JPH0336Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案はコンバイン用結束装置の排藁排出部か
ら結束装置の集束部に亘る部位に排藁が堆積した
排藁が機体を回行させたり、作業中に機体が横揺
れしても横移動、特に株元側へ移動するのを防止
するコンバイン用結束装置の株元規制装置に関す
る。

(ロ) 従来技術 一般にコンバインの排藁排出部から排出された
排藁をその後部に設けた結束装置の集束部に掻き
込んで集束すると共に結束する場合、掻込経路及
び集束部に滞留乃至堆積している排藁は作業中に
機体が横揺れすると慣性により稈身方向に移動
し、一行程の刈取が終つて機体を回行させる時、
遠芯力により移動するので、従来は集束部の株元
側に、集束部に向けて円弧状に弯曲した規制板の
前部を回動自在に軸支すると共に穂先へ向けて回
動付勢していた。

しかし、この方式は、規制板の位置を最も集束
部に近付けて短稈に適合するように設定すると、
長い排藁は規制板を株元側へ押し出すので後部寄
りのものがそれより前位のものより側方へ突出し
て株元部が斜めに規制され不揃いになる欠点があ
つた。

このような欠点を改善すべく第６図に示すよう
に規制板を斜め横方向の平行なリンクで支持する
と共に弾機で穂側へ回動付勢することが実開昭55
−93239号公報により提案された。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 前記規制板を横方向の平行なリンクで支持した
ものは排藁が短稈であると前方へ移動して案内板
の後端に設けた株受板の前部にある排藁の株元端
部を受止めることができなくなり、また長稈であ
ると後方へ移動して排藁搬送チエンから排出され
た排藁の株元部を規制することができない等の欠
点があつた。

(ニ) 問題を解決するための手段 本考案は簡単な構成でありながら集束された排
藁の株元部を稈長の如何に拘らず整然と良く揃つ
た状態に保持することができるコンバイン用結束
装置の株元規制装置を提供せんとするものであつ
て、脱穀装置の排稈排出側に結束装置を装着し、
排藁排出部の下部から結束装置の集束部に亘つて
案内板を設けたコンバインにおいて、前記案内板
の株元側に前後方向の平行リンクの一端を回動自
在に枢支し、他端は横方向の部材で回動自在に連
結し、一方のリンクの他端に排藁排出部の直後か
ら集束部の後端近傍に亘る前後方向の規制板を前
記横方向の部材と一体的に軸支し、前記平行リン
クに規制板を穂側へ回動付勢するスプリングを付
設したことを特徴とするものである。

(ホ) 作用 コンバインの排藁排出部から排出されて集束部
に移行する排藁及び結束装置の集束部に集束され
た排藁の株元部は規制板により稈身方向から押圧
されて良く揃つた状態を維持し、排藁が長稈であ
る場合、標準位置より外側方へ前後方向姿勢を保
持しながら平行移動して株元部を規制し、短稈で
ある場合は集束部側へ平行移動して株元部を規制
し、その際、排藁の長短による規制板の前後方向
の位置変化量は極めて僅かである。

(ヘ) 実施例 本考案の一実施例を図面について説明すると、
第１図において、１はコンバインの脱穀装置の後
部に装着したカツターであつて、その後部には結
束装置２を装着してあり、該結束装置２は従来の
ものと同様、集束部３、ニードル、パツカー４、
結節部５、放出アーム５ａ及びドア等で構成され
ており、その更に後部には回転ドラムに出没する
タインを装着してある回転放出体６が設けてあ
り、前記結束装置２の前部には脱穀装置１の排稈
口の後部から斜め後方へ延出させた排藁搬送チエ
ン７の後端を臨ませ、その後端下部から結束装置
２の集束部に亘つて案内板８が設けてある。

また、前記排藁搬送チエン７の後端とパツカー
４との間には左右一対の掻込輪９，９を回転軸１
０で軸支し、横枠を構成する上方のパイプ１１の
基部を固定した弾性案内杆１２及び案内板１３は
側面視で前記回転軸１０を上方から下方へと迂回
して案内板８を近接しながら後方へ延出してい
る。

そして、前記集束部３の株元側には前部が前記
排藁搬送チエン７の後端と側面視で対向していて
外側方へ向けて屈曲し、後端が藁受板１４の直前
部と対応する位置まで伸びる前後方向（集束され
る排藁の稈身方向と直交する方向）の規制板１５
を設けてあり、該規制板１５の後部に立設した支
持軸１６を支持する装置は、第２〜５図に示すご
とく上方のパイプ１１に熔接されていて横方向の
長孔を有するブラケツト１７に支持腕１８の基部
を横移動調節可能にボルト１９ａと蝶ねじ１９ｂ
で装着し、その先端部及びそれから外側方へ突出
した腕２０は排藁搬送チエン７の後端の直後と対
応する部位に延出していて、前後方向の平行な等
長のリンク２１，２２の前端を回動自在に支持
し、該リンク２１，２２の後端を横方向の連結板
２３及び支持軸１６の上端のピン２４並びにピン
２５で回動自在に連結して構成し、前記支持軸１
８の上部のピン２４は第５図ｂに示す如く回動し
ないように前記連結板２３に嵌合している。

また、外側のリンク２２の後部を板体２２ａで
形成し、前記ピン２５は第２図ａに示すように前
後方向の長孔２６に遊嵌している。

而して、前記集束部３寄りのリンク２１の後部
に立設した受板２７と外側の上記ピン２５とに引
張スプリング２８が張設してあるので、無負荷状
態ではピン２５が長孔２６の前端に当説してお
り、規制板１５は第２図ａに鎖線で示すように押
し戻され得るように穂側へ付勢されている。

また、前記リンク２１，２２は前端を所定の位
置に枢支されていてピン２５が引張スプリング２
８によりリンク２１と一体な受板２７に向けて引
き寄せられているので、第２図ａに鎖線Ａで示す
ように菱形になりながら集束部３側へ移動し、リ
ンク２１の前端に突設したストツパー２９は腕２
０に当接してリンク２１の横移動を制限する。

前述の結束装置２において、排藁搬送チエン７
の終端から排出された排藁は案内板８の前部の下
降傾斜した部分に落下して弾性案内杆１２及び案
内板１３に案内されながら掻込輪９，９によりパ
ツカー４の掻込軌跡内に掻み込まれ、パツカー４
はそれを集束部３に掻込んで集束し、集束量が一
定量になつたことをドアが感知して一回転クラツ
チが入ると、ニードル及び結節部５が作動して結
節し、放出アーム５ａが節抜きしながら後方へ放
出し、束放出体６は藁束を斜め後方の既刈地に放
出する。

前述の排藁を集束部３に掻込んで集束したり、
結束したりしている間及び一行程の刈取が終つて
機体を回行させる時等の作業中、前記規制板１５
は、排藁の株元部が案内板８に前部から後部に亘
る間、株元端部に当接して、機体が傾動した時又
は機体回行時に遠芯力を受けて株元側へ移動する
のを阻止しており、短稈に対しては第２図ａに実
線で示す排藁の稈身方向と直交する方向になつて
いる標準位置と鎖線Ａで示す短稈相当位置との間
で株元端部位置を規制しており、長稈に対しては
株元部に押されて実線で示す位置より外側方へ移
動した位置で規制している。

また、排藁搬送チエン７から排出されて外側方
へ突出した排藁の株元部は規制板１５の前部の屈
曲部に受け止められる。その時規制板１５は第２
図ａに実線で示す位置と鎖線Ｂで示す位置との間
の範囲内（前記長孔２６の範囲）で外側方へ傾動
してから引張スプリング２８の張力により穂側へ
回動して排藁を穂側に押し込んで株元端部を揃
え、結局前記引張スプリング２８はリンク２１，
２２を穂側へ傾動させる作用と規制板１５をリン
ク２１，２２に対して穂側へ回動付勢する作用と
を兼用している。

更に、第１図及び第３図に示す如く案内板８の
後部寄りに前後方向にして突設した株元ガイド３
０は規制板１５が短稈に対応して穂側へ移動した
時、放出アーム５ａに衝突するのを防止すること
をも兼ねている。

(ト) 考案の効果 本考案は前述のように脱穀装置の排稈排出側に
結束装置２を装着し、排藁排出部の下部から結束
装置の集束部３に亘つて案内板８を設けたコンバ
インにおいて、前記案内板８の株元側に前後方向
の平行リンク２１，２２の一端を回動自在に枢支
し、他端は横方向の部材で回動自在に連結し、一
方のリンクの他端に排藁排出部の直後から集束部
３の後端近傍に亘る前後方向の規制板１５を前記
横方向の部材と一体的に軸支し、前記平行リンク
２１，２２に規制板１５を穂側へ回動付勢するス
プリングを付設したので、規制板１５はスプリン
グ２８に抗しながら排藁の稈長に順応して横移動
して結束装置２に向かう排藁及び集束されている
排藁が横移動するのを確実に防止することができ
る。

しかも、規制板１５は排藁の稈長に応じて穂先
側又は株元側へ移動した時、リンク２１，２２は
前後方向になつているので、前後の移動量を極め
て小さくすることができ、規制板１５が前後動し
て短稈時、従来のもののように集束部３の後端に
ある排藁の規制ができなくなつたり、長稈時に前
部にある排稈の規制ができなくなつたりすること
がなく、排藁の株元側位置規制を稈長の如何に拘
らず確実に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図はコンバインの後部に装着した結束装置の
平面図、第２図ａは要部の平面図、ｂはリンク２
２の後部と連結板の結合部の平面図、第３図ａは
要部の側面図、ｂは規制板の株元ガイドの背面
図、第４図はリンクの前部支持部の一部を破断し
た側面図、第５図ａは引張スプリング張設部の断
面図、ｂは連結板とピン２４の平面図、第６図は
従来例の平面図である。 ２……結束装置、３……集束部、４……パツカ
ー、７……排藁搬送チエン、８……案内板、１５
……規制板、２１，２２……リンク、２３……連
結板、２４，２５……ピン、２８……引張スプリ
ング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱穀装置の排稈排出側に結束装置２を装着し、
   排藁排出部の下部から結束装置２の集束部３に亘
   つて案内板８を設けたコンバインにおいて、前記
   案内板８の株元側に前後方向の平行リンク２１，
   ２２の一端を回動自在に枢支し、他端は横方向の
   部材で回動自在に連結し、一方のリンクの他端に
   排藁排出部の直後から集束部３の後端近傍に亘る
   前後方向の規制板１５を前記横方向の部材と一体
   的に軸支し、前記平行リンク２１，２２に規制板
   １５を穂側へ回動付勢するスプリングを付設した
   ことを特徴とするコンバイン用結束装置の株元規
   制装置。