JPH0341662Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、筒状縫製品生地の上端に帯状袋体縫
製品生地を縫合するための自動縫製機の布搬送機
構に関する。

従来技術 この種の自動縫製機として、本出願人は筒状縫
製品生地（例えばスカート）を円柱体に支持し、
その筒状縫製品生地の上部の円筒部を、長手方向
の片側が開口された帯状袋体縫製品生地（例えば
スカートのベルト）で挟持しながら送り込んで縫
合する自動縫製機を提案した（特願昭61−22198
号参照）。第２図はこの提案した自動縫製機の斜
視図で、筒状縫製品生地１は支持体（支持手段）
２に円筒状に支持され、また支持体２は拡張、縮
小が可能で、垂直軸心の周りに回転するように構
成されている。また筒状縫製品生地１の上端を挟
持するように帯状袋体縫製品生地４が送り込まれ
る案内台装置３が設けられ、また送り込まれた帯
状袋体縫製品生地４を筒状縫製品生地１と縫合す
るために針が水平方向に動かされるミシン５が設
けられている。なお、６は支持体２の回転や案内
台装置３から送り込みあるいはミシン５等を制御
する制御装置、７はマニホールドを介して支持体
２の支持体片上の筒状縫製品生地１を吸着する吸
着板に真空を供給するための真空圧源である。

第３図は、第２図の支持体の詳細断面図、第４
図は、第３図の支持体の１部の側面図で、支持体
軸８に固定された櫛環状体９が上下移動すること
により、放射状に配設された複数の支持体片１０
は二点鎖線で示したように拡大及び縮小すること
ができる。また各支持体片１０の上部には吸着板
（保持体）１１が設けられ、支持体２で支持され
た筒状縫製品生地１を吸着支持する。さらに各支
持体片１０には大型のエアシリンダ１２が固定さ
れ、このエアシリンダ１２のピストンロツドの先
端部は継手１３を介して帯状袋体縫製品生地４の
案内棒１４を形成する。また、継手１３にクラン
プ１５が回動自在に軸着され、またこのクランプ
１５に小型のシリンダ１６が装着されている。

次に、このように構成された従来の自動縫製機
の布搬送機構の動作を第５図〜第７図により説明
する。まず、筒状縫製品生地１が支持体２に円筒
状に装着されると、吸着板１１が筒状縫製品生地
１の上端を吸着して保持する。第６図に示すよう
に筒状縫製品生地１にはジツパーを付けるための
切れ目（切り込み部）１ａが設けられている。次
に、案内台装置３から帯状袋体縫製品生地（ベル
ト状布片）４が送り出されると、上記切れ目１ａ
の間に帯状袋体縫製品生地４の始端４ａが来るよ
うに、帯状袋体縫製品生地４の送り込み移動と同
期して支持体２が回転する。第７図に示すように
先導の大型のエアシリンダ１２ａが作動してその
ピストンロツドを上昇させ、そのピストンロツド
の先端の先導案内棒１４ａを帯状袋体縫製品生地
４の始端４ａに挿入する。この先導案内棒１４ａ
にはクランプ１５およびエアシリンダ１６は設け
られていない。この先導案内棒１４ａが上昇する
と、支持体２が回転するにつれて次々に後続する
案内棒１４を順次上昇させ、それと共に小型のエ
アシリンダ１６を動作させてクランプ１５で帯状
袋体縫製品生地４を挟持させる。そして、第７図
の展開図で示すように先導案内棒１４ａが挿入さ
れている帯状袋体縫製品生地４の始端ａの部分を
除いて、ミシン５によつて順次縫い目１７が形成
される。この時、針落ち点１８の近傍の案内棒１
４及びクランプ１５を降下させてミシン５による
縫製の邪魔にならないようにする。また、帯状袋
体縫製品生地４の終端４ｂが針落ち点１８手前ま
できたとき、筒状縫製品生地１の切れ目１ａの部
分まできており、ここまで縫い終ると、縫製が完
了する。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、帯状袋体縫製品生地４はフツク
等を付けるために両端を重合するために筒状縫製
品１の切れ目１ａより突出するよう生地の周長さ
より長くなつているが、この時、帯状袋体縫製品
生地４の始端４ａが終端４ｂの内側に重なるの
で、このまま縫合してしまうと、帯状袋体縫製品
生地４の始端４ａと終端４ｂが縫い合わされてし
まうという問題があつた。

この問題点を解消するため、帯状袋体縫製品生
地４の終端４ｂがミシン５の針落ち点１８の手前
にきた時、最初の案内棒１４ａが下がると同時に
帯状袋体縫製品生地４の始端４ａにエアーを吹き
付けて、その始端４ａがミシン５の針落ち点１８
の下方にくるように構成しているが、帯状袋体縫
製品生地４が堅い生地で構成されている場合は帯
状袋体縫製品生地４の始端４ａが確実に下がらな
いという問題があつた。

問題点を解決するための手段 本考案は、上記問題点を解決するために、ジツ
パーを縫い付けるための切り込み部を有するスカ
ート用布の上端縁を少なくとも二つ折したベルト
状布片により挟みながら縫合するについて、スカ
ート用布内方に配置可能とし環状に複数配列した
支持体片１０および各支持体片上端に設けスカー
ト上端縁を保持可能とした保持体１１およびスカ
ート用布を挟むベルト状布片に挿入可能に出没す
るように各支持体片に対し上下方向に進退可能に
支持した案内棒１４ならびに案内棒との間にスカ
ート用布を挟むベルト状布片を挟持可能としたク
ランプ１５とを有し垂直軸線を中心に回転可能と
した支持手段を備え、保持体がスカート用布を保
持してから支持手段を回転しながらベルト上布片
をスカート用布片上端縁に挟み付けるよう供給
し、同時に案内棒が上昇すると共にクランプが供
給されたベルト状布片を挟持し、縫合時に針落ち
点手前で上記クランプが開放しかつ案内棒が下降
するようにした自動縫製機の布搬送機構におい
て、上記スカート用布の切り込み部に近接し且つ
スカート用布に先に縫われる側のベルト状布片に
挿入される案内棒１４ａをして、上端のスカート
用布を挟持する係合面をスカート用布との摺動抵
抗の高くなる形状としたことを特徴とする。

作 用 本考案によれば、上記生地把持手段の先導案内
棒の先端に側方に針を突出させて設けることによ
り、先導案内棒を下降させたとき、帯状袋体縫製
品生地の始端を確実に下降させることができ、従
つて、筒状縫製品生地と帯状袋体縫製品生地の縫
合始端と縫合終端の重なり縫合を確実に回避する
ことができる。

実施例 第１図は、本考案の１実施例の自動縫製機の布
搬送機構の一部の側面図で、先導の大型エアシリ
ンダ１２のピストンロツドの先端部の継手１３を
介して設けられた帯状袋体縫製品生地４の先導案
内棒１４ａの先端の側方に１本または複数本の針
１９を突出させている。

このように構成した本実施例の自動縫製機の布
搬送機構では、先導案内棒１４ａが帯状袋体縫製
品生地４の始端に挿入されると、先導案内棒１４
ａの先端の針１９が引掛かり、従つて筒状縫製品
生地１と帯状袋体縫製品生地４の縫合終端が縫合
される以前に、先導案内棒１４ａを下げると、帯
状袋体縫製品生地４の始端４ａが確実に下がるの
で、筒状縫製品生地１と帯状袋体縫製品生地４の
縫合始端と縫合終端が縫い合わされることがな
い。

考案の効果 以上の説明から明らかなように、本考案は、先
導案内棒の先端に針を突出させたので、筒状縫製
品生地と帯状袋体縫製品生地の縫合終端が縫合さ
れるとき、先導案内棒を下げると、帯状袋体縫製
品生地の始端が確実に下がるので、筒状縫製品生
地と帯状袋体縫製品生地の縫合始端と縫合終端の
縫い合わせを確実に避けることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例の自動縫製機の布搬
送機構の一部の側面図、第２図は本出願人が提案
した自動縫製機の斜視図、第３図は第２図の自動
縫製機の支持体の断面図、第４図は第３図の支持
体の一部の構成図、第５図は第４図の支持体の一
部の動作説明図、第６図は第２図の自動縫製機で
筒状縫製品生地に帯状袋体縫製品生地を縫合させ
る状態の説明図、第７図は第３図の支持体及び筒
状縫製品生地と帯状袋体縫製品生地の展開図であ
る。 １２……大型のエアシリンダ、１３……継手、
１４ａ……先導案内棒、１９……針。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ジツパーを縫い付けるための切り込み部を有
   するスカート用布の上端縁を少なくとも二つ折
   したベルト状布片により挟みながら縫合するに
   ついて、 スカート用布内方に配置可能とし環状に複数
   配列した支持体片１０および各支持体片上端に
   設けスカート上端縁を保持可能とした保持体１
   １およびスカート用布を挟むベルト状布片に挿
   入可能に出没するように各支持体片に対し上下
   方向に進退可能に支持した案内棒１４ならびに
   案内棒との間にスカート用布を挟むベルト状布
   片を挟持可能としたクランプ１５とを有し垂直
   軸線を中心に回転可能とした支持手段を備え、 保持体がスカート用布を保持してから支持手
   段を回転しながらベルト上布片をスカート用布
   片上端縁に挟み付けるよう供給し、同時に案内
   棒が上昇すると共にクランプが供給されたベル
   ト状布片を挟持し、縫合時に針落ち点手前で上
   記クランプが開放しかつ案内棒が下降するよう
   にした自動縫製機の布搬送機構において、 上記スカート用布の切り込み部に近接し且つ
   スカート用布に先に縫われる側のベルト状布片
   に挿入される案内棒１４ａをして、 上端のスカート用布を挟持する係合面をスカ
   ート用布との摺動抵抗の高くなる形状としたこ
   とを特徴とする自動縫製機の布搬送機構。 (2) 上記スカート用布の切り込み部に近接し且つ
   スカート用布に先に縫われる側のベルト状布片
   に挿入される上記案内棒の上記係合面が、側方
   に突出する突起部を有することを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項に記載の自動縫製
   器の布搬送機構。