JPH0341262Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は前面開口に上部から下方へ冷気を流す
ようにした冷蔵庫に関する。

(ロ) 従来の技術 前面開口の断熱箱体の内面と間隔を保つて前記
内面との間に冷気通路を形成すると共に食品貯蔵
室を区画する区画板と、前記冷気通路と連通し前
記前面開口の略全幅にわたつて上部から下部に向
けて冷気が流れるように前記前面開口部の上部に
設けた冷気吐出口と、前記冷気通路中に設けた冷
却器を通過した冷気を前記冷気吐出口へ向けて循
環せしめるように前記区画板の背部に位置する前
記冷気通路の上部に設けたプロペラ式送風機を備
えたものは実公昭55−50554号公報にて開示され
ている。

この構成では送風機の収納空間を作るときに区
画板は背部上端部に区画板の全幅にわたつて傾斜
部を形成しているので食品貯蔵室がその分挟くな
つている。また区画板の上壁下面の空気流通が悪
いのでこの部分に冷気が滞留してこの上壁下面に
露付きを生じる欠点がある。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 本考案は送風機を区画板の背部に位置する冷気
通路の上部に設けた場合にも送風機の収納部に対
応する区画板を全幅にわたつて食品貯蔵室側へ張
り出すのではなくその張り出しによる食品貯蔵室
の容積減少を少なくし、かつ区画板上壁下面に露
が付着して下方の食品を濡らすことを防止できる
構造の貯蔵庫を提供するものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 前面開口の断熱箱体の内面と間隔を保つて食品
貯蔵室を区画形成する区画板を設け、この区画板
と断熱箱体との間の冷気通路に冷気循環用プロペ
ラ式送風機を設けたものにおいて、前記送風機に
対応した区画板の上端部には前記区画板の上部と
背部の冷気通路にわたり前記プロペラの回転直径
よりも若干大なる大きさで貯蔵室側へ向けて窪ん
だ凹所を設け、この凹所の上端部に冷気吐出用小
孔を設けて冷気の少量が区画板の上壁下面に添つ
て流れるようにしている。

(ホ) 作用 前記(ニ)の手段によつて送風機にて送られる多量
の冷気は前面開口にエアーカーテンを形成するの
に良好な循環をし、また少量の冷気は区画板の上
壁下面を流れてこの部分に露付きを生じないよう
に作用する。この少量の冷気はそれによつてエア
ーカーテン機能が乱れないようにその吐出量やス
ピードが制限されている。

(ヘ) 実施例 各図をもとに本考案の実施例を説明する。１は
シヨーケースタイプの貯蔵庫で外箱２と内箱３と
の間に発泡性断熱材１８を充填した前面開口４の
断熱箱体５と、この断熱箱体５の上壁５Ａと背壁
５Ｂとの内面と間隔を保つてこの間隔を冷気通路
６とする区画板７を設け、この区画板７で区画さ
れた区画板７前方空間を貯蔵室８としている。区
画板７は断熱箱５の底壁５Ｃと間隔を保つてこの
間隔を冷気通路６と連通した冷気通路とするよう
に底板部を形成したものでもよい。冷気通路６の
うち区画板７の背板と背壁５Ｂとの間の冷気通路
６には冷凍システムの冷却器１５とその下方には
冷却器１５の除霜ヒータ９と、またその上方には
冷気循環用の送風機１０とを収納しており、区画
板７の上壁７Ａと前記上壁５Ａとの間の冷気通路
６の前端は前面開口４の略全幅にわたつて上部に
位置して冷気吐出口１１が設けられている。また
貯蔵室８内には物品載置用の棚１２が設けられ、
最下段の棚１２は板体とすることによつて冷気吸
込口１３を前面開口４の下部に形成できる。この
棚の代りに前述の如き区画板７の底板部にて冷気
吸込口１３を形成してもよい。１４は前面開口４
を開閉する透明扉体である。１６は送風ガイド板
である。送風機１０は背部の冷気通路６の上部に
あつて区画板７の背壁７Ｂの上端部の中央部にプ
ロペラを前面にして断熱箱体５に電動機部を支持
している。この送風機１０に対応した区画板７の
背壁７Ｂの上端には貯蔵室８側へ突出して窪んで
凹所１７を形成しており、この凹所１７は背壁７
Ｂが斜め前方に上端が傾斜した前面と略垂直な左
右側面とを有した略三角形状の側面視の形状をな
して区画板７の背部及び上部の冷気通路６にわた
つている。この凹所１７の大きさは送風機１０の
プロペラの回転直径と少なくとも同等以上の大き
さであり、凹所１７の前壁及び左右側壁の上端部
を構成する区画板７には冷気送出用の小孔１９を
複数設けている。この小孔１９は送風機１０から
送出される冷気の一部分が区画板７の上壁７Ａの
下面に沿つて広く分散して流れるようにするのが
望ましく、そのためにプロペラの回転方向によつ
て送風機１０から送出される冷気流の不均一によ
つて生じる上壁７Ａ下面の冷気流の不均一（第２
図の矢印でその分布を示している）を少なくする
ように第３図の如く小孔１９の大きさを送風機１
０の強送風側を小さく弱送風側を大きく形成すれ
ばよい。

この構成において冷却器１５で冷却した冷気の
多くの量は送風機１０にて冷気吐出口１１へ向け
て循環し前面開口４を下方へ移動して前面開口を
エアーカーテン流となつて流下すると共に貯蔵室
８内を冷却し冷気吸込口１３から冷気通路６へ吸
込まれて同様の循環をして貯蔵室８は所定温度に
保たれる。また送風機１０から送られる冷気の一
部分は凹所の小孔１９から上壁７Ａの下面に沿つ
て流れるので上壁７Ａ下面への露付きを防止でき
る。凹所１７の大きさはプロペラの回転直径と同
等若しくは若干大きい縦と横の寸法を有している
ので送風機１０から送出される冷気の略全量を凹
所１７に導入できこの凹所１７によつてその冷気
量を分配するようになる。このため前面開口４の
エアーカーテン流が正常に形成されるように凹所
１７の形状を考慮すればよく、凹所１７から冷気
が冷気吐出口１１に均一に流れるようになるのが
望ましく、凹所１７は前面壁が傾斜していて冷気
吐出口１１へ均一に分配されるようにしている
が、送風機１０の強送風側と弱送風側とで風量が
異なるのでそれによる冷気吐出口１１における風
量の不均一を防止するために弱送風側の凹所の側
壁（第３図では左側壁）を下方から上方に行くに
従つて外方へ広がるように（第３図では左方へ向
けて）傾斜せしめてその部分から出る風量を多く
することができる。

(ト) 考案の効果 前記凹所は送風機に対応した部分のみであるた
めに区画板の背板上端を全幅にわたつて傾斜せし
めていたものに比して貯蔵室の内容積の減少は少
なく貯蔵室を広く利用できる。また区画板の上板
下面への露付きも防止でき露によつて貯蔵物品が
不衛生になつたり腐敗するおそれもない。また凹
所はプロペラの回転直径と少なくとも同等以上の
大きさであるために送風機からの冷気を十分に導
入できこの冷気を良好に分配するのに有効であ
る。

【図面の簡単な説明】

各図は本考案の実施例を示し、第１図は貯蔵庫
の中央部縦断側面図、第２図は第１図のＡ−Ａ断
面図、第３図は第１図のＡ−Ａ断面図における他
の実施例図、第４図は区画板と送風機関係の分解
斜視図である。 １……貯蔵庫、４……前面開口、６……冷気通
路、７……区画板、８……貯蔵室、１０……送風
機、１１……冷気吐出口、１３……冷気吸込口、
１５……冷却器、１７……凹所、１９……小孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面開口の断熱箱体の内面と間隔を保つて前記
   内面との間に冷気通路を形成すると共に食品貯蔵
   室を区画する区画板と、前記冷気通路と連通し前
   記前面開口の略全幅にわたつて上部から下部に向
   けて冷気が流れるように前記前面開口部の上部に
   設けた冷気吐出口と、前記冷気通路中に設けた冷
   却器を通過した冷気を前記冷気吐出口へ向けて循
   環せしめるように前記区画板の背部に位置する前
   記冷気通路上部の中央部に設けたプロペラ式送風
   機を備えたものにおいて、前記区画板の前記送風
   機の前方に位置した部分には該区画板の背部の冷
   気通路と上部の冷気通路にわたり少なくとも前記
   プロペラの回転直径と同等以上の大きさで前記貯
   蔵室側へ窪んだ凹所を設け、該凹所の上端部を構
   成する前記区画板には該区画板の上壁下面に沿つ
   て冷気が前方及び左右側方に向けて吹き出す小孔
   を設けてなる貯蔵庫。