JPH0340734Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は組み立て紙箱、特に内部に仕切り壁を
有する組み立て箱に関するものである。

〔従来技術とその問題点〕

内部に仕切り壁を有する組み立て紙箱は、例え
ば実公昭59−3944号公報の記載などによつて公知
となつている。

しかしながらこれら公知のものの場合、仕切り
壁を構成する仕切り壁片の上端部分が比較的鋭角
に仕上げられているために、仕切り壁によつて仕
切られた部分に被収容品である壜類（例えばドリ
ンク剤の壜など）を収容する場合に、壜の胴部に
貼着されているラベルがこの仕切り壁に当接して
その剥離を生じさせるというトラブルを発生させ
ることが多つた。

〔考案の目的〕

本考案は上記の事情に鑑み、これらに対処する
ことを目的とするものであり、特に、組み立て手
段が簡単であつて自動組み立てに適することは勿
論のこと、ラベル貼付マシン（ラベラー）により
ラベルを貼付したばかりで、当該ラベルを貼付す
る接着剤が未だ完全に乾燥していない状態の壜の
場合であつても、前記未乾燥のラベルを損傷する
ことなく壜を収容することができるように構成し
た仕切り箱を提供しようとするものである。

〔考案の要点〕

即ち、本考案は、前後左右四つの壁面が、折り
畳みを自在とするようにして順次連続せしめられ
ている一枚の紙を折り畳んで組み立て箱体を構成
できるようにしたものにおいて、前記した連続す
る壁面のうち最も外側に位置する壁面の側端に、
上辺に仕切り中壁を折り畳み形成できるように連
設した一方の仕切り壁を、折り込み側壁を介して
連続せしめ、また折り込み側壁と連設している壁
面の上端にも、折り畳みによつて形成することの
できる他方の仕切り壁を、前記した仕切り壁と対
象方向となるように形成するとともに、前記した
それぞれの仕切り壁は、上端部より箱体の深さの
ほぼ中間部に達する位置までを滑らかな湾曲をし
た傾斜面とするように形成して仕切り壁の傾斜面
が被収容物の胴部に接触しないように構成したこ
とをその要点としている。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図は本考案に係る仕切り箱を示す展開図で
あり、適宜の厚さを有する一枚の紙を折り畳むこ
とによつて組み立てられるようにしている。

これら一枚の紙を折り畳むことによつて組み立
てるようにしている仕切り箱は、右側壁１、前壁
２、左側壁３、後壁４が折り目ａ…ａを介して順
次連続せしめられており、更に、後壁４の外側に
は、上辺に仕切り中壁７を折り畳みを自在とする
ように連設した仕切り壁６を、折り込み側壁５を
介して連続せしめ、仕切り中壁７の外側には糊代
８を順次連続せしめている。

そして、前記した右側壁１、前壁２、左側壁３
及び後壁４の下端には折り目ａ…ａを介して底板
１１，２１，３１，４１がそれぞれ折り畳みを自
在とするように連続せしめられており、また、右
側壁１、前壁２及び左側壁３の上端には同じく折
り目ａ…ａを介して折り込み中蓋１２，３２及び
先端に差し込み舌片２３を有する蓋板２２がそれ
ぞれ折り畳みを自在とするようにして連続せしめ
られている。９は、後壁４の上端に、折り目ａを
介して折り畳みを自在とするように連設した仕切
り壁である、前記した仕切り壁９は、第１図にお
いて右方向に傾斜したほぼ平行四辺形となる形状
をしており、その高さ方向における上端より下端
四分の三の位置近くまでの部分に、切り込み１ａ
…１ａを刻設してそれぞれ四枚の仕切り小片９ａ
…９ａを形成している。前記した仕切り小片９ａ
は折り目ａの外側を糊代９１ａ…９１ａとしてお
り、糊代９１ａの下端部より下方に連続する切り
込み１ａ…１ａ部分は滑らかな湾曲を持つた傾斜
面としている、この切り込み１ａの下端部は仕切
り小片９ａの内側に形成した折り目ａの下端に達
する位置まで刻設するようにしている。

折り込み側壁５に連設する仕切り壁６の構成は
前記した仕切り壁９と同一の構造を採用しており
単にその取付位置が、後壁に連設した前記仕切り
壁９と仕切り中壁を挟んだ対象部位に位置するよ
うに構成している。１０は、仕切り壁９を折り畳
み形成するための接着剤の塗布面であり仕切り中
壁７の対応面に貼着一体化するものである。

図中１１は、後壁４及びその上方に連設する仕
切り９に跨がるようにして形成した長方形の切除
片であり、ミシン線の刻設により切除できるよう
にしている、この切除片１１は、組み立てられた
後の箱体において該部分を切除することによつて
蓋板２２の差し込み舌片２３を引き出すのに有効
なものである。

なお、切除片の形状は特に限定はしないが第１
図に例示するように仕切り壁９側の寸法をやや大
き目に形成すれば切除が行い易く有効である。

また、本考案の構成、特に仕切り壁９，９の構
成は上記した実施例に限定されるものではなく、
例えば第７図に例示するように、仕切り小片９ａ
…９ａの端部に連設する糊代９１ａ…９１ａを互
いにその端部において連続するように形成するこ
ともできる。

上記のように形成した本考案の仕切り箱は以下
のようにして組み立てる。

まず、展開状態においてすべての糊代部分及び
その他の接着剤の塗布面１０…１０に予め接着剤
を塗布する。そうして、第１図例示のように展開
されている板状体のうち、後壁４の上方に連続せ
しめられている仕切り壁８を、折り目ａ部分から
内側に向かつて折り込み、折り込み１ａ…１ａよ
りも下方に位置せしめられている接着剤の塗布面
１０…１０の面を、これと対応する後壁の面に接
着させる（第２図参照）。

次いで、仕切り壁６の上辺に連続するようにし
て形成した仕切り中壁７を仕切り壁６の面に当接
するように折り曲げて接着剤の塗布面１０部分を
これと対応する仕切り中壁７の面に接着一体化さ
せる（第３図参照）。

仕切り中壁７を重合貼着した前記の仕切り壁６
は、仕切り中壁７部分が内側を向くようにして仕
切り側壁５とともに後壁４方向に折り畳み、仕切
り中壁７の端部に形成した糊代８部分を左側壁３
に接着一体化させる（第４図参照）。

この折り込みによつて、仕切り壁９に形成して
ある糊代９１ａ…９１ａ部分がこれと対応する仕
切り中壁７の対応面に付着一体化させられて一方
の仕切りが形成される。

このように折り込まれた箱体は、更に前壁２と
左側壁との中間に形成した折り目ａ部分で折り曲
げて、前壁２の面に重合する、こうすることによ
つて中仕切り壁７の前面に折り込んだ仕切り壁６
に形成した糊代９１ａ…９１ａは前壁２の対応面
に一体的に貼着され、また、折り込み側壁５の裏
面に形成されている接着剤の塗布面１０は右側壁
１の内側面に当接され、一体的に接着されて仕切
りのある筒状の箱体の構成が準備される。（第５
図参照） 上記のように準備された箱体は、圧偏状態にあ
るが使用時には、前記した圧偏状態にある箱体の
両側を内側に向かつて押圧すれば中仕切り壁７及
び仕切り小片９１ａ…９１ａによつて枡目状に仕
切られた箱を簡単に組み立てることができる。

〔考案の効果〕 上記のように構成した本考案の特徴を述べれば
以下の通りである。

(1) 箱体は、展開された一枚の紙から構成されて
いるので製作が極めて容易であり、兼価に提供
をすることができる。

(2) 仕切り中壁７と後壁４との間、或いは中仕切
り壁７と前壁２との間に差し渡すようにして形
成した仕切り小片９ａ…９ａの上端部分（切り
込み１ａ…１ａによつて形成される部分）が滑
らかな湾曲をもつた傾斜面となるように形成さ
れているので、箱体に収容すべきボトルその他
の物品に貼付されているラベルの糊が未乾燥状
態にある場合であつても、前記したラベルが仕
切り小片９１ａ…９１ａによつて掻き落とされ
ることがない。

(3) 上記(2)のような効果を有する結果、壜体にラ
ベルを貼付すると同時にカートン詰めを行うよ
うな作業工程を組んだ、ラベラー（ラベル自動
貼付機構）とカートナー（自動箱詰め機）の組
み合わせ機構にも容易に適合させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであり、第１図
は展開平面図、第２図乃至第５図は組み立て順序
を示す平面図、第６図は組み立て状態における一
部を切欠した斜視図、第７図は組み立て状態にお
いて蓋板を開放した状態を示す平面図である。 １……右側壁、２……前壁、３……左側壁、４
……後壁、５……折り込み側壁、６……仕切り
壁、７……仕切り中壁、８……糊代、９……仕切
り壁、９ａ……仕切り小片、９１ａ……糊代、１
１，２１，３１，４１……底板、１２，３２……
折り込み中蓋、２２……蓋板、ａ……折り目、１
０……接着剤の塗布面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 右側壁、前壁、左側壁及び後壁の四つの壁面
   が折り畳みを自在とするようにして順次連続せ
   しめられ、右側壁及び左側壁の上下には、それ
   ぞれ底板及び折り込み中蓋を連設し、また前壁
   の上下には底板及び蓋板を、後壁の下端には底
   板を連設している一枚の紙を折り畳んで組み立
   て箱体を構成できるようにし、前記した後壁の
   一端に、適宜数の仕切り小片からなる仕切り壁
   を連設し、この仕切り壁の上辺には仕切り中壁
   を折り畳み形成できるようにして連続せしめ、
   また、前記後壁の上端には、同じく適宜数の仕
   切り小片からなる仕切り壁を折り畳み形成でき
   るように連設するとともに、前記したそれぞれ
   の仕切り壁は上端部より箱体の深さのほぼ中間
   部に達する位置までを滑らかな湾曲を持つた傾
   斜面とするように形成し、仕切り壁の傾斜面が
   被収容物の胴部に接触しないように構成したこ
   とを特徴とする仕切り箱。 (2) 後壁の上端に連設し、若しくは後壁の後方端
   部に折り込み中壁を介して連設する仕切り壁
   が、展開時において右若しくは左に傾斜したほ
   ぼ平行四辺形となる形状をしており、その高さ
   方向における上端より下端四分の三の位置近く
   までの部分に、適宜数の折り込みを刻設して、
   適宜数の仕切り小片を形成しており、かつ、前
   記した仕切り小片は折り目の外側を糊代として
   おり、糊代の下端部より下方に連続する切り込
   み部分は滑らかな湾曲を持つた傾斜面としてい
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の仕切り
   箱。