JPH0337143Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、オートリバース機能を備えたモータ
ーの回転によつてヘツドの位置制御を行なうテー
プレコーダの切換え機構に関するものである。

＜従来の技術＞ オートリバース機能を備えたテープレコーダに
おいて、モーターの回転力によつて磁気ヘツド位
置制御を行なう一般的な機構の一例として、スタ
ートボタンの押動による変位を利用し、欠歯部を
もつカムギアのギア部を、モーターにより回転す
る駆動ギアに係合させ、そのカムギアの回転に伴
なうカムに従動したカム従動レバーの動作によつ
て、磁気ヘツドを取付けたシヤーシを所定の位置
まで押し進めるものがある。

また、オートリバース機能の反転機構の一例と
して、２箇所に欠歯部をもつ欠歯ギアと、テープ
走行の正方向、逆方向の切換えを司どる回転可能
なリバース動作レバーと係合する係合ピンを有す
る反転用のギアを、モーターにより回転する反転
ギア駆動用のギアに係合させ、反転ギアの回転に
より、リバース動作レバーを左右に移動させ、テ
ープ走行の正方向、逆方向の切換えを行なうもの
がある。

これら２つの機能を持つテープレコーダのメカ
ニズムにおいて、夫々、機能を働かせる為には、
多大の回転力を必要とするが、モーターが発生し
得る回転力には限界がある為、これら２つの動作
が重なつた場合、例えば、スタートボタンの押動
と同時にリバース動作が行なわれるような場合、
磁気ヘツドを取付けたシヤーシの移動と、テープ
走行の正方向、逆方向の切換をひとつのモーター
で同時に行なうことになり、過負荷となつてモー
ターの回転が止まる事がある。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 本考案は、以上、従来機構の欠点に鑑み、ヘツ
ド位置制御と、テープ反転走行の同時作動を阻止
することを目的とする。

＜問題点を解決する為の手段＞ 本考案のテープレコーダの切換え機構は、同一
のモーターにより作動されるヘツド位置制御と、
テープ走行反転とが同時に行なわれることを阻止
する阻止レバーを設けて成る。

＜実施例＞ 第１図は、本考案の実施例の停止状態を示す図
であり、これを用いて本考案の構成を説明する。

第１図において、１は、モーターで固定ビス１
ｂにてメインシヤーシ（図示しない）上に固着さ
れ、モータープーリー１ａが定着されている。テ
ープを走行する左右１対のフライホイール２，２
は、前記メインシヤーシに取付けられた軸受に軸
２ａが回転自在に挿入され、伝達ベルト２ｂによ
り、軸３ａを中心に回転する中間プーリー３を介
してモーター１の回転力が伝達され、互いに反対
向きに回転する。パドルホイール駆動ギア２ｃ
は、図中左フライホイール２と一体に回転してい
る。欠歯部４ｂを持つたパドルホイールカムギア
４は前記メインシヤーシに枢着した軸４ａを中心
に回転自在に取付けられ、パドルホイール駆動ギ
ア２ｃと噛み合うようになり、停止状態ではパド
ルホイールカムギア４の軸受部外周の突起４ｃに
接したパドルホイール駆動スプリング５により常
に矢印5′の方向に付勢されている。図示しないシ
ヤーシ上のスタートボタンに連動可能に定着した
レバー６は、図中、上下動可能で、停止時はパド
ルホイールカムギア４の表面に設けた突起４ｄと
係脱可能に係合している。パドルホイールカムギ
ア４は、その裏面にカム面４ｅを一体に形成して
パドルホイール従動レバー７の先端が該カム面に
接しており、該パドルホイール従動レバー７の他
方端部は、磁気ヘツドを取り付けたシヤーシ８と
係合し、パドルホイール従動レバー７及びシヤー
シ８は、夫々に縦設した案内孔と機枠上のガイド
ピン７ａ，７ｂとで上下動可能に設けられ、前記
スタートボタンの押動により、レバー６が２点鎖
線６ａまで後退変位して突起４ｄとの係合がはず
れ、パドルホイール駆動スプリング５によつてパ
ドルホイールカムギア４のギアがパドルホイール
駆動ギア２ｃと係合し、矢印4′方向に回転し、パ
ドルホイール従動レバー７が矢印7′方向に引き上
げられ、シヤーシＢを押し上げ、ヘツド位置制御
を行なう。８ｂは復帰スプリングである。

駆動ギアプーリー９は、メインシヤーシに枢支
した軸９ｂを同軸中心に伝達ベルト９ｃにより、
モーター１の回転力が伝達され、矢印9′方向に回
転し、軸外周にギア部９ａを有する。１０は、メ
インシヤーシに枢支した軸１０ａを中心に回転自
在に取付けられた反転用のギアで、欠歯部１０ｂ
及び１０ｃを対称位置に有し、停止及びテープ走
行が正方向の時、欠歯部１０ｃ、逆方向の時１０
ｂでそれぞれ駆動ギアプーリー９のギア部９ａと
噛み合わないようになつている。

また、反転用ギア１０は、図示しないロツク部
を有し、テープの反転走行の必要時、このロツク
が外れ、矢印10′方向に回転し、反転動作を行な
うようになつている。リバース動作レバー１１
は、メインシヤーシ上に枢支された軸１１ａを中
心に回転可能な屈曲面形状でその長辺先端部が、
反転用ギア１０の表面に固着した係合ピン１０ｄ
に係脱する係合部１１ｂであり、他端係合部１１
ｃは、図示しないテープの反転走行を直接司どる
リバース切換えレバーに固着された係合ピン１２
に係支する。

従つて、反転用ギア１０が、欠歯部１０ｃから
欠歯部１０ｂまで矢印10′方向に回転したとき、
図示しないリバース切換えレバーは、リバース動
作レバー１１を介して、右から左へ回転移行し、
テープ走行の正方向から逆方向の切換えが行なわ
れる。

１３は、本考案の最も要旨とする構成である阻
止レバーで、メインシヤーシに枢支した軸１３ａ
に回転自在に偏心定着されている。阻止レバー１
３の上・下端には、パドルホイールカムギア４の
表面に一体に形成された阻止カム面４ｆと接する
ピン１３ｂと、反転用ギアの表面に一体に成形さ
れた阻止凹部１０ｅと係脱する突起１３ｃを夫々
有し、上端寄りに設けたスプリング１３ｄによつ
て下端部は矢印13′方向に常に付勢されている。

＜作用＞ 以下、本考案の要旨とするヘツド位置制御とテ
ープ走行反転動作の相互切換え動作について説明
する。

第２図は、パドルホイールカムギア４を先に起
動した場合を示し、スタートボタン押動によりモ
ーター１が回転し、変位したレバー６との係合が
外れたパドルホイールカムギア４は、パドルホイ
ール駆動ギア２ｃと噛み合い、矢印4′方向に回転
する。阻止レバー１３はスプリング１３ｄにより
矢印13′方向に付勢されているから、軸１３ａを
中心にパドルホイールカムギア４の阻止カム面４
ｆにそつて、図中２点鎖線位置からの位置ま
で押動すると同時に他方の反転用ギア１０におい
て、阻止部１０e₁に阻止レバー１３の突起部１３
ｃが嵌入、係支する。

従つて、テープの反転走行が必要なとき、反転
用ギア１０のロツクを外しても、パドルホイール
カムギア４の阻止カム面４ｆが阻止レバー先端の
ピン１３ｂに沿つて回転中、阻止カムの大径部
に、ピン１３ｂがある時は、突起１３ｃにより阻
止され、反転用ギア１０は駆動ギアプーリー９の
ギア部９ａと噛み合わない為回転しない。ヘツド
位置制御が完了した時点で、パドルホイールカム
ギア４は、阻止レバー１３に固着したピン１３ｂ
が阻止カム面４ｆ上の１点４f₁の位置に接するま
で回転するから、阻止レバー１３は、再びの位
置まで復帰し、突起１３ｃによつて阻止されてい
た反転用ギア１０と駆動ギアプーリー９のギア部
９ａとが噛み合い、テープ走行の反転動作が行な
われる。

第３図は、反転用ギア１０の図示しないロツク
が外された後、パドルホイールカムギア４を起動
した場合を示し、この時、阻止レバー１３の先端
の突起１３ｃは、反転用ギア１０の阻止凹部１０
e₁に嵌入せず、スプリング１３ｄにより阻止部表
面１０e₃に接するし、阻止レバー１３は、第２図
の実線位置まで押動されない。従つて、パドル
ホイールカムギア４は阻止レバー１３の他端ピン
１３ｂが阻止カム面４ｆ上の１点４f₂に係支して
回転が阻止され、パドルホイール駆動ギア２ｃと
噛み合わない。テープ走行の反転が完了すると、
阻止レバー１３の突起１３ｃは、スプリング１３
ｄにより矢印13′方向に付勢されているから、阻
止部１０e₂に入り込み、阻止レバー１３は、第２
図の位置まで移動する為、パドルホイールカム
ギア４の阻止が外れて、パドルホイール駆動ギア
２ｃと噛み合いヘツド位置制御の動作を行なう。

＜考案の効果＞ 以上のように、本考案の阻止レバー１３は、軸
１３ａを回転中心として両端がシーソー状に押動
し、一方が動作中は、他方は阻止レバー１３の一
端により動作が確実に阻止される為、２つのギア
１０，４が同時に動作することは決してなく、従
つて２つの同時動作によるモーターに対する過負
荷のおそれがなくなり、モーターの選定及びモー
ターの発生トルクの限度に対する余裕を保持出
来、コストの低減及び信頼性の向上に非常に有効
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のテープレコーダの切換え機
構を示す停止状態の平面図、第２図及び第３図
は、同上要部作動状態の平面図。 １……モーター、２……左右フライホイール、
４……パドルホイールカムギア、６……レバー、
７……パドルホイール従動レバー、８……シヤー
シ、１０……反転用ギア、１１……リバース動作
レバー、１３……阻止レバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. モーターの回転駆動力によつて磁気ヘツドを取
   付けたシヤーシを、カムを介して、所定の位置ま
   で押し進めるヘツド位置制御機構と、該カムとは
   別異のカムによつてテープを反転走行するオート
   リバース機能とを併有するテープレコーダにおい
   て、前記ヘツド位置制御用のカムと、前記テープ
   走行反転用のカムとに各先端が交互に係支して該
   両カムの同時回転を阻止する阻止レバーをメイン
   シヤーシに回動可能に軸着して、１本のレバーに
   て、ヘツド位置制御とテープ反転走行を交互に切
   換えるようにしたことを特徴とするテープレコー
   ダの切換え機構。