JPH0338974Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は乗用田植機の苗載置台にマツト苗を供
給するようにした乗用田植機における苗供給装置
に係るものである。

〔従来技術〕

この種の操縦ハンドルと座席を有する乗用機体
の後方に昇降機構が設けられ、この昇降機構の後
方に田植機を連結するようにした従来の乗用田植
機にあつては、座席を支持するための基台を覆う
シートカバーが設けられてはいるが、このシート
カバーはカバーとしての剛性しか具備しておら
ず、オペレータ等が上に乗ると変形したり、ま
た、上に乗ると滑り易く危険があるという問題点
があり、苗補給時に足をのせる個所がなく、不自
然な姿勢で離れた位置からの供給で疲労が大であ
るという欠点があつた。

〔考案の目的〕

本考案は上述した従来の実情に鑑み、その欠点
を解消すべく創案されたものであつて、シートカ
バーとこのシートカバー上の座席とを有効利用し
て、苗載置台に対するマツト苗供給が疲労を少な
くかつ円滑に行うことができる乗用田植機におけ
る苗供給装置を提供することを目的とするもので
ある。

〔考案の構成〕

上記目的を達成する本考案による乗用田植機に
おける苗供給装置は、操縦ハンドルと座席を有す
る乗用機体の後方に昇降機構を設け、この昇降機
構の後方に田植機を連結するようにした乗用田植
機において、乗用機体に設けたシートカバーの上
面に、前方側を支点して後方側が操縦ハンドルに
支持されるよう起立姿勢となる座席を設けると共
に、この起立姿勢の座席上に後向きに腰掛けたオ
ペレータの足乗せ部を設けたことを特徴とするも
のである。

〔実施例〕

以下、本考案を一実施例として示す図面につい
て説明する。

第２図に示すように、乗用機体１の前方にはエ
ンジン２が搭載され、このエンジン２後方に配設
されたミツシヨンケース４は、前記エンジン２の
出力プーリ３とミツシヨンケース４の入力プーリ
５との間に巻掛けたＶベルト６によりエンジン２
から駆動されるようになつている。このミツシヨ
ンケース４の両側にはこのミツシヨンケース４に
より駆動される左右の前輪７，７が配設され、こ
の左右の前輪７，７は操縦ハンドル８に連動連結
され操向可能となつており、また機体の後方には
ミツシヨンケース４から後方に延びる伝動軸９に
より駆動される左右の後輪１０，１０が配設され
ており、前記操縦ハンドル８後方のシートカバー
１１上には座席１２が配設されている。

乗用機体２の後方には平行に上下する昇降機構
１３が配設されており、この昇降機構１３は次の
ようになつている。即ち、機体の後方にそれぞれ
に枢支されたアツパーリンク１４とロアリンク１
５とは、その後端が田植機２０に固定した上下方
向の連結杆１６にそれぞれに枢支連結されること
により平行リンク機構が構成されるようになつて
おり、このアツパーリンク１４に固定した連結リ
ンク１７の下端とミツシヨンケース４との間には
油圧伸縮機構１８が配設され、この油圧伸縮機構
１８が伸縮することによつて昇降機構１３が平行
に上下するようになつており、この上下する昇降
機構１３により田植機２０は、実線で示す植付位
置と、鎖線で示す上昇位置とに昇降するようにな
つている。

また、乗用機体１にはミツシヨンケース４から
後方に伸びる動力取出軸３０が設けられ、この動
力取出軸３０の未端と田植機の間は自在継手を有
する連結軸３１により連動連結され、これにより
田植機２０の各部は駆動回転するようになつてい
る。そして田植機２０には、機体の進行方向に直
交する横方向で左右に往復移動する５条用の苗載
置台１９が前方が高く後方が低くなる斜め傾斜状
に配設されており、この苗載置台１９の下方には
図示しない所定の植付軌跡で苗載置台１９上にセ
ツトされたマツト苗から一株分の苗を掻き取つて
下方の圃場に植付ける５条用の植付杆２１がそれ
ぞれに設けられ、また機体の下方には田面を滑走
するフロート２２がそれぞれに設けられている。

第４図および第５図に示すようにシートカバー
１１の上面には、左右両側の突出部２２，２３を
残して中央部に所定深さに没入する平坦な足乗せ
部２５が形成され、この足乗せ部２５はさらに別
な滑り防止板（図示せず）を貼着するか、または
表面直接に滑り防止模様（図示せず）を設けるか
などにより表面の滑りを防止できるようになつて
おり、またシートカバー１１の後方には、足が後
方に滑るのを阻止できる後方カバー２６が固着さ
れ、さらにこの足乗せ部２５はオペレーターが乗
つても変形しないように補強されている。

そして、第１図に示すようにシートカバー１１
上面に設ける座席１２は、その前方側の支軸２４
を支点として後方側が操縦ハンドル８に支持され
て起立姿勢となる反転状態となるようになつてい
る。

したがつて、第１図に示すように起立姿勢とな
つた座席１２と、座席１２が起立することにより
後方側が広くなるシートカバー１１上面とを有効
利用し、起立姿勢となつた座席１２上に後向きに
腰掛けたオペレータ２７は、その足をシートカバ
ー１１上の足乗せ部２５に乗せて疲労の少ない腰
掛け姿勢になることができ、この疲労の少ない腰
掛け姿勢のままで畦２８上に待機する補助者から
バトンタツチされたマツト苗２９を、予め上昇位
置とした田植機２０の苗載置台１９上に円滑に供
給載置することができる。

また、座席１２は操縦ハンドル８を利用して起
立姿勢を確実に保持することができ、この起立姿
勢を保持するための別個の固定機構を不要とする
ことができる。

〔考案の効果〕

これを要するに本考案による乗用田植機におけ
る苗供給装置は、操縦ハンドルと座席を有する乗
用機体の後方に昇降機構を設け、この昇降機構の
後方に田植機を連結するようにした乗用田植機に
おいて、乗用機体に設けたシートカバーの上面
に、前方側を支点して後方側が操縦ハンドルに支
持されるよう起立姿勢となる座席を設けると共
に、この起立姿勢の座席上に後向きに腰掛けたオ
ペレータの足乗せ部を設けたが故に、起立姿勢と
なつた座席と、この座席を起立させることにより
後方側が広くなるシートカバー上面とを有効利用
し、起立姿勢の座席上に後向きに腰掛けたオペレ
ータは、その足をシートカバー上の足乗せ部に乗
せて疲労の少ない腰掛け姿勢となることができ、
この疲労の少ない安定した腰掛け姿勢のままでマ
ツト苗を田植機の苗載置台上に円滑に供給載置す
ることができる。

しかも、座席は操縦ハンドルを利用して起立姿
勢を確実に保持することができ、起立姿勢を保持
するための別個の固定機構を不要とすることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は苗供給状態を示す作用説明図、第２図は
乗用田植機の全体側面図、第３図は乗用田植機の
全体平面図、第４図は第３図のＡ−Ａ断面図、第
５図は第３図のＢ−Ｂ断面図である。 １……乗用機体、８……操縦ハンドル、１１…
…シートカバー、１２……座席、１３……昇降機
構、１９……苗載置台、２０……田植機、２４…
…支軸、２５……足乗せ部、２７……オペレー
タ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 操縦ハンドルと座席を有する乗用機体の後方に
   昇降機構を設け、この昇降機構の後方に田植機を
   連結するようにした乗用田植機において、乗用機
   体に設けたシートカバーの上面に、前方側を支点
   して後方側が操縦ハンドルに支持されるよう起立
   姿勢となる座席を設けると共に、この起立姿勢の
   座席上に後向きに腰掛けたオペレータの足乗せ部
   を設けたことを特徴とする乗用田植機における苗
   供給装置。