JPH0341884Y2 - - Google Patents

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JPH0341884Y2
JPH0341884Y2 JP2918986U JP2918986U JPH0341884Y2 JP H0341884 Y2 JPH0341884 Y2 JP H0341884Y2 JP 2918986 U JP2918986 U JP 2918986U JP 2918986 U JP2918986 U JP 2918986U JP H0341884 Y2 JPH0341884 Y2 JP H0341884Y2
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molten steel
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gas amount
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Description

【考案の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本考案は連続鋳造における溶鋼注入時の吹込み
ガス量制御装置に関し、詳しくは連続鋳造鋳型へ
注入される過程の溶鋼流に浸漬ノズルを介して不
活性ガスを吹込み、溶鋼中の不純物の除去やノズ
ル詰まり等を防止することにより高品質の鋳片を
製造する連続鋳造設備における前記吹込みガス量
制御装置に関する。 〔従来の技術〕 周知のように鋼の連続鋳造においては、取鍋で
搬送されてきた溶鋼をタンデイツシユに一旦貯留
し、該タンデイツシユより浸漬式ノズルを介して
鋳型に注入することが普通である。 この際溶鋼にはAl2O3の如き脱酸生成物、ある
いはパウダー、スラグ、硫化物等の不純物(以
下、これらを総称して介在物と言う)が含まれて
おり、この介在物が鋳片に捕捉され、残留すると
表面疵やノロ噛みと称される内部欠陥が発生する
等の種々の弊害が生じる。また前記介在物の内、
Al2O3等はノズルを通過する際にその内面に付
着、堆積してノズルを閉塞せしめ安定した操業に
支障を来すことが多い。 このため従来より前記介在物を溶鋼から効率的
に分離し、浮上せしめる手段、および前記浮上せ
しめた介在物を鋳型内に供給されるパウダーによ
つて捕捉する手段等が提案され、一部では実用化
されるようになつている。例えば特公昭49−
28569号公報では前記鋳型へ注入される過程の溶
鋼流にArガス、N2ガス等の不活性ガス(以下、
単にガスと言う)を吹込むことによつて前記介在
物を効果的に浮上せしめる技術が開示されてお
り、近年広く採用されている。また実公昭56−
48440号公報には前記ガスの吹込みの効果をより
高めるためのノズルの提案が行われている。 しかしながら前記ガス吹込みによつて介在物の
浮上効果を高め、ノズルの閉塞を防止するに際し
ては、作業上の困難を伴う場合が多い。 すなわち前記ガスの吹込み量は或る程度を超え
るとガスの流量が不安定となり、鋳型内の湯面が
大きく乱れ、ノズルに溶鋼が流入しなくなる現
象、つまりボイルと称される現象が発生するよう
になる。このようなボイル現象が激しくなると極
端な場合、ブレークアウトに至ることもある。こ
のため従来はオペレーターが過去の経験より前記
ボイル現象の生じない領域でガスを吹き込むよう
に、常に鋳型の湯面状態を監視しながら操業する
ことが一般的であつた。ところが特にタンデイツ
シユ内の溶鋼深さや、鋳造速度に変動があつた
り、鋳造幅の変更を行う場合、オペレータの判断
で適正な調整、制御を行うことは困難であり、前
記ボイル現象が多発していた。 一方、製造コスト低減の目的で、鋼種に応じて
はガスの吹込みを少なくし、その消費量を低減す
る試みもなされている。ところが従来の方法では
それを定量的に把握する手段がなかつたことから
作業者が目視により、吹き込み状況を判断するこ
とが普通であり、この結果吹込みガス量が少なく
なり過ぎてノズル詰まりを生じるなど安定した操
業は困難であつた。 〔考案が解決しようとする問題点〕 従来手段におけるガスの吹込み量の設定や制御
は前述したようにオペレーターの経験や勘に頼つ
て行われており、ボイル限界、ノズル詰まり限界
および品質の安定化を図るために不活性ガスの吹
き込みを定量的に把握し、それを実操業に適用す
る試みは全くなかつた。このため、鋼種、サイ
ズ、鋳造速度、タンデイツシユ内溶鋼深さなどの
操業条件の変化に的確に追従した前記ガス吹込み
量の制御は行い難く、またボイル現象の発生に起
因する操業の不安定やブレークアウト等の大きな
トラブルを懸念するあまりガスの吹込み量は少な
目となりがちであつた。この結果、介在物の除去
が十分に行われず、鋳片に残留する介在物の個数
にもバラツキが多くなり、鋳片品質の不安定化を
招いたり、前述したようにノズル詰まりによる操
業トラブルを生じていた。特にブリキ材や薄板材
等のように品質上にシビヤな要求がなされる鋼種
に対しては、ボイル現象は発生しなくても前記介
在物の残留が大きな問題となつていた。 而してオペレーターは前記ボイルやノズル詰ま
り現象の回避、及び品質の安定化のために高温下
で常に湯面監視に神経を尖らせねばならず精神
的、肉体的負担が極めて大きかつた。 本考案は溶鋼注入時のガス吹込みにおける前記
従来の問題点を解決するために創案されたもので
あり、前記操業条件の変動に対しても的確に追従
してボイル現象を発生させることなく、経済的に
要求される品質を得るために最適な吹込み量を確
保し、これによつて鋳片の品質向上、ノズル詰ま
り防止等を可能ならしめる装置を提供するもので
ある。 〔問題点を解決するための手段〕 第1図は一般的な連続鋳造設備に本考案を実施
した例を示す構造図である。図において1は取
鍋、2はタンデイツシユである。タンデイツシユ
2に、一旦貯留された溶鋼3は浸漬式ノズル4を
介して鋳型5に注入される。本実施例の浸漬式ノ
ズル4はタンデイツシユ2の底壁に装着された上
ノズル41、前記上ノズル41に接してタンデイ
ツシユ2の底部に装着されたスライデイングノズ
ル42、前記スライデイングノズル42の可動板
と一体的に取つけられた注入ノズル43とから構
成されている。6はガス供給系を示し、その先端
は前記上ノズル41に接続され、該上ノズル41
を介して溶鋼流中にガスの吹き込みが行われる。 10は本考案の吹込みガス量制御装置である。
この吹込みガス量制御装置10は、許容ガス量設
定装置101、許容ガス量設定装置101から入
力される101a,101b及び後述する101
c等の設定許容ガス量のいずれかの許容ガス量を
選択する選択装置102、選択装置102で選択
された設定許容ガス量を実際操業に適用するガス
量に補正する補正装置103、補正装置103か
らのガス量に基づいて吹込みガス量を制御する制
御装置104とから構成されている。 許容ガス量設定装置101は、少なくとも後述
する当該操業時における許容ノズル詰まりガス量
を設定する手段101a、及び許容ボイルガス量
を設定する手段101bとを備えている。設定許
容ノズル詰まりガス量(101aで設定された許
容ノズル詰まりガス量を設定許容ノズル詰まりガ
ス量と言い、同様に101bで設定された許容ボ
イルガス量を設定許容ボイルガス量と言う)は当
該操業時に実測される溶鋼ヘツドHと、鋳片8の
巾W及び厚みD、鋳造速度Vcより求められる溶
鋼流量Vlとから所定の演算式に基づいてノズル
詰まり限界ガス量を算出し、それに基づいて設定
される。又設定許容ボイルガス量は予め求められ
たボイル発生限界ガス量と前記溶鋼流量Vlとの
相関に基づき当該操業時の前記溶鋼流量Vlとか
ら設定される。 選択装置102は、ガス吹込み最大許容値を設
定許容ボイルガス量以下に、最小許容値を設定許
容ノズル詰まりガス量以上とし、かつ最経済性も
しくは操業安定性を基準として、前記許容ガス量
設定装置101から入力される設定許容ガス量、
つまり設定許容ノズル詰まりガス量と設定許容ボ
イルガス量のいずれかを選択する。 補正装置103は、前記選択装置102で選択
された設定許容ガス量(前記設定許容ノズル詰ま
りガス量や設定許容ボイルガス量等を設定許容ガ
ス量と言う)を、予め求めたノズル特性の変化に
対応する有効吹込み量の変動係数に基づいて補正
する手段103a、及び前記設定許容ガス量を標
準ガス量に換算する手段103bのいずれか一つ
もしくは双方を備えている。制御装置104は補
正装置103からのガス量に基づいてガス供給系
6の流量調節弁60を調節し、吹込みガス量を制
御する。 〔作用〕 周知のように上ノズル41(該上ノズル41の
如く溶鋼中にノズルを吹込むノズルを以下単にノ
ズルと言う)から吹込まれたノズルは微細な気泡
となつて溶鋼中に混合し、前記溶鋼中の介在物を
捕捉して浮上する。この結果、溶鋼より介在物が
除去され、製造された鋳片の品質が向上する。従
つて前記ガスによる介在物除去効果を促進するに
は、吹込まれたガスが球形、もしくはそれに近似
した形状の微細気泡となつて溶鋼中に均等に混合
する必要がある(以下これを健全気泡と称する)。
このためには溶鋼中に吹き込まれるガス圧を当該
前記ノズルの吹込み部における溶鋼の総圧力(総
圧力とは溶鋼流による動圧と溶鋼ヘツドによる静
圧および大気圧を加えたものを云う)より所定圧
以上高い圧力にすることが極めて重要である。 本考案者らは前記健全気泡を得るために実操業
において種々実験、研究を繰り返した。その結
果、吹込みガス量を当該圧力、温度下における実
際の体積(これを実体積という、尚本考案におい
てガス量とは特記なき場合該実体積と云うものと
する)をVgで表すと、下記(1)式に示すように溶
鋼の通過量、つまり溶鋼流量に対応してガス量を
適正に制御することによつて前記従来の問題点を
効果的に解決する方法を発明し、既に特許出願し
た。即ち、 Vg/Vl=R ……(1) 但し、Vg;吹込みガス量(実体積m3/sec) Vl;溶鋼流量(溶鋼の体積m3/sec) 本考案は前記発明の更に改良を図り、実際の操
業に正確に適合した吹込みガス量制御を可能なら
しめる装置を提供するものである。 而してまず溶鋼流量とガス量との相関について
説明する。 前記ガス量は、ガス吹込み部における溶鋼の総
圧力を溶鋼ヘツド、ノズルの内径、溶鋼流速等か
ら求め、溶鋼の総圧力が作用している溶鋼中に気
泡を発生させるために必要なガスの流速を求め、
次いでこのガスの流速と、さらにガス吹込み部の
気孔径及び気孔の個数とから下記(2)式のように求
められる。 Vg=UAr×(π/4)d2×n ……(2) 但し、UAr;ガス流速(m/sec) d:ノズルのガス吹込み気孔径(m) n;ノズルのガス吹込み気孔個数 また溶鋼流量は前記ノズルの内径と溶鋼流速、
または製造される鋳片の幅W、厚みD、および鋳
造速度Vcとから下記(3)式で求めることができる。 Vl=Ust×S=W×D×Vc ……(3) 但し、Ust;ノズル内溶鋼流速(m/sec) S;ノズル開度(断面積)(m2) W;鋳片の幅(m) D;鋳片の厚み(m) V;鋳造速度(m/sec) 第2図は前記健全気泡を得るためのガス量Vg
と溶鋼流量Vlとの相関を示す図であつて、縦軸
にガス量Vgを横軸に溶鋼流量Vlを示す。実線l
は前記ガス圧が溶鋼の総圧力に打ち勝つて健全気
泡をうるために必要な下限であり、実線l以上の
ガス量Vgであれば安定して健全気泡を得ること
ができる。この実線lは例えば本考案者らの実験
結果によると下記(4)式で表されるような溶鋼ヘツ
ドHと、溶鋼流量Vlの関数で表すことができた。 Vn=〔λ1・Z/(λ2+λ3・Z)〕e ……(4) 但しVn;健全気泡発生に必要なガス量(m2
sec) Z;Z=λ4+λ5・H−λ6・Vl2 H;ガス吹き込み部よりタンデイツシユ内湯
面までの距離(溶鋼ヘツド m) 尚、λ1〜λ6及びeはガス及び溶鋼の密度やノズ
ルの径、及びノズルのガス吹込み気孔径等の条件
から決定される定数である。 また実線mはノズル詰まりを防止するために必
要なガス量、即ちノズル詰まり限界ガス量を示す
ものであつて、前記実線lにノズルの使用開始か
らの経過時間(累積鋳造時間)およびAl2O3など
介在物析出量等の関係から経験的に設定される補
正率を加味した量であつて、例えば鋳造速度Vc
が平均1.6m/min、鋳片幅Wが580〜1350mm、鋳
片厚みDが250mm、タンデイツシユ容量が60屯、
スライデイングノズル装着の彎曲型スラブ連続鋳
造設備においては下記(5)式のようになる。 Vm=Vn(1+t/1×104) ……(5) 但し、Vm;ノズル詰まり限界ガス量(m2
sec) t;累積鋳造時間(sec) この第2図から判るように溶鋼流量Vlに対す
るガス量Vgには強い相関がある。 一方、ノズル内で溶鋼流中にガスを吹込む際
に、吹き込まれるガス量が多くなると浮力が増し
ていき、溶鋼のスムーズな流れを困難化し、これ
がある限度を超えると溶鋼の流下を阻止して溶鋼
が下方へ流れなくなつたり、あるいは断続的な流
下となり、またこの現象が一度発生すると溶鋼流
中の圧力が急激に下がり、ガス供給系のガスが一
挙に溶鋼流中に流れ込み、前記現象は益々激しく
なつてボイル現象が発生する。 このボイル発生時のガス量と溶鋼流量との関係
にも前記健全気泡を得るときと同様に強い相関が
ある。 第2図における実線Xが前記ボイル限界から求
められる前記相関を示すものであり実線X以下で
あればボイルを生じることなく、最大ガス吹き込
み量が確保できるほぼ限界、即ちボイル発生限界
ガス量である。この場合の前記ボイル発生限界ガ
ス量の具体的な式は、例えば前記彎曲型スラブ連
続鋳造設備の実験結果では下記(6)式で表すことが
できる。 Vg=0.0267×Vl+5.3×10-5 =0.0267×(W・D・Vc)+5.3×10-5
……(6) 前記ガス量Vgはガス体積が最大となり、溶鋼
との体積の関係が大きく左右される溶鋼注入時の
前記ノズル内における総圧力の最も小さい部位、
即ち最小総圧力部位で特に精度良く設定でき、そ
れに基づいて吹込み制御を行うことが効果的であ
る。 第3図は実操業におけるボイル発生状況を、前
記最小総圧力部位の溶鋼流量Volとガス量Vogと
の関係に基づいて調査した結果の一例を示す図表
である。(最小総圧力部位における前記Vg,Vl
を以下Vog,Volと表示する。) 図において縦軸がガス量Vogを、また横軸が溶
鋼流量Volを表し、〇印はボイル発生のない正常
なものを、また×印はボイル発生を示している。
本例で直線aは、Vog=0.029・Volの関係を示す
線であり、前記ボイル発生限界ガス量に相当し、
ボイル発生を生じさせることなく最大ガス吹込み
量を確保できる限界である。 本考案においては前記知見を積極的に活用して
許容ガス量設定装置101に活用した。即ち前記
許容ガス量設定装置101の手段101aに、前
以つて連続鋳造設備や制造鋼種、鋳造時間等に応
じて前記(4)〜(5)式に示すような演算式を記憶せし
めておき、当該操業時に実測される溶鋼ヘツドH
や、鋳片8の幅W及び厚みD、鋳造速度Vc等を
逐次入力する。手段101aにおいては溶鋼流量
Vlを算出すると共にこの溶鋼流量Vlと溶鋼ヘツ
ドHとから前記演算式に基づいて当該操業時のノ
ズル詰まり限界ガス量を算出し、それに基づいて
過去の経験から得られた余裕代を加味して許容ノ
ズル詰まりガス量を設定する。手段101bにも
同様に、予め連続鋳造設備や製造鋼種等に応じて
過去の実操業で得られた前記第2図のX、又は前
記(6)式、又は第3図の直線aの如き相関式に基づ
くボイル発生限界ガス量と溶鋼流量との相関が記
憶せしめられており、当該操業時に時々刻々入力
された鋳片8の巾W及び厚みD、鋳造速度Vc等
から溶鋼流量Vlを算出し、この溶鋼流量Vlにお
けるボイル発生限界ガス量を求め、それに基づい
て前述のように過去の経験より得られた余裕代を
加味して許容ボイルガス量を設定する。 許容ガス量設定装置101には前記許容ノズル
詰まりガス量を設定する手段101a、及び許容
ボイルガス量を設定する手段101bを必須とす
るが、これらの許容ガス量以外に例えば鋳片の品
質上から溶鋼流量に対する最適なガス量を設定す
る手段を付加することも可能であり、必要に応じ
て適宜採用すればよい。この品質上から設定する
手段としては例えば実操業において製造された鋳
片の断面サンプルについてサルフアプリント法に
よつて検出される、品質管理指標として一般的に
用いられるブラツクスポツトの個数と、ガス量と
の関係から設定することができる。ブラツクスポ
ツトとは溶鋼中に吹き込まれたガスが気泡となつ
て鋳片に取り込まれ、これが前記サルフアプリン
トによつて黒点となり現れたものであり、ガス量
が多くなるとそれに伴つてその個数は増え、逆に
ガス量が少なくなるとブラツクスポツト個数も減
少する。本考案者らの実験結果では単位断面積当
たりのブラツクスポツト個数と介在物の種別およ
びその鋳片への残留量には密接な関係があり、ブ
ラツクスポツト個数が多くなるとノロ噛みが増
え、ブラツクスポツト個数が少なくなるとAl2O3
クラスターの評点が高くなることが知見された。
この知見に基づいてブラツクスポツト個数とガス
量との関係について調査研究を行つた結果、両者
には下記(7)式で示すような関係式が成立すること
が判つた。 BSN=β(α・Dg3・Vg−Vc) ……(7) 但しBSN;ブラツクスポツト個数(個/1250
cm2) Dg;吹込み部位でのガスの気泡径(m) Vg;ガス実体積(m2/sec) Vc;鋳造速度(m/sec) β;比例定数 α;ガス吹込み気孔径、溶鋼粘性等から定
まる定数 従つて当該操操業時における鋳造速度Vc、お
よび吹込みガス圧等からガス気泡径Dgが求めら
れると所定のブラツクスポツト個数を得るための
ガス実体積Vgが決定され、溶鋼流量に対するガ
ス量を的確に設定することができる。前記第2図
におけるyはこのブラツクスポツト個数に基づい
て求められた許容品質ガス量を示すものである。 さて、前記第2図に示すようにボイル発生限界
ガス量Xは、ノズル詰まり限界ガス量mより大い
値である場合が多いが、溶鋼流量が少なくなつた
り、溶鋼ヘツドが高くなつたりすると、ノズル詰
まり限界ガス量mがボイル発生限界ガス量より大
きくなる範囲が広がる。一方、第2図から判るよ
うにガス量をノズル詰まり限界ガス量mとボイル
発生限界ガス量Xの間の範囲となるよう当該時点
の溶鋼流量に対してガス量を制御すると、操業条
件の変動に的確に追従してボイルを発生させるこ
となく、経済的なガス量で要求される品質を効果
的に得ることができる。又実際操業においてはボ
イルが発生すると操業ができなくなることからガ
ス吹込みの最大許容値はボイル発生限界ガス量を
基準に設定する必要があり、これに対し最小許容
値は前記ボイル発生限界ガス量以下のノズル詰ま
り限界ガス量mを基準として設定する必要があ
る。即ち前記ノズル詰まり限界ガス量mがボイル
発生限界ガス量Xより大きくなる範囲(第2図の
B区間)では吹込みガス量の最大許容値であるボ
イル発生限界ガス量Xが最小許容値であるノズル
詰まり限界ガス量mより小さくなるが最大許容値
であるボイル発生限界ガス量を基準として許容ガ
ス量を設定し、ボイルの発生防止を優先して安定
した操業が行えるようにする必要がある。 従つて前記最大許容値と最小許容値の範囲にお
いて例えば吹込みガスの原単位を少なくし、目的
とする品質の鋳片を高歩留りで製造するなどの最
経済性を優先する操業を行う場合は、ノズル詰ま
り限界ガス量mに近い値に許容ガス量を設定すれ
ば良い。又ボイルの発生を防止しつつ可能な限り
ガス量を多くし、ノズル詰まり等を全く生じさせ
ない操業の安定性を優先する場合にはボイル発生
限界ガス量に近い値に許容ガス量を設定すれば良
い。勿論、前記最大許容値と最小許容値の範囲で
あれば例えば製造される鋼種に応じてその品質上
から求まる前記許容品質ガス量yから許容ガス量
を設定してもよい。 本考案の選択装置102は、前述したような判
断基準、即ちガス吹込み最大許容値を前記設定許
容ボイルガス量以下に、最小許容値を前記設定許
容ノズル詰まりガス量以上とし、この範囲内で最
経済性もしくは操業安定性から当該操業時に最適
なガス量を判断する機能を有し、この判断基準に
基づいて前記許容ガス量設定装置101から入力
される設定許容ガス量、例えば設定許容ノズル詰
まりガス量と設定許容ボイルガス量、あるいは必
要に応じて採用される設定許容品質ガス量のいず
れかを選択する。 前記選択装置102で選択された設定許容ガス
量は、前述したような溶鋼流量と溶鋼ヘツドから
ガスの実体積として得られる。実操業においては
ガス供給系6の流量調整装置、例えば第1図に示
す流量調節弁60におけるガス量の制御は標準温
度、標準圧力(0℃、1atm)下における体積
(前記実体積に対して以下、標準体積と言う)に
よつて制御する必要がある。前記実体積を標準体
積に換算するには圧力および温度の補正を下記(8)
式によつて行えば良い。 Vng=(P/Po)×(273/T)×Vg ……(8) 但し Vng;ガスの標準体積(Nm2/sec) Po;大気圧(10336Kg/m2)、 P;ガス圧力(Kg/m2) T;ガス温度(K) Vg;ガスの実体積(m3/sec) 尚、溶鋼温度の変化は通常殆ど無く、その変化
の影響は圧力変化の影響に比しきわめて少ない。
従つて実操業においては溶鋼温度変化は無視し、
圧力変化の補正のみで十分である。 溶鋼の総圧力は浸漬式ノズル4の上ノズル41
から鋳型5内に位置する注入ノズル43の下端ま
での間で大きく変動するが、ボイル現象発生に大
きな影響を与える部位は前記圧力の最も小さいと
ころとなる。前記最小総圧力部位における圧力を
求める方法としては、該最小総圧力部位に圧力検
出装置を設けて直接検出することも考えられる
が、極めて高温の溶鋼が脈動しながら流下する位
置での検出はハード的な制約が多く、精度の高い
測定は期待し難い。而して例えば圧力演算装置1
05を用い、周知のベルヌーイの式を利用して下
記(9)式のように算出して求めればよい。 P={Po+ρ・H−1/2)・(ρ/g) ・(Ust/κ)2−Δp}N ……(9) 但し、g;重力の加速度(m/sec2) κ;流速抵抗 ρ;溶鋼の比重(Kg/m3) Δp;ノズル内の圧力損失(Kg/m2) N;指数 (9)式における指数Nは理想条件では1である
が、実際操業においてはガス吹込み位置からメニ
スカスまでの距離やノズルの実際の内径、溶鋼の
流速等により計算上から求められる総圧と実測上
の総圧に誤差の生じることが多々ある。このよう
な場合には指数Nを調整することによつて前記誤
差をなくすることができる。例えばガス吹き込み
位置からメニスカスまでの距離が500mm、ノズル
内径が110mmのときには前記指数Nを2とするこ
とによつて前記(9)式およびこの(9)式に基づいて前
記(8)式で算出されたガス実体積は、計算上から求
められる値と、オフライン等で試験的に実測した
値と極めて近似したものとなり、実用上前記(9)を
用いても問題無いことが確認された。 補正装置103の手段103bは前記選択装置
102で選択された設定許容ガス量を前述したよ
うな手段で標準ガス量に換算する機能を有する。 尚、前記標準ガス量への換算は前述した許容ガ
ス量設定装置101において、許容ガス量を設定
する際に同時に行つても良い。この許容ガス量の
設定と同時に行う場合は例えば設定許容ボイルガ
ス量は前記(6)式および(8)〜(9)式を複合して実験に
より求めた下記(10)式または、下記(11)式に示す近似
式で設定することも可能である。 Vng=〔1+(ρ/po)・H−(1/2)・(ρ/
g) ・(W・D・Vc/S・κ)2N ×(0.0267・W・D・Vc+5.3×10-5) ……(10) Vng=H0.7・(0.0267・W・D・Vc+5.3×10-5
……(11) ところで溶鋼中にガスを吹込むノズルは一般的
に第4図に示すように、気孔密度が調整されたポ
ーラス耐火物で形成されたガス吹込み部22を有
し、このガス吹込み部22からガスの吹込みが行
われる。ガス吹込み部22は第4図aに示すよう
に緻密質耐火物層23に埋設して構成されたり、
第4図bに示すように鉄皮24等で包囲された内
側を全体的にポーラス耐火物層とするなどして構
成されている。ところが前記ガス吹込み部22を
構成するポーラス耐火物層は同一構造で、かつ同
一仕様の製造条件でも、製造された気孔径やその
密度は微妙に異なることが普通である。加えて前
記鉄皮24とポーラス耐火物層との間、あるいは
ポーラス耐火物層と緻密耐火物層23との間から
リークが発生するなどして、ノズルに流入したガ
スが全て設定通りには溶鋼中に吹込まれず、リー
クとして逃げる場合もある。従つて溶鋼中に吹込
まれる有効なガス量(以下有効吹込み量と言う)
はノズル毎に変化することが普通である。 そこで本考案者らは前記ガス吹込み部22の溶
鋼流通孔21に面する表面積、気孔径のばらつき
や単位表面積当たりの気孔密度が所定の範囲内に
あり、有効吹込み量が設定範囲である特性を有す
るノズルを基準ノズルとして用い、前述したボイ
ル発生限界ガス量を求め、これから設定許容ボイ
ルガス量を設定した。基準ノズル以外のノズルの
有効吹込量を求めるにはタンデイツシユに所定の
ノズルを装着して実際の操業を行い、その操業中
に溶鋼流量を任意量で一定とし、ガス量のみを順
次変化させて実際にボイルを発生させ、このボイ
ル発生が始まつた時点のガス量VZgを実測した。
一方前記設定許容ボイルガス量から、前記の任意
量で一定とした溶鋼量に対して、基準ノズルでボ
イル発生の開始が予定されるガス量Vrgが求めら
れるため、前記実測ガス量VzgとVrgとの比K=
Vzg/Vrgを求め、この比Kを有効吹込み量の変
動係数として用いた。 このようにして求めた変動係数Kを本考案では
補正装置103の手段103aに入力し、103
aにおいて選択装置102で選択された設定許容
ガス量、あるいは前記手段103bで換算された
標準ガス量を逐次補正する。而して本考案の補正
装置103は前記設定許容ガス量を補正する手段
103a及び許容ガス量を標準ガス量に換算する
手段103bの双方を備えること、あるいはその
何れかを備えることでもよい。 前記補正装置103で補正されたガス量は制御
装置104に入力される。制御装置104は前記
補正装置103から入力されたガス量に基づいて
ガス供給系6の流量調節弁60の開度等を調節
し、吹込みガス量を当該操業時溶鋼流量に対応し
た最適な値に制御する。 尚、第1図において7は鋳片8の速度検出装置
であり、該鋳片移動速度より鋳造速度を検出でき
る。9は前述したタンデイツシユ2の重量を検出
する重量検出装置、61はガスの流量計である。 〔実施例〕 5千屯/日の前記彎曲型スラブ連続鋳造設備に
本考案の吹込みガス量制御装置を設けた。 許容ガス量設定装置101、前記許容ガス量設
定装置から入力される101a乃至101cの設
定許容ガス量のいずれかを選択する選択装置10
2、前記選択装置102で選択された設定許容ガ
ス量を実際操業に適用するガス量に補正する補正
装置103、前記補正装置103からのガス量に
基づいて吹込みガス量を制御する制御装置104
をマイクロプロセツサーを搭載した調節計(シン
グルループコントローラ)で構成した。 250mm厚×1200mm幅の形鋼向けのAlセミキルド
鋼を製造する際に、前述ガス量制御装置を用い、
ガス量制御を行いつつ操業した。 本実施例における操業条件は第1表に示す通り
であり、本鋼種ではノズル詰まりが多発する傾向
にあるボイル限界を指標として操業を行つた。
〔考案の効果〕
以上詳述したように本考案の実施により溶鋼注
入時の不活性ガスの吹き込み量を時々刻々の操業
の変化に対応して的確に制御できるようになつ
た。この結果、鋳片の品質向上やノズル詰まりを
著しく軽減できた。
【図面の簡単な説明】
第1図は一般的な連続鋳造設備に本考案を実施
した例を示す構造図、第2図はボイル限界、健全
気泡発生限界、ノロ噛み発生限界を求めた際にお
ける通過溶鋼量とガス実体積との相関の一例を示
す図表、第3図は実操業におけるボイル発生状況
を、通過溶鋼量Vlと吹き込みガスの実体積Vgと
の関係に基づいて調査した結果の一例を示す図
表、第4図は一般的なガス吹込み用ノズルの断面
構造図である。 1;取鍋、2;タンデイツシユ、3;溶鋼、
4;浸漬ノズル、41;上ノズル、42;スライ
デイングノズル、43;注入ノズル、5;鋳型、
6;ガス供給系、60;流量調節弁、7;速度検
出装置、8;鋳片、9;重量検出装置、10;吹
込みガス量制御装置、101;許容ガス量設定装
置、102;選択装置、103;補正装置、10
4;制御装置、105;圧力演算装置。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 タンデイツシユに貯留された溶鋼を、浸漬式ノ
    ズルを介して不活性ガスの吹き込みを行いつつ連
    続鋳造鋳型に注入するに際して前記吹き込みガス
    量を制御する装置であつて、少なくとも、(イ)当該
    操業時に実測される溶鋼ヘツドと、鋳片の巾、厚
    み、鋳造速度より求められる溶鋼流量とから、下
    記式に基づいて健全気泡発生必要ガス量Vnを算
    出する手段と、予め求めたノズル特性の変化に対
    応する有効吹き込み量の変動係数に基づいて補正
    する手段103aと、この補正値に基づいて許容
    ノズル詰まりガス量を設定する手段101a、及
    び予め求められたボイル発生限界ガス量と前記溶
    鋼流量との相関に基づき当該操業時の前記溶鋼流
    量から許容ボイルガス量を設定する手段101b
    とを備えた許容ガス量設定装置101と、(ロ)ガス
    吹き込み最大許容値を前記許容ボイルガス量以下
    に、最小許容値を前記許容ノズル詰まりガス量以
    上とし、かつ最経済性もしくは操業安定性を基準
    として前記許容ガス量設定装置から入力される設
    定許容ガス量のいずれかを選択する選択装置10
    2と、(ハ)前記選択装置で選択された設定許容ガス
    量を、予め求めたノズル特性の変化に対応する有
    効吹き込み量の変動係数に基づいて補正する手段
    103a、及び前記設定ガス量を標準ガス量に換
    算する手段103bのいずれか一つもしくは双方
    を備えた補正装置103と、(ニ)前記補正装置から
    のガス量に基づいてガス供給系の流量調整装置を
    調節し、吹き込み量を制御する制御装置104と
    から構成されたことを特徴とする吹き込み量制御
    装置。 但し、 Vn=〔λ1Z/(λ2+λ3.Z)〕e Z=λ4+λ5.H−λ6.Vl2 Vl=Ust×S=W×D×Vc Vn;健全気泡発生に必要なガス量(m2
    sec) H;ガス吹き込み部よりタンデイツシユ内湯
    面までの距離(溶鋼ヘツドm) λ1〜λ6及びe;定数 Ust;ノズル内溶鋼流速(m/sec) S;ノズル開度(m2) W;鋳片の幅(m) D;鋳片の厚み(m) Vc;鋳造速度(m)
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