JPH0142442Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来、コンバイン用排藁結束機の根揃装置とし
て、脱穀装置の排藁放出部に掻込経路を隔て結束
機を臨設し、該結束機の集束部及び掻込経路の側
部にわたると共に稈身方向に往復動する根揃板を
設けることは既に知られているが、この根揃板は
集束されている稈の根元を叩くので、結束紐が叩
かれた藁稈と共に移動し、結束機が結節ミスをす
ると共に折角根揃えされた藁稈が後続の藁稈の移
動にともずれして根揃いが悪るかつた。

本考案は結束機の集束部に到達するまでの掻込
経路で充分な根揃えを行うことができると共に根
揃えされた集束部に掻込まれた藁稈に対してはそ
の根揃え状態を確実に維持しながら可動根揃板の
作動による移動を阻止し、以つて結束紐の移動と
結節ミスを防止すると共に結束状態での根揃えを
良くすることができるコンバイン用排藁結束機の
根揃装置を提供せんとするものであつて、結束装
置の掻込経路の側部に後部を中心として稈身方向
に揺動する根揃板を設け、該根揃板の下手側でか
つ集束部と対応する部位には固定の根揃板を連設
したことを特徴とするものである。

以下図面に示す実施例について説明すると、１
はコンバインの機台上に搭載した脱穀装置の後部
に装着したデスク型のカツターであつて、その上
部には搬送チエンと挾持レールとからなる排藁搬
送装置１ａの後端が臨んでおり、前記カツター１
の後部に装着した結束機２は、下部に掻込軌跡ａ
が前後に長い楕円状をなすパツカー３と、ニード
ル４とドア５を装備した伝動ケース６を有し、上
部にベベルカム７によつて回動するビル及びホル
ダーよりなる結節部８と、結節された束を節抜き
しながら後方へ放出するスイーパー９とを備えて
おり、前記ベベルカム７を取付けてある結節軸１
０は、伝動ケース６から穂側へ延出していて後述
する一回転クラツチ３７が入つた時一回転するタ
イミング軸５４に、チエンケース５３を以つて伝
動連結されている。

また、結束機２の入力軸によつて常時駆動され
る六角軸１１には、前記排藁搬送装置１ａの終端
の両側に臨む左右一対の掻込体１２，１２が装着
してあり、該掻込体１２は六角軸１１に装着した
腕杆１３の両端に基部を回動自在に連結したタイ
ン１４，１４と、六角軸１１の支承部に取付けら
れていて一定の姿勢を保つているカム１５とから
なり、前記タイン１４，１４はスプリングにより
カム１５に圧接されているのでその先端は前部か
ら下方にわたつて突出すると共に後部及び上部で
没入した掻込軌跡ｂを描きパツカー３の掻込軌跡
ａの前部と一部ラツプしている。

更に側面視で前方が開いたＵ字状をなす株元側
の支持部材１６と穂側の支持板１７は前記六角軸
１１の両端を回転自在に支承すると共に角筒枠１
８で連結してあり、該角筒枠１８の株元寄りには
枠体１９ａの後部に板１９ｂを熔接してなる支持
枠１９を受金２０とナツト２１及び締付ボルト２
２とにより横移動調節可能に締着し、上記支持枠
１９の前端に固定した受筒２３は六角軸１１に回
転は伝えるが横移動可能に嵌装してある回転体２
４の小径部に回転自在に遊嵌し、後方の下向折曲
部に固定した軸受筒２５は上端に大径部を有する
縦軸２６を回転自在に支持しており、この縦軸２
６の下部には根揃板２７の後部を固定し、上端の
大径部に突設したアーム２８はボールジヨイント
２９を介してロツド３０に連結し、前記回転体２
４の大径偏心部にベアリング３１を介して嵌装し
た連結金３２の後部に前記ロツド３０の前部を遊
嵌して螺着すると共にそれらの間に圧縮バネ３３
を介装してあり、六角軸１１が回転すると、根揃
板２７は掻込体１２の掻込軌跡ｂからパツカー３
の後端部を除く殆んど全部にわたる掻込経路と対
応する部位で第５図に示すように後部の縦軸２６
を中心として稈身方向に揺動して掻き込まれる排
藁の株元部を叩きながら順次根揃えを行う。

そして、前記縦軸２６を保持している軸受筒２
５に後方へ向うブラケツト３５ａを熔接し、該ブ
ラケツト３５ａには結節ガイド３４と略平行な固
定根揃板３５の前端が螺着してあるので前記根揃
板２７で根揃えした藁稈は固定根揃板３５と対向
する集束部３６にパツカー３により押し込まれる
と根揃板２７の揺動作用を受けず、穂側へともず
れ移動することがなく、根元が良く揃つた状態で
かつ結束紐の移動をともなわずに集束される。

このようにして所定量の排藁が集束部３６に集
束されたことをドア５が感知すると、前記伝動ケ
ース６内の一回転クラツチ３７が入つてニードル
４及び結節部８が作動して結節され、スイーパー
９が節抜きしながら束放出を行う。

その際、穂側は穂払杆３８及び結節軸１０を内
装している筒枠４０から垂下した抵抗杆４１に受
け止められるのに対して株元側の結束紐を巻き掛
けられた部位がスイーパー９によつて放出される
ので束は穂側を中心として旋回して既刈地側へ向
けて放出される。

次に束放出装置の１例を第６〜９図について説
明すると、４２は前記スイーパー９と同様な束放
出体であつて、基部の一端が駆動軸４３に突設し
たアーム４４の先端にピン４５で回動自在に枢支
され、他端は駆動軸４３の保持筒４６に突設した
腕４７の先端に揺動アーム４８で連結されている
ので駆動軸４３が回転するとアーム４４も回転
し、揺動アーム４８は腕４７の先端のピンを中心
として揺動することとなり、束放出体４２の先端
は第６図に示す軌跡で放出作動する。

また、駆動軸４３は傘歯車４９を介して遅延機
構５０を介装した軸５１に連動させ、この軸５１
に取付けたスプロケツト５２は一回転クラツチ３
７が入ると回転するタイミング軸５４のスプロケ
ツト５５にチエン５６により連動連結してあり、
前記遅延機構５０は第９図に示すようにスイーパ
ー９が戻り（放出側の待期位置から掻込側へ移行
する行程）作動してから、放出作動に入つた略直
後駆動軸４３を起動して360度回転させる。

即ち、束放出体４２はスイーパー９が放出作動
している間及び束が放出されてから束放出体４２
に到達するまでの間に戻り作動してカバー５８の
溝から突出し、放出された束を、直ちに受け継い
で後続の藁から一挙に引き離しながら斜め後方の
既刈地に向けて急速に放出する。

その際、スイーパー９から放出された束は、基
武が結節ガイドに熔接されているガイド杆５７に
案内されてカバー５８上に移行し、また、束放出
体４２の放出作動中前記ガイド杆５７の先端部は
第６図に示すように束放出体４２の作動軌跡の上
部に一部ラツプしているので一定方向に放出する
ことができる。

本考案は前述のように結束装置の掻込経路の側
部に後部を中心として稈身方向に揺動する根揃板
を設け、該根揃板の下手側でかつ集束部と対応す
る部位には固定の根揃板を連設したので、結束機
の集束部に掻込まれる排藁は、後部を中心として
強制的に揺動する根揃板により順次根揃えされ、
それが集束部に入ると、前記根揃板の揺動作用を
受けることなく固定根揃板に案内されることとな
り、従来のように集束部において先に掻込まれた
稈が後から根揃作用を受けながら掻込まれる稈に
ともずれされて穂側へ移動して不揃になつたり集
束稈に掛けた結束紐が移動して結束ミスを起すこ
とがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図はコンバインの排藁排出部に取付けたカツ
ター及び結束機の側面図、第２図は結束機の背面
図、第３図は同上平面図、第４図は要部の側面
図、第５図は一部断面を示す同上平面図、第６図
は束放出装置の側面図、第７図は同上平面図、第
８図は伝動系統図、第９図は束放出体の作用図で
ある。 ２……結束機、２７……根揃板、３５……固定
根揃板、３６……集束部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 結束装置の掻込経路の側部に後部を中心として
   稈身方向に揺動する根揃板を設け、該根揃板の下
   手側でかつ集束部と対応する部位には固定の根揃
   板を連設したことを特徴とするコンバイン用排藁
   結束機の根揃装置。