JPH0337091Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動販売機とか自動料金精算機等の
釣銭払出し部に用いて好適なコイン搬送装置に関
する。

〔従来の技術〕

一般に使用されている自動販売機とか自動料金
精算機では、料金の投入口（支払口）を機体の上
側部に設け、釣銭の払出し口（受取口）は機体の
下側部に設けているが、例えば、無人管理式駐車
場で用いる自動料金精算機の様に、ドライバーが
自動車の座席に座つたまま料金の精算を行なう場
合は、料金投入口と同様に釣銭の払出し口も機体
の上側部に設ける必要がある。

そこで従来は、第４図の如く釣銭払出し機Ｔよ
り払出された釣銭Ｃ（以下コインと云う）を、シ
ユータＳからエンドレスに形成した駆動搬送ベル
トＢ１の面に送り込み、このコインＣを駆動搬送
ベルトＢ１と押接連動ベルトＢ２の間で挟んで上
方に搬送するベルト挟持式搬送機（本出願人によ
る実願昭57−130502号を参照）とか、第５図の如
く払出し機ＴよりシユータＳを通して搬送ベルト
Ｂの背面に送り込まれたコインＣを、このベルト
Ｂに取付けたプロフイルＰに乗せて上方に搬送す
るエレベータ式ベルト搬送機を用いて、コインを
上部の払出し口、即ち、受皿Ｍに送り出してい
た。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、上述した従来のベルト式搬送機は、コ
インＣが送り込まれるシユータＳ（搬入口）に対
して、受皿Ｍ（払出し口）が反対に向いて設けら
れているから、搬送機の表裏両面にシユータＳと
受皿Ｍを設ける必要があり、従つて、搬送機の全
体が受皿Ｍが逆に向いている分だけ大型化して、
各種機器への組込みを煩雑化するとか、壁面を背
にして設置する必要があつたり、メンテナンスス
ペースが無い等の理由から、構造上受皿Ｍを逆向
きに出来ない販売機とか精算機には使用できない
と云つた問題があつた。

更に、コインＣはベルト搬送力の慣性を受けて
勢い良く反対側の受皿Ｍに向けて送り出されるた
め、コインＣが受皿Ｍから飛び出したり、或は、
送り出される途中でハネ飛んでケースを傷めると
か、ハネ飛んだ結果、ケースとベルトの隙間等に
喰い込んで受皿Ｍに送り出せなくなつてしまうと
云つた問題もあつた。

従つて本考案の技術的課題は、コインの搬入口
と払出し口を同じ向きに形成することによつて、
搬送機全体を可及的に小型化して、販売機とか精
算機等への組込みを簡便に、且つ、デツドスペー
スを少く合理的に行なうことができると共に、送
り出しに当つてコインのハネ飛びを防止して、受
皿への払出しをスムーズに行なえる様に工夫した
コイン搬送装置を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

上記の技術的課題を解決するために本考案で講
じた手段は以下の如くである。

コイン払出し機より払出されたコインを、シユ
ータを通して搬入口からエンドレスに形成したコ
イン搬送ベルトとガイド板の間隔に送り込み、こ
の送り込まれたコインを上記搬送ベルトの背面に
設けたプロフイルに乗せて上記の間隔内を上部の
コイン払出し口に向けて搬送する様に構成したコ
イン搬送装置に於いて、 (1) 上記のコイン払出し口を搬入口と同じ向きに
開口すること。

(2) 上記間隔の上端部分には、自重によつて先端
側を常時プロフイルに乗つて搬送されて来るコ
インの通路上に突出して、このコインを上記の
払出し口に向けて落下させることができ、ま
た、上記コインから自重以上の負荷を受ける
と、上記プロフイルの搬送方向に開動してコイ
ンを上記間隔に連設した返却ダクト側へ送り込
んで上記シユータへ返却できるように構成した
落し板を回動自在に軸支すること。

〔作用〕

上記の手段は以下の如く作用する。

上記(1)の要素は、コインの搬入口と払出し口
を搬送機の一側に同じ向きに設けたため、払出
し口を搬入口に対して逆向きに形成していた従
来の搬送機に比較して、背面側を平面的に構成
して搬送機全体の小型化を可能にし、以つて、
販売機とか精算機と云つた各種機器への組込み
を容易に行うことができると共に、壁面を背に
して設置したり、背面側にメンテナンススペー
スが無い各種機器への使用を可能にする。

上記(2)の要素は、プロフイルに乗つて搬送さ
れて来たコインを、搬送方向にのみ回動可能に
構成した落し板が、コインの搬送スピードにブ
レーキを与えた状態で緩やかに払出し口へ落す
ため、払出されたコインが勢い良く受皿から飛
び出す問題を解決すると共に、搬送ベルト等に
挟つたりしてこの落し板によつて落されないコ
インを、落し板の開動によつて返却ダクト側に
送り出し、再びシユータに送り戻して再搬送さ
せることを可能とする。

以上の如くであるから、上記の手段によつて上
述した技術的課題を解決して、前記従来の技術の
問題点を解消することができる。

〔実施例〕

以下に、上述した実施例に係るコイン搬送装置
の好適な実施例を添付した図面と共に詳細に説明
する。

第１図と第２図は本考案の全体構成を示した側
断面図と正断面図であつて、装置の全体は第１図
の如く少し傾斜させた状態で販売機とか精算機等
の機体（図示せず）内部に縦型に取付けられる。
符号１で全体的に示した搬送機の上下内側部には
プーリ２，３が取付けられていて、これ等両プー
リ２，３の間にはエンドレスに形成した搬送ベル
ト４が掛渡されている。５はベルト駆動モータ
で、バネ継手６等を介してモータ５の駆動力が伝
達される上記の下部プーリ３が駆動プーリに成つ
ていて、その下部プーリ３が回転すると搬送ベル
ト４の全体を第１図に於いて反時計回転方向に搬
送回転する仕組に成つている。

６…は上記搬送ベルト４の背面（搬送面）に間
隔的に取付けたプロフイルで、第２図並びに第３
図の如く水線に対して若干傾斜して取付けたこれ
等各プロフイル６の中央部には、後述する落し装
置の突片が挿通される切欠溝６ａが形成されてい
る。７は搬送ベルト４の往路背面と、前記ガイド
板１ａの間に構成された搬送用の間隔で、下部プ
ーリ３に近い下側部の間隔が搬入口７ａに成つて
おり、上部プーリ２に近い上側部の間隔には、上
記搬入口７ａと同じ方向に払出し口７ｂが開口さ
れていて、釣銭用払出し機８より第１並びに第２
のシユータ９，１０を通して搬入口７ａに送り込
まれたコインＣは、搬送作動する搬送ベルト４の
プロフイル６に乗つて間隔７内を上方に向つて搬
送され、上記払出し機８の側に開口した払出し口
７ｂより釣銭用の受皿１１に送り出される仕組に
成つている。また、第２図に於いて１２は搬入口
７ａに送込まれたコインｃの落下を防止するスト
ツパーを示す。

次に、１３は上記間隔７の手前側、即ち、第２
シユータ１０が差込まれた側（第２図に於いて間
隔７の右側）に連設したコインＣ用の逃げ室で、
この逃げ室１３は搬入口７ａから払出し口７ｂに
至る迄の間、間隔７の全長に亘つて連設されてい
る。また、この逃げ室１３の室幅は、搬送すべき
コインＣの内の最大径のコインの直径と同じか、
或は、それよりも少し広目に形成されている。

また、第１図乃至第３図に於いて１４は落し装
置を構成する落し板であつて、上部プーリ２の上
カバー１ｂ間にコインＣの搬送方向に対してのみ
押圧回動可能に軸支１５したこの落し板１４は、
ストツパー１６に支持されてその突片１４ａを常
時搬送ベルト４の背面側、即ち、コインＣの搬送
通路上に向けて突出しており、プロフイル６に乗
つて搬送されて来るコインＣを、自動によつて後
部返却室１８側に通過させることなく、そのまま
払出し口７ｂ側に落すことができる仕組に成つて
いる。

また、１７はプロフイル６とか搬送ベルト４等
に挟まつたりして落し板１４によつては落され
ず、逆に落し板１４を搬送方向に強制的に押し開
いて返却室１８側に送込まれたコインＣのハネ飛
びを押え、このコインＣを返却ダクト１９側にガ
イドするガイド板で、この様に返却ダクト１９内
に落し込まれたコインＣは、ダクト先端１９ａを
通つて返却口２０より逃げ室１３に返却され、再
びプロフイル６による搬送を受ける様に構成され
ている。

本考案に係るコイン搬送装置は以上述べた如き
構成であるから、払出し機８から第１、第２のシ
ユータ９，１０を通して搬入口７ａに送り込まれ
たコインＣは、搬送作動する搬送ベルト４の各プ
ロフイル６…に乗つて順次間隔７内を上方に搬送
され、落し板１４に当つて第１図の矢印Ｘの様に
払出し口７ｂより受皿１１に向けて落される。

落し板１４によるコインＣの落下は、移送され
て来るプロフイル６の切欠溝６ａに落し板１４の
突片１４ａを挿通させた状態で行なうため、プロ
フイル６に乗つているコインＣは全てこの突片１
４ａに当つて払出し口７ｂに向けて落下され、返
却室１８側に落し板１４を押し開いて通過するコ
インＣの数を殆ど無くすことができる。また、こ
の落し板１４に当つて落下されるコインＣは、そ
の落下スピードがコインＣの搬送方向に回動可能
な落し板１４のクツシヨン効果、即ち、コインＣ
が当つた時に搬送方向に少し回動された後、押戻
す押圧作用に緩衝されて遅くなり、受皿１１への
払出しを少ない衝激で行なうことを可能にする。

〔効果〕

以上述べた如く、本考案に係るコイン搬送装置
によれば、払出し機よりシユータを通して送り込
むコインの搬入口と、プロフイルに乗つて搬送さ
れて来るコインの払出し口の双方を、搬送機の一
側に同じ向きに形成したから、払出し口を逆向き
に形成した従来の搬送機に比較して全体を小型化
することが可能と成り、販売機とか精算機等への
組込みが簡便に成るとか、コイン払出し機と払出
し口を同り側に設けた機種への使用が可能に成る
と云つた効果を発揮する。また、プロフイルに乗
つて搬送されたコインは、落し板に当つてそのス
ピードが緩衝された状態で払出し口側へ落される
から、払出されたコインが勢い良く受皿から飛び
出てしまうこともなく、更に、コインがハネ飛ん
でケース体を痛めたり、ベルト等の間隙に喰い込
んで払出しが行なえなく成ると云つた問題も発生
せず、加えて、搬送ベルトに挟つたりして落し板
が払出し口に落せないコインに付いては、落し板
が押圧開動されて返却ダクト側へ送り出し、速や
かにシユータに送り戻して再搬送させることがで
きるから、釣銭の払出しを正確に、且つ、迅速に
行なうことができるものであつて、構成が簡単で
実施が容易である点と相俟つて、各種自動販売機
とか、無人管理駐車場で用いる自動料金精算機の
釣銭支払機に使用して洵に好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るコイン搬送装置の一例を
示した側断面図で、第２図はその一部省略正断面
図、第３図は同じく要部の拡大断面図、第４図と
第５図は従来装置の説明図である。 １は搬送機、１ａはガイド板、２，３はプー
リ、４は搬送ベルト、６はプロフイル、６ａは切
欠溝、７は間隔、７ａは搬入口、７ｂは払出し
口、８は払出し機、９，１０はシユータ、１４は
落し板、１４ａは突片、１９は返却ダクト、Ｃは
コイン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) コイン払出し機より払出されたコインを、シ
   ユータを通して搬入口からエンドレスに形成し
   たコイン搬送ベルトとガイド板の間隔に送り込
   み、この送り込まれたコインを上記搬送ベルト
   の背面に設けたプロフイルに乗せて上記の間隔
   内を上部のコイン払出し口に向けて搬送する様
   に構成したコイン搬送装置に於いて、上記のコ
   イン払出し口を搬入口と同じ向きに開口し、ま
   た、上記間隔の上端部分には、自重によつて先
   端側を常時プロフイルに乗つて搬送されて来る
   コインの通路上に突出して、このコインを上記
   の払出し口に向けて落下させることができ、ま
   た、上記コインから自重以上の負荷を受ける
   と、上記プロフイルの搬送方向に開動してコイ
   ンを上記間隔に連設した返却ダクト側へ送り込
   んで上記シユータへ返却できるように構成した
   落し板を回動自在に軸支したことを特徴とする
   コイン搬送装置。 (2) 前記プロフイルの中央部には、前記落し板の
   突片が挿通される切欠溝が形成されていること
   を特徴とする前記実用新案登録請求の範囲第１
   項記載のコイン搬送装置。