JPH0342063B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は型焼き食品の製造方法に係り、詳しく
は、食感に優れる玉子焼、厚焼その他の型焼き食
品を連続的に製造できる製造方法に係る。

従来から種々の型焼き食品が製造されている
が、何れの型焼き食品も通常ハンドワークでつく
つており、その収容が望まれている。この点か
ら、例えば、実公昭51−37037号に記載される型
焼き食品の製造装置も提案されているが、例え
ば、玉子を含む食品生地の如く生地風味を十分に
いかした焼成に適さないのが欠点である。

すなわち、第１図は従来例の製造装置の側面図
であつて、第１図において符号１は長い函状の機
台で、この長手方向に鉄板搬送装置２及び枠板搬
送装置３を機台の長手方向に内装する。この鉄板
搬送装置２、枠板搬送装置３は何れも機台内の両
側に添わせて長手方向に張架したる２条１組のチ
エンをチエンホイル２ａ，２ａ間とチエンホイル
３ａ，３ａ間とにそれぞれ張架し、鉄板搬送装置
２の各チエン間には鉄板を恰もキヤタピラ片の如
く、架渡す一方、枠板搬送装置３の各チエン間に
枠板をカタピラ片の如く架渡す。この枠板には、
食品の形状に応じて例えば梅焼型、ハンぺン型の
打貫き凹所が形成され、枠板の下には必ず鉄板が
ある状態で移行し、枠板に対し鉄板が底の如き役
目をする。

従つて、途中で製品反転装置７で製品が上下ひ
つくり返して上下からの焼く条件を代える際や、
鉄板から枠板より離れる際にも、打貫き凹所では
焼成された製品が保持されて残留し、この製品は
押出子９で叩かれてコンベヤ１０上に落され、コ
ンベヤ１０により送出される。すなわち、鉄板及
び枠板は矢印方向に移送され、その移動方向に沿
つて生地の注入機４、鉄板下向加熱用のシユパン
グ５、上面加熱用のシユパング６、製品反転装置
７、製品押え装置８、押出し子９が設けられてい
る。

この製造装置では、鉄板が薄く構成され、この
薄い鉄板が加熱されて生地が焼成されるため、熱
容量が小さく、移動の間に熱が放散され易く、更
に、熱伝導率が小さいために、鉄板の各部の温度
にバラツキが生じる。このため、玉子の生地等の
如く、ソフトさが要求される生地の焼成では、移
動の間常に鉄板を加熱する必要がある。また、焼
成のみであつては、生地の特徴たるソフトさが十
分に発揮できない。

本発明は上記欠点の解決を目的とし、具体的に
は、玉子の生地等から型焼き食品を製造する際
に、単に焼成のみでなく焼成後に蒸し焼きを加え
て食品生地をきわめてソフトに焼成できる製造方
法を提案する。

すなわち、本発明は焼成銅板の上面に着脱自在
に収容凹所を具える型枠板を合わせ、その収容凹
所に食品生地を充填して移送して焼成する際に、
はじめに焼成銅板の下面のみを加熱して型枠板の
収容凹所の食品生地を焼成し、その後、型枠板と
ともに食品生地を反転させ、その後、型枠板上に
木板を載置して焼成銅板の保有熱により蒸し焼き
することを特徴とする。

以下、第２図を中心として本発明法について詳
しく説明する。

なお、第２図は本発明法を実施する装置の一例
の側面図であつて、下段はとくにその装置の各過
程に対応して型枠の作動態様を示す。

まず、第２図において符号２０は型枠の移動機
構、２１は焼成銅板の移動機構それぞれを示し、
型枠移動機構２０は第１図に示すものと同様に２
組のチエン２０ａの間に型枠２０ｂがかけ渡され
ているが、型枠は２組のチエン間に載置されたま
まで着脱自在に構成する。また、焼成銅板の移動
機構２１も同様に２組のチエン２１ａの間に焼成
銅板２１ｂがかけ渡されているが、型枠と相違し
て固定し、とくに、各焼成銅板２１ｂは後記の木
板２５を介しての蒸し焼きの際に残存熱が供給で
きるような熱容量を持つように構成する。

次に、以上の構成の移動機構において、焼成銅
板の移動機構２１の上部に型板の移動機構２０を
配置し、この移動機構２０では始端Ａにおいて焼
成銅板２１ｂ上に型枠２０ｂが載置されるよう構
成する。すなわち、型枠２０ｂの両端は２組のチ
エン２０ａに係合されてチエン２０ａと共に矢印
方向に移送され、始端Ａに達すると、順次に送ら
れる型枠２０ｂは重ねられて順次に降下し、一連
の焼成銅板２１ｂにおいて１つおきの焼成銅板２
１ｂ上に型枠２０ｂが載せられる。型枠２０ｂは
焼成銅板２１ｂ上に載せられたままで移動し、Ｂ
のところに達すると、ホツパ２２から型枠２０ｂ
の収容凹所２０ｃ内に生地２３が充填される。

また、焼成銅板２１ｂの下面にガスバーナ等の
加熱源２４が設けられ、一連の銅板２１ｂが加熱
され、生地２３は下面２３ａから焼成される。符
号Ｃで示すところに達すると、型枠２０ｂは生地
２３を保持したままで反転装置２７により反転さ
れて隣接する焼成銅板２１ｂ（型枠２０ｂが重合
わされていない）上に重合わされる。つまり、生
地２３の上面２３ｂが隣接する焼成銅板２１ｂの
表面に接触し、上面２３ｂが焼成される。なお、
ホツパ２２は通常ピストン式等の押出装置２２ａ
と一体に構成し、ピストン２２ａの往復動により
所定量の生地が収容凹所２０ｃ内に滴下できれば
良い。

次に、生地２３の両面２３ａ，２３ｂがそれぞ
れ個別的に焼成された後、型枠２０ｂの上に木板
２５を重ねて収容凹所２０ｃ内の生地２３を閉塞
する。木板２５は移送チエン２６によつて自動的
に移送できるよう構成し、この移送チエン２６の
移動装置は符号Ｄで示すところで木板２５が供給
できるように構成する。このように木板２５によ
つて生地２３を収容凹所２０ｃ内の生地２３を閉
塞すると、生地２３は断熱性のある木板２６で閉
塞される一方、銅若しくはその合金からなつて熱
伝導性に優れて全体にわたり均一に保有熱を持つ
焼成銅板２１によつて加熱されるため、外部から
熱を加えることなくとも良好に蒸し焼きできる。

すなわち、焼成銅板２１ｂがＢ〜Ｃを経て加熱
源２４によつて加熱される。しかし、この間に与
えられる熱は焼成銅板２１ｂが熱伝導性にすぐれ
るため、各部に均一に分布されている。この状態
でＤの帯域に入り、木板２５により蓋を閉められ
ると、生地２３の内部には多量の水分が含まれて
いることから、生地２３は外部から熱を与えるこ
となく良好に蒸焼きできる。

なお、第１図に示す例の如く、焼成銅板に代つ
て鉄板からも構成することもできると思われる
が、銅板に較べると熱伝導性等が劣るため、仮
に、鉄板を十分に保有熱を持つように構成して
も、各部を均一に加熱しかつ保有熱を持つように
することがむづかしく、仮りに、本発明の如く木
板で蓋を閉めて生地を全体にわたつて蒸し焼きす
ることがむづかしい。

また、蒸し焼き後、型枠２０ｂは製品が支持さ
れたままで取出しコンベヤ２６上に移送され、コ
ンベヤ２６上で型枠２０ｂから製品が除去され、
型枠２０ｂは移送装置２７によつてチエン２０ａ
に係合されて移送される。

以上詳しく説明した通り、本発明は焼成板を銅
若しくはその合金から構成し、焼成後の生地は木
板によつて焼成板からの放散を防止して生地を蒸
し焼きするもので、玉子等の生地はきわめてソフ
トに製造でき、全過程はきわめて容易に自動化で
きる。

また、その製造装置を第２図に示す如く構成す
ると、型枠と焼成銅板とは同期させて駆動する必
要がなく、型枠の移動機構の一部、例えば第２図
でＥ〜Ａまで型枠を移送する際に、早戻り機構等
によつて型枠を移送できるよう構成することもで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例に係る製造装置の側面図であ
り、第２図は本発明法を実施する装置の一例の側
面図である。 符号２０……型枠の移動機構、２０ａ……チエ
ン、２０ｂ……型枠、２０ｃ……収容凹所、２１
……焼成銅板の移動機構、２１ａ……チエン、２
１ｂ……焼成銅板、２５……木板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 焼成銅板の上面に着脱自在に収容凹所を具え
   る型枠板を合わせ、その収容凹所に食品生地を充
   填して移送して焼成する際に、はじめに焼成銅板
   の下面のみを加熱して前記型枠板の前記収容凹所
   の食品生地を焼成し、その後、前記型枠板ととも
   に食品生地を反転させ、その後、前記型枠板上に
   木板を載置して前記焼成銅板の保有熱により蒸し
   焼きすることを特徴とする型焼き食品の製造方
   法。