JPH033853Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は内箱の前面開口縁に対する前枠の取付
け構造を改良したオーブントースタに関する。

〔従来の技術〕

第７図に示すように従来のオーブントースタ
は、板金製の底板１の上面に調理室２ａを形取る
板金製内箱２を取付け、この内箱２にその前面開
口を縁取つて板金製の前枠３を取付ける構造を備
えている。上記内箱２は、左右の側板４と、これ
ら側板４に挟まれるようにして左右側板４をつな
いで設けた上部反射板５および下部の前後反射板
６とから形成されている。そして、左右側板４の
前端には調理室２ａに対して外向きの前面フラン
ジ４ａが略直角に折曲げられているとともに、上
部反射板５の前端にも上向き前面フランジ５ａが
折曲げられている。上向き前面フランジ５ａはそ
の両端面を左右側板４の内面にただ単に突き当て
て固定されることなく挟まれている。また第８図
に示すように前枠３の内箱２への取付けは、左右
側板４の前面フランジ４ａの上下にスリツト状の
爪係合孔７を夫々設けるとともに、前枠３の左右
側部における内周側後縁の上下に係合爪８を一体
に突設して、これら係合爪８を夫々爪係合孔７に
差込んだ後に前枠３を引き下げて前面フランジ４
ａに係合させるとともに、前枠３の下部における
外周側後縁を上記下部前側の反射板６の下面に重
ねてねじ止めして行われている。なお、第７図中
９は焼き網、１０は焼き網９と前枠３に取付けら
れる扉とを連動させるレバーが通る長孔である。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、側板４は0.3〜0.6mm程度の薄い鋼板
製であるから、上記のように上向き前面フランジ
５ａの両端を左右側板４の内面に固定することな
く単に突き当てて挟んだ上記従来の構造によれ
ば、上向きフランジ５ａの支持強度が弱く、外力
が作用した場合にべこつきや変形を生じやすかつ
た。また、前枠３の内箱２に対する取付けに当り
係合爪８を爪係合孔７に挿通させ、かつねじ止め
前の状態で、前枠３に左右方向の力が作用した場
合には、係合爪８の変形を伴つて前枠３が動いて
しまい、そのままでは前枠３の下部前側の反射板
６へのねじ止めが困難となることがあつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、前端に前面フランジを略直角に折曲
げた左右側板と、これら左右側板をつないで設け
られた反射板とから形成され、かつ、上記反射板
上部に上記前面フランジに両端部を連ねる上向き
前面フランジを折曲げるとともに調理室を形取つ
た板金製の内箱に、その前面開口を縁取つて板金
製の前枠を取付けた構造を備えるオーブントース
タにおいて実施され、 上記左右の前面フランジの夫々に縦方向に沿う
側部爪係合部を設けるとともに、上記上向き前面
フランジに上部爪係合部を設け、上記前枠の左右
側部における各内周側後縁の夫々に上記側部爪係
合部を挿通して上記前面フランジに係合する垂直
状の側部係合爪を一体に突設するとともに、上記
前枠の上部における内周側後縁にこの縁の長さ方
向に沿うとともに上記上部爪係合部を挿通して上
記前面上向きフランジの裏面に係合する水平状の
係合爪を一体に突設し、かつ上記前枠の下部にお
ける外周側後縁に上記反射板の前部下面に重ねて
固定される重なり固定部を設けることによつて、
上記従来の問題点を解決したものである。

〔作用〕

上記解決手段を備えたオーブントースタにおけ
る前枠は、その上部に設けた水平状の上部係合爪
を反射板の上向きフランジに設けた上部爪係合部
に通してこのフランジの裏面に係合させるととも
に、左右側部に設けた垂直状の側部係合爪を左右
側板の前面フランジに設けた側部爪係合部に通し
てこのフランジに夫々係合させ、かつ前枠の下部
に設けた重なり固定部を反射板に重ねてねじ止め
することによつて、内箱の前面開口を縁取つて取
付けられている。このため、左右側板に固定され
ることなく設けられている反射板の上向き前面フ
ランジが、前枠上部に支持される。したがつて、
このフランジを有する反射板の板厚を増したり、
特別な補助部材を使用したりすることなく、上向
き前面フランジのべこつきや変形を防止できる。
しかも、上部係合爪は水平状であるから、これと
上向き前面フランジの上部爪係合部との係合によ
り、前枠の左右方向の動き止めを反射板でなすこ
とができる。

〔実施例〕

本考案の一実施例を示す第１図から第６図中１
１は前面開口の調理室１２を形取る板金製の内箱
である。内箱１１は、左右の側板１３と、これら
側板１３に挟まれるようにして左右側板１３をつ
ないで設けた上部の反射板１４、下部前側の反射
板１５、および下部後側の反射板１６とから形成
されている。なお、反射板１４，１６は一体でも
よい。

左右の側板１３は、前後方向に沿うとともに略
垂直板状の側板主部１３ａと、この主部１３ａの
前端に上記調理室１２に対し外向きにして略直角
に折曲げた前面フランジ１３ｂとを備えている。
なお、本実施例では内箱１１に対する後述の前枠
の支持強度をより高めるための手段の一部とし
て、左右側板１３の側板主部１３ａには夫々前面
フランジ１３ｂの近傍でかつこのフランジ１３ｂ
より少し離して係合溝１７が上面から切欠して設
けられている。そして、各前面フランジ１３ｂに
は、例えば長さ方向略中央部において縦方向に沿
うスリツト状の孔等からなる側部爪係合部１８が
夫々形成されている。

しかも、上部の反射板１４には上記前面フラン
ジ１３ｂに面一に連続する上向き前面フランジ１
４ａが一体に折曲げて形成されている。このフラ
ンジ１４ａの左右両端は上記側板主部１３ａの内
面に突き当てられて固定されることなく側板主部
１３ａ間に挟まれている。そして、上向き前面フ
ランジ１４ａにはその上端から切欠して設けた溝
等からなる上部爪係合部１９が例えば長さ方向中
央部において形成されている。なお、本実施例で
は内箱１１に対する後述の前枠の支持強度をより
高めるための手段の一部として、上向き前面フラ
ンジ１４ａの左右両端部には通し溝２０が夫々上
端から切欠して形成されている。また、第３図中
１４ｂは反射板１４の両端面に突設された複数
（一箇所のみ図示）の係止爪で、これは側板主部
１３ａに設けた係止孔に挿入されて折曲げ係止さ
れている。

そして、内箱１１の左右側板主部１３ａの下端
に夫々外向きに折曲げた下端折曲げ縁１３ｃ（第
２図参照）は板金製の底板２１上面に固定されて
いる。また、内箱１１にはその前面開口を縁取つ
て第６図に示す板金製の前枠２２が以下の構造に
より取付けられている。

つまり、前枠２２の左右側部２２ａ，２２ｂに
おける内周側後縁には第１図および第４図等に示
すように例えば長さ方向略中央部において垂直状
の側部係合爪２３が夫々一体に突設されていると
ともに、前枠２２の上部２２ｃにおける内周側後
縁には第１図および第３図等に示すように例えば
長さ方向略中央部において水平状の上部係合爪２
４が一体に突設されており、かつ、前枠２２の下
部における外周側後縁には更に後方に向けて延出
された重なり固定部２５（第５図参照）が設けら
れている。なお、第５図中１５ａは上記固定部２
５が重なる上記反射板１５の下面に設けた複数の
ねじ受け部である。そして、この前枠２２は、ま
ず、少し斜めにした状態で左右の側部係合爪２３
を前面フランジ１３ｂの側部爪係合部１８の上部
に挿通させる。これにより前枠２２の上部係合爪
２４が上向き前面フランジ１４ａに設けた上部爪
係合部１９の真上に対向される。次に、前枠２２
の下部２２ｄ側を後側に少し回動させながら前枠
２２全体を引下げる。これにより、左右の側部係
合爪２３が側部爪係合部１８の下部近傍の前面フ
ランジ１３ｂの裏面に引掛け係合されるととも
に、上部係合爪２４の首部が上部爪係合部１９に
上方から嵌入して、上部係合爪２４が上部爪係合
部１９近傍の上向き前面フランジ１４ａの裏面に
引掛け係合される。しかも同時に前枠２２の内周
側後縁が各前面フランジ１３ｂ，１４ａ、および
下部前側の反射板１５の前面にわたり当接される
とともに、前枠２２の下部２２ｄの重なり固定部
２５が反射板１５の下面に重ねられる。次に上記
重なり固定部２５に固定具例えばねじ２６を通し
て夫々上記ねじ受け１５ａに螺合させる。以上に
より前枠２２が内箱１１の前面に取付けられてい
る。

なお、本実施例の場合には前枠２２の支持強度
をより高めるための手段の一部として、前枠２２
の上部内周側後縁に左右一対の引掛け突部２７が
夫々一体に突設されている。この引掛け突部２７
は上記通し溝２０に上方から嵌入するとともに上
記係合溝１７に上方から嵌入して引掛け係合され
るものである。なお、本実施例の場合引掛け突部
２７に上向き前面フランジ１４ａの裏面に係合す
るフランジ支持部位２７ａを一体に形成して、上
向き前面フランジ１４ａの両端部を支持してい
る。

以上のようにして内箱１１に取付けられた前枠
２２には内箱１１の前面開口を開閉する扉２８が
開閉自在に枢着されている。また、上記内箱１１
の上面および左右側面は上記底板２１の左右端部
下面に両側下端部を固定して設けられた板金製外
箱ケース２９で覆われているとともに、内箱１１
の後面は外箱ケース２９および底板２１の各後縁
に嵌合して取付けられた板金製の外箱後板３０で
覆われている。なお、第２図および第５図中３１
は前側から出し入れ自在に収納された受け皿、３
２は調理室１２に前後方向に沿つて移動可能に収
納した焼き網、３３は焼き網３２と扉２８とを連
動させるレバー、３４はレバー貫通孔、３５は焼
き網３２の上下において調理室１２に設けたヒー
タである。

上記構成において前枠２２は、その上部２２ｃ
に設けた水平状の上部係合爪２４を、反射板１４
の上向き前面フランジ１４ａに設けた上部爪係合
部１９に通してこのフランジ１４ａの裏面に係合
させるとともに、前枠２２の左右側部２２ａ，２
２ｂに設けた垂直状の側部係合爪２３を、左右側
板１３の前面フランジ１３ｂに設けた側部爪係合
部１８に通してこのフランジ１３ｂの裏面に係合
させ、かつ前枠２２の下部２２ｄに設けた重なり
固定部２５を反射板１５の下面に重ねてねじ止め
することによつて、内箱２２の前面開口を縁取つ
て取付けられている。

これにより左右側板１３に固定されることなく
設けられている上向き前面フランジ１４ａが前枠
２２の上部２２ｃに支持される。したがつて、こ
のフランジ１４ａを有する反射板１４の板厚を増
したり、特別な補助部材を使用したりすることな
く、上向き前面フランジ１４ａのべこつきや変形
を防止できる。

しかも、本実施例では各前面フランジ１３ｂ，
１４ａにおいて最も外力を受ける可能性が高い長
さ方向略中央部を、各係合爪２３，２４を介して
前枠２２に夫々支持させたから、これら各前面フ
ランジ１３ｂ，１４ａのべこつきや変形が防止さ
れる。加えて本実施例においては左右方向に長い
上向き前面フランジ１４ａの長さ方向中間だけで
なく、左右両端部も引掛け突部２７のフランジ支
持部位２７ａで支持しているから、より強固に上
向き前面フランジ１４ａを支持できるものであ
る。

そして、前枠２２の上部係合爪２４は水平状で
あり、かつ、その左右端面が係合している上部爪
係合部１９を有した上向き前面フランジ１４ａは
左右方向に沿つて設けられているから、これら上
部係合爪２４および反射板１４は左右方向には変
形することがない。このため、前枠２２の内箱１
１に対する取付けに当り、各係合爪２３，２４を
各爪係合部１８，１９に夫々挿通させ、かつねじ
止め前の状態で、前枠２２に左右方向の力が作用
した場合には、この力を上部係合爪２４および反
射板１４で支持して、側部係合爪２３の変形を伴
つて前枠２２が動かないようにできる。したがつ
て、前枠２２の重なり固定部２５と下部前側の反
射板１５との位置が狂うことがなく、前枠２２の
下部反射板１５へのねじ止めが困難となることを
防止できる。

なお、上記一実施例は以上のように構成した
が、本考案において上向き前面フランジの上部爪
係合部は溝ではなく通孔により形成してもよく、
この場合対応する前枠の上部係合爪は上部爪係合
部に挿通後に上方または下方に折曲げて上向き前
面フランジの裏面に引掛け係合させるようにして
実施すればよい。その他、本考案の実施に当つて
は、考案の要旨に反しない限り、内箱の左右側
板、内箱の反射板、側板の前面フランジ、反射板
の上向きフランジ、各爪係合部、前枠、各係合
爪、重なり固定部等の具体的な構造、形状、位置
等は、上記一実施例に制約されることなく、種々
の態様に構成して実施できることは勿論である。

〔考案の効果〕

上記実用新案登録請求の範囲に記載の構成を要
旨とする本考案によれば、左右側板に固定される
ことなく設けられている反射板の上向き前面フラ
ンジを、このフランジの上部爪係合部と前枠の上
部係合爪との係合により前枠上部に支持したか
ら、上向き前面フランジを有する反射板の板厚を
増したり、特別な補助部材を使用したりすること
なく、上向き前面フランジのべこつきや変形を防
止できるとともに、前枠の上部係合爪と上向き前
面フランジの上部爪係合部との係合により前枠の
左右方向の動き止めを反射板でなして、前枠の内
箱への取付け性を向上できる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図から第６図は本考案の一実施例を示し、
第１図は第５図中Ａ−Ａ線に沿う断面図、第２図
は前枠取付け前の状態を示す内箱部分の斜視図、
第３図は内箱および前枠の各一部を示す分解斜視
図、第４図は前枠の縦断側面図、第５図はオーブ
ントースタ全体の縦断側面図、第６図は前枠の正
面図である。第７図および第８図は従来例を示
し、第７図は前枠取付け前の状態を示す内箱部分
の斜視図、第８図は内箱および前枠の各一部を示
す分解斜視図である。 １１……内箱、１３……側板、１３ｂ……前面
フランジ、１４，１５，１６……反射板、１４ａ
……上向き前面フランジ、１８……側部爪係合
部、１９……上部爪係合部、２２……前枠、２３
……側部係合爪、２４……上部爪係合爪、２５…
…重なり固定部、２６……ねじ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 前端に前面フランジを略直角に折曲げた左右
   側板と、これら左右側板をつないで設けられた
   反射板とから形成され、かつ、上記反射板上部
   に上記前面フランジに両端部を連ねる上向き前
   面フランジを折曲げるとともに調理室を形取つ
   た板金製の内箱に、その前面開口を縁取つて板
   金製の前枠を取付けた構造を備えるオーブント
   ースタにおいて、上記左右の前面フランジの
   夫々に縦方向に沿う側部爪係合部を設けるとと
   もに、上記上向き前面フランジに上部爪係合部
   を設け、上記前枠の左右側部における各内周側
   後縁の夫々に上記側部爪係合部を挿通して上記
   前面フランジに係合する垂直状の側部係合爪を
   一体に突設するとともに、上記前枠の上部にお
   ける内周側後縁にこの縁の長さ方向に沿うとと
   もに上記上部爪係合部を挿通して上記前面上向
   きフランジの裏面に係合する水平状の係合爪を
   一体に突設し、かつ上記前枠の下部における外
   周側後縁に上記反射板の前部下面に重ねて固定
   される重なり固定部を設けたことを特徴とする
   オーブントースタ。 (2) 実用新案登録請求の範囲第(1)項の記載におい
   て、各爪係合部が各フランジの長さ方向略中央
   部において夫々設けられているとともに、各係
   合爪が前枠の左右側部および上部の長さ方向略
   中央部において夫々設けられていることを特徴
   とするオーブントースタ。