JPH0337469B2 - - Google Patents
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- JPH0337469B2 JPH0337469B2 JP57123905A JP12390582A JPH0337469B2 JP H0337469 B2 JPH0337469 B2 JP H0337469B2 JP 57123905 A JP57123905 A JP 57123905A JP 12390582 A JP12390582 A JP 12390582A JP H0337469 B2 JPH0337469 B2 JP H0337469B2
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K9/00—Arc welding or cutting
- B23K9/16—Arc welding or cutting making use of shielding gas
- B23K9/173—Arc welding or cutting making use of shielding gas and of a consumable electrode
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Plasma & Fusion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Arc Welding Control (AREA)
- Arc Welding In General (AREA)
Description
この発明は消耗電極式アーク溶接装置、特に消
耗電極を溶融し母材に落下・移行させて溶接を行
なうものに関する。 従来、この種の消耗電極式アーク溶接装置とし
ては、つぎのようなものがあつた。即ち、被溶接
材(以下「母材」という)を陰極に、消耗電極を
陽極にするような極性で電流を供給し、消耗電極
を溶融し母材に落下・移行させて溶接を行なうも
のがあつた。このような装置において、その消耗
電極からの溶滴の移行状態は、供給される溶接電
流の大小およびその波形によつて異なり、直流電
流の場合、消耗電極、シールドガスの種類によつ
て決まる臨界電流値以上では、溶滴は細かいスプ
レー状となり、スパツタの発生が少く、安定な溶
滴移行形態となる。また、電流波形がパルス状の
場合には、そのピーク値が臨界電流値以上で、し
かも1パルス当りに消耗電極に注入されるエネル
ギーが適正値に設定されていれば、溶接電流の平
均値が臨界電流値以下であつても、大電流パルス
のピンチ力が溶滴に働き、スプレー移行が発生す
るようになる。 従来の消耗電極式アーク溶接装置においては、
以上のように、溶接電流が決まれば消耗電流の溶
け方も定まつてしまうため、溶接電流と消耗電極
の溶着量とはほぼ1対1に対応しており、電流の
波形をパルス状にしたり電極突き出し長さを変化
させても、その対応関係はわずかしか変化させる
ことができない。従つて、従来は特に大電流域に
おいて母材の溶け方(溶け込み、溶融幅など)に
比べて溶着量が少く、アンダーカツトなどの溶接
欠陥の発生とともに溶接速度の低下を招き、この
ため溶接作業の能率を上げることが困難であつ
た。 この発明は前述した従来の課題に鑑みてなされ
たもので、その目的は、同一溶接電流に対して溶
融金属の溶着量を大幅に調整できる機能をもち、
これにより溶接作業の能率向上をはかることので
きる消耗電極式アーク溶接装置を提供することに
ある。 上記の目的を達成するために、この発明は、消
耗電極と母材との間にアークを発生させて溶接を
行なう消耗電極式アーク溶接装置において、溶接
電流波形をパルス化して上記消耗電極からの溶滴
移行形態をスプレー状とし、かつ上記母材の溶融
部に接触するように上記アーク中に別途フイラー
ワイヤを通電加熱させながら送給する手段と、さ
らにそのワイヤ加熱用の電流の電流値を上記溶接
電流値の1/2以下に設定する手段とを有すること
を特徴とする。 以下、この発明の好適な実施例を図面に基づい
て説明する。 第1図はこの発明による消耗電極式アーク溶接
装置の構成の一実施例を示す。同図に示す装置
は、まず、消耗電極10を送給するための第1の
駆動ローラ12、この駆動ローラ12を回転させ
るための第1のモータ14、消耗電極10に電流
を通電させるためのチツプ16、アーク20のま
わりにシールドガス22を供給するノズル18、
およびアーク20を維持させる電流を供給するた
めの電源24を有する。また、フイラーワイヤ2
6を送給するための第2の駆動ローラ28、この
駆動ローラ28を回転させるための第2のモータ
30、フイラーワイヤ26に電流(以下これを
「ワイヤ加熱電流」という)を通電させるための
給電装置32を有している。さらに、溶接電流を
調整するためのトランジスタなどの第1スイツチ
ング素子34、ワイヤ加熱電流を調整するための
トランジスタなどの第2のスイツチング素子3
6、リアクトル38,40、ダイオード42,4
4、溶接電流およびワイヤ加熱電流のパルス周波
数を設定するための周波数設定器46、溶接電流
のパルス幅を設定するための第1のパルス幅設定
器48、ワイヤ加熱電流のパルス幅を設定するた
めの第2のパルス幅設定器50、溶接電流を検出
する第1の検出器52、ワイヤ加熱電流を検出す
る第2の検出器54、第1の検出器52で検出し
た溶接電流と所定の設定値I1とを比較するための
第1の比較器56、およびワイヤ加熱電流と所定
の設定値I2とを比較するための第2の比較器58
などを有している。ここで、溶接電流は上記チツ
プ16と母材60との間に供給され、またワイヤ
加熱電流は給電装置32を介してフイラーワイヤ
26と母材60との間に供給される。また、第1
図において斜線部分62はビードを示す。 つぎに、この発明による装置の原理について説
明する。 (1) まず、パルス電流による溶滴の細粒化につい
て説明する。 消耗電極からの溶滴の移行形態を、小電流か
ら大電流まで、消耗電極の径と同程度の直径を
もつ溶滴が1パルス当り1個ずつ規則的に移行
して行くようにするには、パルス周波数を消耗
電極の送給速度に比例させ、1個のパルスに対
してはそのピーク値を臨界電流値以上に設定
し、かつ1個のパルスあたりにワイヤに注入さ
れるエネルギーが適正範囲内に入るように調整
されなければならない。消耗電極が軟鋼用ワイ
ヤであつて、シールドガスがAr/CO2=8/2の
ときの消耗電極の送給速度と溶接電流のパルス
周波数との標準的な関係を示したのが第2図で
あり、臨界電流値および1個のパルスあたりに
注入されるエネルギーの適正範囲を実験的に求
めたものが以下に示す表1である。また適正エ
ネルギー範囲に対応したワイヤ径1.2mmφの場
合の平均的なパルス幅の値は3msである。溶
滴のスプレー化のためには、溶接電流は以上の
ようなパルス条件を満たす形状に設定しなけれ
ばならない。
耗電極を溶融し母材に落下・移行させて溶接を行
なうものに関する。 従来、この種の消耗電極式アーク溶接装置とし
ては、つぎのようなものがあつた。即ち、被溶接
材(以下「母材」という)を陰極に、消耗電極を
陽極にするような極性で電流を供給し、消耗電極
を溶融し母材に落下・移行させて溶接を行なうも
のがあつた。このような装置において、その消耗
電極からの溶滴の移行状態は、供給される溶接電
流の大小およびその波形によつて異なり、直流電
流の場合、消耗電極、シールドガスの種類によつ
て決まる臨界電流値以上では、溶滴は細かいスプ
レー状となり、スパツタの発生が少く、安定な溶
滴移行形態となる。また、電流波形がパルス状の
場合には、そのピーク値が臨界電流値以上で、し
かも1パルス当りに消耗電極に注入されるエネル
ギーが適正値に設定されていれば、溶接電流の平
均値が臨界電流値以下であつても、大電流パルス
のピンチ力が溶滴に働き、スプレー移行が発生す
るようになる。 従来の消耗電極式アーク溶接装置においては、
以上のように、溶接電流が決まれば消耗電流の溶
け方も定まつてしまうため、溶接電流と消耗電極
の溶着量とはほぼ1対1に対応しており、電流の
波形をパルス状にしたり電極突き出し長さを変化
させても、その対応関係はわずかしか変化させる
ことができない。従つて、従来は特に大電流域に
おいて母材の溶け方(溶け込み、溶融幅など)に
比べて溶着量が少く、アンダーカツトなどの溶接
欠陥の発生とともに溶接速度の低下を招き、この
ため溶接作業の能率を上げることが困難であつ
た。 この発明は前述した従来の課題に鑑みてなされ
たもので、その目的は、同一溶接電流に対して溶
融金属の溶着量を大幅に調整できる機能をもち、
これにより溶接作業の能率向上をはかることので
きる消耗電極式アーク溶接装置を提供することに
ある。 上記の目的を達成するために、この発明は、消
耗電極と母材との間にアークを発生させて溶接を
行なう消耗電極式アーク溶接装置において、溶接
電流波形をパルス化して上記消耗電極からの溶滴
移行形態をスプレー状とし、かつ上記母材の溶融
部に接触するように上記アーク中に別途フイラー
ワイヤを通電加熱させながら送給する手段と、さ
らにそのワイヤ加熱用の電流の電流値を上記溶接
電流値の1/2以下に設定する手段とを有すること
を特徴とする。 以下、この発明の好適な実施例を図面に基づい
て説明する。 第1図はこの発明による消耗電極式アーク溶接
装置の構成の一実施例を示す。同図に示す装置
は、まず、消耗電極10を送給するための第1の
駆動ローラ12、この駆動ローラ12を回転させ
るための第1のモータ14、消耗電極10に電流
を通電させるためのチツプ16、アーク20のま
わりにシールドガス22を供給するノズル18、
およびアーク20を維持させる電流を供給するた
めの電源24を有する。また、フイラーワイヤ2
6を送給するための第2の駆動ローラ28、この
駆動ローラ28を回転させるための第2のモータ
30、フイラーワイヤ26に電流(以下これを
「ワイヤ加熱電流」という)を通電させるための
給電装置32を有している。さらに、溶接電流を
調整するためのトランジスタなどの第1スイツチ
ング素子34、ワイヤ加熱電流を調整するための
トランジスタなどの第2のスイツチング素子3
6、リアクトル38,40、ダイオード42,4
4、溶接電流およびワイヤ加熱電流のパルス周波
数を設定するための周波数設定器46、溶接電流
のパルス幅を設定するための第1のパルス幅設定
器48、ワイヤ加熱電流のパルス幅を設定するた
めの第2のパルス幅設定器50、溶接電流を検出
する第1の検出器52、ワイヤ加熱電流を検出す
る第2の検出器54、第1の検出器52で検出し
た溶接電流と所定の設定値I1とを比較するための
第1の比較器56、およびワイヤ加熱電流と所定
の設定値I2とを比較するための第2の比較器58
などを有している。ここで、溶接電流は上記チツ
プ16と母材60との間に供給され、またワイヤ
加熱電流は給電装置32を介してフイラーワイヤ
26と母材60との間に供給される。また、第1
図において斜線部分62はビードを示す。 つぎに、この発明による装置の原理について説
明する。 (1) まず、パルス電流による溶滴の細粒化につい
て説明する。 消耗電極からの溶滴の移行形態を、小電流か
ら大電流まで、消耗電極の径と同程度の直径を
もつ溶滴が1パルス当り1個ずつ規則的に移行
して行くようにするには、パルス周波数を消耗
電極の送給速度に比例させ、1個のパルスに対
してはそのピーク値を臨界電流値以上に設定
し、かつ1個のパルスあたりにワイヤに注入さ
れるエネルギーが適正範囲内に入るように調整
されなければならない。消耗電極が軟鋼用ワイ
ヤであつて、シールドガスがAr/CO2=8/2の
ときの消耗電極の送給速度と溶接電流のパルス
周波数との標準的な関係を示したのが第2図で
あり、臨界電流値および1個のパルスあたりに
注入されるエネルギーの適正範囲を実験的に求
めたものが以下に示す表1である。また適正エ
ネルギー範囲に対応したワイヤ径1.2mmφの場
合の平均的なパルス幅の値は3msである。溶
滴のスプレー化のためには、溶接電流は以上の
ようなパルス条件を満たす形状に設定しなけれ
ばならない。
【表】
ワイヤは軟鋼、シールドガスはAr/CO2(8/
2) (2) 次に、抵抗発熱を利用したフイラーワイヤの
加熱について説明する。 フイラーワイヤ26をアーク20内へ送り込
む場合、フイラーワイヤ26が母材60へ突込
みもまた離れたりせず、丁度溶融状態となつて
母材60と接触短絡するように、フイラーワイ
ヤ26内に電流を供給する。ワイヤ径が1.2mm
φ、ワイヤの加熱距離が70mmのときの、このワ
イヤ加熱電流とフイラーワイヤの送給速度との
対応関係は第3図に示すとおりである。 (3) アークに働く電磁力の影響について説明す
る。 アーク20の近傍のフイラーワイヤ26内に
電流が流れると、そのワイヤ加熱電流によつて
アーク20に力が働く。この力はアーク20を
意図しない方向に偏向させることがあるととも
に、溶接電流が小さくなつてアークの指向性が
弱まると、アークがふかれてアーク切れが生
じ、このため一般には施工上好ましくないとさ
れている。通常、溶接電流をIとすれば、1/2
I以上の電流がアークの近傍に流れると、上記
のようなアークと電流間の相互作用が大きくな
る。また、溶接電流をパルス状にしたとき、パ
ルスの休止期間には、アーク維持のためのベー
ス電流を約50A程度流すが、この程度の電流の
アークではその指向性が弱く、電流とアークと
の相互作用が起こりやすい。従つて、パルスの
休止期間ではワイヤ加熱電流を流さないように
するのが好ましい。 以上、(1)(2)(3)の3つの条件を満足させることが
必要であり、このために、溶接電流I、ワイヤ加
熱電流IWの波形は、第4図に示すように設定す
る。即ち、Iは上記(1)で示した適正パルスエネル
ギーをもつパルス波形とし、IWの値は常にIの値
の1/2以下即ちIWのピーク値IWPもIのピーク値IP
の1/2以下になるように設定するとともに、溶接
電流のパルス休止期間では必ずワイヤ加熱電流は
零となるようにする。第4図にはIWのパルス周波
数とIのパルス周波数とは等しく描いているが、
IWのパルス発生個数は、Iのパルス発生個数から
適宜間引いたものであつてもよい。 次に、この装置の動作について説明する。 第1図において、まず、第1のモータ14によ
つて第1の駆動ローラ12を回転させ、消耗電極
10を母材60の方向へ送給し、同時に電源24
からリアクトル38、スイツチング素子34、チ
ツプ16を通して消耗電極10に電流を供給し、
消耗電極10と母材60との間にアーク20を発
生させる。これとともに、第2のモータ30によ
つて第2の駆動ローラ28を回転させ、フイラー
ワイヤ26を常に母材60と接触させるように供
給し、同時にリアクトル40、スイツチング素子
36を通してフイラーワイヤ26に電流を流し、
ジユール熱によつて加熱してやれば、アーク熱に
よつて溶融した消耗電極10およびジユール熱に
よつて溶融したフイラーワイヤ26がともにビー
ト62を形成しながら母材60が溶接させる。な
お、フイラーワイヤ26はアーク20の前方ある
いは後方のどちらに入れてもよい。 周波数設定器46は、アーク20を適当なパル
スアークとするため、消耗電極10の送給速度に
対応して、溶接電流のパルス周波数を第2図で示
した特性となるようにスイツチング素子34,3
6のオン・オフ回数を設定する。ここで、スイツ
チング素子36のオン・オフを行なうのは、ワイ
ヤ加熱電流も溶接電流の一部となつているからで
ある。第1のパルス幅設定器48は溶接電流のパ
ルス幅を設定するためにスイツチング素子34を
オン・オフし、また第2のパルス幅設定器50は
ワイヤ加熱電流のパルス幅を設定するためにスイ
ツチング素子36をオン・オフする。第2の検出
器54はワイヤ加熱電流を検出し、この出力は第
2の比較器58において設定値I2と比較され、ワ
イヤ加熱電流のピーク値IWPがI2と等しくなるよ
うにスイツチング素子36がオン・オフされる。
また、第1の検出器52は溶接電流を検出し、そ
の出力は第1の比較器56において設定値I1と比
較され、溶接電流のピーク値IPがI1と等しくなる
ようにスイツチング素子34がオン・オフされ
る。前述のアークに対する電磁力の影響を考慮
し、I2<1/2I1となるように設定することはもち
ろんであり、以上のようにして溶接電流およびワ
イヤ加熱電流は、第4図に示すようなパルス電流
波形となるように制御される。 なお、リアクトル38,40とダイオード4
2,44は、スイツチング素子34,36のオフ
直後に電流を環流させてアークを維持させるため
のものである。 以上のように、この発明による消耗電極式アー
ク溶接装置では、フイラーワイヤを通電加熱させ
ながら溶融池へ送り込むようにしているため、母
材の同一溶融割合に対して溶着量を大幅に増加さ
せることができ、これにより溶接作業の能率が著
しく向上する。これとともに、アークがスプレー
アークとなるため、スパツタの発生を抑えること
ができ、これにより溶接性能が向上する。さら
に、ワイヤ加熱電流を溶接電流の1/2以下に抑え
ており、また必要に応じ溶接電流のパルス休止期
間でワイヤ加熱電流を零にするように構成すれ
ば、これによりアークが電磁力を受けてふかれる
という悪影響も回避することができる。
2) (2) 次に、抵抗発熱を利用したフイラーワイヤの
加熱について説明する。 フイラーワイヤ26をアーク20内へ送り込
む場合、フイラーワイヤ26が母材60へ突込
みもまた離れたりせず、丁度溶融状態となつて
母材60と接触短絡するように、フイラーワイ
ヤ26内に電流を供給する。ワイヤ径が1.2mm
φ、ワイヤの加熱距離が70mmのときの、このワ
イヤ加熱電流とフイラーワイヤの送給速度との
対応関係は第3図に示すとおりである。 (3) アークに働く電磁力の影響について説明す
る。 アーク20の近傍のフイラーワイヤ26内に
電流が流れると、そのワイヤ加熱電流によつて
アーク20に力が働く。この力はアーク20を
意図しない方向に偏向させることがあるととも
に、溶接電流が小さくなつてアークの指向性が
弱まると、アークがふかれてアーク切れが生
じ、このため一般には施工上好ましくないとさ
れている。通常、溶接電流をIとすれば、1/2
I以上の電流がアークの近傍に流れると、上記
のようなアークと電流間の相互作用が大きくな
る。また、溶接電流をパルス状にしたとき、パ
ルスの休止期間には、アーク維持のためのベー
ス電流を約50A程度流すが、この程度の電流の
アークではその指向性が弱く、電流とアークと
の相互作用が起こりやすい。従つて、パルスの
休止期間ではワイヤ加熱電流を流さないように
するのが好ましい。 以上、(1)(2)(3)の3つの条件を満足させることが
必要であり、このために、溶接電流I、ワイヤ加
熱電流IWの波形は、第4図に示すように設定す
る。即ち、Iは上記(1)で示した適正パルスエネル
ギーをもつパルス波形とし、IWの値は常にIの値
の1/2以下即ちIWのピーク値IWPもIのピーク値IP
の1/2以下になるように設定するとともに、溶接
電流のパルス休止期間では必ずワイヤ加熱電流は
零となるようにする。第4図にはIWのパルス周波
数とIのパルス周波数とは等しく描いているが、
IWのパルス発生個数は、Iのパルス発生個数から
適宜間引いたものであつてもよい。 次に、この装置の動作について説明する。 第1図において、まず、第1のモータ14によ
つて第1の駆動ローラ12を回転させ、消耗電極
10を母材60の方向へ送給し、同時に電源24
からリアクトル38、スイツチング素子34、チ
ツプ16を通して消耗電極10に電流を供給し、
消耗電極10と母材60との間にアーク20を発
生させる。これとともに、第2のモータ30によ
つて第2の駆動ローラ28を回転させ、フイラー
ワイヤ26を常に母材60と接触させるように供
給し、同時にリアクトル40、スイツチング素子
36を通してフイラーワイヤ26に電流を流し、
ジユール熱によつて加熱してやれば、アーク熱に
よつて溶融した消耗電極10およびジユール熱に
よつて溶融したフイラーワイヤ26がともにビー
ト62を形成しながら母材60が溶接させる。な
お、フイラーワイヤ26はアーク20の前方ある
いは後方のどちらに入れてもよい。 周波数設定器46は、アーク20を適当なパル
スアークとするため、消耗電極10の送給速度に
対応して、溶接電流のパルス周波数を第2図で示
した特性となるようにスイツチング素子34,3
6のオン・オフ回数を設定する。ここで、スイツ
チング素子36のオン・オフを行なうのは、ワイ
ヤ加熱電流も溶接電流の一部となつているからで
ある。第1のパルス幅設定器48は溶接電流のパ
ルス幅を設定するためにスイツチング素子34を
オン・オフし、また第2のパルス幅設定器50は
ワイヤ加熱電流のパルス幅を設定するためにスイ
ツチング素子36をオン・オフする。第2の検出
器54はワイヤ加熱電流を検出し、この出力は第
2の比較器58において設定値I2と比較され、ワ
イヤ加熱電流のピーク値IWPがI2と等しくなるよ
うにスイツチング素子36がオン・オフされる。
また、第1の検出器52は溶接電流を検出し、そ
の出力は第1の比較器56において設定値I1と比
較され、溶接電流のピーク値IPがI1と等しくなる
ようにスイツチング素子34がオン・オフされ
る。前述のアークに対する電磁力の影響を考慮
し、I2<1/2I1となるように設定することはもち
ろんであり、以上のようにして溶接電流およびワ
イヤ加熱電流は、第4図に示すようなパルス電流
波形となるように制御される。 なお、リアクトル38,40とダイオード4
2,44は、スイツチング素子34,36のオフ
直後に電流を環流させてアークを維持させるため
のものである。 以上のように、この発明による消耗電極式アー
ク溶接装置では、フイラーワイヤを通電加熱させ
ながら溶融池へ送り込むようにしているため、母
材の同一溶融割合に対して溶着量を大幅に増加さ
せることができ、これにより溶接作業の能率が著
しく向上する。これとともに、アークがスプレー
アークとなるため、スパツタの発生を抑えること
ができ、これにより溶接性能が向上する。さら
に、ワイヤ加熱電流を溶接電流の1/2以下に抑え
ており、また必要に応じ溶接電流のパルス休止期
間でワイヤ加熱電流を零にするように構成すれ
ば、これによりアークが電磁力を受けてふかれる
という悪影響も回避することができる。
第1図はこの発明の一実施例による消耗電極式
アーク溶接装置の構成を示す図、第2図は消耗電
極の送給速度とパルス周波数との関係を示す図、
第3図はフイラーワイヤの送給速度とワイヤ加熱
電流との関係を示す図、第4図は溶接電流、ワイ
ヤ加熱電流のそれぞれの電流波形を示す図であ
る。 図中、同一または相当する部分には同一符号を
付し、10は消耗電極、12は第1の駆動ロー
ラ、14は第1のモータ、16はチツプ、20は
アーク、24は電源、26はフイラーワイヤ、2
8は第2の駆動ローラ、30は第2のモータ、3
2は給電装置、34,36はスイツチング素子、
38,40はリアクトル、42,44はダイオー
ド、46は周波数設定器、48は第1のパルス幅
設定器、50は第2のパルス幅設定器、52は第
1の検出器、54は第2の検出器、56は第1の
比較器、58は第2の比較器、60は被溶接材
(母材)、62はビードである。
アーク溶接装置の構成を示す図、第2図は消耗電
極の送給速度とパルス周波数との関係を示す図、
第3図はフイラーワイヤの送給速度とワイヤ加熱
電流との関係を示す図、第4図は溶接電流、ワイ
ヤ加熱電流のそれぞれの電流波形を示す図であ
る。 図中、同一または相当する部分には同一符号を
付し、10は消耗電極、12は第1の駆動ロー
ラ、14は第1のモータ、16はチツプ、20は
アーク、24は電源、26はフイラーワイヤ、2
8は第2の駆動ローラ、30は第2のモータ、3
2は給電装置、34,36はスイツチング素子、
38,40はリアクトル、42,44はダイオー
ド、46は周波数設定器、48は第1のパルス幅
設定器、50は第2のパルス幅設定器、52は第
1の検出器、54は第2の検出器、56は第1の
比較器、58は第2の比較器、60は被溶接材
(母材)、62はビードである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 消耗電極と母材との間にアークを発生させて
溶接を行なう消耗電極式アーク溶接装置におい
て、溶接電流波形をパルス化して上記消耗電極か
らの溶滴移行形態をスプレー状とし、かつ上記母
材の溶融部に接触するように上記アーク中に別途
フイラーワイヤを通電加熱させながら送給する手
段と、さらにそのワイヤ加熱用の電流の電流値を
上記溶接電流値の1/2以下に設定する手段とを有
することを特徴とする消耗電極式アーク溶接装
置。 2 特許請求の範囲1の装置において、上記溶接
電流のパルス休止期間では、上記ワイヤ加熱電流
が零となるようにしたことを特徴とする消耗電極
式アーク溶接装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12390582A JPS5916680A (ja) | 1982-07-16 | 1982-07-16 | 消耗電極式ア−ク溶接装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12390582A JPS5916680A (ja) | 1982-07-16 | 1982-07-16 | 消耗電極式ア−ク溶接装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5916680A JPS5916680A (ja) | 1984-01-27 |
JPH0337469B2 true JPH0337469B2 (ja) | 1991-06-05 |
Family
ID=14872238
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12390582A Granted JPS5916680A (ja) | 1982-07-16 | 1982-07-16 | 消耗電極式ア−ク溶接装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5916680A (ja) |
Families Citing this family (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US6627839B1 (en) * | 2000-02-14 | 2003-09-30 | Stephen Luckowski | Dual-torch gas metal arc pulse welding for overlay applications |
US20030062355A1 (en) * | 2000-08-31 | 2003-04-03 | Yuichi Ikegami | Consumable electrode arc welding method and welder |
JP5400696B2 (ja) * | 2010-04-26 | 2014-01-29 | 株式会社神戸製鋼所 | 消耗電極式ガスシールドアーク溶接方法および消耗電極式ガスシールドアーク溶接システム |
JP5706709B2 (ja) * | 2011-02-16 | 2015-04-22 | 株式会社ダイヘン | 2ワイヤ溶接制御方法 |
US9808886B2 (en) | 2014-01-24 | 2017-11-07 | Lincoln Global, Inc. | Method and system for additive manufacturing using high energy source and hot-wire |
US10464168B2 (en) * | 2014-01-24 | 2019-11-05 | Lincoln Global, Inc. | Method and system for additive manufacturing using high energy source and hot-wire |
US10046419B2 (en) | 2014-01-24 | 2018-08-14 | Lincoln Global, Inc. | Method and system for additive manufacturing using high energy source and hot-wire |
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US9839978B2 (en) | 2014-01-24 | 2017-12-12 | Lincoln Global, Inc. | Method and system for additive manufacturing using high energy source and hot-wire |
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JP6750953B2 (ja) * | 2015-03-23 | 2020-09-02 | リンカーン グローバル, インコーポレイテッドLincoln Global, Inc. | 高エネルギー源とホットワイヤを用いた付加製造のための方法とシステム |
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JPS54159359A (en) * | 1978-06-07 | 1979-12-17 | Hitachi Ltd | Mig arc welding method |
JPS55122681A (en) * | 1979-03-14 | 1980-09-20 | Hitachi Ltd | Welding method |
-
1982
- 1982-07-16 JP JP12390582A patent/JPS5916680A/ja active Granted
Patent Citations (3)
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JPS55122681A (en) * | 1979-03-14 | 1980-09-20 | Hitachi Ltd | Welding method |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5916680A (ja) | 1984-01-27 |
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