はスプール軸の結合部に着脱自在に嵌
   装し、デツトポイントバネで内側摺動位置と外側
   摺動位置に振り分け付勢されるクラツチプレート
   で前記ピニオンに係合したヨークプレートを作動
   せしめてピニオンをスプール又はスプール軸に着
   脱自在に連結するようにした魚釣用リールにおい
   て、前記クラツチプレートの先端部に形成した二
   又状部を前記クラツチプレートが内側摺動位置に
   あるときにハンドル軸の両側稍々上方部分まで延
   設すると共に該延設部に対向して係合片を形成し
   ハンドル軸には両側部に係合突起を有する係合体
   をスプリングで傾動自在に係着し、係合突起を前
   記クラツチプレートの内側摺動位置における係合
   片に衝接自在に形成したクラツチ着脱装置。