JPH0339652B2 - - Google Patents

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JPH0339652B2
JPH0339652B2 JP62112660A JP11266087A JPH0339652B2 JP H0339652 B2 JPH0339652 B2 JP H0339652B2 JP 62112660 A JP62112660 A JP 62112660A JP 11266087 A JP11266087 A JP 11266087A JP H0339652 B2 JPH0339652 B2 JP H0339652B2
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JP
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smoke
casing
tar
liquid
food
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JP62112660A
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JPS6332445A (ja
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Shin Jii Chiu Haaman
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Union Carbide Corp
Original Assignee
Union Carbide Corp
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Publication date
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Publication of JPH0339652B2 publication Critical patent/JPH0339652B2/ja
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  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、燻製色をした食品の製造法に関す
る。 種々の肉製品及び他の食品を加工処理するため
に管状セルロース食品ケーシングが広く使用され
ている。一般的には、食品ケーシングは、再生セ
ルロースの如き再生物質から作製された様々な直
径を持つ薄壁の管状体である。また、セルロース
食品ケーシングはその壁中に繊維質ウエブを埋込
んで製造することもできるが、かゝるケーシング
は通常“繊維質食品ケーシング”と称されてい
る。 異なる味覚そして更に地域で異なる好みに合せ
るために加工食品業界で用いられている多くの
様々な調理法及び加工処理法には、様々な特性を
持つ食品ケーシングの使用が一般に必要とされ
る。例えば、ある場合には、食品ケーシングは、
その中に包被された食品の加工処理間には容器と
して働きそして最終製品に対しては保護包装材と
して働くような多機能的用途を有することが要求
される。しかしながら、肉加工業界では、ソーセ
ージ、フランクフルトソーセージ、ボローニヤソ
ーセージ、ビーフロール、ハム等の如き多くの種
類の肉製品の製造に用いられた食品ケーシング
は、薄切り及び(又は)最終包装に先立つて加工
肉製品の周囲から取り除かれる場合が多い。 加工肉製品の商業上及び消費者側の受け入れに
おける重要な因子は表面外観及び風味であり、そ
してかゝる製品の大半のものに共通した特徴はそ
れに特徴的な風味及び色を付与するための“燻煙
処理”の使用を包含する。食品の“燻煙処理”
は、一般には、食品加工業者が食品をガス状又は
煙霧状の燻煙と実際に接触させることによつて達
成される。しかしながら、かゝる“燻煙処理”法
は“燻煙処理”操作の非効率さ及び均一性の欠如
などの様々な理由のために完全には満足なものと
は考えられていなかつた。遭遇した欠点のため
に、多くの肉包装業者は、食品加工業者が開発し
そして多くの種類の肉及び他の食品の加工処理に
工業的に使用している木材誘導燻煙成分の様々な
種類の水溶液(通常、“燻煙液”と称されている)
を使用している。本明細書では便宜上、購入した
まゝの“燻煙液”は、しばしば“そのまゝの”燻
煙液と称されている。 肉製品への“燻煙液”の適用は、一般には、ケ
ーシング入りの食品をその加工処理間に吹付け若
しくは浸漬すること又は処方物それ自体の中に
“燻煙液”を混入することなどの様々な方法で実
施される。吹付け又は浸漬による実際の“燻煙”
操作はケーシング入りの食品を均一に処理できな
いために完全には満足なものではなく、また肉処
方物中への“燻煙液”の混合は燻煙成分が希釈さ
れるために所望の表面外観を必ずしも提供しな
い。また、処方物への混入は、肉エマルジヨンの
安定性を減じ、そして高濃度を用いるならば風味
に悪影響を及ぼす。また、食品加工業者が吹付け
又は浸漬によるが如くしてケーシング入りの食品
に燻煙液を適用すると、食品加工業者に対して望
ましくない汚染及び設備腐食の問題が引き起され
る。加えて、工業的加工処理間に燻煙液の適用に
よつて処理されたケーシング入りのソーセージ
は、その処理したケーシング入りの食品からケー
シングを剥離すると、ソーセージ毎にまたソーセ
ージのバツチ毎に燻製色の均一性に欠くソーセー
ジをもたらすことが分つた。更に一層望ましくな
いことは、同じソーセージの表面上にしばしば見
られる着色均一性の欠如、例えば明暗のすじ、明
暗のはん点及び特にソーセージの両端に見られる
未着色部などがあることである。 また、例えばHollenbeck氏の米国特許第
3330669号に開示されるように、食品加工業者が
ケーシングへのソーセージエマルジヨンの充填直
線にひだ解きした管状食品ケーシングの内面に粘
性の燻煙液を適用すると、調理及びケーシングの
除去後に受け入れできる色及び燻製風味を示す加
工食品が製造されることが開示された。しかしな
がら、このHollenbeck氏の操作は、実用的でな
いことが判明し、そして工業的には使用されてい
ない。また、Hollenbeck氏が開示した粘性燻煙
液は、高速度製造ラインでケーシングを被覆して
被覆ケーシングを作り次いでそれを慣用法によつ
てひだ寄せしそしてひだ寄せケーシングとして自
動充填機で用いるためには実用的でない。更に、
Hollenbeck氏の被覆溶液の高粘性はケーシング
の被覆速度を制限し、そしてもし“スラツギング
(slugging)“(これは、バブルコーテイング”と
も称される)の如き慣用法を用いてケーシング内
面を被覆すると、この粘性被覆によつて、ケーシ
ング内の被覆材料のスラグ(slug)を補充するた
めにケーシングを切り開くことがしばしば必要と
され、このことはケーシングの短尺物をもたらし
かくして連続的ひだ寄せを非実用的にする。 しかしながら、これまで、ケーシング製造業者
は、食品に特別な処理又は構造特性を与えるケー
シングを均一に且つ経済的に提供できることが分
つていた。このことは、加工食品産業における自
動充填加工装置の出現及びその広範囲にわたる工
業上の使用に特に当てはまる。 被覆が表面に適用された食品ケーシングを提供
する幾つかの方法が知られておりそして特許文献
に記載されている。例えば、米国特許第3451827
号には、小径ケーシングの内面に種々の被覆材料
を適用するための吹付け法が開示されている。
Shiner氏外の米国特許第3378379号では、大径ケ
ーシングの内面に被覆材料を適用するのに“スラ
ツギング(slugging)”法が使用されている。燻
煙液が被覆組成物中の成分として用いられている
ようなケーシングを含めて種々の被覆食品ケーシ
ングを商業的な量で製造するのにかゝる技術及び
他の技術が用いられてきたけれども、これによつ
て製造されたケーシングは特定の工業上の要件を
満たすように設計されていたが、本発明者等が知
る限りでは、開示されている従来技術の被覆ケー
シングのどれも、その中で加工される肉製品に対
して“燻製”風味及び色の満足なレベルを成功下
に付与することは知られていなかつた。例えば、
Rose氏外の米国特許第3360383号並びにRose氏
の米国特許第3383223号及び同第3617312号には、
燻煙液がたん白質物質の不溶化に特に必要な量で
用いられたゼラチンの如き種々のたん白質物質の
非覆組成物が開示されている。かゝる被覆ケーシ
ングはドライソーセージの加工処理に要求される
特殊な接着性を示すとして開示されているが、こ
の特性は多くの他のケーシング用途に対するその
適合性を制限する。 従来技術に係る特許文献はケーシングの内面へ
の燻煙液の適用を教示しているが、しかしケーシ
ングをその製造間に内部被覆する試みは、コスト
高になり且つ連続高速度製造ラインの速度を制限
することが分つた。 この問題に対する1つの解決策は、本件出願人
所有の米国特許願第062358号に記載されるよう
に、食品ケーシングの外面を天然木材から誘導し
た水性燻煙液組成物で処理することを包含する。
また、食品ケーシングがセルロース質でありそし
て非繊維質ゲル素材又は繊維質ゲル素材のどちら
から形成されると、高酸性(2.0〜2.5のPH)水性
燻煙液の使用は燻煙液処理装置のキヤリアロール
及び絞りロール上に堆積するタール状付着物の生
成をもたらし、これによつて処理装置系を運転停
止しなければならない場合がある。 本発明の1つの目的は、食料に対して燻製色、
香り及び風味を付与するための高い能力を有しし
かもゲル素材食品ケーシングの処理間においてタ
ールの生成をもたらさない水性燻煙液組成物を提
供することである。 もう1つの目的は、上記のタール問題が生じな
い燻煙液処理管状食品ケーシングを提供すること
である。 本発明の他の目的及び利益は、以下の記載から
明らかになるであろう。 本発明の1つの面は、340nmの波長において
少なくとも約0.15好ましくは少なくとも約0.25の
吸収能(以下で定義)を有し且つ少なくとも50%
の光透過率を有しそして燻製色、香り及び風味付
与能を持つタール減少水性燻煙液組成物にある。
以下で詳細に説明するように、“吸収能”は燻煙
液の着色能の尺度であり、そして“光透過率”は
燻煙液のタール含量の尺度である。本明細書にお
いて、水性燻煙液の“光透過率”は、光の透過率
%に有意義な影響を及ぼす可能性がある物質を添
加していない水性燻煙液の固有の光透過率を意味
する。 本発明のもう1つの面は、タール含有燻煙液か
ら形成されたタール減少燻煙液被覆を有するター
ル減少燻煙液処理管状食品ケーシングにある。こ
の被覆は、燻製色及び燻製風味付与成分によつて
340nmの波長において少なくとも約0.2の吸収指
数(以下に定義)を提供するのに十分な量でケー
シング壁に適用される。また、この被覆は、元の
そのまゝのタール含有燻煙液の被覆及びタール減
少燻煙液処理管状食品ケーシングと実質上同じ吸
収指数を有する同様のケーシングからの抽出物で
得られる吸光度の約60%以下である210nmの波
長での紫外線吸光度を有する抽出物を含むケーシ
ングを提供する。以下で詳細に説明するように、
“吸収指数”はケーシング入りの食料に燻製色を
付与するケーシングの能力の尺度であり、そして
“紫外線吸光度”はケーシングのタール含量の尺
度である。 本発明の好ましいタール減少燻煙液処理食品ケ
ーシングでは、ケーシングは以下で詳細に説明す
るように“ゲル素材(stock)”型のものであり、
そして繊維補強材を含まないセルロースからも形
成される。ケーシングは、少なくとも10重量%の
全酸含量を有するタール含有燻煙液から形成さ
れ、且つ340nmの波長における少なくとも0.2の
吸収指数及び燻煙液被覆を有しない同様のケーシ
ングの曇り値に過ぎない曇り値を提供するのに十
分な量でケーシング表面に適用されたタール減少
燻煙液被覆を有する。以下で詳細に説明するよう
に、“全酸含量”は、タール含有燻煙液及びそれ
から調製したタール減少燻煙液の両方の着色能の
定量的尺度である。また、以下で詳細に説明する
ように、“曇り値”は、少なくとも10重量%の全
酸含量を有するタール含有燻煙液から形成された
タール減少燻煙液被覆を有するゲル素材非繊維質
ケーシングのタール含量の尺度である。 タール減少水性燻煙液は、従来技術に知られて
いないし且つ本発明の一部分を構成しない幾つか
の方法のどれかによつて調製することができる。
本件出願人所有の米国特許願第62358号に記載さ
れる1つの好適な方法は、そのまゝの燻煙液に該
燻煙液のPHを約4よりも上にするのに十分な量の
高PH成分を混合することによつてそれを少なくと
も一部分中和することを包含する。タールに富ん
だ画分及びタールが減少した燻煙液が形成され、
次いでこれらを分離すると、後者が本発明のター
ル減少水性燻煙液を構成する。この調製法は、以
後、“中和法”と称することにする。 本発明のタール減少水性燻煙液を調製するため
の他の好適な方法は、M.D.Nicholson氏の名前で
この出願と同時に出願された“食品のタール減少
燻煙液処理”と題する米国特許願に記載されてい
る。この方法(以後、“制御温度中和法”と称す
る)は、タール含有燻煙液に高PH成分を混合する
ことによる中和の間に、中和熱が液温度を20℃程
の周囲レベルから55〜60℃程のレベルに上昇させ
るという発見、更に得られた少なくとも一部分中
和された燻煙液の着色能及び(又は)吸収能が高
温のために幾分低下されるという発見に基いてい
る。この低下は中和間に温度を約40℃よりも下に
維持することによつて一部分回避することがで
き、そして制御温度中和法では吸収能と着色能は
ほとんど同じ程度には低下しない。 本発明のタール減少水性燻煙液を調製するため
の更に他の好適な方法は、M.D.Nicholson氏の名
前でこの出願と同時に出願された“食品ケーシン
グのタール減少燻煙液処理”と題する他の米国特
許願に記載されている。この方法によれば、
340nmの波長において少なくとも約0.2の吸収能
を有するタール含有燻煙液は、この燻煙液に対し
て非反応性か又はそれと反応性で誘導液を形成す
る有機溶媒と接触される。この溶媒は、水性燻煙
液中に不混和性である。また、これは、燻煙液環
境中において少なくとも約2.7の水素結合溶解度
パラメーターを有する。好ましい溶媒は、二塩化
メチレンである。燻煙液及び液状溶媒は、抽出条
件下に各成分に依存して約1:1〜65:1の燻煙
液対液状溶媒容量比で接触されてタールに富んだ
液状溶媒画分とタールが減少した燻煙液画分とを
生成する。各画分が分離され、そして後者は本発
明のタール減少水性燻煙液として回収される。上
記の製造法は、以後、“溶媒抽出法”と称するこ
とにする。 これらの方法によつて製造されたタール減少部
分及びタール富化部分は、当業者に周知の幾つか
の方法のどれかによつて分離することができる。
これらの方法は、過、重力デカンテーシヨン、
液体サイクロン処理及び遠心デカンテーシヨン並
びに溶媒抽出法のための種々の種類の抽出系の使
用を包含する。 本発明の更に他の面は、タール減少燻煙液から
得られたタール減少燻煙液被覆を有する管状食品
ケーシングが備えられた燻製色食品の製造法にあ
る。タール減少燻煙液は、340nmの波長におい
て少なくとも約0.2の吸収指数を提供するのに十
分な量でケーシング表面に適用される。また、こ
のタール減少燻煙液被覆は、タール含有燻煙液の
被覆及びタール減少燻煙液処理管状食品ケーシン
グと実質上同じ吸収指数を有する同様のケーシン
グからの抽出物の吸光度の約60%以下である
210nmの波長での紫外線吸光度を持つケーシン
グ抽出物を提供する。この燻煙液処理ケーシング
には、未加工の食料が充填される。次いで、充填
された燻煙液処理ケーシングは、食料を可食性の
食品に転化させ且つ得られた食品表面上に燻製色
を生じさせるために加工処理される。 本発明において使用するのに好適な食品ケーシ
ングは、斯界に周知の方法のどれか1つによつて
製造された管状ケーシング好ましくは管状セルロ
ースケーシングである。かゝるケーシングは、一
般には、再生セルロース、ヒドロキシエチルセル
ロースの如きセルロースエーテル等から形成され
た様々な直径の可撓性で薄壁の継目のない管状体
である。また、繊維質補強ウエブが壁中に埋込ま
れた管状セルロースケーシング(一般には“繊維
質食品ケーシング”と称される)並びに繊維質補
強材を有しないセルロースケーシング(本明細書
では、“非繊維質”セルロースケーシングと称さ
れる)も好適である。 本発明の実施においては、“ドライストツク
(dry stock)ケーシング”として一般に知られ
ているケーシングを用いることもできる。かゝる
ケーシングは、一般には、水分を含めたケーシン
グの総重量を基にして、もし非繊維質ケーシング
ならば約5〜約14重量%の範囲内、又はもし繊維
質ケーシングならば約3〜約8重量%の範囲内の
含水量を有する。 “ゲル素材(gel stock)ケーシング”として
一般に知られるケーシングは予め乾燥されていな
いので高い含水量を有するケーシングであるが、
かゝるケーシングも本発明の実施において用いる
ことができる。ゲル素材ケーシングは、繊維質で
も又は非繊維質でも、そのまゝの燻煙液によつて
処理したときに上記のタール問題を示す種類のも
のである。 本発明に従つて使用するのに好適な燻製色、香
り及び風味成分は、一般には、そのまゝの燻煙液
中の色、香り及び風味成分である。 本明細書における用語「液」は、均質な真の溶
液、エマルジヨン、コロイド状分散液等を包含す
る。 燻煙液は、多くの場合に、木材例えばヒツコリ
ー又はカエデを燃焼させそしてその天然の燻煙成
分を水の如き液媒体中に捕集することによつて調
製された天然木材燻煙成分の溶液である。別法と
して、使用しようとする燻煙液は、木材の分散蒸
溜即ち木材繊維の破断又は分解による種々の化合
物の形成から誘導することができる。これらの化
合物は木材チヤー残留物から蒸溜される。水性燻
煙液は、一般には、極めて酸性であつて、通常
2.5以下のPH及び少なくとも3重量%の滴定可能
な酸性度を有する。 本発明の燻煙液組成物及びケーシングに関して
本明細書全体及び特許請求の範囲において用いら
れる用語「燻製色及び燻製風味付与成分」は、市
場で入手できる形態の燻煙液から誘導される燻製
色及び風味成分を意味する。 本発明のタール減少燻煙液は、天然木材燻煙成
分から誘導される。燻煙液の源は、一般には、堅
木の限定された燃焼そしてそのようにして発生さ
れた燻煙を制御した条件下に水溶液中に吸収させ
ることによつて調製される。限定された燃焼は、
望ましくない炭化水素化合物又はタールのうちの
いくらかを不溶性の形態に保ち、これによつてこ
れらの成分を最終燻煙液から除去できるようにす
る。かくして、この操作によつて、燻煙液の製造
業者によつてこれまで望ましいと考えられていた
木材成分はバランスのとれた割合で溶液中に吸収
され、そして望ましくない成分は除去することが
できる。得られる燻煙液は、なお有意義な濃度の
タールを含有する。何故ならば、燻煙液の製造業
者及び使用者は、食料に対して燻製色及び風味を
付与するという見地から暗色のタールが必要であ
ると考えているからである。この得られた燻煙液
は、入手できる木材誘導燻煙色及び風味の全範囲
を代表するものである。表Aには、幾つかの市販
タール含有木材燻煙液が本発明の目的に対して重
要と思われる幾つかの特性(これについては以下
で説明する)と一緒に示されている。好ましい種
類の典型的な燻煙液を製造する装置及び方法は、
Hollenbeck氏の米国特許第3106473号及び
Melcer氏外の同第3873741号に詳細に記載されて
いる。
【表】 本明細書における用語「少なくとも一部分中和
された」は、約4よりも大きいPH好ましくは約5
〜約9の範囲内のPH更に好ましくは約5〜約6の
範囲内のPHを有する燻煙液組成物を意味する。 市販燻煙液は、一般には、先に記載したように
高酸性であること、それ故にそれらは、もしカル
ボキシメチルセルロースの如き剥離助剤を用いる
ならばケーシングの剥離性に干渉する可能性があ
ることが分つた。この問題を軽減するために、本
発明の実施ではタール減少の少なくとも一部分中
和された燻煙液を用いることができる。 タール減少燻煙液は、管状ケーシングをタール
減少燻煙液組成物の浴中に通すことによつて該ケ
ーシングの外面に適用することができる。燻煙液
は、ケーシングが所望量の燻製色及び燻製風味付
与成分を含むのに十分な時間ケーシングに吸収せ
しめられ、次いでケーシングを絞りロール又はワ
イパー間に通すことによつて過剰の燻煙液が除去
される。ケーシングを処理浴(斯界では“浸漬
浴”又は“浸漬タンク”とも称される)に通す方
法は、斯界では“浸漬”工程と称される場合もあ
る。別法として、タール減少燻煙液組成物は、浸
漬以外の方法例えば吹付け、刷毛塗り、ロール被
覆等によつてケーシングの外面に適用することが
できる。 別法として、タール減少燻煙液組成物は、
Chiu氏の米国特許第4171381号に記載される幾つ
かの周知操作のどれかによつてケーシングの内面
に適用することができる。これらの例としては、
スラツギング又はバブルコーテイング、吹付け及
びひだ寄せしながらの被覆が挙げられる。ケーシ
ングの内面を被覆するためのスラツギング
(slugging)法は、ケーシングの一部分に被覆材
料を充填しこれによつて2つの平行ローラー上に
掛けられているケーシングによつて形成される
“U”字形の底部に被覆材料のスラグ(slug)が
滞留するようにし、次いでケーシングの連続長尺
物を移動させこれによつてケーシングが被覆材料
のスラグを通り過ぎてその内壁がスラグ中に含有
される被覆材料によつて被覆される間に該スラグ
がケーシング内に閉じ込められたまゝであるよう
にすることを包含する。 次いで、これは慣用法によつてひだ寄せするこ
とができ、又はひだ寄せに先立つてこれはひだ寄
せ及び(又は)更に加工処理するのに好適な含水
量まで乾燥及び(又は)給湿することができる。
タール減少燻煙液処理(好ましくは外面)後にお
ける通常の乾燥及び(又は)給湿の必要性は、処
理後のケーシングの含水量及びケーシングの種類
に左右される。もしケーシングが非繊維質ケーシ
ングであるならば、ひだ寄せ直前では約8〜約18
重量%の範囲内の含水量が典型的であり、また繊
維質ケーシングについて言えばひだ寄せ直前では
約11〜約35重量%の範囲内の含水量が典型的であ
る。なお、前記の百分率は水を含めたケーシング
の総重量に基いている。 ケーシングを本発明のタール減少燻煙液で処理
する1つの方法は、第1図に示されている。第1
図では、扁平化した管状セルロースソーセージケ
ーシング10は、タール減少燻煙液組成物12を
収容する浸漬タンク11を経て下方案内ロール及
び上方案内ロール13を通過する間にタール減少
燻煙液組成物で外部処理される。ケーシングは、
浸漬タンクを出た後に下方案内ロール及び上方案
内ロール14を通過し、次いで燻煙液組成物の過
剰の持ち越しを最少限にする絞りロール20の間
を通る。ケーシング10と、浸漬タンク11にお
けるタール減少燻煙液組成物12との及びケーシ
ングが絞りロール20を通る前に案内ロール14
を通過するケーシング上の過剰の燻煙液組成物と
の全接触時間は、ケーシングに与えられるタール
減少燻煙液組成物中の燻製色及び燻製風味成分の
量を決定する。全接触時間は、第1図においてA
点からB点まで測定される。ケーシングが絞りロ
ール20を通過した後、これは、案内ロール23
を通過しそしてリール24上に巻き取られる。次
いで、ケーシングは更に必要に応じて通常の給湿
器などの通常の加工処理装置及び通常のひだ寄せ
装置に送られる。 第2図に例示される具体例は、第2図では絞り
ロール20を通過した後のケーシングが加熱乾燥
室21に送られそこで適度な含水量に乾燥される
という点で、第1図に例示されるものとは異な
る。ケーシングは、絞りロール20及び22の密
封作用によつて該ロール20と22との間の相対
的な固定位置に維持された空気のバツプルによつ
て膨張される。加熱室21は、ソーセージケーシ
ングを適当な含水量に乾燥させる循環式熱風室の
如き任意の種類の加熱装置であつてよい。ケーシ
ングが加熱室21を出て絞りロール22を通過し
た後、これは案内ロール23を通過しそしてリー
ル24上に巻き取られる。次いで、ケーシング
は、更に必要に応じて通常の給湿器などの通常の
加工処理装置及び通常のひだ寄せ装置に送られ
る。 第3図に例示される具体例は、第3図ではケー
シングが案内ロール25を通過する間に扁平状態
で乾燥されるという点で第2図に例示されるもの
と異なる。 ケーシング表面上に被覆されるタール減少燻煙
液は、外面に被覆されようとも又は内面に被覆さ
れようとも、表面被覆としてだけ存在するもので
ないことを理解されたい。表面上に被覆される燻
製色、香り及び風味成分は、セルロースが燻煙液
中の水分を吸収するにつれてケーシングのセルロ
ース構造体中に浸透する。ケーシング壁の横断面
を調べると、ケーシング壁を横切つた色の濃淡が
見られ、その燻煙液処理表面はケーシング壁の反
対側の表面よりも暗い色を有する。従つて、本明
細書で用いられる用語「被覆」は、ケーシング壁
が燻煙成分で被覆されるのみならずケーシング壁
も燻煙成分で含浸されることを意味するものと理
解されたい。 また、本発明のタール減少燻煙液組成物は、燻
煙成分が適用される管状食品ケーシングを処理す
るのに適当に使用することができる他の成分、例
えば、促湿剤又は軟化剤等として使用することが
できるグリセリン及び(又は)プロピレングリコ
ールを含有することもできる。 更に、所望ならば、食品ケーシングの製造にお
いて又はその追加的な処理のために通常用いられ
る他の成分例えばセルロースエーテル及び鉱油を
該ケーシング中に存在させてもよく、そしてこれ
らはあたかもタール減少燻煙液処理が使用されな
かつた場合と同じ態様及び量で用いることができ
る。 特に、ケーシングへのタール減少燻煙液の外部
適用の前又は後で且つひだ寄せの前又はその間に
ケーシングの内面上に、ソーセージ例えばフラン
クフルトソーセージ、ボローニヤソーセージ等の
如き食品からのケーシングの剥離性を向上させる
ための薬剤を任意に被覆させることができる。も
しタール減少燻煙液がケーシング内面に適用され
るならば、剥離剤は最初に適用されるのが好まし
い。かゝる剥離性向上剤としては、限定するもの
ではないが、カルボキシメチルセルロース及び他
の水溶性セルロースエーテル(この使用について
は、Chiu氏外の1975年8月5日付発行の米国特
許第3898348号に開示されている)、アルキルケテ
ン二量体からなるハーキユルス・インコーポレー
テツドの商品名“Aquapel”(この使用について
は、H.S.Chiu氏の1975年9月16日付発行の米国
特許第3905397号に更に開示されている)及び脂
肪酸塩化クロミルからなるデユポン社の商品名
“Quilon”(この使用については、W.F.
Underwood氏外の1959年8月25日発行の米国特
許第2901358号に更に開示されている)が挙げら
れる。 剥離性向上剤は、多数の周知法のどれか1つを
用いることによつて管状食品ケーシングの内面に
適用することができる。かくして、例えば、剥離
性向上剤は、例えばShiner氏外の米国特許第
3378379号に開示されると同様の態様で液体の
“スラグ”の形態で管状ケーシングに導入するこ
とができる。ケーシングが液体スラグを通過する
につれて、その内面が被覆される。別法として、
剥離性向上剤は、Bridgeford氏の米国特許第
3451827号に記載されると同様の態様で、ケーシ
ングが進行しつゝある中空マンドレル例えばひだ
寄せ機械のマンドレルを介してケーシングの内面
に適用することができる。 また、本発明の方法は、燻製色及び燻製風味成
分が混入されたプリントケーシング例えば標章、
商標、文字等がプリントされたケーシングを製造
するのにも好適である。プリントケーシングの例
は、米国特許第3316189号に開示されている。 また、本発明の方法を使用して製造されたケー
シングは、一般に斯界において“ドライソーセー
ジ”として知られるものの加工処理にも好適であ
る。順客への販売前に食品加工業者が又は消費者
が食品から剥離するのが容易であるのが好ましい
他の種類の非繊維質及び繊維質ケーシングとは異
なつて、“ドライソーセージ”ケーシングは、加
工処理間に且つその後に食品に付着しているのが
好ましい。本発明の方法によつてタール減少燻煙
液で処理されたケーシングの内面に対してポリア
ミドエピクロロヒドリン樹脂であるハーキユル
ス・インコーポレーテツドの商品名“Kymene”
(この使用については、Shiner氏外の1968年4月
16日付発行の米国特許第3378379号に更に開示さ
れている)を任意に内面被覆し、しかしてケーシ
ング内で加工処理された食品への該ケーシングの
付着力を向上させることができる。 本発明は次の実施例を参照することによつて更
に明確に理解されるだろうが、これらの実施例
は、本発明を単に例示するものであつていかなる
点でも本発明を限定するものではない。特に記し
ていなければ、すべての部数及び百分率は重量比
であり、そしてすべてのケーシングに関連する百
分率はケーシングの総重量に基いている。 例 1 本例は、溶剤抽出法による本発明のタール減少
燻煙液組成物の製造を例示する。0.47ガロン
(1.8)の塩化メチレンに4.7ガロン(18)の
購入したまゝの(そのまゝの)燻煙液“A”
〔340nmにおいて約0.6の吸収能を有するグリフイ
ス・ラボラトリーズ・インコーポレーテツドから
の“ロイヤル・スモーク(Royal Smoke)
AA”〕を加え、次いで容器の反転の反復によつ
て液体を十分に混合させた。燻煙液から重力によ
つてタール含有塩化メチレンを分離した。即ち、
視覚的観察によつて検査したときにタール減少燻
煙液上層が見られるまでタール富化塩化メチレン
下層を排出させた。得られた水性燻煙液組成物
は、燻煙液の試料に水を混合しそしてそのタール
を沈殿又は欠乏について観察するところの定性的
水相溶性試験によつて調べたときに実質上タール
を含んでいなかつた。次いで、燻煙液に十分な量
の50%NaOH溶液を加えることによつて水性燻
煙液組成物の一部分のPHを5.0に調節した。同様
にして、そのまゝの燻煙液の試料のPHを5.0に調
節した。 この例1において包含される4種の燻煙液の化
学的比較を表Bに記載する。
【表】 * 数値は多数の測定値の算術平均値である。
表Bは、溶剤抽出法によつて製造された本発明
のタール減少水性燻煙液組成物がそのまゝのター
ル含有水性燻煙液とは実質上異なる化学的特性を
有することを示す。重量基準で、表Bのタール減
少組成物(試料B2及びB4)はそれらが誘導され
たタール含有水性燻煙液(試料B1)の約半分よ
りも少ないフエノール含量を有し、そしてこれが
本発明の好ましい組成物に相当する。表Bのデー
タは抽出が全酸レベル及びカルボニル濃度を実質
上変更することを示しているけれども、他の試験
研究によれば、全酸含量又はカルボニル濃度に及
ぼす排出の影響に関する我々の研究からは何等結
論を引き出すことができないことが示されてい
る。本発明のタール減少燻煙液はそれが誘導され
たタール含有燻煙液よりも実質上低いフエノール
成分濃度を有するけれども、前者のたん白質着色
(発色)能及び(又は)その天然香り又は風味特
性は以下の実施例によつて測定したときに有意義
には減少されない。 また、表Bの組成物の試料の目視検査から、本
発明を具体化する試料はかなり少ない高分子量タ
ールを含有することが明らかである。と云うの
は、それらは目立つて色が淡いからである。加え
て、それらは水と完全混和性である。 全酸含量を測定するための操作は、以下に記載
されている。燻煙液中のフエノール及びカルボニ
ル含量を測定するための操作は次の如くである。 燻煙液中のフエノール及びカルボニル含量の測定 試料調製のために、すべての試料は、ワツトマ
ンNo.2紙又は同等物によつて過され、そして
可能性のある重合を回避するために受取時に又は
調製後の分析閉まで冷凍される。すべての希釈に
対して、蒸溜水が使用される。試料は、10mlの量
で開始して2つの工程で水で希釈される。第一工
程においてい希釈は全容量200mlにされ、そして
第二工程では第一溶液の10mlが更に全容量100ml
に希釈される。フエノールの測定に対しては、第
二溶液の5mlが第三工程において蒸溜水で更に全
容量100mlまで希釈される。カルボニルの測定に
対しては、第二溶液の1mlが更にカルボニル不含
メタノールで全容量10mlまで希釈される。 フエノール測定に対しては、試薬は次の通りで
ある。 (1) ほう酸−塩化カリウム緩衝剤(PH8.3)。表示
した量の溶液を水で1に希釈する。 0.3Mほう酸 125ml 0.4M塩化カリウム 125ml 0.2M水酸化ナトリウム 40ml (2) 0.6%NaOH (3) 色試薬: N−2,6−トリクロロ−p−ベンゾキノン
イミン 原液: 0.25gを30mlのメタノール中に溶解させそし
て冷蔵庫内に保つ。 (4) 2,6−ジメトキシフエノール標準液: 標準曲線を得るために1〜7マイクロg/ml
のDMPを水中に溶解した溶液を調製する。 このフエノール測定操作は、I.W.Tuckerの
“Estimation of Phenols in Meat and Fat”
〔JACAC、XXV、779(1942)〕に記載される操作
に基づいた改良Gibbs法である。各試薬は、次の
順序で一緒に混合される。 一番目……5mlのPH8.3緩衝液 二番目……ブランクのための5mlの未知希釈燻煙
液又は標準2,6−ジメトキシフエノール溶液
或いは5mlの水 三番目……1mlの0.6%NaOHを使用してPHを9.8
に調節する。 四番目……1mlの色試薬原液を水で15mlに希釈す
る。1mlの希釈色試薬を加える。添加直前に調
製する。 五番目……室温において正確に25分間発色させ
る。 六番目……Spectronic20又は同等物を備えた1cm
の比色管において580nmの波長で吸光度を測
定する。 七番目……横座標として吸光度そして縦座標とし
て標準濃度を用いて標準曲線を作る。この曲線
から希釈燻煙液中のDMPの濃度を外挿する。 八番目……次の式を用いてmgDMP/ml燻煙液を
計算する。 ppmDMP(標準曲線から)×(希釈フアクター)×0.001m
g/μg/元の燻煙液試料のml=mgDMP/ml燻煙液 mgDMP/g燻煙液を計算するために、上記式
の結果を1mlの燻煙液の重量(g)によつて割
る。 カルボニル測定に対しては、試薬は次の通りで
ある。 (1) カルボニルを含まないメタノール。500mlの
メタノールに5gの2,4−ジニトロフエニル
ヒドラジン及び数滴の濃HClを加える。3時間
還流し、次いて蒸溜する。 (2) 2,4−ジニトロフエニルヒドラジン溶液。
二度再結晶化した生成物を使用してカルボニル
を含まないメタノール中で飽和溶液を調製す
る。冷蔵庫に貯蔵しそして2週間毎に新しいも
のを作る。 (3) カルボニルを含まないメタノールで20mlの蒸
溜H2Oを100mlに希釈したものに溶解したKOH
溶液10g。 (4) 2−ブタノン標準液。標準曲線のために3.0
〜10mgの2−ブタノンを100mlのカルボニルを
含まないメタノール中に溶解させた溶液を調製
する。 操作は、“Colorimetric Method for
Determination of Traces of Carbonyl
Compounds”〔Anal.Chem.23,541−542(1959)〕
に記載される操作を基にした改良Lappan−
Clark法である。操作は、次の如くである。 一番目……1mlの2,4−ジニトロフエニルヒド
ラジン試薬(飽和を確実にするために予め温め
る)を収容する25ml容量のフラスコに、1mlの
希釈燻煙液又は1mlの標準ブタノン溶滴又は1
mlのメタノール(試薬ブランクのため)を加え
る。 二番目……25mlフラスコのすべてに0.05mlの濃
HClを加え、各々の内容物を混合し、そして水
浴中に50℃で30分間置く。 三番目……室温に冷却し、そして各々に5mlの
KOH溶液を加える。 四番目……カルボニルを含まないメタノールで各
フラスコの内容物を25mlに希釈する。 五番目……0の吸光度の設定したメタノールブラ
ンクに対して480nmで読む〔0.5×4(10.1cm)
inのcuvette又は同等物)。Spectronic20又は同
等物を使用する。 六番目……標準曲線を得るためにmg/100ml単位
の2−ブタノン(MEK)濃度に対して吸光度
をプロツトする。 七番目……横座標として吸光度そして縦座標とし
て標準濃度(mgMEK/100ml)を用いて標準曲
線を作る。この曲線から希釈燻煙液中のMEK
の濃度を外挿する。 八番目……次の式によつてmgMEK/100ml燻煙液
を計算する。 mgMEK(標準曲線から)×希釈フアクター/100ml=mgME
K/100ml燻煙液 mgMEK/g燻煙液を計算するために、上記式
の結果を燻煙液100mlの重量(g)によつて割る。 例 2 この例は、制御温度中和法による本発明のター
ル減少燻煙液組成物の製造を例示する。2.5のPH
にあり且つ340nmの波長において約0.65の吸収能
(以下に定義)を有する110ガロン(980Ib、485
、445Kg)、の“ロイヤル・スモークAA”(タ
ールを含有するそのまゝの燻煙液)に、73lb(33
Kg)のフレークNaOHを21b/分(0.9Kg/分)の
割合で加えた。容器を連続的に撹拌し、そして冷
却塩水ジヤケツトで冷却した。この処理間に、温
度は14〜17℃の範囲で変動した。6.0のPHへの部
分中和の完了時に、撹拌を停止しそしてタールを
一夜沈降させた。タール沈殿物及びタール減少上
澄液を重力によつて分離し、そして後者を更にサ
ブミクロンフイルターカートリツジによつて過
した。得られた水性燻煙液組成物は、燻煙液に水
を混合しそしてタール沈殿又はその欠乏について
観察するところの定性的水相溶性試験によつて測
定したときに実質上タールを含んでいなかつた。
タールの可視的な沈殿は全くなかつた。そのまゝ
の燻煙液及びこの例のタール減少燻煙液の化学的
組成を表Cに示す。
【表】 * 数値は、多数の測定値の算術平均値で
ある。
表Cは、制御温度中和法によつて調製された本
発明のタール減少水性燻煙液組成物が、購入した
まゝのタール含有水性燻煙液の化学的特性とは実
質上異なる化学的特性を有することを示す。フエ
ノール含量は実質上減少されるが、しかしタール
減少燻煙液中のカルボニル及び全酸含量は元のタ
ール含有燻煙液の対応する値よりも明らかに高い
ことが分る。表Bに関する説明で同様に記載した
ように、他の試験研究によれば、制御温度中和法
が全酸含量又はカルボニル濃度に及ぼす影響に関
する実験からは結論を全く引き出すことができな
いことが示されている。可能な説明としては、遊
離状態(PH2)では高度に揮発性であるがしかし
それらの塩形態では揮発性でない酸の如き成分
は、試料調製が蒸溜及び回収を含有するような分
析操作では一部分失われる可能性があるというこ
とである。 例1及び2では重質タール画分からタール減少
燻煙液が自然の重力によつて一段階で分離された
けれども、他の分離法を用いることもできる。例
えば、溶剤抽出法では、周囲温度及び圧力下に又
は高められた温度及び圧力下に2つの液体の多段
階接触を実施することもできる。また、液−液サ
イクロン又は遠心接触器の如き機械的手段によつ
て自然重力分離を促進させることができる。複数
のかゝる装置を用いることによつて又は垂直向流
塔を用いることによつて多段階抽出を行なうこと
ができる。好適な向流塔としては、噴霧塔、充填
塔、シーブトレー又は改良バルブトレーを収容す
るデツキ塔、及び回転円板カラムの如き内部撹拌
手段を備えた塔が挙げられる。 例 3 この例は、そのまゝの燻煙液をゲル素材管状食
品ケーシングに適用するときのタール汚れ問題及
び本発明のタール減少燻煙液を用いることによる
かゝる問題の排除を例示する。 通常の乾燥工程の前の点においてケーシング製
造プロセスから非繊維質フランクフルト寸法セル
ロースゲル素材ケーシングを取つた。この湿つた
ケーシングを、そのまゝの燻煙液(ロイヤルスモ
ークAA)を収容する浸漬タンクに通した。ゲル
素材ケーシングが浸漬タンクを通過し続けるにつ
れて、そのまゝの燻煙液からケーシング表面上の
暗色のタール状付着物が生成し始めた。これは、
燻煙液がケーシング壁に移行したためである。プ
ロセスが進行するにつれて、ケーシング表面から
タール状付着物が移行し始めて燻煙処理装置のキ
ヤリヤロール及び絞りロール上に堆積した。この
タール状付着物は粘着性であり、そして最終的に
は処理済みケーシングは、ロールに付着し始めて
ロールに巻付きそして破断した。この時点で、操
作が中止された。 同じ種類のゲル素材(ストツク)ケーシングを
使用して、新しい操作を開始した。溶液の温度制
御を行わずに100gのそのまゝのロイヤル・スモ
ークAAに8gの無水炭酸ナトリウムを加えるこ
とによつて、一部分中和した混合物を調製した。
これを過して沈殿タールを除去すると、5.6の
PHを有する残留溶液は中和法によつて調製した如
き本発明のタール減少燻煙液であつた。この液を
浸漬タンクに移し、そしてそれに非繊維質ゲル素
材ケーシングを通してその外面上にタール減少燻
煙液処理を施した。ケーシング又はロールのどち
らにも有意義なタール形成がなかつた。 次いで、1.3in(3.3cm)の扁平幅を有する非繊維
質フランクフルトケーシングを製造するのに十分
な条件下に、乾燥機に燻煙液処理ケーシングを膨
張状態で通した。次いで、実験室において0.85%
のナトリウムカルボキシメチルセルロースを含有
する剥離向上剤溶液を用いてケーシング試料をス
ラツグ処理した。この内面被覆は、ケーシングの
剥離性を向上させるためにケーシング表面1in2
り3.5mgの溶液を提供した。 次いで、実験室においてケーシングに手でたん
白質エマルジヨンを充填した。ケーシング入りの
製品を実験室的炉において加工処理し、そしてそ
れからケーシングを剥離して均一な燻製色を有す
る仕上製品を得た。この燻製色は、こすつても落
ちなかつた。味覚試験は行わなかつた。 例 4 この例は、例1に記載した如き溶剤抽出法によ
つて製造した燻煙液を使用して本発明のタール減
少燻煙液処理管状ケーシングを製造することを例
示する。出発混合物としてロイヤルスモークAA
の他に、レツド・アロー・プロダクツ・カンパニ
ーから購入されてそして340nmにおいて約0.4の
吸収能を有する“チヤーゾル(Charsol)C−
10”(これは、表Dにおいて“そのまゝの燻煙液
C”及びタール減少燻煙液組成物Cと記載されて
いる)を用いて試料を調製した。 例1で調製した中和(PH5.0)水性燻煙液組成
物を用いて、幾つかの非繊維質フランクフルト寸
法ゲル素材ケーシングを処理した。これは、燻煙
液をケーシングの外面に適用することによつて行
われた。燻煙液付着量は、ケーシング表面1in2
り約10mg(1.55mg/cm2)であつた。アプリケータ
ーは、水性燻煙液をケーシングの周囲に均一に分
布させる装置であり、そして2つの主要部材即ち
燻煙液アプリケーター及び平滑ロールよりなつて
いた。燻煙液アプリケーターは、燻煙液が外縁で
入るように設置された固定フオーム円板よりなつ
ていた。小さい軟質プラスチツク管によつて、燻
煙液は膨張ケーシングが通されるところの中央コ
アに導びかれた。フオーム円板はケーシング寸法
に応じて変形し、しかしてこれはある範囲のケー
シング横断面積に対して好適になつた。燻煙液の
適用は正確には均一でないので、アプリケーター
の直後に回転平滑装置が用いられた。これは、処
理しようとするケーシングの寸法に適するコア寸
法を持つ回転フオーム円板を収容していた。円板
を200〜250rpm(1260〜1570/min)のエアモー
ターによつて駆動させた。アプリケーター及び平
滑装置からの過剰の燻煙液を交通の溜めに集め、
そしてアプリケーターの入口に戻した。処理ケー
シングを点支持型組立体に次いで乾燥帯域に通し
た。上記のケーシング被覆及びケーシング移動組
立体は、本発明の一部分ではなく、Chiu氏外の
名前で1981年5月7日付出願の“Liquid
Coating Method and Apparatus”と題する先
の米国特許願第261457号で特許請求されている。 処理ケーシングを80℃において12重量%の含水
量まで乾燥させた。次いで、ケーシングを通常の
態様で14〜18重量%の含水量まで給湿しそしてひ
だ寄せした。処理ケーシング中に存在する燻煙液
組成物、フエノール、カルボニル及び全酸含量の
レベルを表Dに示す。
【表】 * 数値は、多くの測定値の算術平均値で
ある。
本発明のタール減少燻製色及び燻製風味ケーシ
ングの1つの具体例は、タール減少燻煙液が誘導
されたタール含有水性燻煙液組成物を被覆したと
きにケーシングが有するフエノール含量(処理ケ
ーシング表面の単位面積当りの重量を基にして)
の半分よりも少ないフエノール含量を有するター
ル減少燻煙液被覆を有するケーシングとして一部
分特徴づけることができる。表Dのデータは、タ
ール減少燻煙液組成物Aを被覆した本発明のケー
シングが部分中和タール含有燻煙液A(ロイヤル
スモークAA)を被覆したケーシングのフエノー
ル含量の僅か約1/3のフエノール含量を有したと
ころの具体的な例である(ケーシングC1をケー
シングC2と比較)。同様に、タール減少燻煙液組
成物Bを被覆したケーシングは、タール含有燻煙
液B(Charsol C−10)のフエノール含量の約1/
4よりも少ないフエノール含量を有していた(ケ
ーシングC3及びケーシングC4を比較)。表Bの場
合におけるように、ケーシングのカルボニル含量
又は全酸含量に及ぼす本発明の効果に関しては結
論を引き出すことができない。 これらの実験の性質のために、燻煙液のフエノ
ール減少(表B)及び被覆ケーシングのフエノー
ル減少(表D)は対応していない。 例 5 この例は、例2に記載した如き制御温度中和法
によつて調製した燻煙液を使用して本発明のター
ル減少燻煙液処理管状ケーシングを製造すること
を例示する。比較のために、同じ種類のケーシン
グ(非繊維質セルロース)を同じ態様においてそ
のまゝのタール減少ロイヤルスモークAA燻煙液
で処理した。 フランクフルト寸法のゲル素材ケーシングを例
2の燻煙液組成物によつて約10mg/in2(1.55mg/
cm2)のレベルで処理した。これは、ケーシングの
外面への適用によつて行われた。アプリケーター
は、例4に記載したと同じ装置であつた。 処理ケーシングを80℃において12重量%の含水
量まで乾燥させた。次いで、通常の態様で、ケー
シングをひだ寄せ間に14〜18重量%の含水量まで
給湿した。処理ケーシング中に存在するフエノー
ル、カルボニル及び全酸含量を表Eに示す。
【表】 理
* 数値は、多数の測定値の算術平均値で
ある。
これらの実験の性質の故に、燻煙液中のフエノ
ール減少(表C)及び被覆ケーシング中のフエノ
ール減少(表E)は対応しない。表Cの場合にお
けるように、ケーシングのカルボニル含量又は全
酸含量に及ぼす本発明の効果については結論を引
き出すことができない。全酸含量について言え
ば、部分中和タール減少ケーシング試料中の高い
レベルは高いPHにおける酸の塩形態の低い揮発性
を反映している。1つの可能な説明としては、遊
離状態(PH2)において高揮発性の酸成分がそれ
らの塩形態(PH6)においてはそれほど揮発性で
ないこと及びそれらはそのまゝの燻煙液で処理し
たケーシングを乾燥する間に一部分失われる可能
性があることである。 本発明の水性燻煙液組成物のたん白質着色(発
色)能とそれが誘導されたタール減少燻煙液との
比較のために目標基準が用いられた。これらの基
準は、燻煙液組成物それ自体に適用したときの
“着色能”及び管状食品ケーシングの被覆に適用
したときの“着色指数”を包含する。各場合に、
本発明の試験した具体例は実質的な着色能を例示
し、しかもタール含量はこれまで経験したタール
問題が排除された程のレベルまで減少された。 着色能及び着色指数を測定するのに用いた操作
は次の如くである。 着色能及び着色指数の操作 この操作は、肉の加工処理において肉たん白質
が燻煙成分と反応しこれによつて製品に所望の暗
い燻製色を付与する反応にその基礎をおいてい
る。この着色又は暗色化能を定量化するために、
未知の燻煙又は新たに処理した燻煙処理ケーシン
グが所定のアミノ酸(グリシン)と酸条件下に70
℃で30分間反応させる。溶液の吸光度が525nm
において測定される。この操作を燻煙液又は燻煙
液処理ケーシングに対して実施して再現性のある
結果を得ることができる。詳細な操作は次の通り
である。 () グリシンを95%酢酸中に溶解させた2.5%溶
液を調製する。 (a) 500ml容量のフラスコにおいて25mlの水中
に12.5gのグリシンを溶解させる。溶解を容
易にするのに十分な氷酢酸を加える。 (b) 氷酢酸で規定のレベルまで希釈する。 () 燻煙液の分析の場合には、15mlの試験管
に、評価しようとする燻煙液の15〜20mg(±
0.1mg)を計量して入れる。又は、 () 燻煙液処理ケーシングの分析の場合には、
試験ケーシングから4つの二重円板を抜き取つ
て8つの円板について2.0in2(12.9cm2)の全ケー
シング面積を与えた。 (a) もしケーシングをひだ寄せするならば、一
部分を10psi(68.900パスカル)の空気で膨張
させて表面を平滑にする。ケーシングを硬い
表面上で引つぱることによつてれを折りたた
み、円板を抜き取りそしてそれらを試験管に
入れる。 () 燻煙液又は処理ケーシングのどちらかを収
容する試験管に、5.0mlの2.5%グリシン/酢酸
溶液を加える。 () 試験管をキヤツプし、手で振とうして試料
を確実に接触させ、そして70℃の炉又は恒温浴
中に30分間入れる。 () ブランクとしてグリシン試薬を用いて525n
mにおいて各溶液の吸収度を測定する。この吸
光度は、燻煙液の着色能又は燻煙液処理ケーシ
ングの着色指数として報告される。 着色指数の数値は、ケーシング表面2in2(12.9
cm2)当りの吸光度である。 着色能は、燻煙液が着色指数装作の下に一定の
吸光度又は色を発現させる能力即ち燻煙液mg当り
の単位吸光度を表わす。 例 6 制御温度条件(制御温度中和法)及び未制御温
度条件(中和法)の下にそのまゝのタール含有燻
煙液を2.3の初期PHから6.0の最終PHまで部分中和
して一連の試験を実施した。着色能を異なる中和
温度で測定したが、第4図のグラフにはロイヤル
スモークAA燻煙液(上方曲線)及びチヤーゾル
C−10燻煙液(下方曲線)についてのデータが要
約されている。 更に具体的に言えば、各試験に対して用いたそ
のまゝの燻煙液は、連続的な混合と共に50%
NaOHを加えそして浸漬コイル型ポータブル冷
凍装置によつて冷却して溶液の熱を除去し且つ混
合物の液温を所望レベルに維持することによつて
部分中和された。所要量の塩基を加えて6.0の所
望PHにした後、タール沈殿物を重力によつて分離
しそしてそのタール減少上澄液を着色能測定のた
めに用いた。 第4図を見ると、部分中和ロイヤルスモーク
AAの着色能は5〜30℃の制御温度範囲において
約0.027で比較的一定であるのに対して、部分中
和チヤーゾルC−10燻煙液の着色能は、同じ温度
範囲において約0.022で実質上一定であることが
分る。それよりも高い温度では、着色能は低下し
始める。この特定の一連の試験においてそして未
制御温度中和(冷却なし)の場合では、燻煙液混
合物が達する最高未制御中和温度は約60℃であつ
た。この例は、未制御温度中和法よりもむしろ制
御温度中和法によつて本発明のタール減少燻煙液
組成物を調製することによつて高い着色能が得ら
れることを例示する。 例 7 本発明に従つたタール減少燻煙液処理非繊維質
セルロース食品ケーシング及びタール含有燻煙液
処理ケーシングを用いて、一連の紫外線吸収スペ
クトル分析試験を実施した。これらの試験は、2
つの種類のケーシング間における実質的な差異を
例示する。この試験は、3種の異なる木材誘導燻
煙液即ちチヤーゾルC−12、ロイヤルスモーク
AA及びロイヤルスモークBを使用した。これら
のタール含有燻煙液は、PH2.4のそのまゝの形態
で、また溶剤抽出(PH2.4)、中和及び制御温度中
和法(PH6.0)によるタール除去後にケーシング
内面に適用された。ケーシングは21mm直径の非繊
維質セルロースケーシングであり、そして剥離性
の向上のためにケーシング内面に被覆が吹付けら
れた。本例及び以下の例において、剥離性向上剤
溶液は、Chiu氏外の米国特許第3898348号に記載
される種類のものであつた。送出量は、ケーシン
グ表面1in2当り3.0〜5.0mm(0.47〜0.78mg/cm2)で
あつたが、この溶液中に用いた組成物の範囲を表
Fに示す。
【表】 タール減少燻煙液を調製するのに用いた操作
は、先の例に記載したと同じものであつた。これ
らのタール減少燻煙液及びそのまゝのタール含有
燻煙液は、それぞれ、先の例に記載したと同じ態
様で且つ約10mg/in2(1.55mg/cm2)ケーシング表
面の吸着レベルまでケーシング内面に適用され
た。 種々の燻煙液処理ケーシングから得た燻煙液試
料について350〜210nm範囲における紫外線吸収
スペクトルを次の操作によつて記録した。 (a) 燻煙液処理ケーシングの0.0635m2試料を200
mlの無水メタノール中に約1時間浸漬させ、次
いで取り出した。 (b) 燻煙液吸着量によつては、UV走査装置との
適合性のために更に希釈を行わなければならな
い。この場合には、燻煙液吸着量は約10mg/
in2(1.55mg/cm2)ケーシングであり、そして走
査に用いた溶液はメタノール4.96ml及び工程(a)
からの抽出物0.10mlを含んでいた。 (c) 次のフオーマツト即ち2秒応答/2mmスリツ
ト、10nm/cmチヤート、50nm/min走査速度
及び0〜200%で350〜210nm範囲におけるUV
スペクトルを記録した。 主として燻煙液中の存在するタールによる吸光
度を測定するために、最低可能なタール含量を含
有する抽出物溶液を使用して分光光度計を0の目
盛に合せた。特定の種類の燻煙液では、これは、
抽出しそして中和(PH5.0)した燻煙液で処理し
たケーシングの抽出物試料であつた。この態様で
一旦0の目盛に合せると、UVスペクトルの追加
的な吸光度は存在するタール状成分の定量的尺度
である。 チヤーゾルC−12に対するこれらの紫外線吸収
試験の結果は第5図のグラフにプロツトされてい
るが、そのまゝの燻煙液は実線として示されてい
る。中和法によつて調製されたタール減少燻煙液
はダツシユ線として示され、制御温度中和法によ
つて調製されたタール減少燻煙液はダツシユ点線
として示され、そして溶剤抽出法によつて調製さ
れたタール減少燻煙液は点線として示されてい
る。同様に、そのまゝのロイヤルスモークAA及
びそのまゝのロイヤルスモークB燻煙液及びにそ
れから得たタール減少燻煙液についての紫外線吸
収試験の結果もそれぞれ第6〜7図のグラフに示
されている。第5〜7図のグラフに記録されたゼ
ロよりも大きい透過率は、これらの特定の実験に
用いた機械ブランクの函数である。 第5〜7図の曲線を見ると、タール減少試料と
タール含有試料との間の最つとも大きい差異は約
210nmの波長において起るけれども、全走査範
囲と波長にわたつて実質的な差異があることが分
る。この差異は、最つとも高い全酸性度及び最つ
とも高いタール含量の燻煙液(チヤーゾルC−12
及びロイヤルスモークAA)の場合に最とも大き
い。吸光度差異は、制御温度中和及び中和法によ
つて処理したときの低い全酸性度及び低いタール
含量を有するロイヤルスモークBの場合には少な
い。 210nmの波長における吸光度及び光透過率値
は表Gに要約されているが、これらを用いると、
本発明のタール減少燻煙液処理セルロースケーシ
ングからの燻煙液抽出物は、同じ吸収指数(以下
に定義)を有する対応するタール含有燻煙液処理
ケーシングからの燻煙液抽出物の紫外線吸光度の
約60%に過ぎないそして好ましくは約30%に過ぎ
ない210nmでの吸光度を有することが示され得
る。また、表Gには、本発明のタール減少燻煙液
処理セルロースケーシングの210nmでの紫外線
透過率はタール減少燻煙液が誘導されたタール含
有燻煙液で処理した同様のケーシングの紫外線透
過率の少なくとも4倍であることも示されてい
る。
【表】 例 8 本発明の非繊維質ゲル素材セルロースケーシン
グ具体例は、タール減少燻煙液が誘導されたター
ル含有燻煙液の被覆を有する同様のケーシングの
ケーシング曇り値の80%以下そして最とも好まし
くは70%以下ケーシング曇り値をもたらすタール
減少燻煙液被覆を有するのが好ましい。タール含
有燻煙液は、少なくとも約10重量%の全酸含量を
有する。 曇り値はケーシングのタール含量の尺度を表す
が、このケーシング特性は、燻煙液処理を施して
いない非繊維質ゲル素材セルロースケーシング、
そのまゝのタール含有燻煙液による処理を施した
もの及びタール減少燻煙液による処理を施したも
のについての曇り測定を包含する一連の実験で例
示された。各場合に、そのまゝのタール含有燻煙
液は、11.5〜12.0重量%の全酸含量を有するロイ
ヤルスモークAAであつた(表A)。一般的な操
作はケーシング試料を水中に浸漬させることであ
つたが、この浸漬期間にケーシング壁中に入つた
すべてのタール成分は水によつて不溶化される。
タールが存在する限り、水不相溶性はケーシング
中における曇りの形で定量的に測定される。 実験において、溶剤抽出法によつて調製された
タール減少燻煙液は、先ず、塩化メチレン液状溶
剤と10:1の燻煙液対液状溶剤容量比で接触され
た。混合後、溶液を12〜16時間放置させて2層を
形成し、そして分離したタール減少燻煙液上層を
5.0のPHまで部分中和してから例4の操作によつ
てセルロースケーシング外面上に適用した。この
例8における燻煙液処理のすべてにおいて、燻煙
液は、ケーシング表面1in2当り約10mg(1.55mg/
cm2)の吸着量でケーシング外面に適用された。 中和法によつて調製したタール減少燻煙液の部
分中和を、温度制御せずにそのまゝの燻煙液に
NaOHを添加することによつて行つて5.5のPHに
し、そしてデカンテーシヨンによつてタール減少
部分を分離した。このタール減少燻煙液をケーシ
ング壁に適用した。これは、水性燻煙液をゲル素
材ケーシングの外面に適用することによつて行わ
れた。 制御温度中和法によつて調製したタール減少燻
煙液を例2の態様で10〜15℃において6.0のPHに
中和した。タール沈殿物からタール減少燻煙液を
分離し、そして例4の操作によつてケーシング外
面に適用した。 この例8で用いたすべてのケーシングに対し
て、表Fの剥離性向上剤溶剤をケーシング内面に
吹き付けた。21cm直径の非繊維質ケーシングをひ
だ寄せし、そしてひだ解きした棒状体(ステツ
ク)から無造作に36in(91.4cm)の長さの試料を
取り、空気で膨張させてひだのしわを取りそして
200mlの脱イオン水中に浸漬した。浸漬時間は、
少なくとも1時間で3時間よりも多くなり、即ち
水によるケーシング壁の完全浸透に十分なだけの
期間であつた。試料を吸取紙で吸い取つて乾燥状
態にした後、ASTM Method D1003のVol.35
“Haze and Luminous Transmittance of
Transparent Plastics”(1977)に記載される一
般的な操作を使用してケーシングの曇りを測定し
た。これらの試験の結果を次の表Hに要約する。
【表】 表Hには、本発明のタール減少燻煙液処理ケー
シング(“ロイヤルスモークAA”燻煙液から調
製)は、燻煙液被覆を有しない同様のケーシング
の曇り値(7.9%)と同程度でそして実際にはそ
れよりも小さい曇り値(7.6、6.7及び6.6%)を有
することが示されている。 各製造業者のケーシングの平均曇り値は幾分変
動する可能性があるけれども、たいていのケーシ
ング(燻煙液処理を受けていないもの)は7.7〜
8.2%の範囲にある。しかしながら、ある製造業
者の未処理セルロース管状ケーシングの平均曇り
値はずつと高く即ち約21.9%である。 本発明のタール減少燻煙液処理ケーシングを特
徴づける曇り値手段は、ゲル素材状態で燻煙処理
されたケーシングに限定されることが思い出され
よう。この種のケーシングの場合には、燻煙液は
実際にはケーシング壁に浸透し、そして後続の浸
漬間にすべてのタール成分が水によつて不溶化さ
れる。燻煙液処理ドライストツクケーシングの場
合には、燻煙液は、見掛上ケーシング外面に浸透
せずそして曇り値測定の水浸漬工程間に洗い落さ
れる。従つて、曇り値は、本発明のタール減少燻
煙液処理ドライストツクケーシングを特徹づける
には有用でない。一例として、約10mg/in2(1.55
mg/cm2)ケーシング表面の燻煙液吸着量ではター
ル含有ロイヤルスモークAA燻煙液処理ドライス
トツクケーシングとタール減少ロイヤルスモーク
AA燻煙液処理ドライストツクケーシングとの間
で曇り値の差異が全くない。 また、タール減少燻煙液処理ゲル素材ケーシン
グの曇り値特性表示は、少なくとも約10重量%の
全酸含量を有する燻煙液の使用を必要とする。こ
れよりも低い酸含量を有する燻煙液は、明らか
に、タール含有燻煙液被覆ケーシングとタール減
少燻煙液被覆ケーシングとの間で曇り値の測定し
得る差異を提供するのに十分なタールを含有しな
い、これは、約14mg/in2(2.17mg/cm2)ケーシン
グ表面の吸着量まで適用されるそのまゝのタール
含有及びタール減少ロイヤルスモークB燻煙液に
よるケーシング処理を包含する試験によつて例示
された。ロイヤルスモークBは約8.5〜9.0重量%
の全酸含量を有し(表A参照)、そして2つの種
類のケーシングの曇り値には目立つた差異がなか
つた。 表Hから、そのまゝのタール含有燻煙液処理セ
ルロースケーシングの平均曇り値は本発明のター
ル減少燻煙液処理セルロースケーシングの平均曇
り値よりも実質上高いことが明らかである。3種
の試験したタール減少燻煙液処理ケーシングの最
とも高い平均曇り値(7.6%)は、そのまゝのタ
ール含有燻煙液処理ケーシングの平均曇り値の71
%であり、これによつて本発明の好ましいタール
減少燻煙液処理非繊維ケーシングの約80%以下と
いう上限が提供される。他の2種類のケーシング
は、そのまゝの燻煙液処理ケーシングの平均曇り
値の62%である平均曇り値を有し、これによつて
約70%以下という最とも好ましい上限が例示され
る。曇り値は試料毎に幾分変動するので、本発明
のケーシングの曇り値は少なくとも10個の試料の
算術平均に基づいていることを理解されたい。 平均曇り値は、ケーシング直径の函数でもあ
り、そして厚いケーシング壁のために直径の増大
と共に増加する。更に、平均曇りの絶対値は、ケ
ーシングに組込まれた特定の燻煙液の全酸含量
(及び以下に説明する如き吸収能)及び燻煙液の
量に左右される。しかしながら、一般には、本発
明のセルロースケーシングの平均曇り値は、たと
えケーシング入り食品における燻製色及び燻製風
味付与能が同等の条件下に製造したときとほゞ同
じであつても、そのまゝの燻煙液で処理したセル
ロースケーシングの平均曇り値よりも実質上低
い。この関係は、本発明のタール減少燻煙液処理
セルロースケーシングとそのまゝの燻煙液処理ケ
ーシングとの間の化学的及び機能的差異を例示す
る。 曇り試験は、本発明のセルロースケーシングを
特徴づけるのにだけ有用であり、繊維質ケーシン
グには有用でない。これは、繊維質ケーシングが
元来不透明であつて極めて高い平均曇り度例えば
直径約70cmの未処理繊維質ケーシングでは約97.5
%の平均曇り度を有するためである。 例 9 制御温度中和法によつて調製したタール減少燻
煙液組成物を用いて、例2の態様で且つ例5の処
理操作に従つて直径21mmのセルロースフランクフ
ルトケーシングの外面を処理した。比較のため
に、燻煙液によつて処理していない同じ寸法のケ
ーシングを用いた。この場合に、これらの対照ケ
ーシングの内面上に上記表Fの剥離性向上剤溶液
を噴霧被覆し又はしなかつた。すべてのケーシン
グに、表の中肉処方物又は表Jの高コラーゲン
肉処方物のどちらかのエマルジヨンを充填した。 表 中肉処方物成 分 重量(Kg) 牛の首の肩の肉 22.68 牛の肋骨下部の薄肉 22.68 塩 1.13 水 13.61 調味料 0.45 亜硝酸ナトリウム(プラハパウダー) 0.11 表 J 高コラーゲン処方物成 分 重量(Kg) 牛の首と肩の肉 9.98 牛の胃壁 7.26 牛の脛肉 7.26 牛のほお肉 7.26 並豚肉 13.61 水 9.98 塩 1.13 調味料 0.45 亜硝酸ナトリウム(プラハパウダー) 0.11 充填済みケーシングを工業的に実施される如き
通常の熱条件下に加工処理し、次いで工業的装置
で機械的に剥離した。2種類のエマルジヨンに対
して2つの加工室を用いたが、これらは、同じ態
様で10%の相対湿度下に1時間にわたつて温度を
140〓から180〓に上げるようにプログラムされ
た。肉製品を155〓(68℃)の内部温度に調理し、
次いで冷水(47〓、8℃)を10分間浴びせてか
ら、冷却水(35〓、1.6℃)を10分間浴びせた。
加工条件は、ケーシングから燻製色、香り及び風
味成分をケーシング入りのフランクフルトソーセ
ージに移行させるのに十分であつた。この加工処
理の直後に、“Gardner XL−23Tristimulus
Colorimeter”(これは、色や光の強さ測定のた
めに業界で一般に使用されている)の取扱説明書
に記載される標準操作に従つて、白色板で標準化
した1cm口径の開口を持つGardner XL−
23Colorimeterを用いて色度値を得た。読取りの
ために、各処理からの10個のフランクフルトソー
セージの各々上の3つの位置を選定した。読取り
位置は、各々のフランクフルト端部からまた中央
部から約1in(2.54cm)離れていた。色度“L”及
び“a”値を集めた。これらの剥離性及び比色試
験の結果を表K及びLに要約する。
【表】 (1) 牛肉処方物
(2) 高コラーゲン肉処方物
【表】 試料は暗色である。
** “a”値は赤色度を表わす。値が高い
程、試料は赤色である。
表Kを分析すると、本発明のタール減少燻煙液
処理セルロースケーシングの使用に基づく牛肉処
方物試料(試料K3)の剥離性は剥離性向上剤溶
液の使用の場合に優秀であつたことが示されてい
る。高コラーゲン肉処方物試料(試料K6)の剥
離性は、剥離性向上剤溶液を内面適用して使用し
た場合に良好であつた。表Lを分析すると、ター
ル減少燻煙液処理ケーシング試料中で作られたフ
ランクフルトソーセージ製品は、燻煙液によつて
処理されなかつたケーシング中で作つたフランク
フルトソーセージ製品よりも暗色で且つ赤い色を
示したことが分る。 例 10 例4における如くして幾つかの非繊維質フラン
クフルト寸法セルロースケーシングを処理した
(ロイヤルスモークAAから得た溶液及びタール
の塩化メチレン抽出)。但し、ケーシングの剥離
性を向上させるために、その後にひだ寄せ間にケ
ーシングの内面に表Fの剥離性向上剤溶液をケー
シング表面1in2当り3.5mg(0.54mg/cm2)の送出量
で噴霧被覆した。これらの実験で用いた水性燻煙
液組成物(例1の燻煙液組成物B1及びB2)のPH
は、表Mに示されるように50%NaOH溶液の添
加により3.2又はそれ以上のPHにすることによつ
て調節された。 表 M 溶剤抽出燻煙液のPH調節試料No. 溶液PH CHC−8 未処理対照 CMC−9 試料B2(PH2.4) CMC−10 3.2 CMC−11 4.1 CMC−12 5.0 CMC−15 5.1 CMC−13 6.1 CMC−14 7.0 表Mのタール減少燻煙液で処理したケーシング
に、表Nの処方を有する高コラーゲン含量肉エマ
ルジヨンを充填した。 表 N フランクフルトソーセージの処方成 分 重量(Kg) 牛の首と肩の肉 9.98 牛の胃壁 7.26 牛の脛肉 7.26 牛のほお肉 7.26 並豚肉 13.61 水 9.98 塩 1.13 調味料 0.45 亜硝酸ナトリウム(ブラハパウダー) 0.11 次いで、充填されたケーシングを調理、冷水浴
せ及び冷却の慣用工程によつてしかし燻煙処理の
慣用工程を行わずに加工処理した。“High
Speed Apollo Ranger Peeling Machine”仕上
フランクフルトソーセージからケーシングを剥離
させた。表Oには、これらのケーシングはPHが少
なくとも4.1であるときに100%剥離したことが示
されている。このことは、剥離機の作動停止なし
に且つフランクフルトソーセージ表面の損傷なし
にすべてのフランクフルトソーセージがそれらの
ケーシングから機械剥離速度で分離されたことを
意味する。また、例9に記載の装置を用いて比色
値も得た。表Oには、各試料は対照試料CMC−
8と比較して一般に優秀な比色値を有していたこ
とも示されている。すべての試料は優秀な暗色性
(“L”値)を示したが、しかし試料CMC−14は
7.0の比較的高い溶液PHのために低い赤色性
(“a”値)を有していた。
【表】 この例10のケーシングで加工処理されたフラン
クフルトソーセージは、受け入れできる燻製風味
を示した。 例 11 高められた温度(調製間における制御中和温度
に関して)で25日までの期間熟成された各組成物
について着色能を測定した。最初の一連の試験で
は、そのまゝのロイヤルスモークAA燻煙液及び
その対応するタール減少燻煙液(5〜30℃範囲の
様々な温度で6.0のPHに中和)を用いて100〓
(37.8℃)で25日までの期間熟成させた。第二の
一連の試験では、そのまゝのチヤーゾルC−10及
びその対応するタール減少燻煙液(同じ温度範囲
の様々な温度で中和)を用い、そしてこれらも
100〓(37.8℃)で25日までの期間熟成させた。
第三の一連の試験では、そのまゝのチヤーゾルC
−10及びその対応するタール減少燻煙液を5〜30
℃範囲の様々な温度で中和しそして70℃において
22日までの期間熟成させた。第四の一連の試験で
は、そのまゝのロイヤルスモークAA燻煙液及び
その対応するタール減少燻煙液を5〜30℃範囲の
様々な温度で中和しそして70℃において25日まで
の期間熟成させた。これらの試験においてタール
減少燻煙液を調製する操作(制御温度中和)は例
2に記載したと同じであつたが、これらの試験の
結果を表Pに要約する。
【表】
【表】 表Pは、そのまゝのタール含有燻煙液の着色能
が実質上一定であること即ち高められた温度での
熟成によつて影響を受けないことを示す。これと
は対照をなして、本発明のタール減少燻煙液の着
色能は、70〓(21.1℃)及び100〓(37.8℃)の
高められた温度での熟成間に少なくとも25日まで
の期間にわたつて絶えず低下する。この低下は、
5〜30℃の全中和温度範囲内ではほゞ一定の直線
的割合にある。これらの熟成試験は制御温度中和
によつて調製した試料を用いたけれども、(未制
御温度)中和及び溶剤抽出によつて調製されたタ
ール減少燻煙液を用いた他の熟成試験も同じ現象
を示す。これらの試験は、タール減少燻煙液と本
発明のタール減少燻煙液との間の化学的差異を例
示する。 例 12 タール減少燻煙液処理ケーシングの着色指数が
新たに製造したケーシングの指数から有意義に低
下するけれども、驚いたことに、熟成ケーシング
を用いることによつて作つた充填食品が新鮮なケ
ーシングで製造した食品と比色値が等しい燻製色
を有することを例示する一連の試験を本発明の熟
成ケーシングに対して実施した。 これらの熟成試験は、実質上同一の条件下にそ
のまゝのタール含有燻煙液で処理したケーシング
を包含し、そしてかゝるケーシングの着色指数
は、本発明のタール減少燻煙液処理ケーシングの
着色指数が低下した程度ほどまでは低下しなかつ
た。この比較は、2つの種類のケーシングの間の
化学的差異を例示する。 これらの試験では、ロイヤルスモークAAは、
剥離性向上のために内面上にCMC基材被覆を有
する21mm直径セルロースケーシングの外面に適用
された。本発明に従つた試料では、そのまゝの燻
煙液を先ず塩化メチレン液状溶剤と10:1の燻煙
液対液状溶剤容量比で接触させた。混合後、溶液
を12〜14時間の間放置させて2つの層を形成し
た。分離したタール減少燻煙液上層を5のPHまで
部分中和し、そして例4の操作によつてセルロー
スケーシング外面に適用した。ケーシングの半分
に表Eの処方に極めて類似した高コラーゲン含量
フランクフルトソーセージ肉エマルジヨンを充填
し、そして調理、冷水浴せ及び冷却の慣用工程に
よつて加工したが、しかし慣用燻煙処理を行わな
かつた。ケーシングの他の半分を表Qに示す如く
して熟成し、次いでこれらを同じ態様で用いてフ
ランクフルトソーセージを製造した。これらの試
験の結果を表Qに要約する。例3で用いたと同じ
装置で且つそれに関連して記載したと同じ操作に
よつて比色値を得た。 表Qのデータは、初期着色指数(“新鮮SI”)が
異なりそして異なる熟成条件が用いられたので定
量的には比較されるべきではないことを理解すべ
きである。しかしながら、これらのデータによれ
ば、ケーシングの着色指数が熟成と共に低下する
という事実にもかゝわらず、熟成ケーシングを用
いることにより作られた充填食品がケーシング熟
成によつて影響されない燻製色を有するという一
般的な関係が定性的に立証される。
【表】 ** L値はフランクフルトソーセージの比色測定
値であり、そして△Lは燻煙液で処理しな
かつたフランクフルトソーセージ試料と比較
した差異(暗色差)である。
例 13 先に記載した管状食品ケーシング処理実験のす
べてにおいて非繊維質セルロースケーシングが用
いられたが、しかし本発明は繊維質セルロースケ
ーシングの処理にも有用である。この実験では、
約6.3in(16cm)の扁平幅の繊維質ケーシングを、
例2に記載の制御温度中和法によつてロイヤルス
モークAAのそのまゝの燻煙液から調製したター
ル減少燻煙液で処理した。未処理の繊維質セルロ
ースケーシングをリールから巻戻しそしてタール
減少燻煙液の浴に通して一回だけの浸漬をし、そ
して直ちに他のリールに巻返した。この操作によ
つて、リール上に最終処理ケーシングを巻き付け
ながら、ケーシング外面に適用された過剰の液を
ケーシング外面からケーシング壁に吸収浸透させ
た。浸漬操作は、ケーシング内面がタール減少燻
煙液と接触しないような態様で行われた。燻煙液
中における滞留時間は僅か数分の1秒であり、そ
してリールからリールへのケーシング走行速度は
約107m/分(350ft/分)であつた。リールに適
用されたケーシング張力は約44ニユートン
(10lb)であつた。ケーシング上のタール減少燻
煙液の概算吸着量は、約3.7mg/cm2(24mg/in2
ケーシング表面であつた。燻煙液処理繊維質ケー
シングのこの特定の製造法は、本発明の一部分で
はなく、H.S.Chiu氏の名前で1981年9月11日付
出願の“繊維質食品ケーシングの燻煙液含浸”と
題する米国特許願第301276号で特許請求されてい
る。 次いで、そのようにして処理した繊維質ケーシ
ングを当業者に周知の態様でひだ寄せし、そして
通常の充填及び加工法を使用して別々のケーシン
グ試料にそれぞれハム及びボローニヤソーセージ
エマルジヨンを充填して加工処理した。但し、燻
製室において燻煙を全く適用しなかつた。ハム及
びボローニヤソーセージ製品は、本発明の燻煙液
処理ケーシングによつてそれに付与された受け入
れできる色、香り及び風味を有していた。 例 14 この実験は、タール減少燻煙液から溶剤抽出法
によつて処理液を調製してタール減少燻煙液処理
繊維質ケーシングを製造することを例示する。 タール減少燻煙液は、そのまゝのロイヤルスモ
ークAAを塩化メチレンと例1の態様でしかしPH
調節を行わずに接触させることによつて調製され
た。タール減少画分から残留塩化メチレンを除去
した。これは、液体は収容する容器に減圧を適用
することによつて行われた。このタール減少燻煙
液を用いそして例13に記載したと同じ繊維質ケー
シング及び同じ操作を用いて、処理済み繊維質ケ
ーシングを製造した。次いで、そのようにして処
理した繊維質ケーシングを当業者に周知の態様で
ひだ寄せし、そして通常の充填及び加工法を使用
して別々のケーシング試料にそれぞれハム及びボ
ローニヤソーセージエマルジヨンを充填して加工
処理した。但し、燻製室において燻煙を適用しな
かつた。ハム及びボローニヤソーセージ製品は、
受け入れできる色、香り及び風味を有していた。 好ましい具体例では、タール減少燻煙液組成物
は、少なくとも約7重量%の全酸含量そして最と
も好ましくは少なくとも約9重量%の全酸含量を
有するタール含有水性木材燻煙液から調製され
る。全酸含量は、製造業者によつて使用されるそ
のまゝの木材燻煙液のタール含量及び着色能(先
に定義)の定量的尺度である。一般的に言つて、
全酸含量が高い程、タール含量が高いことを意味
している。このことは、そのまゝの燻煙液の全固
形分についてもあてはまる。木材燻煙液製造業者
が全酸含量(全酸性度)及び全固形分を測定する
のに用いる操作は、次の如くである。 タール含有燻煙液の全酸含量の測定 (1) 250mlのビーカーに約1mlの燻煙液(必要な
らば過して)を正確に計量する。 (2) 約100mlの蒸溜水で希釈しそして標準0.1N−
NaOHで8.15のPHまで滴定する(PHメーター)。 (3) 次の換算式を使用して、全酸含量を酢酸の重
量%として計算する。 1mlの0.1000N−NaOH=6.0mg HAc以下
で説明するように、この希釈−滴定法は、少な
くとも一部分中和されなかつたタール減少燻煙
液組成物の全酸含量を測定するのにも用いられ
る。 全固形分の測定 (1) 乾燥させたワツトマンNo.40円形紙を取り付
けて風袋を計つた6cmアルミニウム水分皿に約
0.5mlの燻煙液をピペツトで入れ、そして正確
に重量を計る。燻煙液は透明でなければなら
ず、そしてこの条件を確保するために過が用
いられる。 (2) 強制通風炉において105℃で2時間又は通常
の炉において105℃で16時間乾燥させる。 (3) デシケーターにおいて室温に冷却しそして重
量を計る。 (4) 全固形分を燻煙液の重通%として計算する。 表Aには、最とも一般に使用されそして市場で
入手できるタール含有水性木材燻煙液が、それら
の製造業者によつて報告される全酸含量と一緒に
記載されている。また、比較のために全固形分含
量、着色能及び590nmにおける光透過率%も報
告されている。表Aから、約7重量%よりも低い
全酸含量値を有する購入したまゝ(そのまゝ)の
木材燻煙液は、約60%の高い光透過率値及び低い
着色能を有することが分る。それらのタール含量
は極めて低いので、それらの水相溶性は高い。従
つて、本発明に従つてかゝる木材燻煙液からター
ルを除去する必要はない。また、それらの着色能
は極めて低いので、それらは本発明のタール減少
水性燻煙液組成物と同じ燻製色及び燻製風味付与
機能を果すことができない。しかしながら、かゝ
る低タール分のそのまゝの燻煙液は例えば蒸発に
よるが如くして濃縮させることができ、そしてそ
のようにして濃縮させた燻煙液は本発明のタール
減少燻煙液を調製するために有益下に処理するこ
とができるタール含有燻煙液の特性を提供するこ
とができることを理解すべきである。即ち、かゝ
る濃縮タール含有燻煙液は、高い全酸含量、全固
形物及び着色能を提供する。 他の好ましい具体例では、本発明のタール減少
水性燻煙液組成物は、少なくとも約7重量%の全
酸含量そして最とも好ましくは少なくとも約9重
量%の全酸含量を有する。タール減少水性燻煙液
の全酸含量は酸当量の値である。と云うのは、タ
ール減少水性燻煙液の全酸含量を測定するための
分析操作は遊離酸と部分中和から生じる酸塩との
量を提供するからである。全酸含量は、タール含
有燻煙液のみならずこれからこゝに記載の方法の
どれかによつて調製したタール減少燻煙液の着色
能(先に定義)の定量的尺度である。もしタール
減少燻煙液組成物が本発明の目的に対して4より
も大きくないPHに少なくとも一部分中和されない
ならば、その全酸含量は、タール含量(そのまゝ
の)燻煙液は全酸含量を測定するための先に記載
したと同じ希釈−滴定法によつて測定される。も
しタール減少燻煙液組成物が約4よりも大きいPH
に少なくとも一部分中和されるならば、全酸含量
は水蒸気蒸溜回収−滴定法によつて測定される。
この方法は、少なくとも一部分中和されたタール
減少燻煙液組成物中に形成される酸及び酸塩例え
ば酢酸煙及びぎ酸塩を理論上定量することができ
る。反応の面から、水性燻煙液中の酸%(遊離又
は塩形態の)は少なくとも部分的な中和間に例え
ば制御温度中和間に一定のまゝである。しかしな
がら、これらの酸の回収は、適正な蒸溜容量内で
完全な共沸回収を達成できないために約60%に過
ぎない。現時点では、状態に関係なくタール減少
燻煙液からすべての酸性化合物の定量的回収をも
たらす方法は知られていない。これらの環境下
に、水蒸気蒸溜回収−滴定法によつて得られた結
果は、タール含有燻煙液の場合に用いると同じ全
酸含量基準に換算するために1.4の係数を掛けら
れる。燻煙液処理ケーシング中の全酸、フエノー
ル及びカルボニル含量の測定は、次の方法によつ
て測定される。 少なくとも一部分中和されたタール減少燻煙液及
びそれから製造された処理ケーシングの全酸含量
の測定 この測定は、少なくとも一部分中和されたター
ル減少燻煙液組成物又はこの組成物から製造した
処理ケーシングの酸性化時に蒸溜される酢酸
(HAc)のミリ当量を中和するのに要する水酸化
ナトリウム(NaOH)のミリ当量から得られる。
“ミリ当量”は、1mlの溶液中に含有される物質
のg重量を意味する。操作は次の通りである。 (1) 風袋を計つた800mlのケルダールフラスコに
5gのタール減少燻煙液を正確に計算して入れ
る。ケーシングの場合には、100in2のケーシン
グ表面を正確に測定する。 (2) フラスコに沸騰チツプ及び100mlの2%
(V/V)N2SO4を加える。反応は、次の通り
である。 2NaAc+H2SO4→2HAc+Na2SO4 (3) 100mlの脱イオン水を収容する500mlの三角フ
ラスコを氷浴中に置き、そしてこの水を使用し
て留出物を集める。 (4) 試料を収容するケルダールフラスコを水蒸気
蒸溜装置に連結する。 (5) 収集用三角フラスコ内の留出物容量が500ml
に達するまで試料を蒸溜する。 (6) 100mlの留出物を0.1N−NaOHで7.0の終点PH
まで滴定する。反応は次の通りである。 HAc+NaOH→NaAc+H2O (7) 1mlの0.1N−NaOH=6.0mgのHAcを基準と
して測定された酸含量を酢酸の重量として計算
する。測定された酸含量mg=滴定液ml×6.0。 (8) 全酸含量=1.4×測定された酸含量mg (9) 燻煙液では、全酸含量を元の燻煙液試料の重
量%として示す。ケーシングでは、全酸含量を
ケーシング表面100cm2当りの酸のmgとして示す。 この水蒸気蒸溜回収−滴定法によつて本発明の
幾つかのタール減少燻煙液組成物の全酸含量を測
定したが、これらを表Rに記載する。比較のため
に、同じ方法を用いてこれらの組成物が誘導され
たそのまゝのタール含有燻煙液の全酸含量を測定
したが、この結果も表Rに記載する。各々の値
は、同じ種類の燻煙液についてはそれがタール含
有のものでも又はタール減少のものでも全く同様
であることが分る。例えば、そのまゝのロイヤル
スモークAA燻煙液は11.1%の全酸含量を有し、
そしてタール減少ロイヤルスモークAA燻煙液は
12.2%の全酸含量を有する。更に比較のために、
製造業者によつて使用されそしてタール含有燻煙
液について記載した希釈−滴定法によつて測定し
て、そのまゝのロイヤルスモークAA燻煙液も表
Rに含められている。また、11.4%というこの値
は、水蒸気蒸溜回収−滴定法に基づくロイヤルス
モークAAの値に極めて類似している。
【表】
【表】 燻煙液処理ケーシング中のフエノール及びカルボ
ニル含量の測定 試料は、全酸含量の測定法に記載した如くして
0.13〜0.19m2(200〜300in2)のケーシング外面を
測定しそして水蒸気蒸溜することによつて調製さ
れる。 フエノール測定の試薬は、蒸溜水を用いて次の
如くして調製される。 (1) 色溶液。100mgのN−2,6−トリクロロ−
p−ベンゾキノンイミンを25mlのエタノール中
に溶解させそして冷却する。試験に対して、水
で2mlを30mlに希釈する。 (2) 緩衝液PH8.3。61845gのほう酸を250mlの水
中に溶解させる。7.45gの塩化カリウムを250
mlの水中に溶解させる。0.64gのNaOHを80ml
の水中に溶解させる。3つの溶液を一緒に混合
する。 (3) 1.0%NaOH。1.0gのNaOHを水中に溶解さ
せる。100mlに希釈する。 (4) 標準溶液。0.200gのジエトキシフエノール
(DMP)を2.000mlの水中に溶解させる。次い
で、この溶液の各部分を希釈して1ppm、
2ppm、4ppm、6ppm及び8ppmのDMPを含有
する標準溶液を調製する。 フエノールの測定法は、Cambridge
University Press(1953)のEstimation of
Organie Compouds(143、90〜94)に記載される
如き改良Gibbs法である。この方法では、順序は
次の如くである。 (1) 25mlのフラスコにおいて以下に記載の順序で
4つの成分を混合する。 5mlの緩衝液PH8.3 5mlのケーシング留出物標準液又は水(ブラン
ク) 1mlの1%NaOH 1mlの希薄色の試薬 (2) 振とうし、栓をしそして暗所に25分間置く。 (3) 580nmにおいて吸光度を読む。 (4) 横軸として吸光度そして縦軸として標準液濃
度を用いて標準曲線を調製する。この曲線から
ケーシング留出物中のDMPの濃度を外挿する。 (5) 次の式を使用しmgDMP/100cm2ケーシングを
計算する。 ppmDMP(標準曲線から)×500(希釈)×0.001mg/μg
×100/元の試料の面積=mg/DMP/100cm2 カルボニル測定の試薬は次の如くである。 (1) カルボニルを含まないメタノール中に再結晶
2,4−ジニトロフエニルヒドラジン(DNP)
を溶解させた標準溶液 (2) 濃HCl (3) 10%アルコール性KOH。10gのKOHを20ml
と蒸溜水中に溶解させ、そしてカルボニルを含
まないメタノールで100mlに希釈する。 (4) 標準溶液。1mlの2−ブタノン(メチルエチ
ルケトン)(MEK)を蒸溜水で2.000mlに希釈
する。次いで、この溶液の各部分を希釈して
0.8ppm、1.6ppm、2.4ppm、4.0ppm及び
8.0ppmのMEKを含有する標準液を提供する。 カルボニルの測定法は、Anal.Chem.23、541−
542(1951)の報文“Colorimetric Method for
Determination of Traces of Carbonyl
Compounds”に記載される改良Lappan−Clark
法である。この方法では、順序は次の如くであ
る。 (1) 25mlのフラスコにおいて、次に記載の順序で
3つの成分を混合する。 5mlの2,4−DNP溶液 5mlのケーシング留出物、標準液又は水(ブラ
ンク)。 ケーシング留出物は更に希釈を要してもよい。 1滴の濃HCl (2) 混合物を55℃の水浴中において30分間熟成さ
せる。 (3) 熟成した混合物を室温に迅速に冷却させた
後、5mlの10%アルコール性KOHを加え、振
とうしそして30分間放置する。 (4) 480nmにおいて吸光度を読む。 (5) 横軸として吸光度そして縦軸として標準液濃
度を用いて標準曲線を作る。この曲線からケー
シング留出物中のMEKの濃度を外挿する。 (6) 次の式を用いてmgMEK/100cm2ケーシングを
計算する。 ppmMEK(標準曲線から)×(希釈フアクター)×0.001m
g/μg×100/元の試料の面積=mgMEK/100cm2 吸収能 着色能及び着色指数の両方の測定操作とも化学
反応を包含しそして明らかにこの理由のために周
囲温度で測定された値は高温熟成条件下では低下
することが思い出すであろう。例12で例示したよ
うに、この低下は、タール減少燻煙液での処理後
に熟成したケーシングを使用するときに充填食品
に生じた燻製色の正確な表示ではない。 これらの事情下で、本発明では燻煙液及び燻煙
液処理ケーシングの着色能を測定するために化学
反応を伴わない追加的な測定操作が用いられた。
燻煙液に対するこの測定操作は“吸収能”と称
し、そして燻煙液処理ケーシングの測定操作は
“吸収指数”と称する。 吸収能を測定する操作では、10mgの燻煙液(タ
ール含有燻煙液又はタール減少燻煙液のどちら
か)を使い捨て小びんに入れ、そしてそれに5ml
のメタノールを加える。小びんを逆さにすること
によつて2つの成分を混合し、次いで混合物を
340nmにおいて測定する。この特定の波長が選
定された理由は、多くの燻煙液の分光学的測定が
この波長領域において最とも大きい直線性を示す
からである。種々のそのまゝの燻煙液の吸収能測
定は表Aに含まれている。これらの吸収能測定値
を全酸含量又は全固形分含量の函数として得たプ
ロツトは、ほゞ直線的な関係を示す。 タール含量は吸収能測定に対して有意義に寄与
する故に、タールだけでも食品の着色に僅かでも
寄与することが見い出されたことに注目された
い。かくして、市場で入手できるそのまゝの燻煙
液では、吸収能はタール含量及び着色成分例えば
カルボニル、フエノール及び酸の測定を包含す
る。このことは、そのまゝの燻煙液及びタール減
少燻煙液の吸収能を用いてそれらを燻製色付与能
によつて評価することができることを意味する。
しかしながら、そのまゝの燻煙液の吸収能は、タ
ールの吸収効果のために本発明のタール減少燻煙
液の吸収能と数字上で比較することができない。
更に、ある方法によつて調製したタール減少燻煙
液の吸収能は、他の方法によつて調製したタール
減少燻煙液の吸収能と数字上で比較することがで
きない。何故ならば、2つの方法によるタール除
去の程度は異なる可能性があるからである。例え
ば、溶剤抽出法によつて調製したタール減少燻煙
液は、制御中和法によつて調製したタール減少燻
煙液よりも、同じそのまゝの燻煙液出発物質を基
にして低いタール含量を有する。着色能とは異な
つて、燻煙液の吸収能は熟成と共に低下しない。 例 15 本発明の種々のタール減少燻煙液について一連
の吸収能測定を実施した。NaOHフレークを使
用し且つ中和温度を10〜15℃に維持して制御温度
中和法によつてそのまゝの燻煙液の1つの群を処
理した。同様の態様でそのまゝの試料の他の群を
先ず中和して第一タール部分を除去し、次いで例
1の操作に従つて第二タール部分を除去するため
に塩化メチレン溶剤と10:1の燻煙液対溶剤容量
比で接触させた。これらの測定値を表Sに要約す
る。
【表】 表Sは、燻煙液吸収能に及ぼすタール含量の影
響に関する先の説明に照らして解釈されるべきで
ある。 表Sを見ると、一般的に言つて、本発明のター
ル減少燻煙液の吸収能は、それが誘導されたその
まゝのタール減少燻煙液の吸収能よりも一般に幾
分低いことが分る。この原則は、チヤーゾル
(Charsol)C−6及びチヤーゾルC−3には当
てはまらない。と云うのは、これらの燻煙液は先
ず第一にタール含量が極めて低いからである。 また、表Sには、本発明のタール減少燻煙液の
調製に有用なタール含有燻煙液の吸収能は、もし
多数の処理工程を使用しようとしないならば、少
なくとも0.25であるべきであることが例示されて
いる。更に、表Sは、そのまゝのチヤーゾルC−
3がこの要件を満足しないことも示す。 本発明のタール減少燻煙液組成物の吸収能は、
本発明の燻煙液処理ケーシング内で製造された食
品において受け入れできる燻製色を得るためには
少なくとも約0.15でなければならない。制御温度
中和法は、下限をようやく満たすタール減少燻煙
液を提供するようである。好ましい具体例では、
タール減少燻煙液組成物の吸収能は少なくとも約
0.25である。 タール減少水性燻煙液組成物の他の好ましい具
体例では、吸収能は340nmの波長において少な
くとも約0.25でありそしてその光透過率は少なく
とも約65%である。この吸収能レベルは、すぐ前
の説明で記載したように容易に達成される。光透
過率及び少なくとも65%の光透過率の達成を測定
するための操作については以下に説明する。 吸収指数 吸収指数の測定操作では、乾燥後に12.9cm2
(2in2)の燻煙液処理ケーシングを切り取りそし
てこれを10mlのメタノール中に入れる。1時間の
浸漬時間後、メタノールがケーシングから燻煙成
分の全部を抽出するが、この燻煙液成分含有メタ
ノールの紫外線吸収値を340nmにおいて測定す
る。吸収能測定の場合のように、340nmの波長
が選定された理由は、燻煙液処理ケーシングから
の多くの燻煙液抽出物の分光学的測定がこの領域
において燻煙液吸着量との最とも大きい相互関係
を示すからである。 例 16 溶剤抽出法によつて調製されまた制御温度中和
法によつて調製された本発明の4つの異なる種類
のタール減少燻煙液を用いてケーシングに対して
一連の吸収指数測定を行なつた。各場合に、中和
は5.0のPHまでであつた。得られたタール減少燻
煙液を、例4の態様で非繊維質フランクフルト寸
法セルローズゲル素材ケーシングの外面に異なる
吸着量で適用した。これらの実験の結果を第8図
に要約するが、ロイヤルスモークAA誘導燻煙液
部分は対角線として示され、チヤーゾルC−12誘
導燻煙液部分は水平線として示されそしてロイヤ
ルスモークB誘導燻煙液部分は垂直線として示さ
れる。加えて、そのまゝのロイヤルスモークAA
燻煙液から制御温度中和法によつて調製したター
ル減少燻煙液の濃厚形態での測定に基づく単線が
ある。 この図を使用すると、作業者は、先ず、吸収指
数の面での燻製色の所望の程度及び例えばこゝに
記載した3つの方法のどれかによるタール除去に
使用すようとするタール含有燻煙液の種類を選定
する。次いで、作業者は、これらの特性を本発明
の実施によつて得るためにケーシングへの特定の
タール減少燻煙液の所要吸着量を決定する。第8
図では、1mg/in2は0.155mg/cm2に等しい。燻製
色と吸収指数との間の相互関係は次の例17で例示
される。 例 17 先に記載した如くして調製した種々の燻煙液で
処理した非繊維質セルロースケーシング内で先に
記載した態様で表Nの処方物から製造したフラン
クフルトソーセージを用いて一連の比色試験を行
なつた。これらの試験の結果を表Tに要約する。
【表】
【表】 適当な発色を保証するのに必要とされる所望の
光強度を定量比しようとして、△L値を測定した
が、これも表Tに含められている。この場合に、
肉エマルジヨンは50%の牛の首と肩の肉及び50%
の並豚肉であり、そして△L値は、燻煙液処理ケ
ーシングと比較して未燻煙液処理対照ケーシング
で測定されたL値の間で光強度の1.4単位以下の
変化が生じたならば低すぎると見なされた。 表Tは、もし吸収指数が約0.2よりも小さいな
らば燻煙液吸着量が0.62mg/cm2(4.0mg/in2)以
下であることを示す。この燻煙液吸着量レベルは
一般には肉製品に対して光強度の所望の減少を与
えない、即ち、発色は一般に不十分と見なされ
る。1.32mg/cm2(8.5mg/in2)の燻煙液吸着量で
達成される光強度の中間減少は大半の最終用途に
対して全く満足であるので、少なくとも0.4の対
応する吸収指数が本発明の好ましい具体例に相当
する。 また、表Tは、本発明の具体例が元のタール含
有燻煙液と実質上同じ着色能を有することを示
す。試料No.2及び3と試料No.10とを比較すると、
燻煙液のタール含量が燻煙液の着色能に対してほ
とんど影響を及ぼさないことが示されている。実
際の目的に対して、ケーシング試料No.2及び3の
2.9〜3.2の光透過率はそれぞれケーシング試料No.
10の3.4の光透過率に実質上等しい。 食品エマルジヨン及び加工処理条件に付随する
多くの因子はバツクグランド色それ故にL値及び
△L値に影響を及ぼすことを理解すべきである。
例えば、肉の色は大半はミオグロビンから出てい
る。肉のミオグロビン含量に関連する色は、ミオ
グロビンの化学反応並びに温度、湿度、時間及び
空気速度の如き加工処理条件によつて影響される
その硬化に左右されることが知られている。従つ
て、表Tの△L値はこれらの特定の試験にのみ適
切である。 他の試験によれば、周囲温度(70〓、21℃)で
の熟成時の保色性は、本発明のタール減少燻煙液
処理ケーシング及びタール含有燻煙液処理ケーシ
ングについてほゞ同じであることが示された。一
例として、ロイヤルスモークAAから誘導されそ
してPH5.5へ中和法によつて調製されたタール減
少燻煙液を使用する多数の試験では、2種類の燻
煙液によつて処理されたケーシングの3ケ月期間
にわたる算術平均△Lはほゞ同じであつて、約
1.6の△L減少であつた。 燻煙液処理及び乾燥の直後の同じ直径を持つ非
繊維質セルロースケーシング又はその中で加工さ
れたフランクフルトソーセージに対して、吸着指
数に関する先に記載の実験の全部を実施した。他
の試験では、吸収指数はケーシング厚の変動によ
つて有意義な影響を受けないことが示された。更
に他の試験では、本発明のタール減少燻煙液処理
繊維質ケーシングの吸収指数値は同じ燻煙液付着
量の非繊維質セルロースケーシングの吸収指数値
とほゞ同じであることが示された。一例として、
ロイヤルスモークAAから誘導したタール減少燻
煙液を用いて1.57mg/cm2(10.1mg/in2)のケーシ
ング外面の吸着量で処理された直径115mmの繊維
補強セルロースケーシングの場合に約0.4の吸収
指数が得られた。他の試験から、同じ態様で処理
した非繊維質セルロースケーシングの吸収指数は
約0.4であることが分つた。 例 18 高められた温度での熟成が吸収指数に及ぼす小
さい影響を例示するためにタール減少燻煙液処理
フランクフルト寸法非繊維質セルロースケーシン
グに対して一連の試験を実施した。これらのケー
シングを処理するのに用いたタール減少燻煙液
は、ある場合には、制御温度中和法によつて調製
された。他の場合には、この方法によつてタール
の第一部分を除去し、次いで得られた一部分ター
ル除去された燻煙液を更にタール除去するために
溶剤抽出法に従つて適当な溶剤と接触された。こ
の順序の利点は、抽出に必要とされる溶剤の量を
減少できることである。 制御温度中和法だけを使用してタール減少燻煙
液を調製するために、NaOHフレークを添加し
そして中和温度を10〜15℃に制御維持してその
まゝのロイヤルスモークAA燻煙液を5.0のPHに中
和した。いくつかの場合には、この操作からのタ
ール減少燻煙液は、例1の態様で塩化メチレンと
10:1の燻煙液対溶剤容量比で接触された。処理
及び乾燥の直後に並びに周囲温度で5週間及び12
週間の貯蔵後にタール減少燻煙液処理ケーシング
から吸収指数を測定した。同じケーシングの他の
試料を100〓に加熱し、そして同じ時間間隔で吸
収指数を測定した。これらの測定結果を表Uに要
約する。
【表】 表Uは、熟成が吸収指数に対して有意義な影響
を及ぼさないことを例示する。本発明の吸収指数
要件は、周囲温度での測定に基いていると理解さ
れたい。 光透過率 既に述べたように、本発明のタール減少水性燻
煙液組成物は少なくとも約50%の光透過率を有し
なければならない。光透過率%(水に関して)
は、処理した燻煙液のタール含量に反比例する。
即ち、高いタール含量は低い光透過率を有する曇
つた液をもたらす。光透過率の測定操作は、1ml
の燻煙液に10mlの水を十分に混合しそして分光光
度計で光の波長である590nmにおいてその濁度
−透過度を測定することである。透過率%の読み
が高い程、燻煙液組成物中の残留タール濃度が低
くなる。 少なくとも50%好ましくは65%の所望の光透過
度は、タール減少水性燻煙液組成物を調製するた
めの上記方法即ち中和法、制御温度中和法又は溶
剤抽出法の単独又は組合せのどれかによつて達成
することができる。その上、上記の例1及び2で
調製されそして例3〜18で用いられたタール減少
燻煙液組成物のすべてが少なくとも50%の光透過
率値を有していた。 中和法又は制御温度中和法を用いるときには、
作業者は、そのまゝの燻煙液(典型的には約10%
よりも低い光透過度を有する)にPHを約4より上
に好ましくは少なくとも6に上げるのに十分な量
の高PH成分を混合すべきであり、そのときに光透
過率%は高レベルに増大する。先に言及した米国
特許願“制御温度中和法”の第5図に示されるよ
うに、この増大は極めて急速であり、そして光透
過率%対燻煙液PH曲線の勾配はほとんど垂直であ
る。約8のPHよりも上では、タールは再可溶化状
態になり、従つてPHをこのレベルよりも上に増大
させても利益はない。幾つかのそのまゝのタール
含有燻煙液から調製したタール減少燻煙液組成物
の光透過率値を約6のPHで測定したが、これを表
Vに要約する。これらの組成物は、50%NaOH
溶液を制御下に添加しそして浸漬コイル型ポータ
ブル冷蔵装置を用いることにより混合間に混合物
温度を約15℃に維持して制御温度中和法によつて
調製された。 表 V PH6におけるタール減少燻煙液の光透過率燻煙液の種類 光透過率% チヤーゾルC−10 96 チヤーゾルC−12 82 ロイヤルスモークB 95 ロイヤルスモークAA 93 もし作業者がタール減少燻煙液組成物を調製す
るためにソルベント抽出法を選定するならば、所
望の光透過率%は、溶剤の選択によつてまたその
まゝの燻煙液対溶剤の容量比を制御することによ
つても達成することができる。一般には、最高レ
ベルの光透過率は燻煙液に比較して最とも多くの
量の溶剤を用いて達成されるが、しかしもちろん
液の抽出操作コストは液状溶剤の使用量の増加に
応じて上昇する。特定のロイヤルスモークAA対
溶剤比における種々の適当な溶剤の代表的な光透
過率値を表Wに記載する。
【表】 例 19 先に記載したように、本発明のタール減少燻煙
液組成物は、それでのケーシング処理間における
タール問題を回避するようにタール含量の実質的
部分が除去されたことの指針として、全可視範囲
において少なくとも50%の光透過率を有するのが
好ましい。このことは、ロイヤルスモークAAを
先に記載の態様で抽出条件下に塩化メチレン溶剤
と種々の燻煙液対液状溶剤容量比で接触させた一
連の試験によつて例示された。先に記載の態様
で、タール減少燻煙液画分を分離しそしてその光
透過率を測定した。また、このタール減少燻煙液
画分中の不揮発分重量%(タールを含めて)も測
定した。これらの試験からのデータを表X及び第
9図のグラフに要約する。
【表】 このデータ及び第9図を見ると、光透過率は、
0〜約50%光透過率範囲では不揮発分(タールを
含めて)含量によつてかなり影響を受けることが
分る。即ち、0〜約50%の燻煙液の光透過率を漸
進的に向上させるためには例えば溶剤抽出又は制
御温度中和によつて燻煙液のタール含量を漸進的
に減少させなければならない。少なくとも約50%
の光透過率を得るのに十分なタールが除去される
と、横ばいになりそして更に光透過率の上昇は追
加的なタール除去に主に影響されない。 本発明の好ましい具体例を詳細に記載したけれ
ども、本発明の精神及び範囲内でその変更修正を
なすことが可能である。例えば、こゝに記載の方
法によつてタール除去のために有益下に処理でき
るそのまゝのタール含有燻煙液は、本発明のター
ル減少燻煙液組成物を調製するための処理の前に
周知技術によつて更に濃縮させることができるこ
とを理解すべきである。これは、もし作業者が高
濃厚物形態のタール減少燻煙液をケーシング壁に
適用したいと思うならば望ましいことである。 本発明の態様での管状食品ケーシング表面のタ
ール減少燻煙液処理は、微小金属粒子の存在を最
少限にした制御環境条件下に実施されるのが好ま
しい。これは、重要な要件である。何故ならば、
ケーシングと接触状態にある金属摩耗粒子(主と
して、鉄、銅、黄銅)は燻煙液被覆と反応して処
理ケーシングの自動酸化、変色及びセルロースの
分解さえ生じるからである。変色及びセルロース
分解は、金属汚染のすぐ近くの部分でのみ起こり
そして寸法が2〜10mmの直径を越えることはめつ
たにない。セルロース分解は、充填又は加工処理
間にケーシングの破断を引き起こすのに十分にひ
どくなる場合がある。処理装置の構成材料は微小
金属粒子を最少限にする際の重要な因子である。
これらの材料は、(1)高い耐摩耗性で且つ(2)燻煙液
に対して非反応性でなければならない。ある種の
金属及び合金がこれらの厳格な要件に適合するこ
とが確められた。これらは、ある種のアルミニウ
ム合金、クロムメツキ、すず合金及びある種のス
テンレス鋼である。また、ケーシング製造及び取
扱いの他の工程においては微小金属粒子の存在を
最少限にするように注意を払わなければならな
い。 例 20 制御温度中和法を使用して異なる光透過率値を
持つ4種のタール減少燻煙液試料を調製した。用
いたそのまゝの燻煙液は、“チヤーゾルC−12”
でありそして340nmの波長及び約2のPHにおい
て約0.5の吸収能を有していた。実質上例2にお
けるようにして4種の試料の各々を調製したが、
但し、各々は得られるタール減少燻煙液の各々に
異なる光透過率値を与えるように異なるPH値に中
和された。各試料はフレークNaOHの添加によ
つて中和され、そして温度は中和間に冷却コイル
を使用して約10〜約25℃の温度内に維持された。
NaOHは、試料を中和して約20%、50%、60%
及び80%の光透過率値を得るような量で使用され
た。これは、表Yに記載の最終PHを与える量の
NaOHを加えることによつて達成された。所望
量のNaOHを加えた後、タール沈殿物を上澄液
から過によつて分離してタール減少燻煙液を得
た。光透過率は、1mlのタール減少燻煙液を10ml
の水で希釈しそして約715nmの波長において分
光光度計で水に関する吸光度を測定することによ
つて測定された。また、同じ態様で対照試料も行
なつたが、但し、そのまゝの燻煙液を約6.0のPH
に中和した。表Yには、タール減少燻煙液のPH及
び光透過率が示されている。 表 Y 試料No. PH 光透過率 1 4.69 20.8% 2 4.60 50.2% 3 4.70 61.3% 4 4.95 84.3% 対照 5.92 92.0% 上で調製した試料を例5に記載の装置及び方法
によつてゲル素材非繊維質フランクフルトソーセ
ージケーシング(寸法No.25)に適用してタール減
少燻煙液処理ケーシング1m2当り15.5gの吸着量
を与えた。ケーシングを例5における如くして約
80〜約120℃の乾燥温度において約3分間乾燥さ
せた。 タール減少燻煙液の適用間に、ケーシングをそ
の上のタールスポツトについて観察しそして乾燥
装置の乾燥案内及び絞りロールをタール堆積につ
いて観察した。観察の結果を表Zに要約する。
【表】 上にタール付着物なし。
上記結果から分るように、低い光透過率値によ
つて反映されるようにタール減少燻煙液中のター
ルの存在に基因する問題は、タール含量が低下す
るか又は光透過率値が増大するにつれて少なくな
る。約20%の光透過率を有するタール減少燻煙液
の場合には、タールによつて引き起こされる問題
特に絞りロール上の粘着は、被覆操作を実施不可
能にしそれ故に組成物は受け入れできないもので
ある。光透過率が約50%に上昇するにつれて、ロ
ール上の僅かな粘着及びケーシング上の商業上望
ましくないタールスポツトの如き問題がなお存在
するが、しかし燻煙液の適用をなお実施すること
ができそして使用可能なケーシングをなお作るこ
とができる。約60%の光透過率値では、タールス
ポツトをほとんど有さずそして商業上好ましいケ
ーシングを製造することができるけれども、長期
間の操作後にはケーシング上にスポツトが形成さ
れる。試料4及び対照の高い光透過率値では、商
業上受け入れできしかもその上にタールスポツト
が全くなくケーシングが生成され、そしてプロセ
スの運転停止に通じるタール堆積又は粘着問題を
伴わずに被覆プロセスを連続的に実施することが
できる。 例 21 溶剤抽出法を使用して、異なる光透過率値を有
する4種のタール減少燻煙液試料を調製した。用
いたそのまゝの燻煙液は、“チヤーゾルC−12”
であり、そして340nmの波長における約0.5の吸
収能及び約2のPHを有していた。実質上例1にお
ける如くして3つの試料を調製した。但し、各試
料は得られるタール減少燻煙液の各々に異なる光
透過率値を与えるように溶剤抽出された。ある量
の塩化メチレンに約3.785mlのそのまゝの燻煙液
を加え、そして液体を撹拌又は振とうによつて混
合した。燻煙液からタールを含有する塩化メチレ
ンをデカンテーシヨンによつて分離した。抽出に
用いた塩化メチレンの量を変えることによつて光
透過率を変動させた。光透過率は、1mlのタール
減少燻煙液を10mlの水で希釈しそして590nmの
波長において日立100−60型分光光度計で水に関
する透過率を測定することによつて測定された。
表AAには、そのまゝの燻煙液からタールを溶剤
抽出するための塩化メチレンMeCl2)の量(各試
料に対する)並びにタール減少燻煙液のPH及び光
透過率が示されている。
【表】 例4の装置及び方法を使用して上記の試料をゲ
ル素材非繊維質フランクフルトソーセージケーシ
ング(寸法No.25)に適用してケーシング表面1in2
当り燻煙液15.5gの吸着量を与えた。ケーシング
を例4における如くして約80〜約120℃の乾燥温
度で3分間乾燥させた。 タール減少燻煙液の適用間に、ケーシングをそ
の上のタールスポツトについて観察しそして乾燥
装置の乾燥案内及び絞りロールをタール堆積につ
いて観察した。この観察の結果を表BBに要約す
る。
【表】 かに粘着。乾燥案内上でタール
付着物が生成。
【表】 なし。
上記結果から分るように、低い光透過率値によ
つて反映されるようにタール減少燻煙液中におけ
るタールの存在に基因する問題は、タール含量が
低くなるか又は光透過率値が構造するにつれて少
なくなる。約40%の光透過率を有するタール減少
燻煙液の場合には、タールによつて引き起される
問題特に絞りロール上の粘着は被覆操作を実施不
能にし、それ故にこの組成物は受け入れ不可能な
ものである。約50%の光透過率では、運転期間後
にケーシング上でのタールスポツトの形成の如き
問題がなお存在する。しかしながら、初期運転期
間で、スポツトがなく商業上の面から受け入れ可
能なケーシングが作られる。光透過率が約60%に
増大するにつれて、タールスポツトがケーシング
上に現われるまでの運転期間は長くなりそれ故に
被覆プロセスは実用的になる。約84%の光透過率
では、スポツト形成及びタール堆積の問題なしに
長期間の運転期間を達することができる。また、
被覆プロセスの運転停止をもたらすタール堆積又
は他の関連する問題を伴わずに高い光透過率を有
するタール減少燻煙液を被覆プロセスで用いるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の1つの具体例に従つて食品
ケーシング外面をタール減少燻煙液で処理するの
に好適な装置の概略図である。11が浸漬タンク
そして12がタール減少燻煙液組成物である。第
2図は第1図の装置と同じ作用をする同様の装置
の概略図であるが、タール減少燻煙液処理ケーシ
ングを膨張状態で所望の含水量に部分乾燥させる
ための加熱室が付設されている。21が加熱室で
ある。第3図は第2図の装置と同じ機能を果す同
様の装置の概略図であるが、タール減少燻煙液処
理ケーシングを扁平状態で部分乾燥させるための
手段が付設されている。第4図は、タール減少燻
煙液を部分中和温度の函数として示すグラフであ
る。第5図は、購入したまゝ(“そのまゝ”)の
“チヤーゾルC−12”燻煙液及びそれから得た本
発明のタール減少燻煙液の両方の様々な波長での
紫外線吸収率及び紫外線透過率を示すグラフであ
る。第6図は、そのまゝの“ロイヤルスモーク
AA”燻煙液及びそれから得た本発明のタール減
少燻煙液の両方の様々な波長での紫外線吸収率及
び紫外線透過率を示すグラフである。第7図は、
そのまゝの“ロイヤルスモークB”燻煙液及びそ
れから得た本発明のタール減少燻煙液の両方の
様々な波長での紫外線吸収率及び紫外線透過率を
示すグラフである。第8図は、紫外線吸収指数を
食品ケーシング中のタール減少燻煙液吸着量の函
数として示すグラフである。第9図は、燻煙液中
の不揮発分(タールを含めて)%を光透過率%の
函数として示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 340nmの波長において少なくとも約0.25の吸
    収能を有し且つ590nm波長での少なくとも約50
    %の光透過率を有し、燻製色及び燻製風味付与能
    を持ち、しかも水と完全に混和性である、天然木
    材から誘導したタール減少水性燻煙液組成物から
    得られたタール減少燻煙液被覆を有するタール減
    少燻煙液処理管状食品ケーシングであつて、前記
    燻煙液被覆は、該ケーシングに340nmの波長に
    おける少なくとも約0.2の吸収指数を与え、更に、
    前記タール減少燻煙液処理管状食品ケーシングと
    実質上同じ吸収指数を提供するのに十分な該ター
    ル含有燻煙液の匹敵する被覆を持つ同様のケーシ
    ングからの同様の抽出物の吸光度の約60%以下で
    ある210nmの波長での吸光度を有する燻煙液抽
    出物を該ケーシングに与えることからなるタール
    減少燻液処理管状食品ケーシングを準備する工
    程、前記燻煙液処理ケーシングに食料を充填する
    工程、及び前記の包被された食料を燻煙液処理ケ
    ーシング内で該食料を可食性の食品に転化させ且
    つ得られた食品表面上に燻製色を生ぜせしめるの
    に十分な条件下に加工処理する工程を含む燻製色
    食品の製造法。 2 吸収指数が少なくとも約0.3である特許請求
    の範囲第1項記載の方法。 3 タール減少燻煙液被覆がケーシング外面に適
    用される特許請求の範囲第1項記載の方法。 4 タール減少燻煙液被覆がケーシング外面に適
    用され、充填に先立つて剥離性被覆がケーシング
    内面に適用され、そして加工処理後にケーシング
    が燻製色食品表面から剥離される特許請求の範囲
    第1項記載の方法。 5 繊維補強材を含まないセルロースより形成さ
    れたゲル素材管状食品ケーシングであつて、少な
    くとも約10重量%の全酸含量を有するタール含有
    燻煙液から得られそして340nmの波長において
    少なくとも約0.2の吸収指数を提供するのに十分
    な量でケーシング表面上に適用されたタール減少
    燻煙液被覆を有し、これによつて該燻煙液被覆を
    有しない同様のケーシングの曇り値以下の曇り値
    が与えられているゲル素材管状食品ケーシングを
    準備する工程、前記燻煙液処理ケーシングに食料
    を充填する工程、及びそのケーシング入りの食料
    を燻煙液処理ケーシング内で可食性の食品を製造
    し且つその食品表面上に燻製色を生ぜしめるのに
    十分な条件下に加工処理する工程を含む燻製色食
    品の製造法。 6 吸収指数が少なくとも約0.3である特許請求
    の範囲第5項記載の方法。 7 曇り値が燻煙液被覆を有しない同様のケーシ
    ングの曇り値よりも低い特許請求の範囲第5項記
    載の方法。 8 タール減少燻煙液被覆がケーシング外面に適
    用され、充填に先立つて剥離性被覆がケーシング
    内面に適用され、そして加工処理後にケーシング
    が燻製色食品表面から剥離される特許請求の範囲
    第5項記載の方法。
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