JPH0338299Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は衛生洗浄装置内に水や汚水が浸入し
て電気制御部品が損傷するのを防止し、保守性を
向上させるようにした衛生洗浄装置の保護装置に
関する。

〔従来技術〕

近年、第１図に示すように、便器１に暖房機能
を備えた便座２と、適温の洗浄水を噴出させて局
部を洗浄する図示しない洗浄機能と、洗浄後の局
部を温風により乾燥させる図示しない乾燥機能と
を具備した衛生洗浄装置本体３を設置し、用便後
の後処理を手をわずらわせることなく衛生的に行
うことのできる衛生洗浄装置付便器が普及してき
た。

この衛生洗浄装置本体３は、便器１の後部開口
縁と平行に延びる外装ケーシング３１と、このケ
ーシング３１内に一部がケーシングの前方に出没
可能に収容されて先端部から洗浄水を噴出して局
部を洗浄する伸縮可能なノズル３２と、前記外装
ケーシング３１の前部側にノズル３２の出没口と
隣接して開口した温風吹出口３３と、電気制御部
品等を組付けて外装ケーシング３１の下端開口部
を閉鎖する裏板３６とからなり、便器１の後部に
便器１をまたいで取付けられる。そして、外装ケ
ーシング３１の前面側はその左右の両側を残して
傾斜状の凹部３４を形成し、この傾斜凹部３４に
はその両側の側壁３５を利用して便座２、便ふた
４が、便器１の開口面に対して擺動できるように
枢支されている。この便座２、便ふた４の取付け
は、第２図に示すように、図示しない電気制御部
品や洗浄機能要素等を組付けた裏板３６を外装ケ
ーシング３１に取付ボルト等を用いて固定した
後、便座２の上面に便ふた４を載せて便座２のヒ
ンジ２ａと便ふた４のヒンジ４ａとを重ね合わ
せ、この状態で便座２、便ふた４の各ヒンジ２
ａ，４ａ側を外装ケーシング３１の傾斜凹部３４
に位置させて、ヒンジ２ａ，４ａのピン孔５から
前記傾斜凹部３４の側壁３５に開口した縦長な長
孔状の軸受孔６に向け、先端にスリツトを設けた
ヒンジピン７を挿通し、第１図のように外装ケー
シング３１の側壁３５に便座２、便ふた４を枢支
していた。尚、ヒンジピン７を軸受孔６に挿通す
るとき、ヒンジピン７の先端はスリツトを利用し
て軸受孔６により圧縮された状態で挿通され、挿
通後はスリツト部分が原状復帰して軸受孔６に係
止されるので側壁３５から抜脱しない。

〔従来技術の問題点〕

然るに、便座２、便ふた４をヒンジピン７によ
り外装ケーシング３１に枢支する構造において
は、例えば、便座２や外装ケーシング３１の傾斜
凹部３４等が汚水や尿等により汚染されると、こ
の汚染部分は水洗いして清掃する。しかし、この
場合、注意して水洗いを行なわないと、清掃水が
ヒンジピン７を係止する長孔状の軸受孔６から外
装ケーシング３１内に浸入し、裏板３６に配置し
た電気制御部品に付着したりして、衛生洗浄装置
の故障や漏電事故等を誘発するおそれがあつた。

この欠点は、ヒンジピン７を挿通する軸受孔６
を小さくして、清掃水の浸入を極力抑制すること
が考えられる。しかし、この方法は便器１が陶器
製であるため、便器１は便座２を擺動自在に乗載
する上端面を水平に形成することがむつかしく、
従つて、便座２を乗載した場合、便器１と便座２
との間に隙間が生じ、この状態で便座２に着座す
ると、人体の重みで便座２のヒンジ２ａに大きな
荷重がかかつてヒンジ２ａを破損するおそれがあ
るため、軸受孔６を長孔状に形成して便座２のヒ
ンジ２ａ部分が上下動できる構造にしないと、便
座２を保護することができなかつた。

〔考案の目的〕

この考案は前記の欠点を除去して、水や汚水等
の浸入による電気制御部品の損傷を防止し、衛生
洗浄装置の保守性を向上させるようにした保護装
置を提供することにある。

〔考案の概要〕

この考案は外装ケーシングの傾斜凹部に枢支し
た便座、便ふたの枢支部から汚水等が外装ケーシ
ング内に浸入した場合、この水を衛生洗浄装置の
電気制御部品等に付着させることなく集水カバー
によつて集水し、外装ケーシングに被着した裏板
の排水孔より外部に排出させて衛生洗浄装置の電
気制御部品を汚水等の浸入から保護するようにし
たことを特徴とする。

〔考案の実施例〕

以下この考案の実施例を図面の第４図乃至第９
図によつて説明する。尚、第４図乃至第９図にお
いて、第１図乃至第３図と同一符号は同一部品を
示す。

本考案と従来技術との異なる点は、外装ケーシ
ングの裏側に集水カバーと排水溝を設け、裏板に
は排水溝と連通する排水孔を設けた点にある。即
ち、第６図、第７図に示すように、外装ケーシン
グ３１の側壁３５に穿孔した長孔状の軸受孔６か
らケーシング３１内に突出するヒンジピン７の先
端を、第８図に示す集水カバー４１にて囲繞す
る。この場合、ヒンジピン７は第７図に示すよう
に、便座２、便ふた４の各ヒンジ２ａ，４ａに挿
通されて側壁３５の軸受孔６から外装ケーシング
３１内に貫通突出する。従つて、便座２、便ふた
４はヒンジピン７を介して外装ケーシング３１の
側壁３５に擺動自在に枢支される。つづいて、第
４図に示すように、ケーシング３１内に突出する
ヒンジピン７の先端を集水カバー４１にて囲繞す
る。集水カバー４１は、合成樹脂板を第９図のよ
うに、片側（図の左側）を矩形状に、反対側は台
形状となるように打抜いてから、矩形部分の上部
を横方向に、矩形部分と台形部分との中心を縦方
向にそれぞれ鏝等を利用して筋目ａ，ｂを形成
し、前記樹脂板を筋目ａ，ｂにて折り曲げて、第
８図のように、平面形状をＬ字型となして矩形面
ｃと台形面ｄとを備えた集水カバー４１を構成す
る。尚、４２は集水カバー４１の矩形面ｃに設け
た透孔である。集水カバー４１を取付ける場合
は、矩形面ｃを第５図に示すように、外装ケーシ
ング３１の傾斜凹部３４の裏面に当接して、この
裏面に突設した突起４３を透孔４２に挿通し、こ
の状態で突起４３の頂部を熱により潰して第６図
のように、集水カバー４１の矩形面ｃを外装ケー
シング３１の傾斜凹部３４の内側に止着する。一
方、集水カバー４１の台形面ｄは、筋目ｂに沿つ
て側壁３５と対向する方向に折り曲げてその頂点
を外装ケーシング３１の内側隅角部に突設した係
止部３７に係止することにより、前記台形面ｄは
自体の弾性によつて解離不能に係止される。従つ
て、集水カバー４１は第７図のように、その下方
端を開放した状態でヒンジピン７の突出端周辺を
囲繞する。そして、集水カバー４１の開放部４４
は、外装ケーシング３１に、その下方端に向けて
設けた排水溝３８と連通しており、又、排水溝３
８の下部は、外装ケーシング３１の下部開口端を
閉鎖する裏板３６に穿孔した排水孔３９と連通し
ている。このため、便座２等の清掃時、便座２を
洗浄した汚水が外装ケーシング３１の軸受孔６か
らその内側に浸入した際、この水は集水カバー４
１の背面（矩形面ｃ）に沿つて流下し、その開放
部４４から排水溝３８を経て裏板３６の排出孔３
９から衛生洗浄装置本体３の外側に排出される。

尚、集水カバー４１は、外装ケーシング３１の
傾斜凹部３４の裏側面に突起４３を用いて止着す
る代りに、接着剤によつて貼着するようにしても
よい。

〔考案の効果〕

この考案は以上のように構成されているので、
次のような効果を有する。

(1) 外装ケーシングのヒンジピンが挿通する軸受
孔から便座等を清掃した汚水が外装ケーシング
内に浸入した場合、前記汚水は、外装ケーシン
グ内に突出するヒンジピンの周辺と、裏板に組
付けられて外装ケーシング内に収容される電気
制御部品との間を区画する集水カバーによつて
集水され、裏板の排水孔から外部に排出するこ
とができるため、電気制御部品の故障や漏電事
故の発生を確実に防止することができる。

(2) 又、集水カバーは、ヒンジピンが突出する周
辺のみを外装ケーシングの壁面を利用して取付
けることができるので、取付けのためのスペー
スは特別に必要とせず、外装ケーシング内の狭
隘の空間を有効に利用できる利点もある。

(3) 更に、集水カバーの取付けは、その一方を外
装ケーシングに止着させ、他方は外装ケーシン
グに設けた係止部に一動作で係脱できる構造と
なつているので、集水カバーを迅速容易に取付
けることができ、かつ、集水カバーの一方が係
脱できるため、ヒンジピンの外装ケーシングへ
の取付状況を容易に点検できる利点もある。し
かも、集水カバーの下方端が開放されて排水
溝、排水孔とを連通させてあるので、外装ケー
シング内に浸入した汚水が電気制部品側に飛散
したり、付着したりすることが全くなく、確実
に衛生洗浄装置の外に排出することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は衛生洗浄装置の取付状態を示す斜視
図、第２図は第１図の分解斜視図、第３図は従来
の外装ケーシングの内部を示す斜視図、第４図お
よび第５図は本考案装置を備えた外装ケーシング
の斜視図、第６図は本考案装置の要部を示す縦断
面図、第７図は第６図のＡ−Ａ線断面図、第８図
は集水カバーの斜視図、第９図は集水カバーの展
開図である。 ３１……外装ケーシング、３５……側壁、３６
……裏板、３９……排水孔、４１……集水カバ
ー、４４……開放部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下方端が開口されて内部に電気制御部品や洗浄
   機能要素等を収容する外装ケーシングの側壁に、
   ヒンジピンを介して便座を擺動自在に取付け、前
   記ヒンジピンの先端が突出される外装ケーシング
   の内側面に、このヒンジピンの突出端を囲繞して
   集水カバーを、外装ケーシングの下方端側を開放
   して被着し、前記集水カバーの開放部と対向する
   位置に排水孔を穿孔した裏板を外装ケーシングの
   下方端開口部に取付けて成る衛生洗浄装置の保護
   装置。