JPH034186B2 - - Google Patents
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- JPH034186B2 JPH034186B2 JP62256748A JP25674887A JPH034186B2 JP H034186 B2 JPH034186 B2 JP H034186B2 JP 62256748 A JP62256748 A JP 62256748A JP 25674887 A JP25674887 A JP 25674887A JP H034186 B2 JPH034186 B2 JP H034186B2
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Landscapes
- Non-Alcoholic Beverages (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は種子(以下、核という)の大きい果
実、例えば桃、あんず、梅、プラム、マンゴ、等
の核果類果実から果汁を製造する方法に関する。 [従来の技術] 従来、核果類の果実飲料として桃の飲料はネク
ター、混濁果汁、混合果汁があるが、これは次の
ような製造法によつて得られていた。 第1の製造法(クレモ方式)は、水洗いした原
料果実を加熱して熱破砕した後、荒濾過して皮と
核の除去を行い、その後果肉を遠心分離して果汁
を分離し、この果汁に適宜の添加剤を調合した後
殺菌、充填、密封の工程を順次経て果汁飲料とす
る。 また、第2の製造法は、水洗いした原料果実を
2つ割にして除核した後、果肉を蒸煮して破砕
し、その後、このものを裏ごし及び遠心分離して
果汁を分離し、この果汁に適宜の添加剤を調合し
た後殺菌、充填、密封の工程を順次経て果汁飲料
とする。 この第1及び第2の製造法にはいずれも果肉に
熱を加えて破砕する熱破砕工程が含まれている。
この熱破砕は、酵素の不活性化、果肉の柔軟化、
ペクチン質の可溶化を目的として行われるもの
で、連続式クツカー、サーモブレーカで急速に85
〜98℃に加熱し、2〜3分保持することによつて
行われる。 また、上記した両製造法には、核を果肉から除
去する除核工程が含まれている。この除核は果汁
を分離するための遠心分離、及び裏ごしを容易に
行うためのもので、果実中心部に有る核をピツタ
ーなどの除核機により、あるいは手作業により行
う。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上記した従来の両製造法には除
核工程で除核とともに核に付着した果肉の一部も
除去され、核周辺に存在する果実の特徴的な香気
成分や酸味成分が除去される。このため従来の製
造法で得られた果汁飲料は原料果実に比べて果実
本来の香りが少なく、特徴のない単調な味になる
という問題点があつた。 また、従来の製造法で得られた果汁飲料は上記
した熱破砕工程を経るため原料果実に比べて香気
成分が飛散、特に低沸点成分が失われて清涼感が
減少するとともに、アミノカルボニル反応により
褐変が進行し、かつ加熱臭が発生するという問題
点とペクチン質が溶出して粘度が高くなるという
問題点があつた。 本発明は上記した事情に鑑みてなされたもの
で、原料果実に近い特徴を有する果汁飲料を高歩
留で得ることができ、かつ除核操作を伴わない省
力化した製造法を提供することを目的とする。 [問題点を解決するための手段] 本発明者は種々検討した結果、上記目的は原料
果実の全果破砕処理、破砕果実の酵素処理、及び
破砕物全体の非加熱下での搾汁処理の相乗効果に
より達成されることを見出し本発明を完成した。
本発明は原料果実の全果実を核ごと破砕し、これ
を裏ごしすることなく植物組織崩壊酵素を用いて
酵素処理した後、核破砕物を含む破砕物全体を非
加熱下で圧搾処理して果汁を得ることを特徴とす
る。 原料果実は病害果、腐敗果、損傷果、未熟果そ
の他原料として不適当な不良果、夾雑物を除去し
たものを使用する。 原料果実はまず水洗する。水洗は水および洗剤
を使用し、ブラシ、シヤワーを用いて行われ、原
料果実に付着している塵埃、微生物、農薬、およ
び果皮の産毛などの除去を行う。さらにトリミン
グとして果実の損傷部分の切除、不良果の除去を
も同時に行う。 水洗した原料はその全果実を核ごと破砕する。
破砕は、例えばフルーツチヨツパーを用いて行わ
れ、この破砕で果肉は核から分離されるととも
に、果皮とともに細断され、かつ核も破砕され
る。この破砕工程では他の破砕手段、ハンマーミ
ルも用いることができる。この破砕工程では果肉
が褐変するので、この褐変を防止するため抗酸化
剤を添加することが望ましい。抗酸化剤はそのま
まの状態で添加しても良いが破砕中に別途果汁と
ともに噴霧しながら添加しても良い。抗酸化剤と
してはL−アスコルビン酸が適しており、その使
用量は例えば最終果汁中の残存量が100ppm以下
となるように添加される。 次にこの破砕したものを酵素処理する。原料果
実中、特に桃は本来ペクチン質が多く果汁は高粘
度であるので、前記破砕工程で得たものを低粘度
化しないで次工程の圧搾処理をすると濾布が目詰
まりを起こし処理不能となる。そこで従来は、加
熱して粘度を低下させていたが、本発明において
は酵素処理によつて粘度低下を達成するものであ
る。酵素処理は圧搾処理を原料を加熱しない状態
で可能とするものである。この酵素処理は破砕し
た果実をタンク中で、あるいは連続的に移動させ
ながら、10〜50℃の間で酵素活性の得られるでき
るだけ低温を選んで、植物組織崩壊酵素を添加し
て30分乃至数時間上記温度下で保持することで行
われる。植物組織崩壊酵素としては、セルラー
ゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼの単独あるいは
これらの混合物が用いられる。上記酵素の選択及
び混合比率は原料果実の熟度、PH、破砕状況、温
度、処理時間を勘案して適宜決定される。 この酵素処理されたものは、その後非加熱下で
圧搾処理されて果汁を得る。この圧搾処理は、原
料果実の破砕物全体が圧搾されるものであるか
ら、果皮及び核に付着した果肉をも含めた原料果
実中の全果肉が細大漏さず搾汁に利用される。こ
のため核周辺の香り、味も搾汁中に充分に採取で
きるとともに、非加熱下での圧搾であるため上記
香気成分を果汁中に安定に保有することができ、
原料果実に近い特徴を有する果汁飲料を得ること
ができる。この圧搾処理は濾布上に置かれた破砕
原料果実に単に圧力を加えることによつて搾汁す
るものである。この搾汁の過程で破砕原料果実中
に含まれる核破砕物は果汁を内部から外部へ排除
する自己排除的濾過作用を行う。この自己排除的
濾過作用と、前工程の酵素処理による果汁粘度の
低下とが相俟つてこの圧搾処理においては高歩留
で粘度の低い果汁を得ることができる。この搾汁
手段によれば搾汁過程で核の破壊も起こらず、核
内の異味成分の溶出もない。この圧擦処理におい
ては、核の破砕物の共存が重要で、これらの存在
しない系においては搾汁歩留りが大巾に低下す
る。 他の圧搾手段としてスクリユープレスも用い
る。 この搾汁処理で得られた果汁は必要があればパ
ルパーで裏ごししタンクに集液して均質化する。
その後約95℃で瞬間加熱殺菌し、約80℃に冷却
後、容器に熱間充填し密封した後、直ちに水冷
し、冷凍庫あるいは冷蔵庫に保存して果汁製品と
する。 [作用] 本発明は上記のように構成されているので、原
料果実の破砕処理、破砕果実の酵素処理、及び破
砕物全体の非加熱下の搾汁処理が相乗的に作用
し、原料果実に近い特徴を有する低粘度の果汁飲
料を高歩留で搾汁するために寄与する。即ち、本
発明は原料果実を核ごと破砕し、この破砕物全体
を圧搾するものであるから、核に付着した果肉を
も含めた原料果実中の全果肉が細大漏さず搾汁に
利用される。 このため、原料果実の核周辺の香り、味も果汁
中に有効に採取され、かつ搾汁を非加熱下で行う
ため上記香り、味は変化あるいは散逸することな
く、しかも加熱臭も付加されることなくそのまま
の状態で果汁中に残存する。 また、搾汁工程では、原料果実の破砕物全体が
圧搾されるものであるから、破砕物中の核破砕物
の自己排除濾過作用と、前工程の酵素処理による
果汁粘度の低下とが相俟つて搾汁歩留りの向上に
寄与する。 [実施例] 水洗した原料桃1tをフルーツチヨツパーにかけ
て核ごと破砕した。この破砕はL−アスコルビン
酸溶液の噴霧中で行つた。このときのL−アスコ
ルビン酸の使用量は100mg%であつた。この破砕
系の全部をタンクに移し、植物組織崩壊酵素とし
てペクチナーゼを200g添加して時々攪拌しなが
ら35℃にて1時間酵素反応させた。この酵素処理
されたものは次に圧搾機の濾布上に移し、圧力
200Kg/cm2下で搾汁し、果汁752Kgを得た。このと
きの果汁の原料果実に対する歩留りは75wt%で
あつた。 この搾汁処理は第1図に示す圧搾機を用いて行
つた。この圧搾機1は圧搾槽2内の底部に近接し
て設けられた架台ベース3上に破砕原料果実4を
包むように折り込んだ濾布5を多層に積み重ね上
方よりプレスヘツド6を下降させて濾布5内の破
砕原料果実4を圧搾するものである。この圧搾に
より濾布5外に浸出した果汁は圧搾槽2の底部外
側壁に設けられた導管7から外部へ取り出され
る。この濾布5はパイレンの平織のものが用いら
れた。 次にこの果汁をパルパーで裏ごしし、タンク内
に貯留して均質化し、プレート式瞬間殺菌機にて
95℃で殺菌し、同プレート式冷却機にて80℃に冷
却後、18のダブルコート缶に熱間充填し密封し
た。その後缶ごと水冷し、冷蔵庫に保存して果汁
製品を得た。 一方、原料桃1tを用いて、上記と同一条件で破
砕処理した後、核部分を取り除いて上記と同一条
件で圧搾処理した。このときに得た果汁は503Kg
で、原料果実に対する歩留りは50wt%となり、
本発明の果汁歩留りがいかに高いかが解る。 また、上記で得られた果汁製品(本発明品)と
従来法(クレモ方式)で得られたネクターとを10
人のパネラーを選んで5段階嗜好尺度法で比較し
て第1表の結果を得た。
実、例えば桃、あんず、梅、プラム、マンゴ、等
の核果類果実から果汁を製造する方法に関する。 [従来の技術] 従来、核果類の果実飲料として桃の飲料はネク
ター、混濁果汁、混合果汁があるが、これは次の
ような製造法によつて得られていた。 第1の製造法(クレモ方式)は、水洗いした原
料果実を加熱して熱破砕した後、荒濾過して皮と
核の除去を行い、その後果肉を遠心分離して果汁
を分離し、この果汁に適宜の添加剤を調合した後
殺菌、充填、密封の工程を順次経て果汁飲料とす
る。 また、第2の製造法は、水洗いした原料果実を
2つ割にして除核した後、果肉を蒸煮して破砕
し、その後、このものを裏ごし及び遠心分離して
果汁を分離し、この果汁に適宜の添加剤を調合し
た後殺菌、充填、密封の工程を順次経て果汁飲料
とする。 この第1及び第2の製造法にはいずれも果肉に
熱を加えて破砕する熱破砕工程が含まれている。
この熱破砕は、酵素の不活性化、果肉の柔軟化、
ペクチン質の可溶化を目的として行われるもの
で、連続式クツカー、サーモブレーカで急速に85
〜98℃に加熱し、2〜3分保持することによつて
行われる。 また、上記した両製造法には、核を果肉から除
去する除核工程が含まれている。この除核は果汁
を分離するための遠心分離、及び裏ごしを容易に
行うためのもので、果実中心部に有る核をピツタ
ーなどの除核機により、あるいは手作業により行
う。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上記した従来の両製造法には除
核工程で除核とともに核に付着した果肉の一部も
除去され、核周辺に存在する果実の特徴的な香気
成分や酸味成分が除去される。このため従来の製
造法で得られた果汁飲料は原料果実に比べて果実
本来の香りが少なく、特徴のない単調な味になる
という問題点があつた。 また、従来の製造法で得られた果汁飲料は上記
した熱破砕工程を経るため原料果実に比べて香気
成分が飛散、特に低沸点成分が失われて清涼感が
減少するとともに、アミノカルボニル反応により
褐変が進行し、かつ加熱臭が発生するという問題
点とペクチン質が溶出して粘度が高くなるという
問題点があつた。 本発明は上記した事情に鑑みてなされたもの
で、原料果実に近い特徴を有する果汁飲料を高歩
留で得ることができ、かつ除核操作を伴わない省
力化した製造法を提供することを目的とする。 [問題点を解決するための手段] 本発明者は種々検討した結果、上記目的は原料
果実の全果破砕処理、破砕果実の酵素処理、及び
破砕物全体の非加熱下での搾汁処理の相乗効果に
より達成されることを見出し本発明を完成した。
本発明は原料果実の全果実を核ごと破砕し、これ
を裏ごしすることなく植物組織崩壊酵素を用いて
酵素処理した後、核破砕物を含む破砕物全体を非
加熱下で圧搾処理して果汁を得ることを特徴とす
る。 原料果実は病害果、腐敗果、損傷果、未熟果そ
の他原料として不適当な不良果、夾雑物を除去し
たものを使用する。 原料果実はまず水洗する。水洗は水および洗剤
を使用し、ブラシ、シヤワーを用いて行われ、原
料果実に付着している塵埃、微生物、農薬、およ
び果皮の産毛などの除去を行う。さらにトリミン
グとして果実の損傷部分の切除、不良果の除去を
も同時に行う。 水洗した原料はその全果実を核ごと破砕する。
破砕は、例えばフルーツチヨツパーを用いて行わ
れ、この破砕で果肉は核から分離されるととも
に、果皮とともに細断され、かつ核も破砕され
る。この破砕工程では他の破砕手段、ハンマーミ
ルも用いることができる。この破砕工程では果肉
が褐変するので、この褐変を防止するため抗酸化
剤を添加することが望ましい。抗酸化剤はそのま
まの状態で添加しても良いが破砕中に別途果汁と
ともに噴霧しながら添加しても良い。抗酸化剤と
してはL−アスコルビン酸が適しており、その使
用量は例えば最終果汁中の残存量が100ppm以下
となるように添加される。 次にこの破砕したものを酵素処理する。原料果
実中、特に桃は本来ペクチン質が多く果汁は高粘
度であるので、前記破砕工程で得たものを低粘度
化しないで次工程の圧搾処理をすると濾布が目詰
まりを起こし処理不能となる。そこで従来は、加
熱して粘度を低下させていたが、本発明において
は酵素処理によつて粘度低下を達成するものであ
る。酵素処理は圧搾処理を原料を加熱しない状態
で可能とするものである。この酵素処理は破砕し
た果実をタンク中で、あるいは連続的に移動させ
ながら、10〜50℃の間で酵素活性の得られるでき
るだけ低温を選んで、植物組織崩壊酵素を添加し
て30分乃至数時間上記温度下で保持することで行
われる。植物組織崩壊酵素としては、セルラー
ゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼの単独あるいは
これらの混合物が用いられる。上記酵素の選択及
び混合比率は原料果実の熟度、PH、破砕状況、温
度、処理時間を勘案して適宜決定される。 この酵素処理されたものは、その後非加熱下で
圧搾処理されて果汁を得る。この圧搾処理は、原
料果実の破砕物全体が圧搾されるものであるか
ら、果皮及び核に付着した果肉をも含めた原料果
実中の全果肉が細大漏さず搾汁に利用される。こ
のため核周辺の香り、味も搾汁中に充分に採取で
きるとともに、非加熱下での圧搾であるため上記
香気成分を果汁中に安定に保有することができ、
原料果実に近い特徴を有する果汁飲料を得ること
ができる。この圧搾処理は濾布上に置かれた破砕
原料果実に単に圧力を加えることによつて搾汁す
るものである。この搾汁の過程で破砕原料果実中
に含まれる核破砕物は果汁を内部から外部へ排除
する自己排除的濾過作用を行う。この自己排除的
濾過作用と、前工程の酵素処理による果汁粘度の
低下とが相俟つてこの圧搾処理においては高歩留
で粘度の低い果汁を得ることができる。この搾汁
手段によれば搾汁過程で核の破壊も起こらず、核
内の異味成分の溶出もない。この圧擦処理におい
ては、核の破砕物の共存が重要で、これらの存在
しない系においては搾汁歩留りが大巾に低下す
る。 他の圧搾手段としてスクリユープレスも用い
る。 この搾汁処理で得られた果汁は必要があればパ
ルパーで裏ごししタンクに集液して均質化する。
その後約95℃で瞬間加熱殺菌し、約80℃に冷却
後、容器に熱間充填し密封した後、直ちに水冷
し、冷凍庫あるいは冷蔵庫に保存して果汁製品と
する。 [作用] 本発明は上記のように構成されているので、原
料果実の破砕処理、破砕果実の酵素処理、及び破
砕物全体の非加熱下の搾汁処理が相乗的に作用
し、原料果実に近い特徴を有する低粘度の果汁飲
料を高歩留で搾汁するために寄与する。即ち、本
発明は原料果実を核ごと破砕し、この破砕物全体
を圧搾するものであるから、核に付着した果肉を
も含めた原料果実中の全果肉が細大漏さず搾汁に
利用される。 このため、原料果実の核周辺の香り、味も果汁
中に有効に採取され、かつ搾汁を非加熱下で行う
ため上記香り、味は変化あるいは散逸することな
く、しかも加熱臭も付加されることなくそのまま
の状態で果汁中に残存する。 また、搾汁工程では、原料果実の破砕物全体が
圧搾されるものであるから、破砕物中の核破砕物
の自己排除濾過作用と、前工程の酵素処理による
果汁粘度の低下とが相俟つて搾汁歩留りの向上に
寄与する。 [実施例] 水洗した原料桃1tをフルーツチヨツパーにかけ
て核ごと破砕した。この破砕はL−アスコルビン
酸溶液の噴霧中で行つた。このときのL−アスコ
ルビン酸の使用量は100mg%であつた。この破砕
系の全部をタンクに移し、植物組織崩壊酵素とし
てペクチナーゼを200g添加して時々攪拌しなが
ら35℃にて1時間酵素反応させた。この酵素処理
されたものは次に圧搾機の濾布上に移し、圧力
200Kg/cm2下で搾汁し、果汁752Kgを得た。このと
きの果汁の原料果実に対する歩留りは75wt%で
あつた。 この搾汁処理は第1図に示す圧搾機を用いて行
つた。この圧搾機1は圧搾槽2内の底部に近接し
て設けられた架台ベース3上に破砕原料果実4を
包むように折り込んだ濾布5を多層に積み重ね上
方よりプレスヘツド6を下降させて濾布5内の破
砕原料果実4を圧搾するものである。この圧搾に
より濾布5外に浸出した果汁は圧搾槽2の底部外
側壁に設けられた導管7から外部へ取り出され
る。この濾布5はパイレンの平織のものが用いら
れた。 次にこの果汁をパルパーで裏ごしし、タンク内
に貯留して均質化し、プレート式瞬間殺菌機にて
95℃で殺菌し、同プレート式冷却機にて80℃に冷
却後、18のダブルコート缶に熱間充填し密封し
た。その後缶ごと水冷し、冷蔵庫に保存して果汁
製品を得た。 一方、原料桃1tを用いて、上記と同一条件で破
砕処理した後、核部分を取り除いて上記と同一条
件で圧搾処理した。このときに得た果汁は503Kg
で、原料果実に対する歩留りは50wt%となり、
本発明の果汁歩留りがいかに高いかが解る。 また、上記で得られた果汁製品(本発明品)と
従来法(クレモ方式)で得られたネクターとを10
人のパネラーを選んで5段階嗜好尺度法で比較し
て第1表の結果を得た。
【表】
上記結果より本発明品は従来ネクターに比べて
果汁飲料として優れていることが解る。本発明品
は瞬間加熱殺菌以外の加熱工程を経ないで得られ
るものであるから、果実本来の香り成分の散逸、
及び加熱臭がなく、かつ低粘度(1.7cps/20℃)
であるので、従来ネクターに比べて清涼感の点で
特に優れている。 [発明の効果] 以上述べたように、本発明によれば原料果実の
全果破砕処理、破砕果実の酵素処理、及び破砕物
全体の非加熱下での搾汁処理の相乗効果により、
加熱臭のない原料果実本来の香り、及び味を保有
した低粘度の清涼感に富んだ果汁飲料を高歩留で
製造できる。 また、本発明は熱破砕、除核等の工程を経ない
で果汁を得るものであるから、従来法に比べて省
エネルギー、省力化が図れる。
果汁飲料として優れていることが解る。本発明品
は瞬間加熱殺菌以外の加熱工程を経ないで得られ
るものであるから、果実本来の香り成分の散逸、
及び加熱臭がなく、かつ低粘度(1.7cps/20℃)
であるので、従来ネクターに比べて清涼感の点で
特に優れている。 [発明の効果] 以上述べたように、本発明によれば原料果実の
全果破砕処理、破砕果実の酵素処理、及び破砕物
全体の非加熱下での搾汁処理の相乗効果により、
加熱臭のない原料果実本来の香り、及び味を保有
した低粘度の清涼感に富んだ果汁飲料を高歩留で
製造できる。 また、本発明は熱破砕、除核等の工程を経ない
で果汁を得るものであるから、従来法に比べて省
エネルギー、省力化が図れる。
第1図は本発明に用いられる圧搾機の一例を示
す部分破断側面図である。 1……圧搾機、2……圧搾槽、4……破砕原料
果実、5……濾布。
す部分破断側面図である。 1……圧搾機、2……圧搾槽、4……破砕原料
果実、5……濾布。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 原料果実の全果実を核ごと破砕し、これを裏
ごしすることなく植物組織崩壊酵素を用いて酵素
処理した後、核破砕物を含む破砕物全体を非加熱
下で圧搾処理して果汁を得ることを特徴とする核
果類果実の果汁製造法。 2 上記全果実の破砕は抗酸化剤の存在で行なう
特許請求の範囲第1項記載の核果類果実の果汁製
造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62256748A JPH0198464A (ja) | 1987-10-12 | 1987-10-12 | 核果類果実の果汁製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62256748A JPH0198464A (ja) | 1987-10-12 | 1987-10-12 | 核果類果実の果汁製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0198464A JPH0198464A (ja) | 1989-04-17 |
JPH034186B2 true JPH034186B2 (ja) | 1991-01-22 |
Family
ID=17296894
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62256748A Granted JPH0198464A (ja) | 1987-10-12 | 1987-10-12 | 核果類果実の果汁製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0198464A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3015870B2 (ja) * | 1997-04-30 | 2000-03-06 | 農林水産省農業研究センター所長 | 試料調製方法および装置 |
US20030026252A1 (en) * | 2001-07-31 | 2003-02-06 | Thunquest Gary L. | Data packet structure for directly addressed multicast protocol |
JP2007159444A (ja) * | 2005-12-12 | 2007-06-28 | Nippon Chemicals Hanbai Kk | 果汁製造方法、及びバナナ濃縮果汁 |
JP5697930B2 (ja) * | 2010-09-13 | 2015-04-08 | サントリーホールディングス株式会社 | マンゴー果汁の処理方法 |
CN106261304A (zh) * | 2016-08-29 | 2017-01-04 | 龙游供享农业科技有限公司 | 一种水蜜桃汁饮料的制备方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5935580A (ja) * | 1982-08-24 | 1984-02-27 | Olympus Optical Co Ltd | 直流電動機の速度制御装置 |
-
1987
- 1987-10-12 JP JP62256748A patent/JPH0198464A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5935580A (ja) * | 1982-08-24 | 1984-02-27 | Olympus Optical Co Ltd | 直流電動機の速度制御装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0198464A (ja) | 1989-04-17 |
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